男娼少年イヴ -亜人っ娘だらけの異世界で穢され嫐られ毎日- 作:ノーティー・ナイト・ザ・リーアム・クラブ
キロネ屋敷から帰って来たその日の昼、大量の本がオフィスに届けられた。全部、キロネの過去作だ。
添えられた手紙には「ママへ♡」と書かれており、どうやらイヴニンスに惚れ込んだ彼女からの貢ぎ物のようだ。
「……確かに『君の事を知っておきたい』とは言ったけどさぁ……」
言った分には責任を負うべきだと腹を括り、イヴニンスは第一作目から順にキロネの作品を読んでいた。
その内疲れが出て来て、一旦休憩しようと本を置き、応接室に向かう。
室内に入ると、ナイトマンが大きなトランクケースに荷物を詰め込んでいるところに居合わせた。
「……なんの準備?」
「あー、これはこれはイヴニンス氏。娘さんの作品はいかがでしたか?」
「誰があいつのママだッ!」
意地悪に笑いながらナイトマンは、傍らに置いていた着替えやタオルを入れてからケースを閉めようとする。
しかし一切整理されていないケースの中は荷物でこんもりと山になっており、上から押し付けてもなかなかケースが閉まってくれなかった。
「あれ……なんだコレ閉まらない……閉まれーっ! ほら! 閉まれっつの!」
「……あのな。もう少し入れ方を考えろよ。そんな手当たり次第に詰めて、上手く収まる訳ないじゃないか」
「じゃあどうすりゃ良いんですかね? ええ? こんだけの荷物、上手く収まる訳ないでやしょ?」
イヴニンスは呆れ顔になりながら、ナイトマンを押し退けてトランクケース内を上手く整理整頓する。
結果、ものの五分後には、荷物を一つも減らす事なくパタンとケースは閉まった。
「はい。交易は収納が命だから、収納術は真っ先に叩き込まれていてさ」
「…………イヴニンス氏。おたくやっぱ、ママの才能ありやすぜ?」
「お前も言うか……!」
次に部屋には、お出かけから帰って来たアーリーが現れた。食糧がたっぷり詰まった鞄を持っている。
「ただいまナイトマーン!……あら! ママさんじゃん♡」
「くどい!」
「ママぁ〜♡ アーリーちゃん、おつかい頑張ったから褒めて〜♡」
「怒るぞ……!」
「もう怒ってんじゃんさ! 叱らないでマぁ〜マっ♡」
青筋を立て、ムスッと拗ねて黙り込むイヴニンス。
アーリーは持っていた大きな鞄を、ナイトマンに手渡した。
「はーい、食糧とお水も買って来たよー。切り詰めたら一週間は保つんじゃない?」
「えぇ、助かりやした。飢えと渇きで苦しむような視察は嫌ですからね」
「……視察?」
イヴニンスが尋ねた。
「どこに行くんだ? 隣の国?」
「あー、違うんですよイヴニンス氏。この世界とは違う、『別の異世界』に、ですよ」
「……別の異世界?」
それを聞いてふと、この世界に来る前の事が思い出される。
様々な時計が掛かった空間に連れられ、その時計から表出した扉に引き摺り込まれてこの世界に来た。そう考えるならば、あの空間にあった時計一つ一つに、また別の世界に繋がる扉があって然るべきだ。
「……なんでお前だけその……他の異世界に?」
「実は前々から目を付けていた世界がありましてなぁ。精気をめちゃくちゃ集められそうな生物のいる世界で、ワンチャンそっちに拠点を移せないかなぁと事前視察に行くんですよ」
「え……? じゃあ……この世界からはもう出るの……?」
少し寂しそうな顔をするイヴニンス。
ナイトマンは両手の平を出して彼を宥めた。
「ワンチャンですぜ、ワンチャン。仮に移るとしても準備がありますし……まぁ、向こう十年はこの世界で活動する事になりますから」
「……そ、そっか」
「あれ? イヴくん、もうこの世界に愛着湧いちゃった?」
アーリーの指摘を受けて、まだこの世界に居られる事に安堵している自分にハッと気付いた。
何だか恥ずかしくなり、頬を赤らめてそっぽを向く。そんな彼の姿をアーリーはニヤニヤしながら眺めていた。
「何はともあれ、その世界の様子次第ですな。五日は帰らないと思いますので、その間はコレに面倒見てもらってくださいな」
「コレって言うな!」
「面倒見てもらう、じゃないですな……面倒見といてください」
「人を子どもみたいに言うな!!」
怒りながらナイトマンの背中を、割と腰の入ったパンチで殴るアーリー。多少痛そうにはしているが、彼はそれを無視してやる。
「んまぁ、この世界出る前に、イヴニンス氏の送り出しを担当しやしょうかね……それではイヴニンス氏、仕事の準備を」
両手にケースと鞄を持たせながら、アーリーにまだ殴られつつもナイトマンは立ち上がる。
いつも通り、蜥蜴車で今夜の客の元まで送られる。
ナイトマンの荷物でいつも以上に窮屈な車内で、イヴニンスはカーテンを少し開けた車窓から夜の街を眺めていた。
「……今日の客はどんなの? また蟲人?」
「いや、今夜は獣人の兄妹さんでしたな」
「……二人なのか?」
一度に二人を相手にするのは、実にリムバケット姉妹ぶりだ。不意に散々嫐られた時の事を思い出し、苦々しい顔で両膝を合わせてモジモジする。
「えぇ、お二人ですな。お名前は『メルボーン兄妹』。このメルボーン家は学問一族で、過去優秀な学者を輩出しております。そして例に漏れず、兄の『レミー氏』は天文学、妹の『コートニー氏』は植物学の分野でそれぞれ名を上げております」
「へ……へぇ……」
教養と家柄のある人物と知り、リムバケット姉妹の時よりは酷い事にはならないだろうと安堵する。
そんなイヴニンスの感情を見計らったかのように、ナイトマンは追加の説明を入れた。
「コートニー氏はかなりの遊び人らしく、夜な夜な男娼を買いまくっているほどだそうで。まぁ、朝までは寝かせて貰えんでしょうな」
それを聞いて頭を抱えるイヴニンス。
「ただ兄のレミー氏は……あまり爛れた噂は聞きませんな。本人も割と真面目な人間らしいですし、ともすればイヴニンス氏が初めて事に及ぶ相手になるやもしれませんな」
「…………なのに買うのは女の人じゃなくて、男なんだな……」
「あまりそう言う事に頓着しないお国柄ですからなぁ。異性でも同性でも『可愛ければオッケー』な認識なんでしょ」
「この世界は爛れ過ぎだと思うよ……」
「爛れてない世界なんてどこにもありませんぜ。まぁ、名義が妹さんでしたし、お兄さんは無理矢理巻き込まれたって感じな気もしますけどなぁ……あぁ、そうだそうだ」
ナイトマンは何か思い出したかのように、多い荷物の中から大きめの紙袋を取り出して渡した。
「オプションとして服装の指定がございますので、今着替えてください」
「絶対嫌だッ!!」
フレデリカの時の事を思い出し、断固拒否する。
「どうせ女装なんだろ!?」
「何を言いますか。女装ではございませんよ」
「ち、違うのか?」
「えぇ」
疑いながら紙袋の中を覗き、それから真っ赤な顔でまた怒鳴る。
「やっぱり女装じゃないかッ!!」
「男の娘も着てるんですから女装じゃねぇです」
「完全に屁理屈だろ!」
「説き伏せられないのなら立派な理屈ですぜ? ひっひっひ……」
「と、とにかく! 僕はコレ着ないからな!」
服が入った紙袋を押し付けて返そうとするものの、ナイトマンはそれを更に押し付けてイヴニンスの胸の前に戻す。
「イヴニンス氏、ワガママは駄目ですぜ。仕事なんですから、着ていただかないと」
「死んでも嫌だ!」
ごねる彼に苛つき、ナイトマンは舌打ちをかます。
「じゃあ本当に死にますかい? え? そんならおたくの魂を回収して、精気に変えてやれますがねぇ?」
業を煮やしたナイトマンから、かなり重めの脅迫を受ける。一瞬冗談かと思ったものの、彼の笑っていない目が「冗談ではない」と物語っていた。
イヴニンスら人類とは一線を画す、上位的存在からの言葉だ。かなりの説得力があり、命の危機を本当に感じてしまった。さすがのイヴニンスも青い顔で押し黙ってしまう。
かなり躊躇った後に、渋々彼は紙袋を受け取った。ナイトマンは満足そうにほくそ笑む。
上に木柵が取り付けられた煉瓦塀が、三階建ての屋敷を囲んでいる。
まだ陽が落ちて間がない青混じりの夜空の下、まるで浮かび上がっているような錯覚させ催すほど、その屋敷の輪郭は鮮明だった。
それはアーチ型の窓や軒先に吊るされたランプ、道路に並ぶ街灯からの光がスカーレット色の煉瓦壁を良く映えさせ、味のある汚れや傷の存在もあってか、屋敷の持つ格式の高さと威厳さをこれでもかと放っていたからだ。
玄関を抜け、突き当たりにある扉を潜った先に居間がある。
暖炉の前でソファに腰掛け、そわそわと落ち着かない様子で膝を擦らせる青年が一人。
暫くすると廊下から、女が一人部屋に入って来た。風呂上がりのようで、バスタオルで髪を拭いている。
「あふ〜……気持ち良かったぁ〜……あれ? にーちゃん、居間にいたの?」
「……こ、コートニー……」
妹のコートニーは濡れた髪を乾かそうと暖炉の前でしゃがみ、火の前で髪の毛を広げる。
「男娼来る前から緊張するとかヤバ。完全に童貞仕草だし」
「……う、うぅ……でも、コートニー……俺、やっぱ……」
膝の上に置いた自身の尻尾を手に取り、毛をくるくると指で繰りながら呟くように話す、兄のレミー。どうやら童貞で、男娼が来るとあって気が気でない様子だ。
一方のコートニーは経験豊富のようで、緊張している感じは一切ない。
「はぁ〜……にーちゃん、顔はキュートな癖に、奥手過ぎなのホント損してンねぇ?」
「わ、わ、悪かったな……勉強ばっかの堅物で……」
「なんもソコまで言ってないし。まぁ、堅物なのは問題だけどね〜」
しゃがむのが面倒になったのか、コートニーはそのまま暖炉前で胡座をかく。
「今日予約した男娼くん、めちゃ高かったんだけど、物っ凄い評判良いみたいでねぇ? あ〜楽しみ〜!」
「……今更だけど、その……な、なんで俺の童貞卒業が男娼なの……?」
「え? いやそんなん、にーちゃんの童貞を女に取らせんのシャクだし?」
「なにそれ……怖い……変な子……」
コートニーは膝の横に肘を立て、それで頬杖を突いてからニヤニヤと笑う。
「うひひひ……♡ 街の男娼はあらかたパクパクして来たけど、今回の子は果たして歴代一位をぶち抜いてくれるかなぁ〜?」
「……お前のその、性と植物への追求はリスペクトするよ……」
「因みに現在、あたしが出会って来た中で一位の男娼は、カーリオ君って子♡ あの子、ホント良い子過ぎてガチ恋しちゃってたなぁあ〜〜♡」
「いや聞いてないから……」
兄妹二人が暖炉前で話していた時、玄関からトントンとドアノッカーを叩く音が響く。
驚きから身体を跳ねさせるレミーに対し、コートニーは待っていましたと言わんばかりの勢いで立ち上がる。
「いよっしゃーーっ!! 待ってましたーーっ!!」
「え? え? え!? き、来たの!? 郵便じゃないの!?」
「こんな夜中に来んのはもうアレしかないってのッ! イヤッホーー!!」
歓喜をあげて跳ねたりスキップしたりしながら、コートニーは廊下へと駆けて行く。レミーもその後ろからおろおろと続いた。
壁の横木の上を指でなぞりながら颯爽と玄関扉の前に到着。そこで一度立ち止まり、持っていた香水を手首や、側頭部からピョンと飛び出た小さな獣耳の後ろにかけてから扉を開けた。
「はぁいかわい子ちゃん? 待ちくたびれ──」
「こんばんはメルボーン様〜」
扉の前にいたのはヒョロ長でスーツ姿で無精髭の、枯れ木のような青年だった。コートニーの笑顔が固まる。
「少し遅れてしまいましたが、何とか馳せ参じました。今夜、お二人のお相手をする──」
「ごめんチェンジで」
「違う違う違う、あたしが男娼ではないんです。あたしはタダのポン引きみたいなもんですって」
枯れ木のような青年ことナイトマンは、扉を閉めようとするコートニーの誤解を必死に解く。
そこへ後続のレミーも玄関にやって来た。そしてまずナイトマンを見て、露骨に嫌そうな顔。
「……コートニー、まさかソレが……?」
「だから違いますっての。ソレって言いなさるな」
呆れ気味に小さく溜め息を零してから、訝しげな兄妹に説明を入れる。
「……えー……今夜、お二人のお相手をする……我がオフィス唯一にしてトップの男娼、イヴをお連れ致しました」
「……いや。唯一だったらトップしかいないと思うけど……」
「言い回しがバカでしたな、このセールストークはボツにします……とは言え、並みの男娼を遥かに凌ぐ美貌を持った少年である事には間違いありませんぜ?」
レミーは不安そうな顔でコートニーを見やる。
一方のコートニーは、期待の眼差しで道路に停めてある蜥蜴車を指差した。
「アレに乗ってるん?」
「えぇ。今はお着替え中ですので……すぐ出て来るハズなんですがねぇ」
「お着替え……むふふ♡ じゃあ『例のオプション』、ちゃんと付けてくれたんだぁ〜?」
「えぇ、えぇ、その通りですとも」
「例のオプション……?」
一体何の事なのかと尋ねるレミーに、コートニーはチャーミングにウィンクしながら教えてやる。
「鎖骨フェチのにーちゃんには堪らない衣装にして貰ったし♡」
「そ、そうなんだ。ありが……誰が鎖骨フェチだよっ!?」
あわあわと分かりやすく慌てるレミーをそのままに、なかなか出て来ないイヴニンスに痺れを切らしたナイトマンが蜥蜴車へ駆けた。
「ちょっとイヴニンス氏ー?」
彼が蜥蜴車のドア前まで近付いた折に、そのドアが開かれた。
出て来たイヴニンスの姿を見てから安堵の表情となり、次にニタリと笑って兄妹の方へ踵を返した。
「やぁやぁ、お待たせ致しました! 夜を彩るアーニマの輝ける一等星──イヴの登場です!」
手を差し向けて横に捌け、自身の身体で隠していたイヴニンスの姿を二人の前へ現させた。
フリルの付いた白のブラウスは、両肩や胸元を大胆に曝け出したオフショルダーの襟ぐりかつ、臍がちらちらと見えるほどに裾が短い。穿かされた緋色のブルーミング・スカート*1はミニ丈で、スカート内からは伸びたガーターベルトが太腿の上を走り、脚部を覆うぴっちりしたタイツと繋がっている様を扇情的に晒している*2。
そんなお洒落なレディース服を纏っているのは、プラチナブロンドの美少年。スカートの裾を両手で押さえながら内股気味で歩き、顔を真っ赤にして俯いていた。
怒ったような視線を伏し目がちにナイトマンへ送った後、「こんな格好をさせるよう言った奴は誰だ」と今宵の客へ目を移す。
立っていたのは、男女が二人。恐らくナイトマンが言っていた、メルボーン兄妹だろう。
妹であるコートニーは側頭部から横へ立った大きな、やや楕円形の耳と、栗色の髪に白い斑点が入った不思議な髪が特徴的な女性だ。
くりっとした目、短めの髪、勝ち気で陽気そうな顔立ち。ブラウスの上に着た緋色のベストと下に履いたジョッパーズ*3と言う服装を含め、活発さが強く伺えた。
一方の兄であるレミーは、コートニーと雰囲気を対照的にしている。
耳は細長くて上にピンと立ち、灰色っぽい髪は肩まで長く、同様に前髪も目に微か掛かるほど伸びている。服装もオフ・ネックのセーターで、生真面目にして陰気な印象が強い。
事前に男だと聞かされていたが、顔立ちはどちらかと言えば女っぽく、セーターもズボンもぴっちり目で華奢な身体の線を出していたので、パッとした見た目は青年女性にしか見えない。
それぞれコートニーは短くピョンと跳ねた尻尾、レミーは箒のように大きく垂れ下がった尻尾が生えており、耳の形状も合わせてどうやら、コートニーは鹿、レミーは馬の獣人であるとイヴニンスは察する。
顔立ちも性格もまるで似ていない二人だが、イヴニンスの姿に驚きながらも見惚れるその表情と反応は一緒だった。
「……え? こ、この子が……マジ?」
あまりに素晴らしいイヴニンスの姿に、コートニーは信じられないと言いたげな半笑い顔でナイトマンに聞く。
彼はニヤリと笑ってから、ゆっくり大きく頷いた。
「マジでございます。今夜一晩、彼がお二人の『恋人』です」
「……♡♡……お風呂上がりたてなのに、ちょっと濡れちゃったし……♡」
「これから『ちょっと』ではすみませんぜ」
隣で二人が話している間も、レミーはずっと見開かれた瞳でイヴニンスを見ていた。
口元を手で隠し、思わず荒れてしまった息を隠そうとしているものの、赤くなった頬と開いた瞳孔が、イヴニンスへ抱く強い劣情を物語っていた。
早速突き刺さるねっとりした視線を前に、イヴニンスは思わず目を逸らす。
そのタイミングでナイトマンは手を打ち、「さて」と言って注目させた。
「では、あたしはコレでサヨナラしますな。イヴ氏、上手くやってくださいね。くれぐれも粗相がないように」
それから彼は「また来週」と言い残し、イヴニンスを置いて蜥蜴車へ飛び乗った。
このまま彼は異世界へ出張だ。彼を乗せた蜥蜴車は早速走り出し、街角を曲がって見えなくなった。
それを見送っていたイヴニンスの手を、誰かが取る。
驚いて顔を向けると、爛々とさせたコートニーの瞳が視界いっぱいに入った。
「!?」
「あは♡ はじめまして♡ あたしコートニー♡ イヴくんだっけ? ヤバいねその服♡ 可愛いよ♡」
取った手を引いて、屋敷へと連行する。少し痛みを感じる程度に強く握られており、それだけで彼女の興奮具合が分かる。
「ちょ……いたっ……」
「あっ♡ ごめん♡ 力み過ぎちゃったし♡」
「……!? うわっ……!」
イヴニンスを引っ張り寄せると一旦手を離し、その離した手を彼の腰に回す。
今のイヴニンスは、コートニーに抱き寄せられた状態で並んで歩いている。甘い香水の匂いが鼻の奥へ染みた。
また頭一つ分背の高いコートニーと並べば、ブラウスとベストを押し上げていた乳房にふにっと顔が付いてしまう。それが彼を動揺させた。
「っ!?!?」
「でへへ……♡ 小っちゃ可愛い過ぎて、往来で襲っちゃうトコだったし♡ 危ないから早くお家でヌクヌクしようねー♡」
「ま……待って……んひっ!?」
腰に回したコートニーの手が、イヴニンスのお尻を鷲掴みする。
「……おっ♡ あのメガネくん、出来る人じゃん♡ ちゃんと、『こっち』も希望通りだし……♡」
「ど、どこ触ってんだ!?」
「どこって、お尻じゃん♡」
「んふっ……!」
尻肉を掴んでは揉み、パッと指を離すと今度は撫で上げて、また掴んで揉む。
すぐにでも振り払いたかったイヴニンスだが、彼は今スカートを押さえるのに必死だった。と言うのもコートニーの胸が当たって、不意にペニスが反応して勃ってしまい、布を押し上げてしまうからだ。
「んっ……!」
「ん? もしかして感じちゃってる♡」
「んな訳あるか……!」
「うわぁ……顔に似合わず、すっごい強情だし……♡」
スカートから手を離せば、勃起がバレる。だから好き勝手に尻を蹂躙する彼女の手を甘んじて受け入れ、羞恥と屈辱に満ちた赤面のまま耐える他なかった。
揉まれながら軒先まで来ると、レミーがそこに立っていた。彼はずっと、イヴニンスを見ながら口元に手を当て、立ち尽くしていた。
垂れた前髪の隙間から覗くレミーの瞳は驚きから見開かれ、そして頬はとても赤らんでいる。
「…………」
「…………な、なに?」
イヴニンスが呼び掛けても反応がなく、コートニーが彼のおでこを軽く突いてやっと我に返った。
「にーちゃんったら♡ イヴくんに一目惚れしちゃった〜?♡」
「あ……あう……」
真っ赤な顔と少し焦点の合わない目で、レミーはあわあわと慌てている。彼もまたコートニー同様、イヴニンスをお気に召したようだ。
そのまま玄関に連れ込まれ、廊下に入ってすぐの所にあった階段前まで辿り着く。
後続のレミーが入り口を閉めた事を確認すると、コートニーはやっとイヴニンスのお尻から手を離した。
「あたし、お茶とお菓子持って来るし! だからにーちゃん、ベッドルームに案内したげて♡」
「……え? お、俺が……!?」
「分かった? じゃあオネガーイ……んひひ♡ イヴくんも待っててね♡ ちゅーっ♡」
「やめろっての!」
キスを迫るコートニーを、イヴニンスは腕を突き出して阻止させる。少しムッとした顔を見せた後、彼女はキッチンへと走り出した。
彼女が消えてすぐ振り返ると、レミーが目の前にまで迫っていた。
にやける口元を隠しでもしているのか、手でそれを覆いながら上擦った声で話しかける。
「い……い、イヴくん……だった、よ、ね?……お、俺……じゃなくて僕は、レミー……きょ、今日はよろしく、ね?」
「……よろしく」
「……♡ よろしく……♡ うふふふ……♡」
返事を返されて嬉しかったのか、レミーはふにゃっと笑う。身体もくねくねさせていたので、イヴニンスからは不気味に思われていたが。
それから彼は手をパタパタ忙しなく動かした後、階段の上を指差した。
「そ、それじゃ!……に、二階のベッドルーム……ふーっ♡ ふーっ♡……行こっか?」
「ベッドルーム」と言った際にいかがわしい妄想が過ぎったのか、呼吸が荒くなる。それを誤魔化すようにレミーは踵を返し、先に階段を上がって行ってしまう。
イヴニンスはやっとペニスが落ち着いた段階でスカートから手を離し、肩紐のズレを気にしながら、先導するレミーの後に続く。
段上で背を向けている彼の灰色の尻尾は、とてもパタパタと動いている。
そしてイヴニンスから見えない彼の表情は既に蕩けており、そして手はセーターの裾を伸ばすのに使われていた。
勃ち上がってズボンに浮き出てしまった、「規格外のペニス」を隠す為だ。
▼イヴちゃんエロエロ感度累加記録♡
[ナイトマンが出張だ!やった!好き放題ヤリまくるぞー!]
▼ナイトマンダイアリー
[只今出張中]
*アンケートは11月末までを予定しております。
次の次くらいのお客様は、序盤キャラを再登場させる予定です。どなたを再登場させたいですか?
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パニア・ベルダラ
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フレデリカ・リングフラワー
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リムバケット姉妹