リリルカ・アーデにTS転生した男がふたなりチ○ポで無双する 作:季式-キシキ-
「もし暇なら俺達の家に来ないか? アンタなら大歓迎だ」
「私からも、お礼がしたいので」
「……二人がいいなら、いい……」
ライとフィナからは感謝が、ルゥからは気持ち半分こちらを探っているような視線を向けられる。
「そう、ですね。リリもこれから帰るところなのでいいですよ」
快く招待を受けることにした。
どうせこのまま帰ってもやることはないし、他のファミリアが襲われたのもさっきの今だ。
この子たちの護衛のためにも同行しよう。
目を離したら、そのまま犯人探しを続けるかもしれない。
私は彼らの後をついて歩いた。
三人は迷いのない足並みでダイダロス通りに入っていき、やがて一つの教会にたどり着く。
「ここが俺達の家だ! ほら、遠慮せずに入れよ」
「……お邪魔します」
中に入ると、心配そうな顔をしているヒューマンの女性と二十人前後の子供たちがいた。
「ライ、フィナ、ルゥ……!? どこに行っていたんですか!!」
「ゲッ、マリアお母さん怒ってる……!」
「当たり前よ。私は止めたんだからね」
「ボクも、止めたことにしといて」
三人に目を向けた一人の女性が駆け寄り三人を抱きしめる。
「心配していたんですからね」
「ご、ごめんなさい……」
ライもバツが悪かったのか、しょんぼりと謝っていた。
「それで、この人は……」
「はじめまして。リリはリリルカ・アーデといいます」
「この人が昨日助けてくれました!」
私の挨拶にすかさずフォローをしてくれるフィナ。
女性も合点がいった様子で頭を下げる。
「一度ならず二度までも。この子たちを連れ戻してくれてありがとうございます」
「いえ、通りかかっただけですから」
フィナちゃんを見つけたときも、彼らに見つかったときも、どちらも本当に通りかかっただけだ。
「私はマリア・マーテル。この孤児院の責任者をしております」
「……孤児院」
「はい。ダイダロス通りではこういうところがよくあるんです」
迷宮都市オラリオでは数え切れないほどいる冒険者たちの間にできる子供たちが結構いるらしい。
一時の快楽に身を任せたか、娼婦たちが意図せず孕んだか。
どちらにせよ、冒険者に先立たれた女性と子供に選べる選択肢は限られている。
冒険者が所属していた【ファミリア】に養ってもらうか、自ら稼いで子供を養うか。
そしてどちらも選べなくなると、親の責任を放棄して
「私は、親に置いていかれたこの子たちを放っておけず……今はこの教会を無断に借り、名ばかりの孤児院を開いています」
少年たちの頭を撫でながらマリアさんは答えた。
「そうですか……」
私も広義でいえば、親に置いていかれた子供ということになる。
私の場合は両親が
「なんだよ。俺達は母さんと一緒に暮らせて幸せなんだ。そんな目で見るなよ」
思うところがあって悩んでいると、何を勘違いしたのかライくんに睨まれる。
こらっ、とマリアさんが彼を窘めているが、私の目には入らなかった。
「ええ、そうですね。幸せそうですね。リリと違って」
「えっ……」
「いえ、なんでもありません」
子供に八つ当たりしそうになった
最近、言動が記憶に引っ張られてきていると思っていたが、やはり自重したほうがいいかもしれない。
ライは哀れまれたと思ったのかもしれないが、むしろ逆だ。
たとえ貧しくても頼れる
リリにはいなかった。
生まれたときからいつも一人で、神様にも頼れなくて、それは憑依したあとも変わらない。
私も前世はリリとは違う意味でボッチでしたけどね!(自虐)
「その、なんというか、ごめんなさい」
「……? どうして謝られるのでしょう」
「だって、アンタ、なんか泣いてるみたいだったから」
「……あ」
言われて気づく。
「すいません。この子が失礼なことを……」
「いえ、リリは大丈夫です。ちょっと思うところがあっただけなので」
ああ、なんて情けない。
これくらいのことで我慢できなくなるなんて。
シルさんの時からそうだ。
シルさんが誰にでも優しいように、彼らが仲間想いのように。
今の私が持っていないものをまざまざと見せつけられて、誰も知らないところで勝手に孤独を感じてきた。
彼らにそんな気はなかったはずだ。
だからこれは私一人の身勝手な傷心に過ぎない。
「本当に大丈夫ですから」
私はごまかすように笑った。
「そうですか」
マリアさんも何かを察したのか、これ以上尋ねてくることはなかった。
前回の話を見直して、
血の匂いと犯人を結びつけたとしても、細かく嗅いでいけばその場にいる冒険者全員が血の匂いに引っかかってしまうのでどちらにしろって感じです
オリルカも至近距離にいたから気づけただけですからね……
逃げた鍛冶師を追ってきたんだろうけど、追手ちゃん早いなー
地味に前回の話がわりと下積み時代とその後の展開に重要だったりする……