ゴルゴ―ンと立香、二人の涙が打ち止めとなった頃、ゴルゴ―ンは神妙な面持ちで立香の顔を見つめていた。
その理由は。
「……なぁ、マスター。頼みがあるんだ、聞いてくれるか?」
「うん、いいよ……何でも言って」
朗らかにゴルゴ―ンの言葉に答える立香も、ゴルゴ―ンが何を言おうとしているのか分かるらしい。
その表情は少し緊張しており、お互いに頬を赤くしていた。
そして――
「マスター、私と……交わってくれないか……?」
勇気を出し、重い口を開いたゴルゴ―ンから出てきたのは、普段の彼女なら絶対に言わないであろう言葉……交尾、言うなればセックスをしてくれと言った。
もちろん、ゴルゴ―ン以外の英霊がこんなことを言えば、立香もきっぱりと断る。
だが、相手は自分が一番愛しているゴルゴ―ン、彼女となら身体を交わらせても構いはしない。
「うん……もちろんだよ、ゴルゴ―ン……」
「そうか、じゃあ……よろしく頼む、マスター……」
互いに言葉を交わし合うと、そこから二人だけの夜が始まった。
「やはり、お前の身体は鍛えられているな……マスター」
寝間着を脱ぎ去り、ベッドの上でゴルゴ―ンへ全身の身体を晒した立香……その身体は引き締まっており、それなりにがっちりとしていた。
――なんて、逞しいんだろう……
彼の身体はもちろんのこと、その男性器も大きく、良い意味で顔に似合わない逸物を持っている。
すっかりと立香の身体に見惚れるゴルゴ―ンだが、それは立香も同じらしい。
「ゴルゴ―ンこそ、綺麗な身体をしてるじゃないか……」
彫像で作られたかのように美しくくびれた腰、それに豊満に育っている乳房、首や手足に付いている鱗も魅惑的で美しい、立香は少し彼女の身体を見ただけで、思わず胸を高鳴らせてしまった。
――こんな美しい女性と交われるんだ……
今の今まで書籍や、頭の中の知識としてしか知らなかったセックスを、一番好きな女性とできる……その事実が、余計に立香の心を昂らせていた。
「じゃあ、早速……やってしまおう。来い……マスター……」
「うん、行くよ?ゴルゴ―ン……」
ゴルゴ―ンの言葉に頷いた立香は、彼女の身体を優しく押し倒すと、初々しく彼女の唇へと口付けをした。
「ん……ちゅ、れる……」
「れる、れる……ちゅ……」
初めての接吻ながらも、積極的に自身の舌を絡ませ、ゴルゴ―ンをリードしようとする立香。
その舌の動きは、やはり拙い物ではあったが、それでも一生懸命に接吻をする彼の姿は、ゴルゴ―ンの瞳にはっきりと映っていた。
「ど、どうかな?ちゃんと、できてる……?」
「ふふ、できているとも……中々上手いな、マスター」
「そっか……なら、もっと激しくいくよ……」
そう言って、立香はゴルゴ―ンの口内をさっきよりも激しく犯した。
「れる、れる……っ!んちゅ、じゅる……ッ!」
「……ッ!?んん……ッ!はげし……!」
少し余裕の表情を見せていたゴルゴ―ンだったが、立香の接吻の激しさに動揺し、みるみるうちに余裕が無くなっていく。
――す、すごい……気持ちいい……
自身の舌が激しく愛撫され、彼から送り込まれてくる甘い唾液の味に顔を蕩けさせるゴルゴ―ンは、すっかり立香の虜になっていた。
「(いつもは優しいマスターが、こんなにも乱暴な接吻をするとは――嬉しい)」
あの立香が必死になって接吻をする程に自分を求めてくれている……ゴルゴ―ンにとって、それが何よりも嬉しい事実であり、愛しい彼が興奮してくれていることが、ゴルゴ―ンの幸せであった。
「(この調子だと、わざわざ濡らす必要もなさそうだ……すぐに、性器を受け入れられる)」
気付かぬ間に濡れていた秘部の感覚を感じつつ、ゴルゴ―ンは引き続き立香との接吻に興じた。
「んちゅ……っ!れる、れる……!」
「ん……ッ!した、すごい……れる、んんッ!」
互いに唾液を交換し合い、口内を犯し合う接吻は数分、いや……数時間と錯覚してしまう程に長く続いた。
交わる前の準備としての接吻であったはずだが、二人が唇を離した時には互いに息を荒くし、次なる行為を渇望しているようであった。
「ごる、ごーん……もう、準備はいい?」
「いいに、決まってるだろう……早く、挿れて……」
とろんとした瞳でゴルゴ―ンが股を開くと、立香を受け入れようと両手を伸ばした。
「さぁ、来いマスター……いや――立香。お前の思うように、私を抱いてくれ……」
普段の彼女からは考えられない程の甘く、淫靡さを感じる笑み……それを見てしまえば、すぐに逸物は大きく膨らみ、女性器に挿れるのには十分な物になっていく。
立香はゴルゴ―ンの顔の横に両手を置き、彼女の女性器の前に自身の逸物を近付けた。
「(これが、私の中に入る……のか……)」
先程見た時、思わず見入ってしまった男性器が自身の膣を犯そうとしている。
並の男性よりも大きく、逞しい彼の逸物が遂に、自身の女性器へと挿れられるのだ。
もちろん嬉しいという気持ちが勝ってはいた……しかし、久し振りに交わりを行うせいか、少し不安な気持ちもゴルゴ―ンの中には湧き上がっていたのも事実である。
「大丈夫?ゴルゴ―ン……?」
「ん、ああ……!大丈夫、大丈夫だ……」
「僕、こういう事するの初めてでさ、あまりゴルゴ―ンのこと気遣ってあげれないと思う。でも、出来る限り優しくするからね……?」
ゴルゴ―ンの気持ちを瞬時に察し、緊張を解す様に優しい笑みを浮かべる立香の姿。
――ああ……流石、私の惚れた男だ……
不安で心をいっぱいにしていたけれど、立香の笑顔を見れば、そんな不安も霧散していくような気がする。
「(あ……っ!先が、入ってる……)」
勃起した立香の男性器が、早速ゴルゴ―ンの女性器の入り口へと接触し、今にも膣の中に入っていきそうな状態になっていた。
立香の表情を見る限り、彼もそろそろ自分を抑えるのに限界が来ているらしい。
なら、早く挿れさせてやらなければ……
「いいぞ、立香……早く、はやく……挿入しろ……」
「うん……それじゃあ、いくね?」
立香の問い掛けに小さく頷くと、先だけ入っていた男性器が徐々にゴルゴ―ンの女性器へと侵入していく。
久し振りの交わりということもあり、多少の痛みは覚悟していたゴルゴ―ンだったが、最後まで愛する人を労わろうとする立香のゆっくりとした身体の動きもあってか、ほとんど痛みを感じずに膣の奥まで男性器は挿入された。
「あ……んっ!奥まで、挿入できたな……後は、好きに動くといい」
熱っぽく立香の耳元でゴルゴ―ンが囁いたのをきっかけにし、立香は無我夢中で腰を振り始めた――
「……ッ!?あっ!ん……っ!あ……ッ!!」
「……っ!!」
挿入時の優しさは何処へ行ってしまったのか?そう思わざる得ない程の腰の振りに、ゴルゴ―ンは驚きつつも嬉しさを滲ませた。
――いいぞ、いいぞ……っ!
接吻の時と同じく、未熟さは目立つ腰の振りではあったが、それでも的確に子宮を責め立てる立香の男性器の動きには、ゴルゴ―ンも屈服しそうになってしまう。
「は……ッ!は……ッ!りつ、か……!もっと、もっと……っ!!」
ずっと頭で思い続け、ようやく叶った立香との交わり。
その嬉しさを爆発させるようにしてゴルゴ―ンは立香の腰へ足を絡ませ、彼の首へと手を回し、今度は自ら接吻を行った。
「ん……っ!ん――ッ!!ぷは……ぁ……っ!すき、すき……ッ!りつか……ッ!!」
「は……ッ!ふぅ……ッ!僕も、大好きだよ……ッ!ゴルゴ―ン!!」
接吻を交えつつ、互いに愛を叫ぶ二人。
その間にも立香の腰の動きは止まる事はなく、更なる快感を得ようと、男性器を膣の奥へ奥へ突き入れていった。
「(あ……ッ!?膣の中が立香のモノで、擦れて……ぇ……!)」
もう何も考えられない。ただひたすらに立香の男性器を受け入れ、その快楽に身を任せるだけだ。
まだ膣に挿入されてから、そこまで時間が経っていないというのにゴルゴ―ンは涙を流し、頭の中を真っ白にしていた。
立香も初めての性交であるせいか、その表情から既に限界が見え始めている。
「……ッ!りつか、そろそろ……んっ!イキそうだ……ッ!おまえは……?」
「ぼ、僕も……っ!限界、かも……ッ!!」
「なら、一緒にイクぞ……ッ!いっしょに、気持ちよくなるぞ……ッ!!」
ゴルゴ―ンの言葉に触発され、ラストスパートをかけるようにして立香の腰の動きが早まった。
「(ああ……立香に、種付けされる……してもらえる……)」
子宮を男性器が突く度に、彼のパンパンに膨らんだ亀頭が何度も当たり、ゴルゴ―ンはその亀頭の先に集まっているであろう精液を想像してしまう。
サーヴァントの身である以上、絶対に孕みはしないが、それでも立香の精子は自身を孕まそうと必死に膣を這い回ることは間違いない。
――なんて……幸せなんだ……
「……ッ!ゴルゴ―ン!お願いがあるんだ……ッ!」
「ん……っ!ぁ……ッ!お、お願い……?」
「――僕と、結婚してくれ……ッ!!」
「え……?」
突然告げられた告白に、一瞬唖然とした顔になってしまったゴルゴ―ン。
言葉を失い、狼狽する彼女の様子に、若干不安の表情を見せた立香であったが、次の瞬間に彼女から向けられた表情を見た途端、明るい笑みを浮かべた。
「こちらこそ……末永くよろしくお願いします。ふふっ……絶対に、幸せにしてくれよ?立香……」
隠し切れない程の喜びを顔に表しつつ、ぼろぼろと零れ落ちる涙を手で拭っていくゴルゴ―ンの姿。
本来は自分が立香に言おうと思っていたことを、彼は先んじて自分に言ってくれたのだ。
それだけ立香は、自分を好きでいてくれた……それが嬉しくて、嬉しくて、涙が――止まらなかった。
「もちろん……!絶対に、幸せにする……っ!絶対にゴルゴ―ンを、一人なんかにさせない……ッ!!」
「ああ……ッ!ああ……ッ!ありがとう、立香……っ!!」
互いに再度接吻を交わすと、二人は遂に絶頂する寸前の状態になった。
立香の男性器は透明な我慢汁を出しており、すぐにでも精液を膣に放ってしまいそうだ。
――イケる……ッ!ようやく、絶頂できる……ッ!!
ゴルゴ―ンは射精をせがむように膣を締め付け、立香へと言葉を吐き出す。
「出して……っ!立香……っ!私の中に、いっぱい……ッ!出せ……ッ!!」
「……ッ!いいの……ッ!?ゴルゴ―ン……ッ!」
「いいから……っ!早く……ぅ……ッ!!」
確認するような立香の言葉に何度も頷き、ゴルゴ―ンは膣を削る男性器の感触を存分に味わう。
そして――
「じゃあ、出すよ……ッ!!受け止めてッ!ゴルゴ―ン……!!」
激しく腰を振っていた立香の動きが止まり、男性器が最大まで膨れ上がった瞬間……ゴルゴ―ンの膣に大量の精液が放たれた。
「(ぁ……!あ……ッ!膣に、精液が……ッ!)」
ドクドクと、心臓の鼓動のように男性器が振動し、次々に精液が吐き出されていく。
とめどなく出された精液は一瞬で子宮や膣を埋め尽くしてしまい、ゴルゴ―ンは程なくして絶頂へと至った。
「い……っ!く……!中に出され……て……ッ!!」
腹部から感じる熱い精液の感触と、脳内に押し寄せる快楽にゴルゴ―ンは身体をよじらせ、抑えきれない声を出してしまう。
――すご、すぎる……っ!立香のせい……えき……
一旦止まったかと思えば、また精液を吐き出し、確実にゴルゴ―ンへと種付けをする立香の男性器。
既に絶頂をしたゴルゴ―ンだったが、子宮に精液が注ぎ込まれる感触を感じるや否や何度も絶頂し、頭の中を真っ白にした。
「……ぁ、イク……っ!ん……っ!もう何回も、イッてる……ぅ……っ!」
「く……っ!まだ、出る……ッ!」
立香が苦しそうに呻き声を上げ、一回……二回と男性器を振動させて精液を出し切ると、ようやく射精は止まった。
「……っ!ん……ぁ、すごかった……ぁ……」
射精が止まり、男性器が膣から引き抜かれると、ゴルゴ―ンは蕩け切った顔で自身の女性器へと目を向けた。
――こんなにいっぱい……出たのか、立香の精液……
子宮の中に入り切らず、大量に零れ落ちる白濁液をうっとりと眺めつつ、ゴルゴ―ンは穏やかな笑みを立香へ向けた。
「良かったぞ……立香、お前との交わり……」
「……!うん、僕も……ゴルゴ―ンと交われて良かった……」
力強い笑みをゴルゴ―ンに返した立香は、両手を後ろに置き、ぐったりとした様子で天井を仰いだ。
「(ふっ、いつか……お前の子を孕んでみたいものだな……)」
自身の下腹部で未だに熱を持つ、彼の濃厚な精液。
ゴルゴ―ンがサーヴァントの身である以上は、精液の内に潜む精子は何も意味を為さない……だが、受肉をすれば話は違ってくる。
「立香……一言いいか?」
「なに、ゴルゴ―ン?」
「愛してる」
「……っ!?僕も、愛してる」
言葉を交わせば交わす程に好きになっていく、それは立香もゴルゴ―ンも互いに同じだった。
カルデアでの戦いが終わったら、二人だけの時間を過ごしてみたい、二人だけの子供を作ってみたい……奇しくも立香とゴルゴ―ンは同じ事を考え、理想の未来を想像していた。
「(その時までは、絶対にお前を守り抜くからな……立香)」
「(君と穏やかな時間が過ごせるようになるまでは、絶対に君を離さないよ……ゴルゴ―ン)」
互いに胸の内で決意を固め、ベッドの上に横たわる二人。
その顔は、晴れ晴れとしていた。
――
姉上達の紹介もあり、ハベトロットにドレスを作ってもらうことになった私だが、胸の中に不安は未だに渦巻いていた。
その不安は、姉上達が一旦私とハベトロットを二人きりにした時に頂点に達し……いつの間にか、私はハベトロットに言葉を投げ掛けていた。
「その、ハベトロット……少し聞きたいことがあるんだが、いいか……?」
「ん?何かな?花嫁の質問だったら、何でも答えちゃうぜ!」
部屋でドレス制作の準備をしていたハベトロットは作業を止め、私の方を向いて耳を傾ける。
――こんなことを、聞くべきだろうか……
一瞬、心の中で葛藤を覚えつつも、一度彼女を呼び掛けた以上は何も言わないわけにはいかない。
そう思って、私は言葉を絞り出した。
「ハベトロット、私は……”怪物”だ。人を弄び、喰らう怪物……こんな私が、本当にマスターの花嫁になってもいいのだろうか?」
その質問は愚問だったと思う。私が花嫁になって良いか悪いかなんて、誰かに答えを求めるようなことではなく、私自身が決めるべきことだ。
多分、それでもハベトロットに聞いてしまったということは、マスターと結ばれることへの後ろめたさを感じ、誰かに意見してほしかったのかもしれない。
「(つくづく、踏ん切りのつかない奴だ……私は)」
自分の臆病さにうんざりする私を後目に、ハベトロットは言葉を紡ぐ。
先程までの明るい表情ではなく、少し怒ったような表情で。
「――そんなこと、言っちゃ駄目だよ」
「え?」
「確かに君は、生前は怪物と言われてたかもしれない。でも、このカルデアでの君は怪物でも何でもない、マスターに召喚された英霊”ゴルゴ―ン”であり、一人の素敵な花嫁……それでいいじゃんか」
「……!ハベトロット……」
諭すようなハベトロットの言葉の数々にハッとさせられると、最後にハベトロットは私の前まで歩み寄り、私の手を握って力強く微笑んだ。
「だから、自信を持つんだぜ!ゴルゴ―ン!マスターを見惚れさせる、立派な花嫁になるためにもね!」
呆気に取られる私にそう言うと、ハベトロットは意気揚々とした様子で、再びドレスの制作へと戻っていった。
ほんの一瞬の出来事ではあったが、ハベトロットの言葉は私の中へ深く刻まれた。
その一言を彼女が掛けてくれただけで、私の心は救われたような気がする。
「(ありがとう……ハベトロット……)」
自分よりも小さいはずの彼女の背中が、その時だけは大きく見えた。
私は、まるで姉上達を見ているかのような瞳で、ハベトロットの背中をじっと見続けたのだった。
――
「よし、これで……いいだろう」
鏡台の前に立った私は、自身の姿をじっくり見つめて大きく頷いた。
今日は、カルデアの面々が用意してくれた式だ……念入りに自身の服装をチェックしなければ。
「これが、私……か」
ハベトロットに特別に仕立ててもらった純白のドレスに、頭に被さっている純白のヴェール、それに加えて手には百合の花や薔薇の花が彩るブーケまで持っている。
――まるで、別人だな……
自分で鏡を見つつ、私は思わず苦笑いを溢してしまう。
それ程までに、私の姿は普段の姿とはかけ離れていた。
「口紅を塗って、化粧までしていては、ますます誰か分からなくなるな……」
ぶつぶつ言葉を漏らしながら自身の顔をまじまじと見つめていると、待合室の扉がノックされ、外から声が聞こえてきた。
『メドゥーサ、準備はできた?』
「あ、はい!姉上!」
姉上達の声に返事を返すと、すぐに部屋の扉が開き、姉上達二人が嬉しそうな笑みを浮かべて入ってくる。
「――失礼するわ!さて、私達の妹はどんな姿……に……!?」
「メドゥーサの姿……は……!?」
部屋に入って私を見た途端、姉上達は二人同時に言葉を失って、その場に立ち尽くした。
驚きからか目を見開いて私の方をじっと見つめる姉上達の姿に、流石の私も若干の恐怖を感じたが、すぐに姉上達は唖然としていた表情に涙を浮かべ、心の底からの笑みを見せると共に、私の胸へと抱き付いた。
「メドゥーサ……!本当に、ほんとに、綺麗になったわね……っ!!」
「流石、ハベトロットの腕だわ!私達の妹を、こんなに美しい花嫁に変えてくれるなんて……ッ!」
「あ、姉上……」
自分の事ではなく、私の事で涙を流す程喜んでくれる姉上達の姿。
思えばドレス選びの時やハベトロットと引き合わせ、特注のドレスを作る様に働きかけてくれたのも姉上達のおかげだ。
妹の為に身を粉にしてくれる姉上達には、感謝してもしきれない。
「さぁ、行きましょう!あなたの花婿が待ってるわ……!」
「はい……っ!姉上!」
「早く行って、その姿を見せてあげましょう!」
ステンノ姉様とエウリュアレ姉様の二人の手を握り、私は待合室の扉めがけて走り出す。
その先には私の夫――立香が待っているから。
「(ああ、幸せだ……女神として、あの人の妻で居ることが……)」
いや、最早女神ですら無いのかもしれない。
今の私は怪物でも女神でもない、人間の男――藤丸立香に恋する一人の女……ゴルゴ―ン。
そう、立香と結ばれる一人の花嫁だ。
これからも、この先もずっと……
「愛しているぞ、立香……」