バーチャル風俗店「電燈二次三次」事務所。古びたエアコンが苦しそうに暖風を送り出している。
「お兄さん……
「へ?」
その事務所内、応接用のテーブルを挟んで俺の前に座る支配人のジョーは唐突にそう言った。「大事な話がある」という前置きはあったとはいえ、毎度の事だが陽気なピエロメイクのままじっと見つめられるのは中々に怖い。
「まあ……イケる、イケないで言うと『イケる方』だとは思いますが……」
「そうですか……いや、あ~、どうすっかな……」
俺の答えに、何故かジョーは急に話題を広げるのを迷い始めた。割とはっきりと物を言う彼にしては珍しい態度だ。
おそらくはまた新人の嬢に関する問題だろう。俺はそう思い、逆にジョーを促した。
「何でも言ってください。俺がこの店の助力になるなら、全然手伝いますから」
「そうですか? あー、まあ、嫌ならちゃんと言ってください」
頭を掻きつつジョーはそう言うと、改めて手を膝に置いた。
「実はですねぇ……ウチの店の接客についてなんですが、女性だけでなく
「男性も……って、ホストみたいな、女性向けサービスって事ですか?」
俺の問いかけにジョーは無言で首を横に振った。
「女性向けじゃ、ない?」
「ええ、その、ああもう、言い辛ぇなあこれ……つまり
奥歯に挟まったような言い方で、ジョーは懐から何枚かの写真を出してテーブルに並べた。そこに写るのは見た目10代半ばか、それ以下の年頃の男性──いわゆる「美少年」と呼ばれる類の少年たちだ。この店の嬢の多くは実在のVtuberに酷似しているが、やはり何人か見覚えのある顔がある。
流石に今のジョーの言葉の意味が理解できない俺ではない。やや引き気味に彼に尋ねる。
「ええっと、悪い言い方になるかもしれませんが……需要があるんですか?」
「バイセクシャルの男性客を中心に少なくない要望が来ています。ウチはご存じの通り、にじさんじライバーに似た嬢を提供しているのが売りですからね。いわゆる『男の娘』を相手にしたいって声が多くて」
「はあ……」
何とも業の深い話だ。呆れとも感心ともつかないため息が無意識に出る。
そんな俺の様子を見て、ジョーは更に言いにくそうに口を開いた。
「で、ですね。お兄さんに相談したい事ってのは……そんな男の子相手のモニターでして」
「モニター……って事は」
「はい、本格的に入店する前の彼らの
「なっ……!」
ジョーの表情に冗談らしさは一切ない。本気の申し出だ。
「何でも」とは言ったが、流石にこれは即答は出来ない。俺はジョーに言った。
「ちょ、ちょっと待った! 俺はその、
「勿論、それは分かってます。これは尊様からの受け売りになりますが、
やはり店の経営に関わる事だけあり、副支配人である尊も承知済みか。
しかし「だからこそ」とはどういう事か。訝しむ俺にジョーは続けて言った。
「今お兄さんが感じたように、こいつぁ店のイメージを変えかねないリスクを伴います。それに見合うサービスを提供するには、その気の無かったお客さんが興味を持つほどのクオリティが必要だって事です」
「……なるほど。そして例によって、身内に頼むと角が立つので難しいと」
「はい。手前勝手な話なのは承知の上ですが……お兄さんの精力と経験を見込んでの話でもあります。当然、出すものは出します。嬢への研修よりも色は付けて……この位で」
ジョーは懐から今度はメモを出し、すらすらと数字を書いて写真の横に出した。そのメモを取って金額を確認し──思わず絶句する。
「……!」
「誤解のないよう言わせて貰いますと、こいつぁただ『金を積めば引き受けるだろう』とか安易な気持ちからじゃありません。結局、
そこまで言うとジョーは指を組み、俺の反応を静かに待つ。
お遊びめいたピエロメイクとは裏腹にジョーは支配人として信頼に足る誠実な男だ。それは今までの付き合いで俺も分かっている。
「ああ、その子が最初にお願いしようとしていた相手でして」
「……その、ひとつ聞いていいですか?」
写真の中の
「これ……写真、間違ってないですよね?」
そこに写っているのは緑の髪を三つ編みにした、華奢な身体のメイド服の少女。少なくとも俺にはそうとしか見えない。そのメイド服もメイド喫茶などで見られるような派手なピンクのミニスカートなどでなく、白黒を基調とした英国風のロングスカートにエプロンといういで立ちで、それが逆に落ち着いた可愛らしさを醸し出している。
今までの話と写真とのイメージ差に困惑する俺に、ジョーは頷いた。
「間違いなく男性ですよ。『
「………」
VTuber・緑仙に酷似した写真の彼女──もとい、彼の姿を改めて見る。
ふんわりしたメイド服のため骨格などは分からないが確かに胸は僅かの膨らみもなく、顔立ちも「言われてみれば」のレベルだが少年らしさがある。
「(おいおい俺、何を考えてる?)」
この少女と見紛う少年が、尻穴に肉棒を受け入れて悶える姿。それがふっと頭に浮かび俺は思わず額を押さえた。
「どうしました?」
「あ、いえ……」
俺の反応を気遣うジョーの声。
実際、俺自身も困惑していた。困ったことに──興味が沸いてきている。しかし、同時にそれを引き留める心の声もある。
仮にここで俺が断っても、ジョーは気を悪くはしないだろう。そして二度とこの話は俺に振るまい。俺は更に考え、考え、考え──写真からジョーに視線を移す。
「分かりました。やってみます」
「……ありがとうございます。彼には話をしておきますんで、曜日の調整は改めて」
深く頭を下げるジョー。
「いえ……こちらこそ、よろしくお願いします」
不確かな不安と奇妙な期待感。その両方を覚えつつ、俺は礼を返した。
──数日後、俺は研修用のルームではない豪奢な寝室にいた。
豪華な装飾が施された支柱に高い天井。天蓋付きのベッドの上からは半透明の赤い布が広げられており、キングサイズのベッドを飾っている。
そして俺はそんなベッドに腰かけつつ、落ち着きなく周囲を見ていた。何ともソワソワして落ち着かない。
「う~ん……」
実際アナルセックスの経験はあるし、疑似的にではあるが男を相手にしたこともある。例えば「二次三次」の嬢の一人であるメリッサ。彼女は性が不定で、まるでモーフィングのように男女の姿が切り替わる。それ故に「前」を使っての行為が難しく、必然的に彼女とは「後ろ」でのセックスが基本だ。
とはいえ、完全な男の相手となると俺も初めてだ。果たしてどんな具合になるのやら。唸りつつ俺は顔を上げた。
「おーい、聞こえてますかー?」
「うおっ!?」
至近距離で見下ろす紫の瞳にそこで初めて気づき、俺は座ったまま飛び跳ねた。
「ふふっ、良かった。回線切れでも起こしたのかと」
驚く俺に中華風の服を着た少年──緑仙は安心したように笑った。
比較対象が無い写真では今ひとつ身長などは分からなかったがなるほど、こうして相対してみると確かに少年であった。身長は俺よりやや低い程度の170㎝弱、細身の体をノースリーブの黒の肌着と左右にスリットが入ったゆったりとした黒のズボン、刺繍入りの前掛けで包んでいる。緑の髪は艶やかで、丁寧に三つ編みされた後ろ髪が揺れている。
「あ、ああ。すまない、ボーッとしてた」
「お兄さんの噂は聞いてるよ。あの『詩子』さんを参らせたとか、尊様にも一目置かれてるとかさ」
ハスキーな声でそう言いつつ、緑仙は自然な流れで俺の横に座る。
「(うっ……)」
白檀だろうか、東洋風のインセンスの香りが鼻腔をくすぐる。男性的な匂いは全く感じない神秘的な空気。
「それにしても……災難だよねえ、お兄さんも。そっちの気が無いのに今日の話を振られたんでしょ?」
「えっ?」
意外な話の切り出しに俺は彼を見た。その口元には同情の苦笑が浮かんでいる。
「『その気が無い人でも興味を持てる程のサービス』って、聞こえはいいけどさあ……そもそも営業が始まったら利用しようって思うのは、結局はホモのおじさんとかだけじゃないかな?」
「まあ……そうかもな」
「でしょ? ジョーさん、支配人として立派な人ではあるんだけど、その辺りを真面目に考え過ぎちゃう所があるんだよね」
その辺りの性癖の思考というのは今ひとつ分からないので曖昧な答えを返す。思ったよりはっきりと物を言うタイプのようだ。
緑仙は俺の同意にひと語り加えると、提案するように指を立てた。
「だからさ……良かったらお兄さん、今日だけど、時間いっぱいお話するだけでもいいよ?」
「お話だけ、って……そりゃダメだろ、ズルで給料は貰えねえよ」
「いいと思うけど? その気が無いのに無理やり僕とヤるって、お兄さんにとっては気持ち悪いだけじゃない」
何ともおかしな流れになってきた。てっきり俺が誘われる側だと思っていたが、緑仙は逆に俺を気遣って行為を遠慮している。言っている事ももっともだ。
「それは……あー、うーん、まあ、なあ」
しかし、それに対して俺は即答できなかった。
これが給料の出るちゃんとした「仕事」だというのも当然ある。だがそれ以上に──
「……それとも、僕と本当に
「!?」
内心を見透かすような緑仙の言葉に心臓が跳ねる。彼の顔を見てみれば、同情混じりだった筈の笑みは蠱惑的なそれに変わっている。その視線は俺の顔ではなく──股間へと注がれていた。
「ん~……もしそうなら、嬉しいかな? この店の娘を何人も虜にしているお兄さんの
「それは……だな」
喉が渇く。言葉が上手く出てこない。
すっと緑仙の手が伸びてきて俺の太腿に触れた。男性とは思えない白く、しなやかな指。スラックスの上から柔らかく撫でてくる。
「(うっ……)」
ぴくりと肉棒が反応を示したのが分かる。頭の中で「落ち着け、相手は男だ」と理性が訴えかけてくるが、身を寄せてきた緑仙から漂うインセンスの香りの強まりがそれを妨げる。少しずつ股間へと伸びてくる彼の手を振り払えない。
緑仙は俺の耳元に口を寄せると、囁くように言った。
「ねえ、お兄さんのおちんちん、触っていい?」
「……頼む」
「ふふっ、了解……スラックス、下着ごと消すね」
嬉しそうに緑仙は笑い、スラックスに指を走らせてそれを消してゆく。光の粒になって衣類は消えてゆき、さほどの間を置かずに俺の下半身が剥き出しになる。
「うわ、もう勃起しかかってる……ひょっとして、期待してた?」
「意地悪を言ってくれるなよ。俺だって戸惑ってんだ」
「ハハッ、だよね。そんな感じしてる……まあ、女の子にしてもらってると思いながらでもいいよ。僕に任せて、力を抜いて……」
半勃起状態の肉棒を見て問いかける緑仙に小さく呻きつつ答える。優しい声と共に緑仙は肉棒を握ってきた。きめ細やかな肌と細い指は確かに女性のそれと錯覚する程だ。
ここまで来たら今更拒否する事も出来ない。俺は腹を決め、緑仙の責めに身を任せることにした。だが、
「いや、それはしないさ」
「えっ?」
「他の女の事を考えて相手をするのは『客』としちゃ失格だ。緑仙、今の俺は、アンタのことだけを考えてセックスをする」
「……何だかお兄さんが他の嬢にも人気あるの、分かる気がしてきたよ」
少し照れたのか緑仙の顔に赤みが差す。肉棒を握る彼の手が動き始め、しこしこと緩やかに竿を擦ってくる。
「ね、お兄さん……そう思ってくれてるなら、舌、出して……」
「あぁ……ちゅ、ん、んむっ……」
「んはっ、は、あふっ……」
キスを求めてきた緑仙の薄い唇に自身の唇を合わせ、互いの舌を絡み合わせる。流れ込んでくる吐息は甘く、汗でより強くなった神秘的な香りと混ざって俺の理性を蕩けさせてくる。
次第に熱さを増す吐息を交換しつつ、俺と緑仙はキスを重ねる。互いの舌を吸い合い、歯茎を舐め、口腔内を味わう。
「ちゅ、あ、はぁ……お、お兄さん、キス、上手いねっ……」
「アンタもな、ちゅ、慣れてる、のか?」
「ふふっ、どうだろうね……ね、キス、もっと……」
緑仙からのキスのおねだりに応えると、お礼とばかりに肉棒を扱く手の動きが速くなってきた。その扱き方は実際優しく、同時に快感のツボを心得ているものだ。
「ちゅ、じゅるっ……ね、ねぇ……
「く、あぁ……ッ!」
「あふっ!」
緑仙の身体が小さく跳ねる。少年らしいサイズながら、しっかりと勃起して屹立する肉棒。それが俺の手の中にあった。
「こ、このまま、扱きっこ、しようよ……一緒に、しこしこ、って……!」
「うぅっ……そ、そうは言っても、俺、初めてだぞ……?」
「お兄さんが、オナニーする、時の感じで、いい、からっ……扱いて、僕のおちんちん、気持ちよく、してよっ……!」
潤んだ瞳で訴えかけてくる緑仙の懇願に思わず「可愛い」と思ってしまう自分がいる。どこまでが俺を誘うサービスで、どこからが本心からかは分からない。分からないが──その気が無いと思っていた俺でさえここまで心を動かされてしまっている。これが
「こ、こう、かっ……くぅっ……」
「んっ、い、いいよ、お兄さんっ……そんな感じ、で……僕も、するからっ……!」
「あぐっ……!」
正直なところ加減が分からなかったが緑仙の言葉通りに自分のモノを扱いている時の感覚で、しかし痛みを与えないように意識しつつ俺は彼の肉棒を扱き始めた。その動きに合わせて緑仙の方も俺の肉棒を更に速く、しかし丁寧に擦り返してくる。ただ速く上下に動かすだけでなく、裏筋を優しく撫で、絶妙な強弱をつけて刺激してくるその手つきは見事なものだ。既に入店している嬢と比べてその手技は劣るものではない。むしろ勝っているようにさえ思える。
「う、ふっ、あぁっ……!」
「お兄さん、んんっ、か、可愛い声、出すんだねっ……僕も、お兄さんの手、気持ち、いいよっ……!」
更にキスを重ねつつ俺と緑仙は互いの肉棒を扱き合う。先走りと汗によって濡れた手が肉棒に絡みつき、それぞれの股間でくちゅくちゅと音を立てる。
「んはっ! そっそこっ、強い……!」
「くぅ……わっ、悪い、痛かったか?」
「ううん、凄く、良かった。もっと、そこ、してっ……もっと強く、おちんちん、扱いてっ……」
びくんと大きく緑仙の身体が跳ね、先走りがとろりと俺の手に垂れる。肉棒の震えからしても絶頂が近いようだ。
一方の俺も次第に射精感が強まってきているのを感じていた。彼の求めるがままにストロークを強め、同時に足を広げて緑仙が扱きやすいようにする。
「あぐ、あ、はぁ……な、なあ、緑仙、そろそろっ!」
「イキっ、イキそう、なんだねっ……いいよ、いっしょ、一緒に、イこう。いっち、に、いっち、にっ……!」
緑仙の掛け声──この場合、掛け喘ぎとでも言うべきか──に合わせ、同じタイミングで手を動かす。
「いち、にっ、あふっ、い、っち、にっ……!」
「く、あっ、ああっ!」
次第に速くなるリズム。それと共に快感は強まり続け、遂に限界を超えた。
「あっああぁっ! おにっ、お兄さんっ! 出るよぉっ! 出るぅぅっ!」
「おぉっ! お、俺もっ……うあぁっ!」
緑仙の肉棒から迸る精液が俺の手を、俺の肉棒から吐き出された精液が緑仙の手を互いに汚してゆく。
「あふ、あ、あぁ……お兄さんの手コキ、最高っ……!」
「あ、アンタも、な……上手かった……」
彼の甘い声に答え、射精が治まるのを待って手を離す。下半身裸にしていた俺と比べて緑仙はズボンを履いていたため、内側がベタベタだ。同時に彼の手も俺の肉棒から離れ、射精の余韻を味わいつつ俺は仰向けにベッドに倒れ込んだ。
「うわ、ネチョネチョだ……そうだ。お兄さん、ちょっと待っててね」
緑仙はそう言うとぴょんと立ち上がった。寝転がる俺に流し目を送り、何か思いついたのか悪戯っぽい笑みを浮かべる。
「ねえお兄さん、僕のあの写真は見たんだよね?」
「ふうっ……『あの写真』って?」
「アレ、僕のメイド服」
そう言われ、事務所で見せられた写真を思い出す。少女と見紛うような英国式メイド服を着た彼の姿を。
「ああ、まあな」
「してあげようか? 今、あの恰好」
「……!」
艶っぽい響きが含まれた誘いの言葉。
どう答えたものか、咄嗟に俺は考えたが──
「……あ」
「ふふっ、どうやらお望みみたいだね」
──言葉を出すより先に、俺の肉棒はむくりと起き上がって勃起し始めていた。照れ隠しに何か言おうとするが、上手い言葉が出てこない。
「あー、まあ、その……」
「いいよ。僕もお兄さんの、もっと欲しくなってきたし」
濡れた唇で緑仙は言うと自身の服に触れた。中華風の衣裳が光に包まれ、写真で見た通りの落ち着きあるメイド服になる。
「さて、それじゃ……メイドになったからには、
そう言うと緑仙はメイド服のままベッドに上がってきた。俺は身を起こし、彼が何をしようとしているのか伺う。
「んっ……」
ベッドの中央で四つん這いになり、ロングスカートを巻き上げる緑仙。そこに広がる光景に、俺は息を呑んだ。
「……!」
「お……お願いします、ご主人様。折角ご主人様の手コキでイカせてくれたのに勃起が治まらない僕の身体を、ご主人様のチンポでお仕置きしてください。だらしないメイドのケツ穴を、ご主人様の逞しいチンポで蓋して、ください……」
黒のストッキングとそれを固定するガーターのみの下半身。引き締まった少年の尻の間では汗に濡れた尻穴がひくつき、肉棒を求めるように窄まりが収縮している。そしてその下で固く勃起し、ぷるぷると震える肉棒からは先ほどの精液の残渣と先走りが垂れている。
その姿を見ただけで俺の肉棒は完全に勃起を取り戻し、臍まで反り返った。ごくりと喉を鳴らし、緑仙の背後に膝立ちで近づいて彼の腰を掴む。
「……全く、だらしないメイドだ。そんなに欲しいのか?」
「はっ、はいっ……お勤め中も、ご主人様のチンポの事を思うと、すぐ、僕、おちんちんが固くなって、しまって……お尻も、熱くなって、きてっ……!」
シチュエーション作りの緑仙の言葉。しかしそれは真に迫っており、本当に俺が彼の主人であるような錯覚を覚えさせる。俺は亀頭を緑仙の尻穴に添え、ゆっくりと腰を突き出した。
「ぐ、お、おうっ……!」
「はっ、ひぃっ! ご主人様の、太いの、挿いってっ!」
シーツを掴んで悶える緑仙。しかし彼を気遣う余裕は俺の方にも無かった。緑の美しい髪を揺らし、少女のような声で悶える姿。股間で跳ねる肉棒は確かに男性のそれで、熱く滑った尻穴は女陰とはまた異なる強烈な締め付けで肉棒を迎え入れる。
余りに倒錯的な状況だが、今の俺と緑仙にはそれが
「あひぃっ! ご主人様っ、ごしゅじん、さまぁっ! もっとぉ、もっと抉って! 僕のケツ穴っ、ご主人様専用に、してぇっ!」
「言われなく、てもっ! お前は、俺、専用だっ! 俺専用の、下品で、ダメで、最高にいやらしい、メイドだっ!」
「あふっふあぁっ! チンポっ、ご主人様のチンポ、好きぃっ!」
ギシギシとベッドが軋む音が大きく鳴る。
既に俺の中には自分が犯しているのが男か女か、そんな事はどうでもよくなっていた。ただこの瞬間に蹂躙している孔が気持ち良い。それだけがあった。
「出す、出すぞっ! 緑仙っ!」
「はひぃっ! らしっ、らしてっ、くら、さいっ! ケツ、ケツ穴っ! ご主人様の精液で、僕のお腹、タプタプになるまでっ! 何発でも、出してぇっ!」
「あ、あぐ、ああぁぁっ!」
ばちんと音が鳴るほどの勢いで腰を打ち付け、限界まで膨れ上がった射精感を緑仙の尻の奥で解放する。堪らない快感と共に精液が溢れ出し、逆流した白濁液が尻穴から零れて黒のガーターを濡らす。
「おぉ、し、搾られるっ……!」
「あはぁ……熱い、ご主人様の、せーえきっ……もっと、もっとぉ……」
射精されている最中も、まだ足りないのか緑仙は貪欲に腰を振る。
その淫らな少年メイドの姿に、射精している最中だというのに彼の尻の中で俺の肉棒は再び勃起を取り戻していた。
「……なるほど、なかなか楽しんだようではないか」
「まあ……否定はしませんよ」
事務所の「副支配人」の札が立てられたデスク。そこに座る尊は俺の反応を楽しむように言った。気まずいが、否定も出来ずに俺も同意する。
「かかっ、安心せい。この事は妾とジョー以外には絶対に口外せんよ」
「……そこは、本当にお願いします」
正直、我に返ってからの罪悪感というか「やっちまった感」は実際凄かった。アレが他の嬢に、特に「詩子」に知られれば何を言われるやら。
何より恐ろしいと感じたのは──振り返った今でも、気持ち良かったという感想が変わらないという事だ。あれ以上の沼に嵌れば戻れないのではないか、そんな確信めいた恐怖があった。
「ふぅむ……では、もうこの仕事は受けたくないと?」
「出来れば、ご免被りたいですね……悪いとは思いますが」
「残念じゃのう。
わざとらしく尊は言うと、胸元から数枚の写真を出した。
「……?」
そこに写るのは華奢な少女たち──否、これは──
「全員、男の子じゃよ。昨日の緑仙の話を聞いて、お主を研修相手にしたいと向こうから言って来ておる」
「……考えさせてください」
おそらく、俺は「応」と言ってしまうのだろう。
そんな事を他人事のように頭の片隅で思いつつ、俺はその写真を手に取った。