〜もし望まぬ性行為を強制できる社会だったら〜 モラルハザード ❤️少子化対策特別法公布!エロイラスト付❤️ 作:みなぽん
夜の空気がようやく熱を失い始める頃、梨畑には甘い香りが静かに漂っていた。
その香りは、農家たちが一年をかけて育てた努力の証だった。
だが、その香りを「商品」ではなく「獲物」としか見ない者たちがいた。
黒いワゴン車が街灯もない農道をゆっくりと進み、エンジンを切る。
運転席から降りたのは、二十九歳の男、カイン。
痩せた体つきに鋭い目。感情をほとんど表に出さない男だった。来日後、職場を離れ、闇ブローカーに取り込まれて以来、農産物窃盗グループを率いている。
「十分で終わらせる。」
短く告げると、仲間たちが頷いた。
助手席には二十四歳のティエン。
大柄で力があり、収穫担当だ。重たいコンテナを軽々と持ち上げ、梨を手際よく積み込んでいく。
後部座席には三人の女性がいた。
最年長のリン、二十二歳。
小柄で物静かな印象だが、頭の回転は速い。周辺の巡回時間、防犯カメラの位置、逃走経路を事前に調べ上げ、実行役へ指示を出す役割を担っていた。
その隣にはマイ、二十歳。
笑顔を絶やさず、人当たりが良い。しかし、その愛想の良さを利用して昼間に近隣を歩き回り、「道を尋ねる旅行者」を装って農家の生活リズムを探っていた。
最後の一人は十九歳のハー。
グループでは最も若い。盗んだ梨を箱へ詰め替え、ラベルを貼り替え、転売先への連絡を担当する。犯罪に慣れ切っているわけではないが、生活のためという言い訳を自分に繰り返し、良心に蓋をしていた。
「始めよう。」
リンの声で全員が動き出す。
カインとティエンが防鳥ネットを静かに持ち上げる。
マイは道路へ目を配り、遠くの民家に明かりが灯らないか監視する。
ハーはコンテナを並べ、リンはスマートフォンで時間を計測する。
十分も経たないうちに、木々に実っていた梨は次々と姿を消していった。
彼らは枝を折ることなど気にしない。
急ぐために木を揺らし、踏み荒らし、傷ついた実はその場へ捨てる。
収穫後のことなど考えない。
明日には別の畑へ向かうだけだからだ。
その時だった。
「誰だ!」
懐中電灯の光が闇を切り裂く。
七十八歳の梨農家、佐々木源蔵だった。
毎日夜明け前に畑を見回る習慣が、この日だけは少し早くなっていた。
「お願いだ……それだけは持っていかないでくれ。」
老人は必死だった。
一年かけて育てた梨。
天候を気にし、病気を防ぎ、暑い日も寒い日も世話を続けた結晶だった。
ティエンは舌打ちすると老人の前へ歩み寄る。
「どいて。」
老人は動かない。
「この畑だけは……。」
ティエンは老人の肩を突き飛ばした。
源蔵は地面へ倒れ込み、肘を擦りむく。
マイは思わず顔をしかめる。
「もう行こう……。」
だがカインは冷たく言った。
「積み込みを続けろ。」
リンも表情一つ変えず、腕時計を見る。
「あと三分。」
ハーは倒れた老人を見つめたまま動けない。
源蔵の震える手が、潰れた梨を拾い上げていた。
泥にまみれた果実を、まるで我が子のように胸へ抱く姿が、彼女の目に焼き付く。
「ハー。」
リンが低い声で呼ぶ。
「仕事。」
その一言で、ハーは再び箱を持ち上げた。
やがてワゴン車は、荷台いっぱいの梨を積んで暗闇へ走り去る。
静けさを取り戻した畑には、折れた枝と踏み潰された果実だけが残されていた。
源蔵はゆっくりと立ち上がり、荒らされた畑を見渡す。
夜明けの空が白み始めていた。
「こんなことを、あと何年耐えればいいんだ……。」
その呟きは、誰にも届かなかった。
一方、走り去るワゴン車の中では、カインが転売先へ電話をかけていた。
「予定どおりだ。朝までには全部さばける。」
利益を計算する彼らと、収穫の喜びを奪われた農家。
その対比は、同じ夜を生きながら、あまりにも遠い世界の出来事だった。
アジトは、港近くの倉庫街の最奥にあった。
鉄板を貼り付けた窓、錆びたシャッター、路上に積まれたコンテナの影。
周囲に民家はない。人目を避けるには最適な場所だった。
だが、今夜そこには、彼らの目を避けられない者たちが集まっていた。
夜明け前。
倉庫を取り囲むように展開したのは、入国管理局特殊部隊「JOOY」。
黒ずくめの戦闘装備、夜視装置を装着したヘルメット、手にしたアサルトライフル。
その姿は、夜の闇そのもののように静かで、そして圧倒的な暴力を内包していた。
彼らは日本国民から、ある期待を込めて「攘夷」と呼ばれていた。
古の言葉で「異国の侵入者を排する」という意味。
法を犯し、国に寄生する者たちに対し、容赦ない鉄槌を下す執行機関。
その冷徹な仕事ぶりは、一部からの人権批判を浴びながらも、犯罪に苦しむ人々からは密かな支持を集めていた。
指揮官の無線が静かに唸る。
「ターゲットの熱源反応、確認。五名。倉庫内部に固定。」
「了解。突入準備。」
部隊長の合図とともに、隊員たちが一斉に動く。
爆薬がシャッターのロックを吹き飛ばし、閃光手榴弾が倉庫内を白く染める。
「JOOYだ! 動くな!」
轟音と怒号。
テーブルに並んだ梨を検分していたカインが、反射的に懐の拳銃に手を伸ばす。
だが、遅かった。
アサルトライフルの銃口が、すでに彼の胸元を捉えていた。
乾いた音が、倉庫に響く。
カインの胸に赤い花が咲き、彼は言葉すら発せず、床に崩れ落ちた。
ティエンもまた、棚を盾にしようと立ち上がった瞬間、正確な制圧射撃を受けて絶命する。
男たちへの「警告」はなかった。
交渉の余地もなかった。
彼らが法を犯し、この国に危害を加えた異分子である以上、JOOYにとって彼らは排除すべき対象でしかなかった。
「女性三名、確保!」
静まり返った倉庫に、隊員の声が響く。
リン、マイ、ハー。
三人は床に這いつくばり、両手を頭の後ろで組まされていた。
マイは震えながら、カインとティエンの亡骸を見つめる。
さっきまで「積み込みを続けろ」と指示していた男が、動かなくなっている。
その事実が、彼女の理解を超えていた。
リンは唇を噛み締め、目を閉じる。
防犯カメラの位置も、巡回の時間も、JOOYの突入だけは予測できなかった。
「攘夷」の動きは、彼女の情報網の外にあった。
ハーは、何も考えられなかった。
ただ、冷たいコンクリートの感触と、鼻腔を突く火薬の匂いだけが、現実としてそこにあった。
「連行する。」
隊員の指示で、三人は手錠をかけられ、外部の車へと引きずり出される。
倉庫の外には、すでに報道陣のカメラが集まり始めていた。
フラッシュが夜の闇を斬りつけ、彼女たちの怯えた顔を白く照らし出す。
JOOYの隊員たちは、その光を避けるように、そして排除するように、三人を車に押し込む。
「攘夷、またも成果を挙げたな。」
どこかでそんな囁き声がした。
車内から、ハーは窓の外を振り返る。
倉庫の前に残されたコンテナ。
その中には、今夜奪った梨が詰められているはずだった。
あの老人が泥にまみれた梨を抱きしめた姿が、脳裏をよぎる。
犯罪に慣れきっていたわけじゃない。
生活のため、という言い訳を自分に繰り返していただけ。
でも、今さらその言い訳は、誰にも届かない。
車が走り出す。
攘夷が去った後の倉庫前には、男たちの亡骸と、奪われた梨だけが残されていた。
そして、3人の女たちは、彼女たちが荒らした梨畑のある村に連れてこられていた。
「攘夷の次は復讐だ! ワカラセてやれ!」
JOOY部隊長・近藤の号令は、静かな殺意となって公民館の空気を震わせた。男たちは一様に黙り込み、血走った目で三人の女を見つめている。それは捕らえた獲物を解剖する前に、その生態を理解しようとする捕食者の目だった。
リン、マイ、ハーはそれぞれ別の部屋へと引きずられていった。薄暗い和室には、畳の腐ったような湿った匂いと、男たちの体から立ち上る獣のような汗の匂いが充満していた。
リン、マイ、ハーはそれぞれ別の部屋へと引きずられていった。薄暗い和室には、畳の腐ったような湿った匂いと、男たちの体から立ち上る獣のような汗の匂いが充満していた。
第一章:リン
「防犯カメラの位置も巡回も完璧だったろ? でもここだけは計算外だったよなぁ」
小柄なリンは、十人の男たちに囲まれ、壁際へ追い詰められていた。彼女は必死に思考を回そうとした。逃げ道はあるか。相手の弱点は何か。しかし、男たちの目には論理も交渉も通じないことは明白だった。それは、理性を超越した原初的な飢えだった。
「俺の嫁が三月の間、畑を見守ってたんだ。お前らが一時間で台無しにした実をな」
一人の男がリンの髪を掴み、無理やり上を向かせる。根元から引き裂かれるような痛みが走り、リンの目に生理的な涙が滲む。痛みが走るが、リンは必死に表情を引き締めようとした。感情を表に出せば、そこを突かれる。今までそうやって生きてきた。だが、男の手は容赦なかった。彼女の服の襟首を捕え、一気に引き裂いた。
「離して……っ!」
布が裂ける乾いた音が部屋に響き、冷たい空気が一気に肌を這う。その瞬間、リンの心臓が凍りついた。彼女は自分が「頭脳」でコントロールできる領域を完全に超えた場所にいることを悟る。男たちの荒い指が、彼女の滑らかな肌を執拗に這い回る。それは性的な欲望というより、彼女が奪った「時間」を代償として奪い返すかのような、粘着質で重い暴力だった。
指先が肋骨の一本一本を数えるように這い上がり、爪が皮膚に食い込む。別の男が彼女の腕をねじり上げ、背中を畳に押し付けた。畳のい草が擦れる感触、男たちの重たい体が次々と覆いかぶさる圧迫感。呼吸さえままならない。
「あぁ……っ、ぐっ……!」
唇を噛み締め、声を殺そうとするが、男たちの力は容赦なく彼女の体を捻り、抵抗の術を奪っていく。誰かの膝が太腿を割り込み、誰かの濡れた唇が首筋を這う。感覚が過剰になり、恐怖と屈辱が混ざり合い、リンの脳裏に白いノイズが走る。
男の手が下着の上から秘所を圧迫する。熱く硬い指先が、布地越しに肉の割れ目をなぞる。屈辱に体が強張るが、男は構わず布の端を退かし、生の指を滑り込ませた。
乾いていないそこに、異物が侵入する異様な感触。指が一本、また一本と増やされ、内壁を無遠慮に掻き回す。
「いッ……! やめ、あぁっ……!」
リンの口から、抑えていた悲鳴が漏れた。計算も策略も通用しない、原初的な恐怖。彼女は初めて、自分がどれほど残酷に人を踏みにじってきたかを、肌で理解した。男たちは彼女の反応を楽しむかのように、指の動きを激しくする。水音が部屋に響き、リンの太腿が震えた。
その時、ふすまが音もなく開いた。
七十八歳の源蔵が立っていた。その手には、あの夜に泥にまみれていた梨が握られている。
「あんたか」
源蔵の声は震えていた。だがそれは恐怖ではない。深く、底なしの怒りだった。彼はゆっくりと歩み寄ると、リンの前に膝をついた。しわくちゃの手が、リンの頬を打つ。乾いた音が、リンの残ったプライドを粉々に砕いた。
「俺の……俺の畑を返せ……!」
源蔵はリンの細い体を力任せに引き寄せた。老いた農夫の腕力は枯れていない。一年間、土と格闘してきた腕は、小柄なリンを容易く拘束した。源蔵の荒い息遣いと、泥と果実の匂いがリンを包み込む。老人の皺だらけの手が、若い女の肌を這う感触は、若い男たちの暴力とは違う、ある種絶望的な重みを持っていた。それは、枯れ果てたはずの大地が、最期の力で芽を吹くような、執拗な執念だった。
源蔵の指が、男たちの残した粘液と混じり合いながら、リンの奥深くへと侵入していく。土を耕すように、丹念に、しかし容赦なく。老人の指の皺が内壁を擦り上げ、リンの背中が弓なりに反った。
「あぁ……っ! そこ、やめ……ああっ!」
リンの体がびくびくと痙攣する。恐怖とは裏腹に、肉体は快楽の縁へと追いやられていく。源蔵はそんな彼女の反応を逃さず、さらに深く指を埋め込んだ。それはまるで、彼女の罪そのものを土に還す儀式のようだった。
第二章:マイ
「ねえねえ、道に迷っちゃってさぁ……なんて笑ってたよな、お前」
別の部屋では、マイが畳の上に転がされていた。愛想笑いを浮かべようとするが、引きつった唇は震えるばかりだ。その表情を見た男の足が、マイの腹を容赦なく踏みつける。
「ぐはっ……!」
息が肺から押し出され、マイは苦悶の声を上げた。体がエビのように丸まる。
「旅行者? こんな田舎に? ふざけやがって!」
「やめて……私、ただ……」
「ただ? ただ偵察してただけか? あんたのその笑顔で、どれだけの奴が騙されたと思ってんだ!」
男たちはマイの「愛想の良さ」を憎んでいた。彼女の笑顔は、彼らの純朴な生活を覗き見るための道具だったのだ。
マイの服は乱暴に剥ぎ取られ、彼女の白い肌が露わになる。男たちはその肌に、紅く熟れた梨の汁を擦り付けていった。粘つく甘い汁が肌を伝い落ちる感触に、マイは鳥肌が立つ。果汁が傷口に染みるように、男たちの視線が彼女の自尊心を侵食していく。
「綺麗な肌だなぁ。俺たちの梨みたいによぉ」
「いや……っ、汚い……! 触らないで!」
「汚いだと!」
平手打ちが飛ぶ。口の中が切れ、血の味が広がる。男たちは彼女の体を弄びながら、彼女が偽っていた分だけ、その反応を暴き出そうとした。
十人の手が、十の異なる意図を持って彼女の体を這い回る。ある手は優しく撫でるふりをして急に爪を立て、ある手は力任せに肉を掴む。
誰かがマイの足を大きく開かせ、その間に割り込んだ。太い指が果汁を潤滑油のようにして、彼女の後孔へと忍び込む。前の秘所には別の男が唇を寄せ、舌でねっとりと舐め上げる。
「あッ、んッ……! そこ、だめぇ……!」
マイは必死に哀願した。涙が果汁と混じり合い、ぐちゃぐちゃな顔になる。だが男たちの目は冷たい。彼女の涙は、彼らが流した汗の一滴にも値しないと思っていた。二つの穴を同時に責められ、マイの体は快感と苦痛の区別がつかなくなっていく。梨の甘い香りと、自分の体から立ち上るムッとした匂いが混ざり合い、彼女の嗅覚を狂わせる。
「お願い……許して……もうしないから……!」
「もう遅いんだよ! お前のその体で、俺たちの苦労を味わえ!」
男が腰を押し付ける。熟れすぎた果実を押し潰すような、重く粘着質な侵入。マイの喉から言葉にならない喘ぎが溢れ出した。かつて人の好さそうな通行人を装っていた自分が、今ではただの肉塊として扱われている。その残酷な対比に、マイの心は黒く染まっていった。自分の「愛想」が、自分を地獄に落としたのだという事実が、彼女の精神を締め上げる。
第三章:ハー
「箱に詰め替えてたのお前だろ。ラベル貼り替えてたのも」
ハーは部屋の隅で小さく縮こまっていた。彼女は「生活のため」と自分に言い聞かせていた。だから悪いのはカインやティエンで、自分はただ言われたことをしただけだと思いたかった。
「違う……私は……」
「言い訳か? あの爺さんが泥の中から拾った梨を、お前はゴミみたいに箱に放り込んでたな」
男の言葉が、ハーの胸に突き刺さる。あの時見た、老人の姿。泥にまみれた果実を我が子のように抱く姿。
「良心の呵責なんて感じてなかったのかよ!」
男の手がハーの胸ぐらを掴み、彼女を畳に叩きつける。衝撃で一瞬意識が飛びそうになる。
「感じてた……っ、感じてたけど……っ!」
「だったらなんでやめた!」
怒号と共に、ハーの服が引きちぎられた。男たちの手が容赦なく彼女の体を傷つけていく。爪が肌を掠め、鈍い痛みが走る。彼女は抵抗することさえ忘れ、ただ目を見開いていた。
「ああっ! 痛い……っ!」
痛みと恐怖で、ハーの理性が飛んだ。彼女はただの十九歳の少女だった。犯罪に手を染めたのは、弱さからだった。その弱さを、今ここで断罪されている。
「お前が貼ったラベルで、俺たちの梨は別のモンになっちまったんだ。お前のその手でな!」
男はハーの手を強引に掴み、彼女自身の体に押し付けた。自分の手が自分の体を這う異様な感覚。これは偽造だ。これは詐欺だ。自分の手が、見えない罪を犯し続けていたことを、体全体で刻み込まれるような感覚。他の男たちが彼女の手足を押さえつけ、身動きを封じる。逃げ場のない絶望が、潮のように彼女を満たしていく。
男の熱く脈打つものが、ハーの未成熟な秘所に押し当てられる。梨の汁で滑る肌、その隙間を縫うように、男が侵入してくる。
「いぃッ! 壊れる……っ! お願い、優しく……っ!」
「優しく? 畑の作物に優しくしたか? てめぇの都合で捨てただけだろうが!」
男は一気に腰を沈めた。ハーの体が跳ね上がり、白目をむく。前後の感覚が消失し、ただ熱い塊が自分を劈く感覚だけが支配する。男が動くたびに、畳と肌が擦れ、い草が肌に食い込む。
その時、源蔵が入ってきた。リンの部屋を訪れた後の源蔵の目は、さらに深い闇を抱えていた。その姿は、すでに生者というよりも、怨念の塊のようだった。
源蔵は黙ってハーを見下ろすと、懐からあの潰れた梨を取り出した。
「食え」
源蔵は短く言った。
「え……?」
「泥まみれの梨だ。お前が捨てた梨だ。食え!」
源蔵はハーの口を無理やりこじ開け、潰れた梨を押し込んだ。土の味と、腐りかけた果実の酸味、そして何よりも、自分が見捨てた「命」の味が口いっぱいに広がる。男が下から突き上げるたびに、喉の奥へ梨の塊が押し込まれる。
「んぐっ……! げほっ、げほっ……!」
ハーは嘔吐感に襲われながらも、それを飲み込まされた。それは彼女が犯した罪そのものの味だった。源蔵の手が、梨を喉の奥へと更に押し込む。窒息しそうな恐怖の中で、ハーの目から涙が溢れ出した。口の端から果汁と涙が混じり合って滴り落ちる。
源蔵は満足げに頷くと、皺だらけの手でハーの胸を鷲掴みにした。熟した果実をもむように、力任せに捏ね回す。下からは男の凶悪な突き上げ、上からは源蔵の重苦しい愛撫。二つの暴力に挟まれ、ハーの意識はプライドも言い訳も全て剥がれ落ちていった。
「ごめ……なさ……っ! ごめんなさ……っ!」
彼女は泣きじゃくりながら、泥と果汁に塗れた体で震えた。源蔵の怒りは、その言葉すら受け入れないかのように、彼女の上に重くのしかかった。それは罰であり、永遠に忘れてはいけない記憶の刻印だった。もう、「生活のため」なんて言い訳は二度と口から出てこないだろう。
朝日が完全に昇り、公民館に射し込んだ頃、部屋の中は静まり返っていた。汗と果汁、体液の匂いがこびりついた和室で、三人の女は動かない。
リンは虚ろな目で天井の染みを見つめ、マイは畳に顔を伏せたまま肩を震わせ、ハーは泥と涙でぐちゃぐちゃになった顔で、ただ「ごめんなさい」と呟き続けていた。
男たちの怒りはまだ完全に晴れたわけではないかもしれない。だが彼らは、自分たちの大事なものを奪った者たちに、その重さを骨の髄まで理解させたのだった。それは復讐であり、同時に彼らなりの、残酷なほど真実の「ワカラセ」だった。
あれから十五年が経った。
春には白い花が梨畑を埋め尽くし、夏には青い実が枝に鈴なりになり、秋には甘い香りが村を包み込む。そのサイクルが十五回繰り返された。
公民館のあの夜から、リン、マイ、ハーの三人は「人」ではなくなった。
村の男たちの怒りと欲望が形を変え、彼女たちは村の専有物――「ハラミ袋」として組み込まれたのだ。
犯罪者への懲罰という名目の下、彼女たちはただ一つの役割を与えられた。
子を産み、村の血を絶やさないこと。
少子化に悩むこの村にとって、彼女たちは法外な存在でありながら、同時に救世主でもあった。
リンは十人の子を産んだ。
かつて策略を巡らせていた頭脳は、今は子宮の痛みと赤子の泣き声だけで満たされている。小柄だった体は幾度も孕み、大きく膨らみ、しぼむことを繰り返し、もはや最初の面影はない。彼女はただ、与えられる精を受け入れ、命を宿し、産み落とす機械として生きた。反抗の言葉など、とうの昔に出なくなっていた。
マイもまた、十人の子を産んだ。
愛想笑いを浮かべて他人を騙していた唇は、今は乳を含ませるために開かれている。彼女の「愛想の良さ」は、村の男たちを悦ばせるための従順な態度へと変貌していた。彼女は自ら進んで男たちを受け入れ、彼らの歓心を買うことで、わずかな安らぎを得ようとした。その心は、すでに崩壊していた。
ハーもまた、十人の子を産んだ。
あの日、泥まみれの梨を口に詰め込まれた時から、彼女の「言い訳」は消え失せた。彼女は自分が犯した罪を、自らの体で償い続けた。十九歳だった彼女は三十代半ばとなり、その体には三十人の男たちと十人の子供が刻んだ傷が深く残されていた。源蔵との間にも子があった。あの老人は死ぬ直前まで彼女を抱き続け、彼女の子を自分の畑の跡取りとした。
十五年。
三人が産み落とした三十人の子供たちは、今や村のあちこちで元気に走り回っている。
彼らは皆、この村の新しい希望であり、未来だった。
畑を荒らされた復讐は、いつの間にか生命の誕生という形にすり替わり、村に活気を取り戻していた。
そして、約束の日が来た。
「期限だ。祖国へ返してやる」
近藤隊長の言葉は、彼女たちにとって死刑宣告にも、あるいは救済にも聞こえた。
彼女たちは身一つで、港へと連れて行かれた。
何も持たされていない。持って出られるものなど、何もなかった。
帰還船の甲板に立ち、彼女たちは遠ざかる日本の岸を見つめていた。
リンの目には何の感情も浮かんでいなかった。
マイはどこか遠くを見るような目で、空を仰いでいた。
ハーはただ、自分の膨らんだ下腹部を撫でていた。そこにはまだ、最後の命が宿っているかもしれなかった。
祖国の土を踏む彼女たちを待っているのは、果たしてどんな運命なのか。
彼女たちの体はすでに年老い、心は壊れかけている。
だが、彼女たちがこの村に残してきた三十人の子供たちは、これからもこの村で生きていく。
梨畑にはまた甘い香りが漂い始めるだろう。
その香りの中には、彼女たちが流した涙と汗の匂いも、微かに混じっているのかもしれない。
彼女たちは「ハラミ袋」として生き、そして去っていった。
村の少子化は解消された。
だが、その繁栄の裏にある闇は、誰にも語られることはないまま、梨の木々の下に深く埋葬されていった。