※この作品はR-18です。

じじのじゃ! 18+   作:九十九一

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※ このお話は、なろう・カクヨム・ハーメルンにて投稿されている、本編の『日常38』まで読むことを推奨いたします。
 そして、今回は前回よりも倍近く長いです。クッソ下手だし、色々とおかしいですが、そこは生温かい目で見守っていただければ幸いです。下手なので!

 あと、一日早いけど、メリークリスマス!


Hー2 2度目。エスカレートするプレイ

「あー……の、のう、おぬしら。聞いても、いいかの……?」

 

 学園にて、儂はましろんから告白された。

 ……いや、正確に言えば、瑞姫が乗り込んできた際、あやつが色々ととんでもないことを言った結果、であると言える。

 まあ、儂の失言もあるんじゃが……。

 

 それはともかくとして、その際、儂は結局ましろんと結婚する羽目になり、儂の失言で襲われそうになったことを察した儂は、瞬時に逃走を図ろうとし……そして、生徒会室の前にいた美穂とアリアの両名によって捕獲。

 

 そのまま、儂は自宅へと連行され、服を着た状態でベッド(なぜか自分が知るベッドよりでかい)に寝かされておった。

 そして、儂の周りには四人の旦那が。

 故に、この状況がどういった物か、理解するために(もうすでに察してはおるが)尋ねようとする。

 

「いいわよ?」

「う、うむ。では……これ、どういう状況なんじゃ!?」

 

 そして、許可が下りたので、儂は心の底から今の状況について叫ぶように尋ねた。

 

「んーと、まひろ君をベッドに押さえつけてる、かな?」

 

 儂の質問に答えたのは、アリア。

 アリアの言う通り、儂は今、四人にベッドに押さえつけられるようにしておった。

 動こうと思っても、四肢を押さえつけられているため、全く動けん。

 くっ、これが体格差+数の暴力……!

 

「それ、おかしくね!? 儂なんで押さえつけられとんの!? 儂、さっきまで学園にいて、軽く運動したからちょいと汗かいとるんじゃが!? シャワーを浴びさせてほしいんじゃが!」

 

 と、儂はひたすらこの場から逃げる口実を叫ぶ。

 いやまあ、今のは割と本心でもあるんじゃが。

 何せ、生徒会室でましろんとの鬼ごっこもどきをした際に、かなり動いたからのう。

 おかげで、汗だくなんじゃ。

 ……正直、ブラウスが汗に張り付いて気持ち悪い。

 

「でも、離したら逃げますよね?」

「に、逃げんぞ?」

「……まひろん、目が泳いでる」

「そ、そんなことはないっ……」

「まあ、あんたの考えはお見通しだから、離さないけどね」

 

 にこっ、と魅力的な笑みを浮かべながら、バッサリと切り捨てられた。

 

「ちくしょーめっ!」

 

 くそぅ、シャワーを口実に逃げることもできんとは……。

 じゃが、そんなことはどうでもよく、今のこの状況はかなりまずい。

 

 少なくとも儂、確実にこやつらに食される。

 死ぬ。マジで死ぬ。

 前回、二人だけでもしんどかったというのに……四人はマジで死ねる。

 

「あ、そう言えば、えと、あたしも事前にこういうことを学習してきたんだけど」

「何しとんのおぬし!?」

 

 トンデモ情報。

 純粋女子なアリア、普通にエロ知識を学んだらしい。

 ……なんじゃろう、アリアが汚れた気がするぞ……。

 

「だから、というわけじゃない……わけじゃないんだけど、ね? その……あ、あたしと真白さんだけで、したいなー、って思ってて……」

 

 なんか、頬を赤らめながらとんでもないこと言ってない? こやつ。

 個人的に、アリアはこう……純粋で、そう言った穢れを知らない者じゃと思っておったのに……自分のこと以上に、複雑な心境じゃな……。

 

「……なるほど。一理ある。どうやら、三人の初めては、三人同時だったと聞く。なら、私もスティと一緒に、三人でしたい」

 

 アリアの提案に、ましろんは納得と言った様子で乗っかて来た。

 なんか、ましろんも乗ったんじゃけど!?

 

 え、マジで言っとるのこれ!?

 ふ、二人は? 二人は一体どんな反応を……!?

 

「たしかに、公平性は欲しいわよね。私も逆の立場だったら、そう思っていたと思うし」

「そうですね。わたしもそう思います」

 

 OKした!?

 美穂はともかく、ド変態ロリコンの瑞姫がOKするとは……さすがと言えばいいのか……?

 し、しかし、なんとかこれで四人ですることはなさそうじゃな……。

 

「じゃあ、いいの?」

「えぇ、私はOK」

「わたしもOKですよ」

 

 アリアの確認の言葉に、二人は軽く笑みを浮かべて了承した。

 ……しかし、なんじゃろうか。

 あの二人、柔らかい笑顔を浮かべているが……どう見ても、黒い何かを感じる。瞳の中に、黒く淀んだ何かがあるような気がしてやまぬ……。

 

「……なら、三人でする」

「わかりました。あちらのカバンに、色々な物が入っていますので、どうぞお好きなようにお使いください」

 

 ましろんのセリフに対し、瑞姫はいつものアルカイックスマイルで、とんでもないことを言った。

 

「……ありがとう」

「ちょい待ち!」

「はい、なんですか?」

 

 先ほどのとんでもないセリフに待ったをかけると、こてんと瑞姫が小首をかしげながら聞き返す。

 うっ、相変わらず可愛いっ……!

 って、違う違う! 今は今の不穏なセリフについて尋ねねば!

 

「今、不穏な言葉聞こえたんじゃが? 色々な物が入ってるとか……」

「あ、それですか。ふふっ、この日のために、まひろちゃんを可愛がれるよう、色々な物を購入しておきました」

「そ、それは一体……」

「……ひ・み・つ♥」

 

 くそぅっ! 普通に、人差し指を口元に当て、ウインクしているのは可愛いのじゃが……それが瑞姫の何らかのたくらみだと思うと、マジで不安!

 や、やはり、逃げた方がいいのでは……?

 

「それじゃあ、私たちは一旦、部屋から出るわね」

「はい。それでは、しばらくお二人でお楽しみください」

 

 そう言い残して、二人は部屋を出て行った。

 ……しかし、やけに大人しく去って行ったな……。

 ま、まあ、四人でないのは素晴らしいな!

 

「さて、と……そ、それじゃあ、まひろ君。し、しよっか……」

 

 二人がいなくなったところで、アリアが緊張した面持ちで、儂にそう言ってくる。

 な、なんじゃろう、あの二人にはなかった、純粋な女子の初々しい前振りと言うのが、どうにも……胸に突き刺さる!

 え、やっばっ! アリアが可愛すぎる!

 

 正直、アリアならば、儂に変なことをしなさそうじゃから、安心できそう……。

 ……問題があるとすれば、

 

「……まひろん、覚悟してね?」

 

 ましろんのほうじゃなぁ……。

 アリアはともかくとして、ましろんがいるのは、危険以外の何物でもないと思うんじゃが……。

 ……それに儂、前回は散々な状況じゃったし、ここはやはり、逃げの一手を――!

 

「あ、まひろ君、今逃げようって思った?」

 

 と思ったら、ジトーっとした目と共に、アリアに指摘され、思わずドキッとする。

 

「……お、思ってないぞっ?」

「……まひろん、声が上ずってる。どう見ても、嘘」

 

 ちくしょーめ! なんでましろんは変に洞察力があるのじゃぁっ……!

 

「ぐっ、し、仕方なかろう!? さすがに、複数人相手にするのはきついのじゃ! あやつらにも言ったが、儂、ほんの一ヶ月ちょっと前まで男だったんじゃぞ!? この体、妙に性的な方面は敏感なんじゃよ!」

 

 図星を突かれた儂は、いらぬことまで言ってしまっていた。

 しかし、それに気づいた時には遅く、ましろんがニヤリとした意地の悪そうな笑みを浮かべていた。

 

「……ほほう、いいことを聞いた」

「し、しまったっ!」

 

 今のは失言じゃった……!

 ま、まずい、逃げなくては!

 

 今ならば、二人分の力しかない。

 先ほどの四人がかかりではないことを考えると……まだ、可能性はある!

 

 アリアたちには申し訳ないが、ここは逃げを――

 

「あー! また逃げようって思ってる! そんな悪いまひろ君には……こうだっ!」

「え? あ、ちょっ――んむぅっ!?」

 

 逃げを選択しようとしたら、アリアに見破られ、気が付けば口元をアリアに塞がれていた。

 ちょっ、く、苦し――。

 

「んーっ! んんっ! んーっ!」

 

 た、単純に苦しい!

 アリアはまだキスをしたことがないからじゃろう、普通に唇を重ねるだけしかしてこない。しかし、しかしじゃ。

 すんごい苦しい!

 

 いや、嬉しくもある、のじゃが……。

 じゃが、空気がないとさすがの儂もキツイ。

 そのため、儂はじたばたともがいた。

 

 ……尚、後になって鼻呼吸をすればいいと気づいたのは、突然キスされて混乱していたからじゃ。

 

「……スティ。それだと、あまりまひろんは喜ばない」

「ぷはっ……そ、そうなの?」

 

 儂がもがいていると、横にいるディープキス経験済み(二回も)のましろんが話しかけ、それによりようやく解放された。

 

「はぁっ、はぁっ……し、死ぬかと思った……!」

 

 キスで塞がれていた儂の体は、酸素を欲しがり、それは荒い呼吸となって表れた。

 あぁ、空気が美味い……。

 などと、初めてそう思えた。

 

 しかし、今二人は向き合っている状態。よ、よし、とりあえず、今のうちにそろそろーっと……。

 再び逃げようと考え、儂はそろりそろりと動く。

 そして、今だ! と自分に合図し、逃げようとしたら……。

 

「……とりあえず、お手本。まひろん、逃げちゃダメ」

 

 儂の制服の襟首を掴まれた。

 

「は、はなせぇっ! 儂は逃げるのじゃぁ!」

 

 じたばたとあがくものの、ましろんの方が力が強いため、逃げ出すことができそうにない。

 儂、非力……。

 

「……逃げるまひろんにはお仕置き。……ん」

「んむっ! ま、まし――んんっ!」

 

 襟首を掴んだ状態から、素早い身のこなしで儂に覆いかぶさると、ましろんはそのまま頬に両手を添えて、儂に本日三度目のディープキスをかましてきた。しかも、明らかに一回目と二回目よりも、はるかに上手くなっていた。

 

「ぁむ……れる……ぢゅるる……」

「んっ! んんっ! ……んはぁっ、ふぁ……ひゃ、ひゃめ――」

「……はぁ。まひろん、喋っちゃ、ダメ。……はむ……ん、ちゅる……ん、ふぅ……あむ……」

「ふぁ、ぁっ……」

 

 儂の制止よりも早く、再び儂の口を塞ぎ、儂の口内を蹂躙していく。

 舌使いが半端なく、的確に気持ちいいと思えるカ所を舌で舐(ねぶ)られる。

 にゅるりと舌を絡め、かと思えば頬の部分に舌を這わせたり、歯茎を舐めたりなど、儂の口の中をまるで犯すかのように蹂躙する。

 瑞姫とは違った方向でキスが上手く、どんどん思考が鈍っていく。

 

「ふわぁ……こ、これが、大人のキス……」

 

 辛うじて、そんなアリアのセリフが聞こえるだけで、儂は今、意識を目の前にいるロリっ子生徒会長に奪われていた。

 ちゅぱ、くちゅ……はぁ、という、ましろんの荒々しくも繊細な大人のキスで、儂の思考が大きく鈍る。

 

 時たま、交換し合っている唾液が口から零れ、儂とましろんの唾液が混ざり合った生温かいものが口端を伝い、そしてぽたりと落ちる。

 息苦しいのに、気持ちいい……。

 儂の頭の中は、ましろんから与えられる、キスの快楽で満たされていた。

 

「……んはぁっ。ふふっ、まひろん、顔、蕩けてる」

 

 時間にすると、僅か一分程度のキスだと思うが、儂にはそのキスが永遠とも取れた。

 ゆっくりと離れていくましろんの口と儂の口の間に、透明でとろりとした唾液の橋が架かっており、それがなんとも艶めかしかった。

 

 いつも無表情なましろんは、どこか楽しそうじゃった。

 まるで、意地悪なことを言うかのような、そんな声音で儂にそう言ってくる。

 

「ち、ちがぅ、ぞ……」

「……何も違わない。まひろんは、私のキスで蕩けた顔……ううん、メスの顔になってる」

「――っ!」

 

 ぺろりと舌なめずりしながら、どこか妖艶な笑みを浮かべるましろんに、儂は思わずドキッとし、それと同時に、下腹部がきゅんとなった気がした。

 

「……スティ、今ならまひろんにキスができる。する?」

「う、うん! やる! やってみたい!」

「あ、アリア、た、頼む、やめてほしぃ……」

「ふふふー、ダメです! みんなしたのに、あたしだけしないのは仲間外れみたいで嫌だもん! じゃあ……するよ?」

 

 最後の『するよ』という発言をする前は、どこかいつものテンションだったのに、最後の部分だけ、急に色気のある顔に声となった。

 

 普段とは違うアリアの様子に、儂の心臓はドキドキと高鳴る。

 そして、ゆっくりと顔が近づいていき、アリアの柔らかくもどこか弾力のある唇が儂の唇と重なった。

 

「ん……ぁふ……れる……」

「んんっ!? んむぅっ! んんん~~~っ!」

 

 さきほどの重ねるだけのキスとは違い、紛れもないディープキスをアリアは儂にしてきた。

 しかし、アリアもアリアで、まったく違うキスじゃった。

 

 今まで、儂にキスをしてきた三人は、基本的に儂の口腔内を蹂躙するかのようなキスをするが、アリアはそうではなく、ひたすらに儂の舌に自分の舌を絡ませ続けていた。

 

 舌を舐めたり、絡めたり。

 少し引っ張ったり、逆に押したり。

 そうして、ひたすらに儂の舌を巧みな舌捌きで舐ってくる。

 

 ただ舌を舐られているだけのはずなのに、頭の中がぼーっとしてしまうほどに、気持ちいい……。

 半ば無理矢理であるにもかかわらず、儂の体は快楽を敏感に感じとっていた。

 

「ぷはぁっ……あ、ふふふ。まひろ君、と~っても可愛い顔になってるよ?」

「はぁっ、はぁっ……う、うぅっ……み、見るでなぃっ……!」

 

 からかい交じりの言葉に、儂は息を整えながら、睨み返す。

 

「……まひろん。強がりはダメ。あと、私たちに逆らうのも、もっとダメ」

 

 しかし、儂の睨みなど、二人……特に、ましろんには一切通用せず、そこまで強い口調ではないのに、なぜか心から従いたくなってしまうような、そんな声音で逆らうな、そう言われて、体が強張る。

 

「ねね、真白さん。こっちにある道具、使ってみよ!」

 

 ふと、瑞姫が用意したという道具が入ったカバンを、いつの間にかアリアが近くに持ってきており、高いテンションでましろんに話しかける。

 

「……ん、たしかにいい。何がある?」

「えっとね、こんなのとか、こんなのとか! あ、これとかどうかな?」

 

 ごそごそと、カバンの中を物色する音が聞こえる。

 儂は、長いディープキスにより、若干体に力が入らなくなっているだけでなく、頭がぼーっとしていて、すぐに動くという判断ができなかった。

 

 ……しかし、カバンを漁っている時、じゃら、とか、がちゃ、みたいな金属音のような音が聞こえたのは気のせいであってほしいと思うのと同時に、前回の記憶が蘇ったのか、なぜかドキドキする。

 

「……似合いそう。使う?」

「うん! きっとまひろ君に似合うと思うんだー」

「……ん。じゃあ、使おう。スティ、手伝って」

「はーい! それじゃ、まひろ君、大人しくしてねー」

「……な、何をする気じゃっ……!」

「んっとね、可愛くするの!」

 

 にこにこと、後ろ手に何かを持ちながら、儂に近づいてくるアリア。

 何を持っているのかはわからぬが、それでもとんでもないことをされる予感がした儂は、再び逃げようと体を仰向けからうつ伏せになって、這うように逃げようとするが……。

 

「……ふふ、チャンス」

「な、なにっ……?」

 

 儂がうつ伏せになって、這うように逃げようとした時、不意にましろんから不穏なセリフが聞こえてきた。

 嫌な予感がして、儂は急ぎ逃げようとするも……

 

「……悪い娘♥ そんなまひろんには、こう」

「な、何をするぅ……!」

 

 いきなりましろんが儂にのしかかってきた。

 それだけにとどまらず、ましろんは儂の両腕を掴むと、手首にカチャカチャと何かを嵌めてくる。

 

「――っ!」

 

 それが何なのか、見えずとも儂にはすぐわかった。

 それは間違いなく、手枷である、と。

 

 手首に手枷を嵌められた瞬間、儂は前回されたことを思い出し、急速に心臓が鳴り出す。

 ドキドキ……ドキドキ……と、まるで、マラソンをしている途中のような、そんな早い鼓動。

 それと同時に、下腹部がきゅぅん……とする。

 

 ……って、ち、違うっ!

 わ、儂は、拘束されてドキドキするような、そんな変態的趣味はないっ……!

 き、きっとこれは、これは……そ、そう! 前のことを思い出して恥ずかしくなっただけっ!

 だ、断じて拘束されて悦ぶような変態などではないっ!

 

「……ん、できた。これで、まひろんは手が使えない」

「く、くぅっ……!」

 

 腕を拘束されているだけでなく、のしかかられているため全く動けず、儂は恥ずかしいと言う気持ちを抑えるための、そんな小さな声しか出なかった。

 

 しかし、このまま何も抵抗しないでいる、と言うのも嫌だった儂は、少しでも動こうともがく。

 そんな儂を見てか、不意にましろんの顔が儂の右耳にゆっくりと近付いていき……

 

「……ふふ、どう? 私に、支配される気分は……」

「――っ!」

 

 吐息交じりの囁くような、そんな言葉で、儂の体はびくんっ! と反応した。

 その上、それだけにとどまらず、

 

「……ふぅ~~~」

「――んひゃぁんっ!」

 

 いきなり、耳に生温かい吐息を吹き込まれ、背筋がゾクゾク――! とした感覚が、儂の背中を駆け巡り、一気に体の力が抜ける。もがくことすらも難しいと思えるほどに。

 

「わ、可愛い声!」

「……力も抜いたところで、次。スティ、服脱がすよ」

「あ、うん!」

 

 年上故か、ましろんが仕切り、それにアリアが従う、そのような形で儂は今日、二人に弄られるようじゃ……。

 

「……腕は使えなくしたから、一旦仰向けにして」

「うん! えっと、失礼するね~」

「うぅ……」

 

 そう言って、アリアは儂の体を軽く持ち上げ、ごろん、と仰向けに転がす。

 自分の体重で、腕に負担がかからないか、なけなしの思考力でそう考えるも、その思考はすぐにアリアの手によって消し去られた。

 

「んふふ~、まひろ君、服、脱がしてくよ~」

 

 そう宣言し、アリアは儂の制服のボタンに手をかける。

 ぷち、ぷち、ぷち……と、ゆっくりと、焦らすように服のボタンを外していく。

 これから何をされるのか、そんな不安を少しずつ煽られているようで、儂は怖くなった。

 

 ……怖くなったはず……なのに、どうしてか、違う感情がある気がする……。

 もしや儂は、期待、しておる、のか……?

 ……ち、違うっ! 違うぞ儂! しっかりするのじゃ!

 き、気をしっかり持って……。

 

「わぁぁ、まひろ君、肌綺麗~!」

「~~っ!」

 

 気が付けば、シャツのボタンが全て外されており、半脱ぎのような状態にさせられていた。

 拘束具のせいで、途中までしかシャツを脱がすことができなかったみたいなのじゃが、全部脱ぐよりも、こっちの方が遥かに恥ずかしい気がする……。

 そのためか、アリアにまじまじと見られ、そして褒められたことで儂の顔は一気に朱に染まる。

 恥ずかしい……。

 

「えっと、それでどうすればいいのかな?」

「……ブラを外して、パンツを脱がせる」

「はーい!」

「ま、まてっ、さ、さすがにそれはっ――!」

「もぅ、まひろ君文句はダメ! 文句を言う娘は……キスの刑です!」

「や、やめっ――んむぅっ!」

「ん……はぁ……あむ……ぢゅるる……んふぅ……れる、れろ……」

 

 ノリノリな様子で、アリアが儂に再びキスをしてきた。

 今度も、先ほどと同じように……否、先ほどよりも、情熱的な熱いキスをしてくる。

 

 ま、まずい、これは……あ、頭がぼーっと、して……。

 永く、そして高熱さえ感じるような、そんな熱く濃厚なキスをされ、儂の頭は既にアリアとのキス以外のことを考えられなくなっていた。

 

「はぁ……ふふ、やっと静かになったね! それじゃあ、続きだよ~」

「ぅ、ぁ……ゃ、めて……」

「――っ! 可愛い、可愛いよまひろ君! じゃあ、期待に応えて、どんどん行くね!」

 

 自分でも蕩けた顔をしているとわかるほどの顔で、か細い言葉で懇願しても、それは今のアリアには逆効果でしかなく、服を脱がす勢いが増してしまった。

 

 腕を拘束され、自分よりも大きいアリアに覆いかぶさられているため、儂は既になすがままだった……。そうして、気が付けばブラは外され、儂の桜色の突起が露わになり、スカートの下に穿いていたパンツも脱がされ、儂の大事なところが空気にさらされていた。

 まだ、春ではあるが、今は夕方の時間帯。

 部屋は閉め切られているものの、つい先ほどまでは普通に換気のため窓が開いておったので、この部屋はややひんやりとしていた。

 そんな、ひんやりとした空気が、パンツに包まれていた儂の秘所に触れ、思わず足をもじもじとさせた。

 

「ぅ、ぅぅ……はず、かしぃ……」

「――っ! ま、まひろ君に恥ずかしい感情があったなんて……! あと、すっごく可愛い! なんて言うか……可愛い!」

 

 儂のか細い声を聴いたアリアがはしゃぎだす。

「……スティ、語彙力溶けてる」

 

「だってだって、今のまひろ君を見たら、語彙力なんてなくなっちゃうよ!」

「……ん、否定しない。今のまひろん、可愛すぐる」

「だよねだよね! あと、顔がとろんとしているのもいいよねっ!」

「……気持ちはわかるけど、スティ、少し落ち着いて」

「あっ、ご、ごめんね。テンション上がっちゃってつい……」

「……ん、それは仕方のないこと。じゃあ、そろそろ本番」

「ひっ……」

 

 まるで、草食動物を狙う獣のような目で、儂を見るましろんに、思わず儂の口から小さな悲鳴が零れた。

 怯える儂を一切気にすることなく、ゆっくりと、二人が近づいてくる。

 

「じゃあ、まずはこれを着けてみよう!」

 

 そう言ってアリアが元気よく出したのは、赤い輪っかじゃった。

 よく見ると、内側にはふさふさの毛があり、鈴のようなものもついていた。

 アリアが少し動かすたびに、ちりんちりん、と音がする。

 何も知らなければ、悪くない音色、そう思えるが、今の儂には悪夢の音にしか聞こえなかった。

 

「そ、それは……」

「うん、首輪!」

「い、嫌じゃっ……それは、嫌じゃぁ……!」

 

 普段と変わらぬ声音とノリで儂に手に持った首輪を着けようと近づけてくる。

 もし、それを着けられてしまえば、何かを失い、そして二度と戻れないような気がして、儂はひたすらにもがいた。

 

 ……しかし、現実とは無情であり、儂がもがいて、もがいて……逃げようとしても、ゆっくり、そして確実に儂に首輪を持ったアリアの手が近づいてくる。

 

「はいはい、逃げないでね~。えーっと、こうかな? ……ん~……うん、着けられた! お~、可愛い!」

「う、うぅぅ~っ……」

 

 逃げられず、嫌がる儂に、アリアは遠慮なく儂の首に赤い首輪を着ける。

 そんな儂を見て、アリアはパチパチと小さく拍手する。

 ……この状況など嫌なはずなのに、儂はなぜか、ゾクゾク、と背筋に電気が走ったような感覚があった。

 ……よ、悦ぶはずなどない、はずなのに……。

 

 そして、後ろ手に拘束され、服もほとんど脱がされ、そこに追い打ちをかけるかのような首輪。

 儂はもう、今現在の自分の姿の恥ずかしさのあまり、泣きそうな顔になり、口からは悶えるような声が漏れる。

 

「……まひろんが可愛くなったところで、次はこれ」

「そ、れは……?」

 

 ましろんが手に持っていた物は、黒い布であった。

 しかし、形が普通の布にしてはおかしく、真ん中に三角形の凹みのようなものがあった。

 

「……目隠し」

「目隠し……? な、なぜ……?」

 

 目隠しと聞かされ、儂はなぜそれを取り出されたのかわからず、小さく呟いた。

 儂の問いかけに、ましろんは小さな笑みを浮かべて話す。

 

「……人は、視界を奪われた場合の方が、感覚が敏感になる。だから、まひろんの視界を奪って、いじめるの」

「や、やめてくれっ……た、ただでさえ、儂は敏感なのじゃ……そ、そんなことをされたらっ……」

 

 前回の美穂と瑞姫のコンビによって、散々体を弄ばれて、儂の体はこういった場面で酷く敏感であることを理解していた。

 故に、視界を奪われたら、余計に敏感になってしまう……。

 そうなれば、儂はさらに、戻れない深みに嵌ってしまう……そう思った時には、儂の口からは懇願の言葉が零れていた。

 先ほどよりも泣きそうになる。

 普通であれば、こんなことをされたら相手も罪悪感を覚えるじゃろう。

 しかし……この二人は違った。

 儂の懇願を聞いた瞬間、恍惚とした表情を浮かべたのじゃ。

 

「……まひろんのその懇願……最っ高……♥」

「あ、あたし、Sって自覚はなかったけど……今のまひろ君の姿を見てると、胸が高鳴るの! まひろ君って、こんなに可愛かったんだね……!」

 

 と、赤い顔で話す二人に、儂は拘束された状態で、ずり……ずり……と逃げようと動く。

 しかし、この状態ではなかなか移動できず、あっさりと儂をいじめようとする旦那二人に捕まった。

 そうして、体をゆすることでしか動けない儂の上に、ましろんが覆いかぶさり、儂の耳元に口を近づける。

 

「……今から、まひろんのこと、たっくさん……可愛がってあげる……」

「んんぅっ!」

 

 吐息交じりの、囁くような、それでいて甘く、Sっ気を感じさせる声音で囁かれ、儂はぴくんっ、と体が反応し喘ぎ声に似た声が漏れた。

 

「おー、可愛い声! ぞくぞくしてきたよ!」

「ぅぅ……」

「……まひろん、本当に耳が弱い。……じゃあ、早速目隠し」

「い、嫌じゃぁっ……」

 

 ふるふると首を横に振るも、ましろんは容赦なく儂の両目に目隠しを被せた。

 それにより、儂の視界は真っ暗闇に。

 何も見えず、今周囲がどうなっているのか、この瞬間をもってしてわからなくなってしまった。

 これから何をされるのか、それがわからず、儂はじわじわと恐怖心が湧いてくる。

 

「……スティ、あれ取って」

「あ、うん!」

 

 ましろんがアリアに何かを取るよう指示すると、アリアは元気よく返事し、ごそごそとおそらくカバンの中から何かを取っておるのじゃろう。

 少しすると、アリアが再び近づいてきた気配がした。

 ……聴覚が敏感になっておるせいか、チャラ……という、聞きなれぬ音が聴こえた。

 

「これ、面白い形してるよね。あたし、予習のための動画見ても、これ出てこなかった気がするよ」

「……ん、それは基本、SM系の物にしか使われないし、そもそも出番が少ない。ややニッチなアイテム。……でも、今のまひろんには、とても似合う」

「ん~、あたしはあまりピンと来ないなぁ。どうなるかな?」

「……これの使用法は、ほんの少し先。見てて」

 

 視界を奪われた今の儂には、耳と肌、匂いでしか、周囲の状況を感じ取ることができなかった。

 その内の一つ、聴覚では、二人の謎の会話を聞き取っていた。

 

 一体、何をするつもり――。

 そう、疑問に思った時じゃった。

 

 ふにっ。

 

「んっ……ふぁ……」

 

 不意に、小さく、それでいてややひんやりとした手のようなものが、儂の胸を包み込んだ。

 その手は、ゆっくりと、それでいて大胆に儂の胸を揉み始める。

 

「んぁっ、あ、ふぅ、んっ……なに、を……ぁんっ」

「……まひろんの桜色の蕾を大きくしてる。まだ、勃ってないから」

「どう、いう……あっ、んんっ……」

 

 ましろんは揉むだけではなく、手のひらで儂の胸をこねくり回してきた。

 二人のキスで火照った体に、ましろんのひんやりとした手は気持ちよく、その掌で儂の胸と乳首を弄られ、ピリピリとした快感と、甘い快楽が儂の胸からじんわりと体に流れてくる。

 

 くりくり、もにゅ……くにくに、と。

 

「んぁっ……ま、しろん…ぁっ…そ、れっ……ふゃ……辛いぃ……」

「……当たり前。まだまだ最初」

「そんっ、なぁ……」

 

 ゆっくりと、そして、じんわりと、焦らすような胸への刺激に、儂は自分でも驚くほどの切ない声を漏らした。

 ピリピリとした快感と甘い快楽は、目隠しをされている儂にとって、辛い刺激じゃった。

 視界が奪われている分、肌は敏感であり、それは快楽に対しても敏感だったからでもある。

 目隠しさえなければ、今ほどではなく、問題なく耐えられる……しかし、目隠しをされてしまったことに加えて、おそらく今の儂の状況も、快楽を感じる原因となっていた。

 ……認めたくないが、儂は手枷と首輪によって、前回以上の快楽を感じていたのじゃ。

 

 辛い……ただひたすらに、辛い。

 こんなに、甘くて、小さな刺激ばかりでは、儂はおかしくなってしまいそうじゃ……。

 そうして、半ば拷問に近いことをされるておると、不意にましろんの手が離れた。

 

「まし、ろん……?」

「……ん、交代。スティもやりたそうにしてる」

「あ、いいの?」

「……もちろん。でも、スティがするのは違う。胸を揉むことじゃない」

「そ、れは、はぁ……どうい、う……んっ……?」

 

 言っている意味が分からず、儂はやや荒い呼吸と共に、問いかけていた。

 

「あ、これ使うのかな?」

「……そう。そろそろいい感じ。まひろんの蕾は、ぷっくりと、勃っているから」

「あ、挟みやすくするためだったんだ! うん、任せて!」

「な、何をする気じゃ……? こ、怖い、のじゃぁ……」

 

 何をされるのかわからない恐怖心で、儂の体がぷるぷると震える。

 ……しかし、恐怖心の中に、ほんの僅かだけ、まるで期待をするかのような、そんな感情が入り混じっていたことに、この時の儂は気づかなかった。

 

「それじゃあ、まひろ君……行くよ?」

「はぅっ――!」

 

 ぞくぞくっ!

 いきなりアリアに耳元で吐息交じりに囁かれ、背筋が震えると共に、思わず喘ぎ声が漏れる。

 耳に何かをされるのでは? そう儂は考えたが……それは、この直後、胸に走る感覚により否定された。

 

「よいしょっ」

 

 ぎゅっ!

 

「んっ、あっ……ひぁあぁぁぁぁぁあぁぁぁぁああぁぁぁぁぁっっ!」

 

 アリアの掛け声が耳に届いた瞬間、儂は思わず絶叫じみた声を上げていた。

 

「あぁぁっ、うっ、くぅっ……い、た、いぃぃっ……!」

 

 突然、両方の乳首に強烈な痛みが発生した。

 以前、美穂と瑞姫に摘ままれたり、デコピンされた時とは比べ物にならないくらいの強烈な痛み。

 何か、力強いもので挟まれたような、そんな痛みが。

 あまりの痛みに、儂は苦悶の声を漏らし、体を小刻みに震わせた。

 

 されど、二ヵ所に感じる痛みは全く薄れず、むしろ体を動かせば動かすほど、大きくなるようにさえ思えた。

 鈍く、そして、鋭いような痛みは、儂の正常に考えようとする頭を、正常じゃなくする。

 

 それ故に、ちりんちりん、という鈴の音に交じって、チャラチャラ、という音が鳴っていたことに気付かなかった。

 

「おー、な、なんだろう……すっごく、エッチ……!」

「……ん、想像以上。目隠し状態だけど、とても似合っているし、何より可愛い……」

「な、にを……んくぅっ……したの……ふぅっ……じゃぁぁ……あっ、い、いたいっ、よぉ~っ……」

「っ! ま、まひろ君の話し方がちょっと崩れてるよ! 真白さん!」

「……ん! すごく、背徳感っ……!」

 

 などなど、二人がよくわからぬことを言っていたが、今の儂にそれを考え、理解する思考能力はほとんどなかった。

 しかし、何かとんでもないことをされた、それだけは理解できた。

 

「……ちなみに、今のまひろんはとてもエッチな姿」

「ど、うい、う……?」

 

 どこか楽しそうな声音のましろんに、儂は痛みで途切れ途切れになっている声で問いかける。

 

「……シャツをはだけさせられ、腕を後ろ手に拘束され、スカートは着けているものの、その下は何もない。首元には可愛らしい赤い赤い鈴付きの首輪。そして、首輪の金具部に鎖を通し、その先にはニップルクリップが着けられた、まひろんの可愛い桜色の乳首がある」

「なんっ、でっ……うぅっ、そ、んな……んっ、ことを……!」

 

 具体的な説明をされ、儂は今の自分を想像し、なぜか体に痺れるような、ビリッとした電気のような刺激が流れた気がした。

 

「……まひろんはMだと聞いた。それなら、こういうのも悦ぶと思った」

「うんうん、あたしも聞いたよー。ちょっとだけ半信半疑だったけど、今のまひろ君を見てると納得かな!」

「わ、儂、はっ……んんんっ……M、では、ないぃぃっ……!」

 

 あの二人がいらんことを吹き込んだのか、儂は二人にもMだと思われてしまっていたようじゃった。

 今の自分の姿が恥ずかしくて、二人に言われたことが恥ずかしくて、儂は苦悶に喘ぎながらも否定の言葉を口にする。

 

「んふふー、それはどうかな~?」

「なん、じゃと……?」

 

 しかし、儂の言葉に対して、アリアがどこかいたずらっぽく、それでいてにやけていそうな声音で言われ、儂は荒い息交じりにそう返す。

 その返しは、言葉ではなく体への感覚でもって答えを示されることとなった。

 

 ツ――――。

 

「ひゃぁんっ!」

 

 いきなり、儂の秘所の割れ目に沿うように、優しく指でなぞられ、甘く電流のような快感が儂の小さな体を隈なく駆け巡った。

 

「ほら、まひろ君、服を脱がされていた段階で、まひろ君の大事なところ、濡れてるんだよ? だから、ね? ちょっとあたしが触っただけで、まひろ君は敏感になっちゃってるんです!」

「……それに、まひろんは無意識で足を軽く開いていた。エッチな気持ちになっていたのは火を見るよりも明らか」

「う、うぅっ……や、やめて、くれぇ……そ、それ以上、い、言わない、でぇ……」

 

 少し言われただけで、じわりと涙を浮かべながら二人に懇願していた。

 普段の口調など、徐々に崩れつつあった。

 仲が良い者に、ここまで痴態を見られるのが、酷く恥ずかしかった……。

 

「あ、まひろ君の口調が崩れてきた。ということは、かなりエッチになってきてるってことかな?」

「……二人の話だとそう。……まひろん」

「な、んじゃぁ……」

 

 儂が聞き返すと、すっと、ましろんの顔が近づく。

 そして、またしても耳元に吐息が聞こえてくる。

 吐息が聞こえる度に、儂の体は、ぴくっ、ぴくんっ、と反応していた。

 こ、今度は一体何を……そう思った瞬間じゃった。

 

「……命令。女の子らしい口調にしろ」

「~~~~っ!」

 

 唐突に、ましろんの命令口調が耳元で囁かれ、ゾクゾクとした寒気にも似た快感に、儂は体をびくんっ! と大きく反応させた。

 な、なんじゃ、い、今のは……。

 

「……そうしないと、まひろんの体、気持ちよくしてあげない」

「そ、んなぁっ……」

 

 この二人にキスをされ、胸を弄られ、あ、あそこも触られ、その上胸にはニップルクリップまで着けられている状態。もちろん、痛みの方が強いものの、それは次第に痛みだけではなくなっていたことに、儂は気づき始めていた。そんな状態であるため、少なからず、気持ちよくなりたい、という考えが儂の頭の中を支配し始める。

 

 前回は、美穂たちによりすぐさま弄られたが、この二人はあの二人とは違い、かなり焦らしてくる。

 今しがたましろんがしたような命令も、あの時は終盤であった。

 あの時は、すでに気持ちよくなりたいという気持ちが強かったからこそ、すぐに女らしい口調になったと言える。……まあ、もともと崩れていたような気はするが。

 

 しかし、今の儂はその時とは違い、まだまだ理性がある状態。

 その状態で、親しい者の前で女らしい口調になると言うのは……とても恥ずかしいと思っていた。

 しかし、そうしなければ、儂は二人に弄られることなく、このまま生殺しにされてしまうじゃろう。

 

 ……既に、前回のことで儂は理解していた。

 儂はきっと、嫁――旦那たちにこういったことには逆らえない、と。

 そう思った瞬間、儂の頭の中で、何かが切れそうになる気がした。

 

「……まーひーろーくーん♥ 命令、聞けるかな~?」

 

 そして、いつの間にかましろんの反対側にいたアリアが、儂にそう囁く。

 まるで、幼子に接するように。

 アリアのこのセリフが、切れそうになっていた頭の中の何かがプツン――……と、切れた。

 

「……わかった、よぉ……」

 

 儂が再び口を開き、零れた言葉はいつもの爺口調な儂の言葉ではなく、ごくごく一般的なセリフであった。

 潔く命令に従った儂に対し、ましろんは、

 

「……ふふ、いい娘♥」

 

 そう囁いた。

 それにより、命令された時以上の、ゾクゾクとしたものが背中だけにとどまらず体中に駆け巡る。

 嬉しい……そう思ってしまった。

 

「……まひろんを可愛くしたところで、本番」

「うんっ! えーっと、どうしよっか?」

「……ふふ、ある程度考えてある。スティは、まひろんの頭の方へ行って」

「あ、うん、了解だよ~」

 

 何やら、ましろんが指示出しを始める。

 一体何をするのかと考えようにも、今の儂は乳首かに着けられている物のせいで、痛みと少しずつ増している快楽によって、まともな思考をすることができなくなっていた。

 

「ここでいいかな?」

「……ん、そこでいい。私は、まひろんの下の方へ行く」

 

 ごそごそ、とましろんが動く音が聞こえ、頭上からはアリアの呼吸する音や、少し身じろぎする音も聞こえる。

 痛みと快楽でぼーっとする頭で、何をするのか、そう考える儂。

 そして、その行動の真意はすぐにわかった。

 

「……スティ、まひろんをうつ伏せにして」

「うん。任せて~。まひろ君、ちょっとだけ我慢してね」

 

 ましろんの指示を受けたアリアが、儂の体に触れると、ごろんと仰向けからうつ伏せにされる。

 うつ伏せ状態では呼吸がしにくくなるため、思考は鈍ってはいたが、本能的に顔を横に向けることで呼吸をする。

 

「……まひろん、膝立ち。スティは、まひろんの頭を膝に乗せてあげて」

「いいよ~。まひろ君、膝枕だよ~」

 

 なんてことを言いながら、アリアは儂の頭を持ち上げると、そのまま自分の膝の上に乗せる。

 視界は塞がってはいるものの、その感触は去年二人でプールに行った際にしてもらった時と全く同じ感触であると、儂はすぐに理解した。

 柔らかく、それでいて張りがあるような感触。

 それから、今はうつ伏せであるため、アリアの花のような匂いもする。

 

「……まひろん、足」

 

 冷たい声音で言われ、儂はビクッ! とした後、おずおずと言われたとおりに膝立ちをする。

 腕を拘束され、二人により抵抗力を削がれた今の儂では、上半身を起こすことはできず、尻を突き上げたような体制になるが、きっとこれが正しいと思った。

 

「……まひろん、今、気持ちいい?」

 

 儂が膝立ちをした直後、唐突にましろんがそう尋ねてくる。

 いつもならば、何らかのツッコミを入れるところじゃが、今の儂にそんなことができるはずもなかった。

 

「……いた、いぃ……」

 

 ……本音の九割を告げた。

 

「……違う。私は、気持ちいいか訊いた。日本語、理解できないの? そんな娘には……お仕置き」

 

 その回答が気に食わなかったからか、ましろんはそう言うと……

 

 バチンッ!

 

 と、儂の尻を叩いた。

 視界を塞がれ、一瞬何をされたのかわからなかったが、すぐに何が起こったのか理解した。

 その瞬間。

 

「いっ、ああぁあぁぁぁぁぁぁっ!」

 

 熱を持った痛みで、苦悶の声を上げた。

 い、痛いっ……痛いっ……!

 

「ま、しろ、んっ……? なに、をっ……」

「……お仕置き。私が質問したことに、正直に言わなかったから」

「言った、ぞっ……? い、いたい、とっ……」

「……それは、気持ちいいかどうかに対する質問の答えじゃない。だから、お仕置きした」

「そ、んなぁっ……」

「……あと、今さっき女の子らしい話し方じゃなかった。もう一回」

「ぇ……い、いやっ、いやだっ……! ゃ、ゃめ――」

「……だーめ♥」

 

 Sっ気を帯び、同時に艶のある声で拒否した直後、再び、

 

 バチィンッ!

 

 叩かれた。

 

「いぁぁぁあああぁぁぁぁっ!」

 

 それは、先ほどよりも強く、鋭いものであった。

 熱を持った、ひりつくような痛みが尻に広がり、痛みでぷるぷると震える。

 その上、痛みで体が動くたびに、胸に着けられたものが揺れ、そちらにも痛みを与えてくる。

 

「あの、真白さん? さすがに、それは痛いと思うなー」

「……ん、大丈夫。まひろん、悦んでるから」

「え? でもこれ、悦んでる声じゃないと思うけど……」

「……実は一度叩いてみたら、まひろんの割れ目からとろ~っとした液体が零れて来てる」

「え、そうなの?」

「……ん、ほら」

「ふゃぁぁっ!」

 

 ツ――、とましろんのひんやりとした指先が、熱くなっていた儂の秘所の割れ目に沿ってなぞられ、儂は甘い声を漏らす。

 

 ……もうすでに、体はかなり敏感になっていたようじゃ。

 

「わ、ほんとだ……真白さんの指にいっぱい付いてる」

「……だから多分、まひろんはかなりのM。それも、痛みにも強いタイプの」

「なるほど~。それなら、大丈夫だね!」

 

 儂を挟んで、二人がそんな話をしていた。

 アリアなら、止めてくれる……そのような淡い希望を抱いておったが、それはすぐに破壊された。

 しかも、儂の体が反応した結果という、最悪の形で。

 

「……それで、まひろん……ううん。まひろは、気持ちいい?」

 

 儂の呼び方を、あだ名から呼び捨てに変え、同じ質問をされ、それに対してどう答えればいいのかわからず、儂は口をもごもごとさせていた。

 

「……まひろは、口もきけないの? それとも、もう一度お仕置きされたいの?」

「ち、ちがっ……」

 

 再び叩かれる、そう思った瞬間、儂は否定の言葉を言おうとした。

 しかし、

 

「……ふふ、そうなら素直に言えばいいのに。……じゃあ、もう一回、行くね?」

「い、いやっ……」

 

 儂の言葉を聞かず、ましろんは無情に、そしてどこか嬉しそうに、

 

 バチィィンッッ!

 

 と、再び儂の尻を叩いた。

 

「あぁぁぁっ、ぐぅぅぅぅぅぅっ……!」

 

 痛い……痛いっ……痛いっ!

 叩く度に威力が増していく。

 ただただ痛い……熱い痛みが、辛い……。

 ……だと言うのに…………なぜか、辛い気持ちとは別の物が飛来している気がする。

 そして、一回目と二回目は気づかなかった、下腹部に感じる切ないものに気付く。

 

「わわ、まひろ君、辛そう。……ん~、でも、あたしもちょっと意地悪してみたいなぁ」

「ひっ……」

 

 前後で真逆のことを言うアリアに、儂はビクッと肩を震わせる。

 

「あ、大丈夫だよ~。あたしは、痛いことはしないから」

 

 優しい声音でそう言われ、儂は少し安堵した。

 ……しかし。

 

「でも、ちょっとだけ苦しいかな?」

 

 変わらぬ声音で、苦しい、と言ってきた。

 一瞬意味が分からなかったが、それでも何かされる、そう思った瞬間儂の体は恐怖と期待で震えだす。

 

 その直後、アリアの両手が儂の頭に添えられると……ぼふ、といきなり何か柔らかく大きなもので顔を覆われた。

 温かく、それでいていい匂いのする、大きくて包み込まれるような安心感のある物に。

 

「……? んむっ……んんっ~!? んんっ! ん~~~~~っ!」

 

 わけがわからなかったものの、それが胸であると気づいた儂は、うめき声のようなものを発した。

 しかし、アリアの豊満な胸に包まれた儂は、一切声が出せず、出るのはくぐもった声のみ。

 それだけではなく、声が出せないという事は、呼吸もできないのとほぼ同義。

 それにより、儂は呼吸が一切できなくなっておった。

 息がっ、苦しいっ……!

 

「ふふふ、どうかな? あたしのおっぱいは。気持ちいいかな?」

「んんっん! んんんっ! ん~~~~っ!」

 

 無邪気な声で言われても、儂は一切答えることができなかった。

 大きな胸は、時として武器になる。

 それが今の状況。

 平時なら嬉しい行為も、今の場面ではただの拷問。

 辛い……息が苦しい……。

 儂が、息苦しくてもがいていると、

 

「……そっちばかりに集中しないで」

 

 バチィンッ!

 再び、尻に痛みと体を突き抜けるような衝撃を感じた。

 

「んむぅぅぅぅぅっ! んんっ! んっん~~~~っ!」

 

 声にならない悲鳴を上げた。

 じんわりと熱くなる尻。

 それと伴ってやってくるのは、痛みじゃ。

 

 ……しかし、なぜかはわからぬ…………今の儂には、気持ちいい、そう感じてしまった。

 苦しいのに、気持ちよく、痛いのに、気持ちいい。

 儂はどんどん、戻れなくなっている気がした。

 

「あ、そろそろ呼吸が必要だよね? はい、どうぞ~」

 

 そう言って、アリアは自身の胸から解放する。

 

「ぷはっ……はぁっ……はぁっ……けほっ、けほっ……あり、あぁ……」

 

 ようやく解放され、儂は慌てるように呼吸をする。

 新鮮な空気が儂の肺を満たす。

 

「ふふふ、まひろ君、どう? 空気は美味しい?」

「……おぃ、しぃ、けどっ……くる、し、かった……はぁっ……んっ……」

「そっか、よかったね」

「よ、く、ないぃ……」

「ふ~ん? そっかそっか。……ね、真白さん」

「……なに?」

「まひろ君、まだイキたくないって」

「……そうなの?」

「ぇ……」

 

 アリアにそう言われ、儂の口から小さな、それでいて絶望が混じったような声が零れる。

 

「…………まひろん、イきたい?」

「そ、れは……」

「……素直になれないなら、お仕置き」

「い、イきたい、です……」

 

 再びお仕置きされる、そう思ったら、儂はすぐにそう口をついていた。

 ……するりと零れたその言葉は、儂の本心を表していた。

 

「……よく言えました♥」

「……ぅぅ」

 

 悪い子供に言うように、ましろんは嬉しさが伴った声音で褒め、優しく頭を撫でる。

 なんだか、子供扱いされているような気がして、無性に恥ずかしくなった。

 それなのに、それを嬉しいと捉えている自分がいるのも事実……。

 儂はこの短い時間の中で、色々と手遅れなところまで堕とされているのかもしれない……。

 

「……それじゃあ、スティ。やろう」

「はーい。じゃあ、あたしはどうしよう? 窒息でもいいけど……」

「そ、れは、いやぁっ……」

 

 苦しいのは嫌じゃ……。

 その思いで、必死さを滲ませた声で言うと、アリアはふふっ、と笑って告げる。

 

「あはは、大丈夫。もうしないから」

「ほ、ほんと……?」

「うん、ほんとだよ~」

「よかった……」

 

 こういう時、アリアは本当のことしか言わないと知っていた儂は、ほっとした。

 しかし……。

 

「じゃあ、あたしはこっちをいじろっかな~」

「ふぇ……?」

 

 アリアの楽し気な声が耳に届き、儂が呆けた声を出した直後、突然乳首に痛みが走った。

 

「んぁぁぁっ!」

「ふふふー、やっぱりいい声だね。でも、もう慣れてきたから、痛みよりも気持ちよさが勝ってるよね?」

「ひゃぅっ……ま、まってっ、んんぅっ……そ、れっ……へんっ、にぃ、なるぅっ……!」

 

 視界を塞がれた儂に対し、アリアがしてきたのは、現在儂の両乳首に付けられたクリップの鎖部分を弄ることじゃった。

 鎖を軽く下に突いたり、引っ張ったり、かと思えば前後左右に揺らしたりと、刺激を与えてくる。

 それらは、引っ張られたり、揺らされるたびに、クリップに挟まれた乳首が引っ張られ、痛みを発生させる。

 ……じゃが、アリアが言ったように、既に痛みよりも快楽の方が勝ってしまっていた。

 最初は、鋭い痛みばかりが先行していたが、今はビリビリとした痺れるような快楽ばかりが乳首を起点とし、胸全体に広がっておった。

 

「ほれほれ~、これかな~? これがいいのかな~? ふふふ♥」

「あっ、んくっ……はぁっ、んっ……あり、あぁ~……も、もうっ、ゃめっ……んぁぁっ! お、かしく、なりゅぅ~っ……」

 

 楽しそうに笑いながらしてくる行為に、儂は痛くて、気持ちよくて、呂律が回らなくなった口で、止めるよう懇願する。

 

「あはは、まひろ君、どんどん呂律が回らなくなってきてるね! うんうん、もっと気持ちよくなってね!」

 

 しかし、アリアは儂の懇願を無視し、そのまま胸をいじめる。

 

「ひゃぁぅぅっ! そ、それ、らめぇぇっ……! いた、きも、ちくて……ふわふわ、するっ、のぉ~~っ……んぁぁんっ」

「大丈夫だよ~、まひろ君がおかしくなっても、ずっと一緒にいるからね」

「あっ、ふゃぁ……あぅ……んんっ、はぁっ……ふぅー……ひゃぁっ」

 

 アリアから与えられる快楽により、儂はもう声を抑えることができなくなっており、弄られる度に……いや、いじられていなくとも、甘い吐息が零れるようになっていた。

 痛いはずなのに、気持ちよくて、その気持ちいいのを執拗にされ続けることで、儂の頭の中はぽわぽわと、まるで浮遊しているのかのような感覚となっていた。

 視界が塞がれていることも、これに拍車をかけていた。

 

 胸だけで、すでに儂は徐々に……徐々に……絶頂へと向かっていた。

 しかし、儂がイキそうなことを察しておるのか、時折刺激を与える間隔が大きくなり、中途半端なところで止まってしまう。

 

 イキたい……イキたいのに、イけない……。

 言ってしまおうか……、そう思うも、恥ずかしくてそれが言いだせずにいた。

 

「……まひろ、こっちを忘れてる」

「ふぇ……んゃあぁぁああぁぁぁぁぁぁぁっ!?」

 

 ぬぷっ、といきなり儂の秘所に指を入れられ、儂は抑えることができない嬌声を上げた。

 い、まの、はっ……。

 

「……まひろの中、私の指をきゅって締め付けてくる。……ふふ、まひろはとってもエッチ」

「ぁん……はぁっ、はぁっ……ふゃぁぁっ……! ま、しろんっ……ぬ、ぬい、てぇっ……」

「……い~や♥ もっとするから」

 

 冷たく、それでいて色っぽい声で、そう言った直後、

 くちゅっ、くちゅっ、ぬちゅっ、……と、いやらしい水音が鳴ると同時に、儂は強い快楽を感じていた。

 

「あっあっ、んぁぁっ……ま、しろんっ、はぅぅっ……そ、それっ、あたまっ、んくぅっ……まっしろに、なるっ、はぁっ……からぁっ……あぁぁんっ! ぬ、いて、よぉっ……」

 

 ましろんの指が、儂のあ、あそこを……出したり挿れたりしてくる。

 その際、普通に出すのではなく、指を曲げて色々な場所を刺激するようにしてきて、頭がおかしくなるような快楽で、儂はましろんに抜いてほしいと懇願する。

 しかし、ましろんはそれを無視して、指で儂のあそこを弄ってくる。

 

「ふゃぁぁっ……む、むりぃっ、あぅっ……お、かしく、なっちゃう、……んんぅっ……よぉっ……あぁぁぁっ……!」

「……ふふ、まひろ、いい声♥ じゃあ、もっと気持ちよくする。スティも、本気で行って。もうそろそろイかせてあげないと、ね」

「うん。イけないのって辛いもんね! じゃあ、まひろ君。ここからは本気でするから、頑張ってね!」

「ぇ……んゃぁぁぁぁぁっ! ま、まってっ! ふ、二人とも、と、とめてぇっ……あぁぁぁぁんっ! ら、らめっ……あらま、お、おかしく……ひゃぅぅっ……なる、からぁっ……わ、わらひ、しん、じゃう、よぉっ……はぁ、はぁーっ……んんっっ……!」

 

 ぐいぐい、とクリップの鎖を引っ張られることで、強い痛みと快感が乳首に与えられ、それだけでイってしまいそうなのに、儂のあそこもましろんに弄られ、すでに絶頂へとまっしぐら。

 しかも、ましろんはいつの間にか指を一本増やしており、二本指であそこを弄っていた。

 

 ぐちゅぐちゅぬちゅぐちゅ――

 

 さっきよりも淫猥な水音が鳴り、儂はさらに羞恥心を増した。

 しかし、羞恥心を感じる以上に、イキたい……イキたい……という性への渇望が胸中を支配していた。

 さらに言えば、その羞恥心さえも、儂の性への渇望を後押しするエッセンスとなっていた。

 

「イきそう? イきそう? じゃあ、もう我慢しないでイっちゃお? あたしももっとも~っといじってあげるね♥」

「……なら、私も。この手は緩めないから、思う存分イってね♥」

 

 Sっ気たっぷりに二人が言うと、いきなり弄る手をさらに速く、そして強くし、儂の体を弄りだす。

 何とか真っ白になりそうな頭を今は抑えることができていたのに、これによって儂はもう歯止めがきかなくなっていた。

 

「あぁっ、んっ……ふ、ふたり、ともっ……とめ、とめてぇっ……! だ、だめっ、も、もうい、イっちゃうっ……イっちゃう、からぁっ……んぁぁっ!」

「いいよいいよ! 遠慮しないで、イっちゃって! イクところはちゃんと見てるから! ね! ほらほら!」

「……まひろの懇願、すごくいい……もっと、もっと声を出して? エッチになって……!」

「あっ、んっ、ふぅっ……ひゃぁぅぅっ! あっあっ、も、もうっ、だめっ……い、イっちゃう……イっちゃうぅぅぅ――……ゃっ、ぁっ、ふゃぁああぁぁぁぁああぁあぁぁぁぁぁぁぁっっっ――!」

 

 ビクビクッ、ビクンッ!

 

 と、絶頂すると同時に、儂の体は大きく痙攣し、痙攣で腰が上下に大きく動く。

 それから、強烈な快楽によって儂の頭の中は真っ白になり、奇妙な浮遊感を感じていた。

 

「――っはぁーっ、はぁーっ……イっ、ちゃったぁっ……はぁっ、はぁっ……んっ……」

 

 絶頂によって止まっていた呼吸も戻り、その間に吸えなかった空気を取り込むために、儂の呼吸は必然的に荒くなる。

 

「ぁ……」

 

 ぼふっ、と浮遊感を感じていた儂は、絶頂によって体に力が入らなくなり、横に倒れる。

 

「お疲れ様、まひろ君」

「はぁっ、はぁっ……あり……あぁ……」

「うんうん、外してほしいんだよね?」

「ぅ、ん……」

 

 儂が言いたいことを理解していたアリアは、外してほしいのかと訊いてくる。

 それに、儂は肩で息をするほど、荒い呼吸をしつつ頷く。

 

「それじゃあ、外し――」

 

 アリアが何かを言いかけた時じゃった。

 

「「はーい、追加でーす!」」

 

 バンッ! と部屋の扉が勢いよく開く音が聞こえたかと思えば、美穂と瑞姫の声が聞こえてきた。

 

 その瞬間、儂は真っ白でぼーっとする頭でありつつも、嫌な予感がしていた。

 この流れはまずい、と。

 

「あれれ? 二人とも、どうしたの?」

「いえ、まひろがイった声が聞こえてね。本当は、もうちょっと様子を見てから来ようと思ってたんだけど……」

「まひろちゃんの可愛らしい喘ぎ声を聞いていたら、居ても立っても居られなくなりまして! なので――」

「「私|(わたし)たちも参加しようかな、と思って(思いまして)!」」

「……なる。それなら、やりたいことがある」

「へぇ、どんなのかしら?」

 

 儂そっちのけで、四人が何かこそこそと話す気配がする。

 儂は相変わらず、視界を塞がれているため、何も見えず、確認できるのは声のみ。

 その上、今の儂はイった後であるため、聞き取ることができなかった。

 

「……なるほど、それは面白そうね!」

「はい! わたし、是非ともやってみたいです!」

「あたしも賛成!」

「……よかった。じゃあ、早速」

 

 そんな四人の声が聞こえ、儂は戸惑いと共にどうしようもない不安が頭の中で渦巻いていた。

 何かとんでもないことをされる、そう思ったのじゃ。

 

「……じゃあ、失礼して」

「……まし、ろん……?」

 

 不意に、優しく体を起こされ、背中に温かで柔らかなものに寄りかからされる。

 聞こえたのは、ましろんの声。

 上手く思考ができない頭でも、背中にいるのがましろんだと、声で何とか理解した。

 

「……ん。ましろんです。今度は、後ろからまひろをいじめる」

「ぇ……ぉわり、じゃ、ない……の……?」

「……まだまだ。みんなもスタンバってる」

 

 まひろんのその言葉で、儂は周囲の状況に気付く。

 両耳に、吐息交じりの呼吸が聴こえ、儂の正面に誰かがいるような気がした。

 

「それじゃあ、まひろが落ち着く前に、やっちゃうわね」

「はい。まひろちゃん、いきますよ~」

 

 両耳から聞こえてきたのは、美穂と瑞姫の声じゃった。

 右が美穂で、左が瑞姫。

 

「ふぇ…………ひゃぁぁぅぅっ!?」

 

 何をされるのか、そう薄い思考力で考えようとした瞬間、突然、熱くにゅるりとしたものが儂の両耳に侵入してきて、変な声を上げてしまった。

 

 な、なんっ、じゃ……っ?

 

「ん……れる……ぢゅるる……んぇ……はぁ、ん……」

「ぢゅる、ぢゅるる……んふぁ……ちゅ……れるれる……」

 

 ぐちゅぐちゅと。

 ちゅぱぢゅると。

 

 一体二人に何をされているのか、それを理解するのに少し時間がかかった。

 そうして、理解した。

 儂は、二人に耳を舐められ、凌辱されていたのだ、と。

 

「な、にっ……み、み、がっ……ぢゅる、って……ちゅぱってぇぇ……ひゃあぅぅぅっ……」

 

 もとより耳が弱い儂は、二人の耳舐めは効果抜群であった。

 生温かく、唾液でコーティングされた二人の舌は、儂の耳を犯すが如く蹂躙してくる。

 時折聴こえる熱い吐息や、二人の甘い声は儂の鼓膜に直接聴かせ、儂の性的欲求を誘う。

 これだけで、体がゾクゾクとした快楽が発生し、儂の体を小刻みに震わせる。

 気持ちいぃ……耳を舐められてるだけなのに、気持ちぃぃ……。

 

「んふぅ……ふふ、まひろの耳……とっても美味しいわ……んちゅ、はぁ……んふふ、ふぅ~……れる、れろ……」

「まひろちゃん、本当にお耳が弱いのですね……舐める度に、体がびくびくっ、って反応しちゃっていますよ……? ふふ、とっても可愛いです……ちゅぷ……ぢゅるる……んぁ……んれぇ……」

「あっ、んんっ……はぁぅ……しょ、しょれ……ょわぃ、のぉ~……!」

 

 二人に耳元で囁かれ、時折息を吹きかけられ、激しく耳を舐められて、儂の体はびくびくっ、と反応する。

 二人の耳舐めがあまりにも上手すぎて、そして儂がイった直後であることも相まって、呂律が上手く回っていない。

 さらに、気持ち良すぎて口は開き、涎が溢れる。

 

「……まひろ、こっちもあるから」

「まし、ろん~っ……なに、を……んんぁっ……する、の……あぅっ」

 

 後ろから拗ねたような声で話すましろんの声が聞こえ、喘ぎながらも、儂は何をするのかと尋ねる。

 

「……こうする」

「んぁぁっ!?」

 

 後ろからいきなり胸を触られ、儂は嬌声を上げる。

 それだけでなく、ましろんは儂の乳首にずっと付けられていたクリップを外す。

 ずっと痛みと快楽を感じさせられていた物が外され、乳首に久方ぶりと思えるほどの解放感を感じた。

 じんじんとした痛みは残るものの、何もない、これが嬉しくもあり……少し残念でもあった。

 ……儂はどうやら、しばらく付けられていた間に、ほんの僅かでも、好きになっておったのやもしれぬ……。

 しかし、その解放感はすぐに消え去った。

 

 ぎゅっ――!

 

「ふゃぁぁぁぁぁぁぁっ!?」

 

 いきなり、乳首を強く摘ままれ、儂はたまらず声を上げた。

 

「はっ……はぁっ……ま、し……んくっ、あっ……ろんっ……」

「……相変わらず、いい声♥ もっと弄ってあげる」

 

 そう言うと、ましろんは乳首から指を離し、胸を触り始める。

 掌でこねくり回すように触ったり、指で乳首を挟んだり、かと思えば強く鷲掴みにしたり、巧みな指捌きで快楽を与えてくる。

 耳舐めもされているのに、胸も弄られる……辛いのに、とても気持ちがいい……。

 

「ふふふ、まひろ君顔がとろ~んってしてるよ? それじゃあ、口も空いてることだし……こっちは、あたしが塞いであげるね。……ん」

「……んむぅっ!?」

 

 儂が耳を舐められゾクゾクとし、胸を弄られて体をびくびくとさせていたら、いきなり口を塞がれた。

 その直後、最初にキスをしてきた時と同様、アリアは自分の舌を儂の口の中に侵入させ、儂の舌を絡めとるとそのまま舐り始める。

 

「ん、ふぅ……れる、ぁむ……」

「んんっ、んんんっ…………んぅっ、んはっ……んぁぁ……」

 

 アリアに口を塞がれ、儂は喘ぎ声が出せなくなっていた。

 儂にとって、喘ぎ声とは、自身の体中を駆け巡り、絶頂へ向かわせるために発生する、強い快楽を少しでも苦し、我慢できるようにするためのものであった。

 声を出せば、少しはまぎれる。

 ……しかし、アリアにキスをされたことで、儂が外へ逃がそうとした快楽が同時に抑え込まれ、行き場を失ったものが全て体中を荒れ狂う波のごとく駆け巡り、強い強い快楽を与える。

 

「ん、はぁ……まひろ君、とろとろ、だね……ぁむ……んふぁ……れる、れろ……ぇう……ふふ、もっと、とろとろに、してあげる……あぁ……」

 

 甘い吐息と共に、アリアはそう言い、言葉通りに濃厚なディープキスをする。

 

「んぁ……あり、んむぅ……んふぁ……んっ、んんぅっ……!」

 

 美穂と瑞姫に両耳を舐められ、ましろんに背後から胸を弄られ、とどめと言わんばかりに、アリアに口を貪られる。

 儂の秘所を弄られてすらいないのに、儂の体は再び絶頂へと向かい始めていた。

 

「んっ、ぁっあっ……んんっ、んんんんっ! んんっ! んっ、んっ……!」

「……ちゅる……んはぁ…イキそう? イキそうなら、イって……! まひろの可愛い声、聞かせて……!」

「……ふぁぁ……遠慮しないで、いいのですよ……素直に、快楽に身を任せてください……!」

「……まひろの声、もっと聴きたい」

「んふぅ……あたしも……もっと、感じて……!」

 

 儂が既にイキそうであることは、四人は既に察知しており、四人は儂にイけ、イけ、と言外に言ってくる。

 しかし、儂にその必要はなく、既にもう限界が近かった。

 

 体は絶頂へ備えるためか、体が僅かに硬直し、少しずつ呼吸が止まりだす。

 そこに追い打ちをかけるかのように、四人はそれぞれの行為を激しくさせていく。

 

 ぢゅぷ、ちゅぱ……ぢゅるる……。

 

 もみ、もにゅ……くりっ、こりっ……。

 

 ちゅる、れる……ちゅ……。

 

 耳は、美味しい物を貪るかのように蹂躙され。

 胸は、優しくも激しく、それでいて痛みという感覚を快楽に変えて、刺激され。

 咥内は、荒々しくも繊細で情熱的な舌使いで、苦しくも幸せと思えるほどに舐られ。

 そうして、儂の体はどんどん……どんどんと、絶頂へ向かっていく。

 それが数十秒続いたところで、ついにその時が訪れる。

 

「んっんっ……んぁっ……んんっん……―――んんんんんんんんんんんんんっっっっ!!!」

 

 びくびくっ、びくんっ! びくっ……!

 

 ぷしゃぁぁぁぁぁぁぁっ!

 

 と、儂の体は遂に二度目の絶頂を迎えた。

 体は大きく痙攣し、あそこからは熱い液体がとめどなく溢れていた。

 それは一切止まることなく出され続け、気が付けばびしょびしょになっていた。

 

「はぁっ、はぁーっ……ぁ……ぅ……ぁぇ……」

 

 二度目の絶頂は、一度目からさほど間を空けていなかったため、一度目よりも強烈で、思考力を完全に奪ってしまうほどじゃった。

 

 儂の口から零れるのは、荒い呼吸と、呻き声に似た小さな声。

 強烈な快楽は、儂の体中を駆け巡り、蹂躙しても尚、一切消えることなく、余韻として体に残った。

 もう、重さを感じなくなり、自分は今、無重力状態なのだと錯覚さえしてしまうほどに。

 そうして、儂がくてんくてんになっていると、真っ暗だった視界が、いきなり明るくなる。

 

「ぅっ……ぁ……?」

 

 真っ暗だった視界に、いきなり淡い光が入ったことで、儂は小さな呻き声をあげる。

 

「あらら、まひろったら完全にメスの顔になっちゃってるわ」

「ですね。……ですが、可愛らしいですね?」

「うん。まひろ君のMっ気すごいね!」

「……逸材」

 

 何やら四人が喋っているようじゃったが、今の儂にはそれを理解する思考力はなかった

 ただただ、快楽の余韻に突っ込まれていただけ。

 

「……さて。まひろ?」

「……ぅぁ……?」

 

 儂が夢を見ているような状態でいると、不意に美穂が話しかけてきた気がした。

 それに儂は、小さな声で答える。

 ……もっとも、言葉なんて発せられておらんが。

 

「まひろは満足かもしれないけど、私たちはまだ満足してないのよねー」

「……ぇ?」

「拘束、解いてほしい?」

 

 頭はぼーっとしつつも、なんとか美穂の声を聞き取る。

 前後の内容で脈絡が無いように思えるが、それは後から思ったことで、この時はそんなことを考える余裕などなく、ただ、

 

「……ぅ、ん」

 

 こくりと、頷いた。

 

「そうなのね。……じゃあ、そうね……。私が今から言う事を、復唱すれば、解いてあげるわ」

「……な……に、を……?」

「『もっと、お願いします』って、言って?」

 

 ドSな表情で、そう言われた。

 儂は、ふるふると力が入らないながらも首を横に振った。

 

「………あっそ。じゃあ、今日はもうこのまま。あ、ち・な・み・にぃ……言わなかったら、まひろにはずーっとイキそうでイけない、そんな状態で放置しちゃうからね。……まあ、それがいいのなら――」

 

 美穂が告げたことに、儂は涙を浮かべだす。

 ……しかし同時に、もっとされたい……もっと、してほしい、そんな快楽を求めるような気持ちや考えが浮かんでもいた。

 それに、放置されるのは辛い、そう思えた……。

 だから儂は……。

 

「もっ、と……もっと……おねがぃ、しま、すぅ……」

 

 放置されたくなくて、気持ちよくなりたくて、快楽に身を任せたくて……そして何より、四人にもっとシてほしくて、儂は美穂が言い切る前に、するりと美穂が命令したセリフが、するりと口をついていた。

 

 今は儂は、どのような表情をしているのじゃろうか。

 間を空けずに二度の絶頂を迎えた儂は、自分の体に関する感覚がほとんどない。

 故に、表情がわからない。

 泣いているのか、呆けているのか、蕩けているのか、笑みを浮かべているのか、怒りを浮かべているのか、恍惚としているのか、自分ではわからない。

 

 しかし、唯一ある程度把握する方法がある。

 それは、儂が懇願した直後の四人の表情。

 

 美穂はニマァッとした意地悪な笑みを。

 瑞姫は、恍惚とした色気のある笑みを。

 アリアは、にこにこと天真爛漫でどこかSっ気を感じる笑みを。

 ましろんは、ぺろりと舌なめずりをして獲物を狩ろうとする狩人のような笑みを。

 

 ……だから、儂はきっと……四人の嗜虐心を煽るような顔をしていたのじゃろう。

 ……いや、そんなことを考えても、意味はない。

 

 たとえ儂がここで抵抗しようとしたとしても、四人にすぐに抑え込まれるじゃろう。

 それに……儂は既に抵抗する、という考えなどなくなっておった。

 

 ただただ、四人にシてほしい……もっと、可愛がってほしい、もっと、触れてほしい……儂の頭の中は、そんな性への欲望で満たされていた。

 

 そして、そんな儂に対し、四人には声を揃えて告げた。

 

「「「「任せて!」」」」

 

 と。

 

 

 ……その後、儂はマジでひたすら四人に襲われ、その時間は数時間ほど続き、途中からほとんど記憶が無く、何度イかされたのかわからないほど、濃密な蜜月の時を過ごした。

 次に目が覚めた時は、全員全裸で仲良く眠っているところであった。




 本編を読んでいただいている方はどうも、こちらの話に繋がる話までしか読んでいない方は一年ぶりです、九十九一です。
 えー、クッソ長い二話目を読んでくださり、本当にありがとうございます。
 今回は、前回よりも長く、連載でやるような長さじゃないよね? とかちょっと思ってしまうほどの長さでした。
 これが、エロ描写を書くのが上手い人であればいいのですが、私にそんなスキルも才能もありません。その結果、今回のような倒錯した内容の小説が、クリスマスイブに投稿されることとなりました。
 一応、前回は感想にて『本当に初めてですか?』などという感想をいただきましたが、正直自身がありません! まあ、趣味だしね! もともと、エロを書く人じゃないのでね! 儂!
 ……とまあ、ここまで書きましたが、とりあえず、楽しんでもらえていたのならばよかったです。
 もちろん、『は? クッソつまらんし、下手くそだな』とか思った方もいると思いますが……それでも、読んでくださって感謝感謝です。
 正直、改善点とかも自分じゃわからないんで、何か感想にて教えていただけると、エロ描写が上手くなります(多分)ので。あ、もちろん、普通に面白かったとかの感想でも全然OKです。なので、気が向いたら書いていただけると、励みになりますし、投稿が早くなるかもしれません。
 ……とまあ、そんなわけです。次の投稿は……早くて六月。遅くて、来年のクリスマスになるかなと。
 ですので、前回に引き続き、気長にお待ちいただければ幸いです。
 では、いつかの次回で。
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