〜もし望まぬ性行為を強制できる社会だったら〜 モラルハザード ❤️少子化対策特別法公布!エロイラスト付❤️ 作:みなぽん
大森 隆史 少子化対策局局長 沈着冷静な切れ者、イケオジ
綾瀬 凛 少子化対策局次長 霞ヶ関の才媛 大森の秘書
小布施 千秋 大学1年生 少子化対策局戦闘エージェント 元少女兵
佐瀬 郁代 高校2年生 少子化対策局JKエージェント ニンフォマニア
藤宮 絵里 大学3年生 少子化対策局謀略エージェント 逆レイプ常習者
⭐️反逆者白川誠司の第二部
霞ヶ関少子化対策局、対策局で謀略を担当する藤宮絵里は大森局長の元に報告に来ている。「りんご農園の白川誠司の拠点を襲撃しましたがとり逃しました。白川を匿っていた農場主の大槻早苗は再度、連行しエージェントにより尋問と陵辱を加え妊娠させました。処置はいかがいたしましょうか?」
「うむ、反逆者とはいえ子宝は貴重だ。高槻早苗は身元正しい警察官か自衛官に下げ渡して強制結婚させ出産させなさい。この際だから5人ほど子供を産んでもらおう。国に逆らクズにできる協力ははらみ袋になる位だ。」頭脳明晰で情に厚い大森隆史だが少子化対策を阻むものに対しては容赦がなかった。
一方で、ただ1人逃げる伸びた白川誠司は彼を尊敬する大学の法学部の学生グループ。日本自由な学生連帯の法政大学グループに匿われていた。身延圭也、田崎慎吾、貝塚透、リーダーの兼定和泉。和泉は学生でも主導するなど反少子化対策の界隈ではJanne Da Arcと言われていた。
演説 — 炎の声 学生連帯のアジト
東京都内某所、古びたマンションの地下。元はマンション住民の集会室だったその部屋は、今では「日本自由な学生連帯」法政大学グループの隠れ家となっていた。窓のないコンクリートの壁に囲まれた四方四十坪ほどの空間に、古いパイプ椅子が十数脚並び、片隅には簡素な机とノートパソコンが数台置かれていた。壁には手書きのプラカードやスクラップブックが貼り付けられ、その中に「少子化対策特別法 反対」「信条の自由を守れ」「身体は国家の所有物ではない」といったスローガンが目立った。
誠司はパイプ椅子に腰を下ろし、目の前に並ぶ四人の若者たちの顔を見渡した。彼らは皆、誠司より十歳以上若い。二十代前半の、未来あるべき青春のただ中にいるはずの若者たち。しかし彼らの瞳には、青春の輝きではなく、暗い決意の炎が宿っていた。
「白川先生、準備整いました。配信もいけます」
リーダーの兼定和泉が、ノートパソコンの前に座ったまま親指を立てた。その隣で身延圭也がカメラのアングルを微調整し、田崎慎吾が音声機材のレベルメーターを睨んでいる。貝塚透は最後の原稿チェックを誠司に渡してきた。
「先生、これが最終稿です。昨日徹夜で三人で推敲しました」
誠司はプリントアウトされた紙束を受け取った。A4用紙五枚にびっしりと打ち込まれた文字を見て、誠司の喉が熱く痺れた。二十歳そこそこの学生たちが、自分のために徹夜して言葉を紡いでくれた。その事実だけで胸が潰れそうになった。
「ありがとう。みんな…本当にありがとう」
誠司の声が震えた。兼定和泉が静かに首を振った。
「先生が俺たちに お礼なんて言う必要はありません。俺たちが先生に感謝なんです。先生が法廷で闘ってくれたから、俺たちは目が覚めたんです。この国がどっちに向かっているか」
和泉の言葉に、他の三人も頷いた。誠司は深く息を吸い込み、原稿を机の上に置いた。
「始めよう」 配信開始
「——配信開始します」
和泉がキーを叩き、カメラの赤いランプが点灯した。身延圭也が親指を立て、田崎慎吾がオーディオレベルの安定を確認した。
誠司はカメラに向かった。その背後には、壁一面に貼られた「少子化対策特別法 廃止」という大きなプラカードが見える。誠司は正面を向き、深呼吸を一つ。そして口を開いた。
「——聞いてくれ。全国の市民たち。そして何より、未来を背負うべき若者たちへ」
誠司の声は低く、しかし確かな響きを持っていた。地下の集会室の空気が、一瞬で張り詰めた。
「私は白川誠司。かつて弁護士だった男だ。少子化対策反対協議会という名の下、政府の少子化政策が国民の信条の自由と基本的人権を侵害していると訴え、国を提訴した。その結果として、私は全てを失った。弁護士資格を剥奪され、社会的信用を破壊され、妻と娘を失い、自由を失った。今私は、指名手配の身だ。それでも、この声を届けずにはいられない」
誠司は一瞬言葉を切り、原稿を見ずに続けた。
「少子化対策特別法。この法律が制定された経緯を、皆はどれだけ知っているだろうか」
誠司は語り始めた。かつて法廷で準備し、弁護士として読み込んだ少子化対策特別法の立法経緯を、国民の知らない歴史として紐解いていく。
「2015年、出生率が過去最低の一・〇二を記録した。政府は危機感を募らせた。だがその危機感の対象は、国民の幸福ではない。国家の存立だ。彼らが怖れたのは、労働力不足による経済の崩壊。社会保障制度の破綻。そして何より、国家というシステムそのものの維持が不可能になることだった」
誠司の声が一段と低くなった。
「その解決策として政府が選んだのは、国民の幸福を増進することではなかった。国民の意識を改革することでもなかった。国民の身体を、国家の意思に従属させることだった」
誠司は手を強く握りしめた。
「少子化対策特別法第二条。これは国民に対し、『国が定める少子化対策に協力する義務』を課すものだ。しかし『協力』とは何か。それは実質的に、国民の身体と生殖に対する国家の介入権を認めるものだ」
誠司は息を呑んだ。次の言葉は、自らの家庭の崩壊と直結するものだった。
「この法律の下で、政府は何をしたか。第一に、国民の婚姻と出産に対する強力な奨励・介入。第二に、不妊治療の強制。第三に——これが最も恐るべきことだが——『特定年齢層の配偶者および出産に関する数値目標』の設定。つまり、国民に『何歳までに結婚し、何人の子供を産め』という命令を、法的拘束力を持って課す制度だ」
誠司はカメラを正面から見据えた。
「これは人権侵害だ。しかし政府はこれを『国民の合意形成』と呼んだ。何の合議もない合意形成だ。国民の意思など最初から問題にされていない。彼らが求めているのは、国民の合意ではない。国民の服従だ」
誠司はさらに深く掘り下げた。
「少子化対策特別法が制定される前、政府内で議論されていた問題点は何だったか。実は制定前の国会審議で、複数の野党議員から人権侵害の可能性が指摘されていた。しかし与党はこれを『過度な懸念』として一蹴した。そしてマスメディアの多くは、この問題を正面から取り上げなかった」
誠司の声が熱を帯びた。
「なぜか。それはこの時期、政府と大手メディアの間に、いわゆる『少子化対策に関する報道協定』が存在していたからだ。これは公文書として残されている。政府はメディアに対し、少子化対策を『国民の課題』として肯定的に報道するよう求めた。そしてメディアの多くはこれに従った」誠司は拳を机の上に置いた。
「皆さんはニュースで少子化対策の重要性を聞いたことがあるだろう。しかしその裏で、政府が国民の身体を国家的な再生産システムの一部として位置づけていることを報じたメディアがいくつあるか。ほとんどない」
誠司は一息入れた。地下の空気は重く、しかし誠司の言葉は確実に発信されていた。
「少子化対策特別法施行後、何が起きたか。第一に、地方自治体による『出産推進』のための各種施策。しかしこれは表向きのものだ。裏では、各自治体に『出生目標値』が設定され、その達成が事実上の評価基準とされた。目標を達成できない自治体には、財政面でのペナルティが課された」
「第二に、教育機関における少子化啓発教育。これは公立学校において、児童生徒に対し『将来の出産と育児への意識』を形成するための教育プログラムだ。子供たちに、将来は結婚して子供を産むことが当たり前だという意識を植え付ける。これは教育ではなく、洗脳だ」
「第三に——」
誠司はここで声を一段低くした。
「第三に、政府による少子化対策局の設置と、その権限の強化。この局は単なる行政機関ではない。実質的に、国民の生殖に関する情報を一元管理し、『不適格者』を認定する権限を持っている。不適格者とは何か。それは『国の少子化対策に協力しない者』だ」
誠司の声が震えた。
「私はその不適格者として認定された。なぜか。国民の権利を守るため、国を提訴したからだ。この法律に異を唱えたからだ。それだけで、私は国家の敵として認定された」
誠司は原稿から目を離し、カメラに向かって真っ直ぐに語りかけた。
「若者たちよ。市民たちよ。聞いてくれ」
誠司の声は、地下の密室に反響し、配信を通じて全国に届けられた。
「今この国で何が起きているか。国民は、国家の再生産システムの一部として扱われている。私たちの身体は、私たちの意思は、私たちの信条は、すべて国家の都合によって管理され、統制され、必要とあらば破壊される」
「私はそれを許してはならないと言っている。国民の身体は国家の所有物ではない。生殖は個人の自由であり、信条は個人の尊厳だ。それを国家の都合で操作されることに、我々は黙って従うのか」
誠司は声を荒らげた。地下室の空気が揺れた。
「尊厳あらば立て!」
誠司の声が轟いた。
「家畜のように国民を増やそうとするファシズムの輩の策動を許すな! 国民は数ではない。人間だ。国家の都合で生殖を強制され、意思を抹殺され、信条を否定されるような社会は、民主主義ではない。それは全体主義だ。国家管理主義だ。そして何より——人間の尊厢を踏みにじる暴政だ」
誠司は息を呑み、最後の言葉を絞り出した。
「私は全てを失った。しかし後悔はしていない。なぜなら、私は正しいことをしたからだ。国民の権利のために闘ったからだ。そして今も闘っている。この声が届く限り、私は闘い続ける」
「皆さんも闘ってくれ。声を上げてくれ。黙っていては、彼らは我々の全てを奪い尽くす。身体も、意思も、尊厳も、未来も」
「——白川誠司。以上だ」
誠司は深く頭を下げた。 配信終了後
カメラの赤いランプが消えた。誠司はパイプ椅子に深く沈み込み、両手で顔を覆った。全身から汗が流れ落ち、シャツはぐっしょりと濡れていた。喉が焼けるように痛い。
「先生…」
和泉が駆け寄った。誠司は顔を上げた。その目には涙が光っていた。
「ありがとう。…ありがとう。みんな」
誠司の声は掠れていた。和泉は誠司の肩に手を置いた。
「先生の言葉は届きます。必ず」
身延がノートパソコンを指差した。
「配信、早速再生数が伸びてます。もう千再生超えました」
田崎が音声のフィードバックを確認しながら呟いた。
「これだけの演説を配信したら、政府も黙ってはいないでしょう。ほどなくして少子化対策局のエージェントがここを突き止めるでしょう」
貝塚が静かに頷いた。
「次の拠点を確保しておきます。先生、ここから移動した方がいい」
誠司は頷き、立ち上がった。足取りは重いが、瞳の奥には確かな炎が宿っていた。
「見ていろ大森。俺は必ずお前を訴える。法廷になら法廷で。法廷がだめなら、歴史の裁判で。そのどちらでもいい」
誠司の呟きは地下室の空気に溶けていった。しかし炎は消えない。
配信は確かに届き始めていた。ネットの片隅で、声なき声が波紋を広げていた。若者たちが誠司の言葉に耳を傾け、怒りを燃やし始めていた。
しかし同時に、少子化対策局のエージェントたちもまた、その配信をキャッチしていた。地下のアジトの所在地が特定されるまで、そう時間はかからないだろう。
白川誠司の演説は、闇の中に投げられた一筋の火だった。それは希望となるか、焼き尽くされるか。答えはまだ出ていない。
しかし一つだけ確かなことがある。誠司はもう、決して黙らなかった。
⭐️癒やしの夜 傷心の翌朝
高槻早苗が連行され強制結婚させられたことがニュースで流れた。地下のアジトには重い沈黙が漂っていた。誠司はパイプ椅子に座ったまま一睡もしていなかった。テーブルの上には飲みかけのコーヒーが冷え切り、表面に薄い膜が張っていた。
和泉は隅の机で配信の反応をモニタリングしていたが、誠司の様子が手に取るようにわかった。背中が丸くなり、肩が震えている。あの演説の直後に起きた早苗の連行の知らせは、誠司の心を決定的に打ち砕いたのだ。
「先生」
和泉はモニターから目を離し、誠司に近づいた。誠司は顔を上げなかった。その拳が膝の上で握りしめられていた。爪が食い込んだ掌に血が滲んでいる。
「早苗は…俺が逃がしたばかりにあんな目に遭った。あの子は何も悪くない。ただ俺を助けようとしただけで…」
誠司の声は嗢咽で途切れた。四十代の弁護士だった男が、声を殺して泣いている。和泉は胸が締め付けられるように痛んだ。
「先生のせいじゃありません」
「せいだ。俺が彼女の家に転がり込まなければ、彼女は普通に林檎を作って暮らしていた。俺が…」
誠司は両手で顔を覆った。和泉は何も言えず、ただ其の横に立ち尽くした。
「先生」
繰り返し声をかけた。誠司は顔を覆ったまま首を横に振った。
「放っておいてくれ。一人にしてくれ」
その声は独り言のように、しかし確かに和泉を拒絶していた。和泉は一歩下がり、誠司の前にコーヒーの替わりを置いた。そして自分の席に戻り、配信のモニタリングを再開したふりをした。しかし視線は何度も誠司の背中に戻った。
他の三人は早朝から資材調達に出ていた。この時間、地下には二人だけだった。
兼定和泉の想い
和泉が誠司を初めて見たのは、昨年秋の法廷だった。少子化対策反対協議会の第一次提訴の公判傍聴。和泉は法学部のゼミの課題として裁判を傍聴しに行った。そこで誠司の法廷での姿を見た。
原告団を前に立ち、国家の不当な介入を論理的に、しかし激しく非難する誠司の姿。それは教科書で学ぶ「法」とは全く違う、生きた法の姿だった。法は国民を守るためのものだ。その原点を全身で体現している男。和泉はその瞬間、何かが胸の奥で火がついたのを感じた。
それからだった。和泉は協議会のボランティアに参加し、誠司の闘争を間近で見続けた。誠司が法廷で敗訴の連続の中でも決して屈しない姿。メディアが誠司を「レイプ弁護士」と吊るし上げても、ただ真実を訴え続ける姿。その頑ななまでの潔癖さに、和泉は次第に敬意を超えた感情を抱き始めていた。
それは恋だった。ただし和泉自身はそうとは認めていなかった。誠司は父親ほど離れた年齢の、妻も娘もいた男だ。それに誠司の心は常に家族に向いていた。昭恵と沙奈江。その三人の絆を守るために、誠司は闘っていたのだ。
しかしその家族は壊された。トーマスによって、大森によって、国家権力の罠によって。誠司の心は空っぽになり、今にも壊れそうになっている。
和泉は震える手でキーボードを叩くのをやめ、深く息を吸った。
自分が誠司に何をしてあげられるか。それは結局、自分自身の体しかないのだと、和泉はその時初めて自覚した。
夜の訪れ
日が暮れても三人は戻らなかった。連絡が入ったわけではないが、恐らくは拠点移動の準備に手間取っているのだろう。地下のアジトには誠司と和泉の二人だけが残された。
誠司は相変わらずパイプ椅子に座ったまま動かなかった。昼食も摂らなかった。和泉は簡易キッチンで粥を煮たが、誠司の前に置いた器が冷めるのを見守ることしかできなかった。
夜が深まった。時計は午後十時を回っていた。和泉は意を決して誠司の前に立った。
「先生、何も食べないと体が持ちません」
誠司は顔を上げた。その目は赤く、空虚だった。
「…食欲がない」
「わかります。でも、少しだけでも」
和泉は粥の器を誠司の手に押し握らせた。誠司の指が冷たい。和泉はその冷たさに胸を痛めた。
「先生…早苗さんのことは辛いです。でも、早苗さんは先生を逃がすために自分を選んだんです。だから先生が自分を責めるのは、早苗さんの想いを無にすることです」
誠司は粥を一口啜った。そして小さく頷いた。
「…わかってる。わかってるんだ。でも、どうしても…」
誠司の声が震えた。和泉は堪えきれず、誠司の前にしゃがみ込んだ。そして誠司の手を両手で包み込んだ。
「先生、私は…」
和泉の声が震えた。誠司が和泉の顔を見た。その瞳に宿ったものを、誠司は見た。単なる同志の敬愛ではない。もっと深い、もっと熱い、若い女性の純粋な想いだった。
「和泉さん…?」
「先生、私は先生のことが…」
和泉は顔を赤らめ、視線を落とした。誠司の手はまだ冷たかった。
「ずっと…好きでした。法廷で初めてお見かけした時から。先生が法のために闘っている姿を見て、私は…自分もあんな風に生きたいと思った。それがいつの間にか、先生自身を好きになっていたんです」
和泉の告白は、堰を切ったように溢れ出した。誠司は言葉を失った。この数ヶ月、自分を信じて協力し続けた若い女性が、自分に対してこのような感情を抱いていたことなど、想像もしなかった。
「和泉さん、俺は…妻も失い、娘も失い、弁護士でもない。ただの逃亡者だ。そんな男に…」
「だからじゃないんです」
和泉は強い口調で遮った。
「先生が全部失ってもなお、諦めないからです。それが私には…誰よりも眩しく見えたんです」
和泉の瞳から涙が零れた。誠司はその涙を見て、胸の奥で何かが崩れるのを感じた。今まで必死に堪えていたものが、この若い女性の一途な想いの前に、ついに決壊した。
「…和泉さん」
誠司の手が和泉の頬に触れた。和泉は目を閉じ、その手に自分の顔を押し付けた。誠司の掌はまだ冷たかったが、和泉の頬は熱かった。
「俺は…もう誰かを幸せにできるのかどうかわからない。失うことしかできない男かもしれない」
「そんなことないです」
和泉は誠司の手を自分の頬に押し付けたまま、真っ直ぐに誠司を見た。
「先生は私を幸せにできます。先生がここにいてくれるだけで」
その言葉が誠司の心に染み入った。凍り付いた心に、一滴の温もりが落ちた。
誠司の手が和泉の頬を撫でた。和泉は目を閉じ、その指の動きに身を委ねた。誠司の指が和泉の耳元を掠め、首筋を滑った。その感触に和泉は小さく震えた。
「和泉さん…本当にいいのか」
「はい」
和泉は力強く頷いた。そして自ら誠司の首に腕を回した。
「先生…私が、先生を癒やします」
その言葉が誠司の最後の理性を溶かした。誠司は和泉の顎を指で持ち上げ、その唇に自分の唇を重ねた。
柔らかかった。昭恵とは違う、若い女性の唇。しかし単に若いからではない。和泉の唇には、誠司に対する一途な想いが篭もっていた。それは昭恵や早苗とは違う、和泉自身の純粋な渇望だった。
「ん…先生…」
和泉の舌が誠司の唇をなぞった。誠司はその舌を受け入れ、自分の舌を絡めた。唾液が混じり合う粘着質な音が、静かな地下室に響いた。和泉は誠司の首に回した腕に力を込め、自分から深く口付けた。
「あ…んっ…先生…好き…大好きです…」
和泉の瞳が潤んでいた。誠司は和泉の背中を優しく撫でながら、唇を離した。銀色の糸が二人の唇を繋いだ。
「和泉さん…」
「和泉でいいです。和泉って呼んでください」
誠司は頷き、和泉の名を呼んだ。
「和泉…」
その声に和泉は嬉しそうに微笑んだ。誠司はその笑顔に胸を締め付けられた。こんなにも純粋な想いを、自分に向けてくれる若い女性。それがあまりにも眩しくて、誠司は目が眩むようだった。
誠司の手が和泉のブラウスのボタンに触れた。和泉は自らボタンを外し始めた。
「私がします」
和泉は震える指で一つずつボタンを外した。白いブラジャーに包まれた、小ぶりだが形の良い乳房が露わになる。ブラのカップを外すと、桜色の頂が現れた。若い女性の張りのある乳房が、地下の薄暗い灯りの下で艶めかに光った。
「見ないで…恥ずかしい…」
和泉は顔を赤らめたが、誠司の目から隠そうとはしなかった。誠司はそっと手を伸ばし、和泉の乳房を包み込んだ。和泉の体がビクンと震えた。
「あ…先生…」
誠司の指が和泉の乳首を優しく挟んだ。和泉の口から甘い吐息が漏れた。
「んっ…あ…」
誠司はその桜色の頂を口に含んだ。舌でゆっくりと円を描くように転がし、時折優しく吸い上げた。和泉の指が誠司の髪に差し込まれ、背中が反った。
「あっ…あんっ…先生…和泉です…和泉を…もっと…」
和泉の甘い嬌声が地下室に響いた。誠司はもう片方の乳房を手で愛撫しながら、口に含んだ乳首を執拗に舌で弄った。和泉の太ももが震え、その間から熱気が滲み出した。
「和泉…もう濡れてるのか」
誠司の問いに和泉は顔を真っ赤にして頷いた。
「はい…先生に触れられただけでもう…」
誠司の手が和泉のスカートの裾から太ももへと滑り込んだ。和泉は自分でスカートのファスナーを下ろし、ショーツごと下にずらした。白い太ももの間に、淡い染みが出来た白いショーツが見えた。
「あ…いや…見ないで…」
和泉は太ももを合わせようとしたが、誠司はそっとその間に手を割り入れた。ショーツの上から、温かい湿り気を感じた。
「あっ…!」
和泉の腰が跳ねた。誠司はショーツの端をずらし、その下の柔らかな茂みと、既に濡れそぼった割れ目を露わにした。若い女性の甘い香りが鼻腔をくすぐる。
「先生…あ…和泉の…見ないで…」
「綺麗だよ和泉」
その言葉に和泉の目から涙が零れた。ただの言葉だったが、失ってばかりの誠司から与えられた初めての肯定が、和泉には何よりも尊かった。
誠司は指で和泉の割れ目をゆっくりと上下させた。濡れた粘膜が指に絡みつく。和泉の口から甘い喘ぎが漏れた。
「あっ…あんっ…先生…そこ…あっ…」
誠司は和泉の最も敏感な小さな芽を見つけ、指先で優しく転がし始めた。和泉の太ももが痙攣するように閉じようとしたが、誠司はそれを許さなかった。
「ああっ! だめ…そこだめ…おかしくなっちゃう…!」
和泉の全身が震え、背中が反った。誠司はそこで一度手を止め、和泉の顔を見た。若い女性の上気した顔、潤んだ瞳、乱れた髪。そのすべてが、誠司に向けられていた。
「和泉…俺はお前に幸せになってほしい。俺が失ったものを、お前に失わせたくない」
誠司の言葉に和泉は涙を流して首を振った。
「先生がいれば幸せです。先生がここにいてくれれば、それだけで」
和泉は自ら誠司の首に腕を回し、その唇に自分の唇を重ねた。誠司は和泉の腰を抱き寄せ、その柔らかな体を感じた。和泉は誠司のズボンの上から、硬く猛ったものに触れた。
「あ…先生も…」
「ああ。和泉のせいだ」
誠司は苦笑した。和泉はその言葉に嬉しそうに微笑み、自ら誠司のズボンを下ろした。下着の上からでもわかるほどの硬さ。和泉の手がそれを包み込んだ。
「あ…和泉…」
「先生…和泉が気持ちよくしてあげます」
和泉は下着ごと誠司のズボンを引き下ろし、硬く猛った男を露わにした。和泉は喉を鳴らしたように唾液を飲み込み、それを両手で包み込んだ。そしてゆっくりと唇を寄せ、先端に口付けた。
「あ…和泉…!」
誠司の腰がビクンと跳ねた。和泉の温かい口腔が誠司を包み込んだ。昭恵が一度もしてくれなかった行為。和泉は誠司を愛おしむように、丁寧に、そして熱心に舌を動かした。
「ん…ちゅっ…先生の…美味しい…」
和泉は先端から根本まで舌を這わせ、時折強く吸い上げた。誠司はその光景に目を奪われた。若い女性が、自分のためにこんなにも献身的に愛してくれている。その事実が、誠司の心の傷を少しずつ癒やしていくようだった。
「和泉…もういい…俺も和泉を…」
誠司は和泉を引き上げ、その唇に自分の唇を重ねた。そして和泉をパイプ椅子の上に座らせた。薄いクッションの上に、和泉の白い体が横たえられた。
誠司は和泉の両脚をそっと割り開いた。淡い茂みの下に、濡れそぼった秘所が露わになる。
「和泉…入れていいか」
「はい…お願いします。和泉の中に…先生を入れてください」
誠司は和泉の秘所に自身の先端を当て、ゆっくりと腰を進めた。和泉の若い内部が誠司を飲み込んでいく。きつい。しかし確かに受け入れようとしていた。
「あ…ああっ…! 先生…おっきい…!」
和泉の太ももが震えた。誠司は一寸止め、和泉の顔を見た。痛みと快感が混ざった表情。その目に浮かんだ涙を指で拭った。
「大丈夫か」
「大丈夫です…もっと…もっと奥まで…」
誠司は腰をさらに進めた。和泉の内部が限界まで押し広げられ、根元まで収まった。和泉は誠司の首に腕を回し、強く抱きついた。
「あ…先生…来てる…先生が和泉の中に…全部来てる…」
その言葉に誠司の胸が熱くなった。この若い女性が、自分をこんなにも求めてくれている。その事実が、傷ついた心を確かに癒やしていった。
誠司はゆっくりと動き始めた。ズン、ズンと、重い腰を打ちつける。和泉の内部の襞が誠司を締め付け、離すまいとする。
「あっ…あんっ…先生…気持ちいい…! 和泉の中気持ちいいですか…?」
「ああ…いいぞ和泉…すごくいい…」
誠司の言葉に和泉は嬉しそうに微笑んだ。その笑顔があまりにも純粋で、誠司は目が眩むようだった。
「和泉…お前は俺を救ってくれている。それがわかるか」
「はい…和泉も…先生に救われてるんです…」
和泉の瞳から涙が流れた。誠司はその涙を唇で拭いながら、腰の動きを少しずつ速めた。
「あっ! ああっ! 先生…もっと…もっと奥まで…!」
和泉が自分から腰を動かし始めた。誠司の動きに合わせて、自ら腰を振り、誠司をより深く受け入れようとする。その積極的な姿勢が、誠司をさらに興奮させた。
「和泉…お前は本当に…」
「先生…好き…大好き…! 和泉は全部先生にあげます…!」
和泉は誠司の首に腕を絡め、足を誠司の腰に巻き付けた。深い結合がさらに深くなり、誠司の先端が和泉の最奥を突いた。
「ああっ! そこ…そこいい…! 先生の先端が和泉の奥に当たってる…!」
「和泉…俺ももう…」
「私の中に出してください…! 和泉の中に全部ください…!」
誠司は腰の動きを最後に加速した。ズン、ズン、ズンと、リズムが狂ったように激しく打ちつける。和泉の嬌声が高い声になり、地下室に反響した。
「あっ! ああっ! あああっ! 先生…私も…いっちゃう…!」
「和泉…!」
「先生…! 一緒に…いっしょにいきましょう…!」
和泉が絶頂と同時に誠司の首に強くしがみついた。和泉の内部が激しく収縮し、誠司を強く締め付けた。誠司は和泉の最奥に向かって、ドクドクと熱い精を放った。
「あ…ああ…! 先生のが…和泉の中に…出てる…!」
和泉は誠司の精を感じながら、痙攣するように体を震わせた。誠司は和泉を強く抱きしめた。二人の心臓が同じリズムで打っていた。
その夜、誠司と和泉は三度愛を交わした。二度目はゆっくりと、誠司が和泉の体を隅々まで愛撫しながら、時間をかけて結ばれた。三度目は和泉が誠司の上に乗り、自ら腰を振りながら、誠司の目を正面から見つめて愛を告げた。
「先生…私は先生のためなら何でもします。体も心も全部。だから…もう自分を責めないでください」
和泉の言葉が誠司の胸に染み入った。早苗を失った罪悪感。昭恵を失った喪失感。沙奈江を失い、弁護士を失い、社会を失った絶望。そのすべてが、和泉の温もりによって少しずつ溶かされていくのを誠司は感じた。
「和泉…ありがとう」
誠司は和泉の髪を撫でながら、そう呟いた。和泉は誠司の胸に顔を埋め、幸せそうに微笑んだ。
「先生…私はずっとそばにいます。先生が闘い続ける限り、私は先生のそばに」
誠司はその言葉に、目を閉じた。これからも失うかもしれない。和泉もまた、早苗のように国家権力の犠牲になるかもしれない。しかし今この瞬間、この若い女性の一途な愛に支えられていることを、誠司は確かに感じていた。
夜が白み始めた。地下の窓のない部屋で、時計が午前五時を告げた。誠司は眠っていた。初めての安らかな眠りだった。和泉は誠司の胸に耳を当て、その心音を聞いていた。規則正しい、力強い鼓動。和泉はその音が好きだった。
「先生…必ず勝ちましょう。そして一緒に、新しい国を作りましょう」
和泉の小さな呟きは、地下室の静寂に溶けていった。
しかし和泉は知らなかった。この配信が、少子化対策局のエージェントたちの目に触れたことを。そしてこの地下のアジトが、既に特定されていることを。
白川誠司の闘いは、まだ終わっていない。むしろ、これからが本番だった。国家権力の罠は、誠司の心を癒やす和泉の存在すらも、いずれ餌食にするかもしれなかった。
しかし今夜だけは誠司は安らかに眠っていた。若い女性の一途な愛に包まれて。
夜明けの光が地下には届かない。しかし和泉の体温が、誠司にとっての夜明けだった。
⭐️貝塚透の嫉妬。
貝塚透は資材調達を終え、他の二人とは別行動で地下のアジトへ戻ってきた。重い鉄の扉を押し開けようとした時、中から聞こえた微かな声に足が止まった。
「あっ…あんっ…先生…和泉の中に…全部来てる…」
それは紛れもなく兼定和泉の声だった。普段の凛とした口調からは想像もつかない、甘く切ない嬌声。貝塚は心臓が凍りつくような感覚に襲われながらも、扉の隙間から中を覗き込んだ。
薄暗い地下室。簡素なパイプ椅子の上で、白川誠司が和泉を抱いていた。汗ばんだ肌と肌が重なり合い、結合部からは粘着質な水音が響いている。和泉は恍惚とした表情で誠司の背に腕を回し、自ら腰を揺らめていた。震える手でスマホの動画を撮った
「先生…好き…大好き…! 和泉は全部先生にあげます…!」
その光景が、貝塚の視界を白く染めた。
(和泉さんが…白川先生と…)
和泉と同郷の貝塚は和泉に憧れていた。同じ学生連帯の仲間として、いつか彼女と手を取り合って戦っていきたい。そんな淡い夢を抱いていた。しかし、その和泉が、自ら進んで全てを失った中年男に身も心も捧げている。自分ではなく、あの男を選んだのだという事実が、貝塚の胸を抉り取った。
足が震え、その場に崩れ落ちそうになった。行為の一部始終を見届けた。
そしてたまらず、外に飛び出した。学生街を歩いていると、背後から声をかけられた。
「ねえ君、大丈夫? 顔色がすごく悪いよ」
振り返ると、そこには二人の女性が立っていた。一人は清楚な印象の黒髪の女性。もう一人は、冷ややかな美貌を持つスーツ姿の女性だった。
「澤田…明美さん?」
白川誠司を陥れたとニュースで見た顔だった。貝塚は咄嗟に警戒したが、明美は悲しげな表情で首を振った。
「違うの。私は…白川先生に騙されてた被害者なの。でも今は、学生運動のみんなのことが心配で来たの」
「心配?」
「ええ。あの校舎にいるのは白川先生でしょう? 彼は女を狂わせる魔性の男なの。あの中の子も、きっと利用されてるだけ。君もそう思わない?」
明美の言葉が、傷ついた貝塚の心にスルリと入り込んだ。和泉は利用されているだけ。そう思いたかった。そう信じたかった。
「私は少子化対策局の藤宮絵里よ」とスーツの女性が名乗った。「澤田さんから話は聞いてるわ。あなたが学生グループのメンバーだと。私たちは無関係な学生が巻き込まれるのを防ぎたいだけ」
「しかし…俺たちは…」
「ここで見ていたのでしょう? 好きな子が他の男に抱かれているのを」
藤宮の冷たい視線が貝塚を射抜いた。図星だった。貝塚は顔を歪め、拳を握りしめた。
「辛いわよね。信用していた人に裏切られるのは」明美が貝塚の腕にそっと触れた。「でも、私たちがわかってあげる。あなたの気持ち」
二人の美女に挟まれ、傷心の貝塚は抵抗力を失っていた。
「少しだけ、話を聞かせてくれないかしら? 静かな場所で」
藤宮に促され、貝塚は何の疑いもなく二人について行った。連れて行かれたのは、近くのラブホテルだった。
「ここで…?」
「人目につかない方がいいでしょう? 澤田さんも追われている身だし」
藤宮の理にかなった説明に頷きながらも、貝塚の心臓は早鐘を打っていた。狭いエレベーターの中、二人の甘い香水が貝塚の理性を溶かしていく。
部屋に入ると、明美がすぐに貝塚に抱きついた。
「可哀想な貝塚くん。私たちが慰めてあげる」
「えっ、ちょっ…!」
唇が塞がれた。柔らかく温かい感触。それが白川誠司を陥れた女の唇だと頭ではわかっていても、童貞の貝塚には抗えない快楽だった。
「んっ…ふぅ…」
明美の舌が貝塚の口腔を蹂躙する。同時に背後から藤宮が抱きつき、耳元で囁いた。
「和泉さんは白川を選んだわ。でも私たちはあなたを選ぶわよ。あなたの全てを受け入れてあげる」
その言葉が、貝塚の最後の理性を破壊した。
「あぁ…あぁっ…!」
服はあっという間に剥ぎ取られた。ベッドに押し倒されると、二人の美女が貝塚の体に舌を這わせ始めた。
「硬くなってるわね。初心な反応…可愛い」
藤宮が貝塚の乳首を舌で転がす。明美は下腹部に顔を埋め、硬く猛ったペニスを愛おしそうに撫でた。
「和泉さんには見せられなかった姿ね? 私たちだけが見てあげる」
明美が先端にキスをし、一気に根元まで飲み込んだ。
「ひぃっ! ああっ!」
暖かい口腔に包まれ、貝塚は仰け反った。明美の口内はまるで別の生き物のように動き、貝塚の敏感な部分を的確に刺激していく。
「んちゅっ…じゅるっ…美味しい…白川先生の時とは大違いね」
その言葉が辱めとなりながらも快感となって貝塚を襲う。
「あっ! ああっ! なんだこれっ! すごいっ! 出るっ! 出ちゃうっ!」
「遠慮しなくていいのよ」藤宮が囁く。「私たちの中に出していいのよ」
その許可が出た瞬間、貝塚は爆発した。
「ああああっ! 出るぅぅっ!」
ドクドクと熱い精が明美の口内に吐き出された。しかし明美はそれを飲み込むことなく、口に含んだまま藤宮とキスをした。二人の口から白濁液が溢れ出し、貝塚の腹に垂れ落ちる。
「初めてにしては大量ね」藤宮が満足げに微笑んだ。「でも終わりじゃないわよ」
童貞特有の賢者タイムも束の間、藤宮が手でペニスを扱き始めると再び硬度を取り戻していく。
「はい、2回目ね」藤宮は自らスカートを捲り上げショーツを脱ぎ捨てると、貝塚の上に跨った。「私の中に入れて」
「あっ…ああっ…!」
藤宮の濡れた秘所がペニスを飲み込んでいく。きつく締め付けられながらも滑らかに受け入れられる感覚に貝塚は悶絶した。
「どう? 気持ちいいでしょう? 白川先生に奪われた女より私の方がいいでしょう?」
藤宮は腰を激しく振りながら貝塚を見下ろした。その瞳にはサディスティックな光が宿っている。
「あっ! ああっ! いいっ! すごいっ! 和泉さんなんて…もう…!」
快楽に溺れながら貝塚は叫んだ。
「そうよ。忘れなさい。私たちだけがあなたを受け入れるの」
明美も服を脱ぎ捨て全裸になると、ベッドに上がり貝塚の顔に股間を押し付けた。
「舐めて。私たちも気持ちよくして」
ムッとした甘い香りと共に明美の秘所が唇に押し付けられる。貝塚は夢中で舌を出し割れ目を舐め回した。
「んっ…あっ…上手ね…さすが真面目な子…んっ!」
三人が重なり合い快楽の坩堝と化した部屋には、卑猥な水音と喘ぎ声が充満した。
3回目は明美との正常位。4回目は藤宮とのバック。5回目は二人同時に愛撫されながらの手コキ発射。
貝塚は理性も尊厳も失いただ快楽を貪るだけの雄と化していた。6回目の中出しを明美の中に放った時にはペニスは赤く腫れ上がり精液もほとんど出なくなっていた。
「もう…出ない…もう無理だ…」
虚脱した貝塚の上で二人は身支度を整えた。
「よく頑張ったわね」と藤宮が冷たい手で貝塚の頬を撫でた。「あなたはもう私たちなしでは生きていけない体になったわ」
「これからは私たちがあなたの女になります」と明美も囁いた。「だから言うことを聞いてね?」
貝塚は虚ろな目で頷いた。
「学生運動のみんながどこでなにをするか教えてくれる? そうしたらまたさせてあげるから」
その言葉に貝塚は躊躇なく白川誠司たちが向かった次なる隠れ家の場所を告げた。
「賢い子」藤宮は満足げに微笑んだ。「さあ帰りなさい。私たちの可愛いスパイちゃん」
貝塚はふらつく足取りでホテルを出た。頭の中は快楽の余韻と二人への盲目的な服従心で満たされていた。かつて同志だった仲間たちへの裏切りへの罪悪感など微塵も感じなかった。
国家権力の罠はまた一つ確実に牙を剥いていた。白川誠司が若い女性の一途な愛によって癒やされているその場所へ今度は裏切り者の足音が近づいていたのだ。# 第五章 蜘蛛の巣の檻
貝塚透はホテルを出た後一度も振り返らなかった。振り返ることが怖かった。あの二人の蠱惑的な笑みと蛇のような眼差しが脳裏に焼き付き離れなかった。股間はまだズキズキと疼き全身の倦怠感とともに未だ抜けていない熱が体の芯を燃やし続けていた。
「僕は…何を…」
道端の街路樹に凭れかかりながら絶望的な気持ちで呟いた。誠司への裏切り。和泉への裏切り。そして何より自分自身への裏切り。自分がどれほど愚かで浅はかだったかを思い知らされる。しかし同時にあの二人から与えられた未曾有の快楽が脳裏から消えない。
「また…会えるのかな…」
自分でも驚くほどの浅ましい願望が湧き上がる。明美の柔らかな唇と巧みな舌使い。藤宮の冷たい美貌と激しい騎乗位。どちらも忘れられなかった。あれだけの人間を同時に味わってしまえば普通のセックスではもう満足できないかもしれない。
「和泉さん…」
幼馴染と言ってもいい仲間の名前を呼んだが応えはない。彼女は今頃誠司の腕の中で眠っているかもしれない。そう思うと胸が痛んだが同時に羨ましくもあった。好きな人と結ばれることができる喜び。それは自分には永遠に叶わなくなった幻のように感じられた。
(でももうどうしようもない)
貝塚は自分に言い聞かせた。裏切ってしまった以上元には戻れない。ならばせめて彼女たちに気に入られるように努力するしかない。またあの極上の快楽を味わうために。
そう思うと奇妙な充実感すら湧いてきた。これまで真面目な学生として規律正しい生活を送ってきた反動なのか今まで味わえなかった欲望が一気に噴き出したように感じられる。
アジトに辿り着いたときすでに深夜を回っていた。階段を降りる途中で誠司たちの話し声が聞こえる。どうやら次の作戦会議中のようだ。
「…というわけで新宿区でゲリラデモをするのはどうだろう」
「リスクが高すぎるかもしれません。監視カメラも多いですし」
和泉の声が混じる。その凛とした声色を聞いて胸がギュッと締め付けられるようだった。昨日までなら憧れの対象であった彼女の声今はまるで刃物のように痛く感じられる。
「遅かったな透」
誠司が振り返り怪訝そうな表情を浮かべた。「どこ行ってたんだ?」
「すみませんちょっと資材の調達に手間取りまして…」
誤魔化すように頭を下げると和泉が心配そうに寄ってきた。
「怪我とかしてない?なんか顔色悪いよ?」
近づく彼女の匂いに昨日までならドキドキしていたであろう。
「大丈夫ですよ…少し疲れただけです」
視線を逸らしながら答えると和泉はそれ以上追求しなかった。それよりも彼女の視線は誠司の方へ向かっていた。二人の間にある微妙な雰囲気を察して貝塚は急に疎外感を覚えた。
(もう…僕の居場所はないんだな…)
自嘲気味に笑った。
貝塚透が少子化対策局に流した情報は、藤宮絵里の手によって緻密に精査され、わずか三日で実働部隊へと引き継がれた。学生たちが次に集まる場所――法政大学市ヶ谷キャンパスの旧校舎裏手にある広場。そこはかつて全共闘の学生たちがバリケードを築いた歴史的な場所でもあり、和泉が「象徴的な場所でやる」と選んだ集会所だった。
その日の夕刻薄暗くなり始めたキャンパスに続々と学生たちが集まってきた。日本自由な学生連帯のメンバーだけではない。和泉の演説をネットで見て共鳴した他大学の学生、少子化対策によって家族を崩壊させられた市民、そして反政府的な思想を持つ労働者たち。数にしておよそ百二十人。彼らは皆、静かにしかし確かな決意を胸に広場に集っていた。
「集まりましたね」
和泉は広場の端古びた銀杏の木の下で腕を組みながら呟いた。隣には誠司が立っている。和泉の横顔は凪いでいたが、その瞳の奥には鋭い光が宿っていた。
「和泉。今日は何を話すつもりだ」
「決まっています。先生が投げかけた問いへの答えです。『尊厳あらば立て』。私は今日、ここに集まった全員に問いかけます。あなたは立ちますか、と」
誠司は頷いた。和泉の横顔から目を離せなかった。二十歳の若さで、これほど確固たる意志を持つ人間を彼は他に知らなかった。
やがて広場の中央に簡易的な演台が置かれ、和泉がそこに立った。拡声器を手に取り、集まった1000人の顔を見渡す。
「集まってくれてありがとう。今日、私たちはここで声を上げる。少子化対策特別法の廃止を。そして、国民の身体を国家の管理下に置くファシズムへの抵抗を」
和泉の声が夕暮れのキャンパスに響き渡った。学生たちがざわめき、拳を握りしめる。
「白川誠司先生が訴えた通り、私たちの身体は国家の所有物ではない。生殖は個人の自由であり、信条は個人の尊厳だ。それを――」
ふいに「動くな!全員その場から動くな!」
広場の四方を囲むように機動隊の隊列が姿を現した。白いヘルメット、黒い制服そして透明な盾。第3機動隊、第4機動隊第5機動隊。三部隊が連携し、広場を完全に包囲していた。
学生たちの間に動揺が走った。
「なんだよ…囲まれてる…!」
「逃げ場がない…!」
「どうするんだよ和泉!」
悲鳴にも似た声が上がる。誰かが腰を抜かし、誰かが後退りする。百二十人の決意は、機動隊の盾と警棒の前に一瞬で瓦解しかけていた。
「落ち着いて!」
和泉の声が拡声器を通じて響き渡った。その声は震えていなかった。
「慌てるんじゃない!彼らは私たちを脅しているだけだ!私たちを分断しようとしている!ここで逃げたら、彼らの思う壺よ!」
和泉は演台を降り広場の中央に歩み出た。学生たちの前に立ち、機動隊の隊列を正面から見据えた。
「私は兼定和泉!日本自由な学生連帯のリーダーだ!この集会は憲法第二十一条が保障する表現の自由、集会の自由に基づく正当な行為だ!あなたたち機動隊は、憲法を守る義務がある!私たちを弾圧することは、憲法の破壊に加担することだ!」
和泉の声は、機動隊の隊列にも届いた。先頭の隊員たちが一瞬、動揺したように見えた。
しかし、機動隊の指揮官が拡声器を手に取った。
「退去命令を無視した場合、実力をもって排除する。これは違法集会である。速やかに解散せよ」
「違法集会?誰が決めたの?政府が勝手に決めた違法性なんて、何の効力も持たない!」
和泉は一歩も引かなかった。しかし、機動隊はじりじりと包囲を狭めてくる。盾の列が迫り、警棒が構えられる。学生たちの間に恐怖が広がった。
「和泉!もうだめだ!逃げよう!」
誰かが叫んだ。和泉は振り返り、その学生を睨みつけた。
「逃げる?どこに?私たちが逃げたら、彼らはさらに強引になるだけよ。今日逃げたら、明日はもっとひどい弾圧が待っている。私は逃げない」
和泉は地面に落ちていた鉄パイプを拾い上げた。建設資材として置かれていたものだ。手に取ると、その重さを確かめるように軽く振った。
「和泉さん…まさか…」
身延圭也が息を呑んだ。和泉は振り返らず、鉄パイプを肩に担ぐようにして、機動隊の隊列に向き直った。
「皆、聞いて」
和泉の声は静かだったが、その静けさが逆に不気味なほどだった。
「私たちの革命を、ここから始めましょう。今日この瞬間から。彼らが私たちを弾圧するなら、私たちは抵抗する。それは暴力ではない。尊厳を守るための、正当な防衛よ」
和泉は鉄パイプを握り直し、機動隊の隊列に向かって走り出した。
「和泉さん!」
誠司が叫んだが、和泉は止まらなかった。
機動隊の先頭の隊員が盾を構え、警棒を振り上げた。和泉はその警棒を鉄パイプで受け止めると、素早く横に払った。ガキンという金属音が響き、隊員の警棒が弾き飛ばされた。和泉はそのまま鉄パイプを振り下ろし、隊員の肩口を打った。鈍い音とともに、隊員が倒れる。
「うおおっ!」
学生たちがどよめいた。和泉は倒れた隊員を飛び越え、次の隊員に向かっていく。その動きは素早く、そして正確だった。まるで武術の訓練を受けたかのような――いや、和泉は実際に合気道を習っていた。その動きは無駄がなく、機動隊の隊員たちは次々と倒されていった。
「和泉さんが…戦ってる…」
「すげえ…!」
学生たちの間に恐怖とは違う感情が芽生え始めた。それは驚きであり、そして憧憬だった。たった一人の若い女性が、機動隊の隊列に立ち向かっている。その姿は、あまりにも鮮烈だった。
「何をぼんやりしてるの!立て!立ちなさい!」
和泉が叫んだ。その声に、学生たちは我に返った。
「和泉さんに続け!」
身延圭也が叫び、地面に落ちていた鉄パイプを拾い上げた。田崎慎吾も、他の学生たちも次々と鉄パイプや木片を手に取った。
「私たちも戦うぞ!」
「尊厳あらば立て!」
学生たちは和泉の後を追って、機動隊の隊列に向かっていった。
機動隊の指揮官が慌てて指示を飛ばす。
「押し返せ!第4機動隊、左翼から回り込め!第5機動隊、右翼を固めろ!」
しかし、和泉の指揮は巧みだった。彼女は学生たちを三つのグループに分け、機動隊の包囲網の隙間を突くように指示を出した。
「右のグループは第4機動隊の正面に立て!左のグループは第5機動隊の注意を引け!中央のグループは私と一緒に第3機動隊を突破する!」
その指示は的確だった。学生たちは和泉の声に従い、機動隊の包囲網に楔を打ち込むように動いた。機動隊は三方向からの抵抗に混乱し、隊列が乱れ始めた。
「今よ!突破する!」
和泉は鉄パイプを振りかざし、第3機動隊の隊列に突っ込んだ。彼女の背後には、誠司と身延そして十数人の学生たちが続いた。和泉は盾を鉄パイプで打ち払い、警棒をかわし次々と隊員を倒していく。その姿はまさに鬼神のようだった。
「和泉さん、後ろ!」
誠司が叫んだ。和泉は振り返り、背後から迫っていた隊員の警棒を間一髪でかわした。そして鉄パイプを振り上げ、隊員の脇腹を打った。隊員がうめき声を上げて倒れる。
「先生、ありがとう。でも私のことは気にしないで。先生は学生たちを守って」
和泉はそう言うと再び前を向いた。その瞳には、燃え盛る炎のような光が宿っていた。
「私たちは負けない!ここで負けたら、この国の未来はない!尊厳を取り戻すんだ!」
和泉の叫びに、学生たちが応えた。
「おおおおっ!」
1000人の学生たちの声が夕暮れのキャンパスに轟いた。機動隊の隊列は、もはや崩壊寸前だった。指揮官が無線に向かって叫んでいる。
「応援を要請する!第6機動隊、至急こちらへ!」
しかし、その声も虚しく響くだけだった。学生たちの勢いは止まらなかった。和泉の指揮のもと、彼らは機動隊の包囲網を内側から破り、ついに広場の外へと抜け出した。
「逃げるぞ!全員、散開して逃げろ!」
和泉の指示に、学生たちは四方に散らばっていった。機動隊は追撃を試みたが、キャンパスの入り組んだ路地に入り込んだ学生たちを捕まえきれなかった。
和泉は最後まで広場に残り学生たちが逃げ切るのを見届けた。そして、自分も路地の闇に消えていった。
夜の闇に包まれた法政大学キャンパスに、機動隊の怒号と無線の交信音だけが虚しく響いていた。その夜のニュースは、法政大学での学生と機動隊の衝突を大々的に報じた。
『法政大学で違法集会。機動隊と学生が衝突。学生側に多数の負傷者』
『学生運動のリーダー格、兼定和泉容疑者を指名手配。公務執行妨害の疑い』
テレビの画面には和泉の顔写真と「指名手配」の文字が映し出されていた。その映像を見ながら、藤宮絵里は冷ややかに微笑んだ。
「兼定和泉…なかなかやるじゃない。でも、これであなたは完全にアウトよ。指名手配犯になったあなたを、もう誰も守れない」
藤宮はスマートフォンを取り出し、大森隆史にメッセージを送った。
『法政大学の件、成功しました。兼定和泉を指名手配に。白川誠司のグループは分裂しつつあります』
大森からの返信は簡潔だった。
『ご苦労。次の段階に進め。貝塚透をさらに利用しろ』
藤宮はスマートフォンをしまうと、窓の外の東京の夜景を見つめた。その瞳には、冷たい計算の光が宿っていた。
「白川誠司…あなたの闘いも、もう終わりね」
しかし、その時、藤宮と大森は知らなかった。和泉が最後に学生たちに密かに送った指示を。
⭐️少子化対策局炎上
散り散りになって法政大学市ヶ谷キャンパスからとうぼうした学生たちは、和泉の最後の指示通りに行動した。覆面を剥ぎ取り、鉄パイプやプラカードを路地のゴミ箱に投げ捨て、スマートフォンの地図を開いて地下鉄の駅へと向かった。彼らはただの帰宅途中の学生に見えた。制服を着たサラリーマンに紛れ、買い物袋を下げた主婦の傍らを通り過ぎ、改札を通ってホームに降り立つ。
「すみません、通してください」
身延圭也は屈強なサラリーマンの肩を擦り抜け、電車に乗り込んだ。車内は深夜の帰宅ラッシュで混雑していた。彼は吊り革に掴まり、呼吸を整えた。心臓はまだ激しく脈打っていた。和泉が機動隊員を殴り倒した瞬間の鮮烈な映像が瞼に焼き付いて離れない。
(和泉さん……)
彼女は今頃どこにいるのだろう。指名手配された。顔写真が全国に流れた。それでも和泉は最後まで広場に残り、学生たちが逃げ切るのを見届けてから闇に消えた。
電車が永田町駅に着いた。身延は人波に押されてホームに降りた。改札を出ると、霞ヶ関方面へ向う地下道が口を開けていた。
(俺たちは今、戦っているんだ)
実感が湧いてこなかった。数時間前まで学生運動など遠い世界の話だった。しかし今、彼は国家権力に立ち向かっていた。
地下道を歩く足音が反響する。他にも数人、同じ方向へ歩く若者の姿が見えた。彼らと目が合った。言葉は交わさなかった。だが、互いの瞳に宿った決意の炎は同じ色だった。
少子化対策局本部は、霞ヶ関の官庁街の一角にそびえ立っていた。二十四時間体制で稼働する巨大な 機関。深夜になっても窓に灯りが点り、国家の再生産政策を管理し続ける無機質な要塞。
その正面玄関前に、学生たちは続々と集結しつつあった。
和泉は既にそこにいた。どこで着替えたのか、機動隊の制服から奪ったのか、黒いウィンドブレーカーに張替えた姿で、建物を見上げていた。隣には誠司がいた。二人の影が、街灯の下に長く伸びていた。
「来たな」
和泉が集まり始めた学生たちに目を向けながら呟いた。
「八十人……法政の時よりは減ったな。それでも十分だ」
誠司は頷いた。彼の瞳には、以前のような疲弊の色はなかった。和泉に支えられ、演説を配信し、そして今、行動を起こそうとしている。その一連の流れの中で、誠司の中にあった復讐の焔は、いつしか民衆の闘争という、より大きな炎へと変わっていた。
「大森は中にいるはずだ」
誠司が言った。
「彼は夜も遅くまで執務を続ける。自分の作り出した政策の成果を、一人で悦に入りながら確認する習慣がある。奴を引きずり出す」
「引きずり出して、どうするんですか」
身延が問うた。和泉が代わりに答えた。
「裁判にかけるのよ。法廷じゃない。ここで、私たちの手で。白川先生が演説で言ったでしょう。法廷がだめなら、歴史の裁判でって」
身延は唇を噛み締め頷いた。
「……わかりました」
午後三時三十分。少子化対策局本部の正面玄関に設置された監視カメラが、異様な集団を捉えた。警備員がモニターに目を遣り、一瞬、息を呑んだ。
「なんだこりゃ……」
画面には、八十人ほどの若者たちが、建物を取り囲むように集結していた。手には鉄パイプや棒。しかし彼らは暴徒ではなかった。整然と列を作り、静かに建物を見上げている。
警備員が内線電話に手を伸べたその時、正面の自動ドアが内側から開いた。
「俺がハッキングして扉を開けたやったぜ」
田崎慎吾が声を上げた。しかし和泉が手を挙げて制止した。
「入るわよ。全員、中へ」
和泉の声に迷いはなかった。
少子化対策局本部の内部の職員は突然の突入に驚愕した。
「何だ君たちは! 保安警備! 保安警備!」
一人の職員が叫びながら内線電話に手を伸ぼうとしたが、身延がその手を押さえた。
「電話はなしだ。大人しくしてろ」
学生たちは整然と建物内に展開した。和泉の指示に従い、二十人ずつが四組に分かれ、各フロアを制圧していった。抵抗すれば容赦ない暴力!職員は怯えながら手を上げ、床に伏せた。
「制圧完了」
身延が和泉に報告した。和泉は頷き、エレベーターに向かった。
「最上階。局長室に行くわよ」
エレベーターは動かなかった。電源が切られていた。和泉は舌打ちし、階段へ向った。最上階、十二階まで。
「走るわよ」
学生たちは一斉に階段を駆け上がった。足音が螺旋階段に反響し官庁街に木霊した。
最上階の廊下には、次官の綾瀬凛が立っていた。彼らは学生たちの足音を聞きつけ拳銃を構えた。
「止まれ! これ以上近づくと――」
和泉は止まらなかった。彼女は走りながら鞄から取り出したもう一本の鉄パイプを振り回し、凛の拳銃のを弾き飛ばした。そのまま体勢を低くして懐に潛り込み、凛の脇腹に体当たりした。
「ぐっ!」
凛がが体勢を崩した隙に、身延が抑え込んだ。田崎がフォローに入り、二人がかりであっという間に床に組み伏せられた。
「こいつは大森の秘書だぜ!」「革命の正義を体に刻んでやる!」血に飢えた学生が凛を裸に剥いた
「大森局長逃げて!」必死に叫ぶ凛
の手首を誠司が縄で縛る。「悪いね美人秘書さん」田崎は綾瀬の美しい足を持ち上げクンニを始めた。膣口を舌で舐め上げていく「やめて!」嫌がる綾瀬を和泉が挑発「権力の犬がいい気味よ、奴らの作った媚薬を自分で体験させてやるわ!」
身延が媚薬を打つ。
「ぐううっこんなの、、いや、、うそ、そんな」
「いくぜ革命ちんぽだぜ!」
凛のあそこが濡れて光り出すのを見て身延が自分の勃起したものを凛の割れ目に押し当てた。学生たちが見守るなか二人が交わり出す。
「こいつはフェイスブックで有名だった子だよね」「おやおや秘書さん随分出来上がってますな」学生たちが取り囲む中「いけいけ!」「イケ美女秘書」「ちゃんと見せろよ」嘲笑の渦の中で綾瀬凛は自ら腰を振り始めた。
「うそっ感じてるの? やらしいわね」和泉のからかう声に綾瀬は答えられなかった。オマンコに身延の勃起が何度も出たり入ったりするのが周りに丸見えで恥ずかしくて堪らない。でもそれ以上に薬物により今まで感じたことのない快楽に体を支配されていく。腰を振り喘ぎ続ける綾瀬の痴態。もう誰にも止められなかった。
「うっ・お姉さん・出すよ!」身延が凛の中で激しく痙攣する。凛は身延が射精するのと同時に失禁した。「うわっお漏らしだよ この秘書お姉さん」
学生たちがゲラゲラ笑う。「いやああ!」大声で叫ぶ綾瀬を身延が放り投げ田崎を誘う「お前もやれよ」田崎が鼻息荒くズボンを脱ぎ捨てる。今度は田崎が交わり出した。
。「んっ!」 田崎の激しい動きに合わせて凛が声を上げる。二人の結合部分からはピチャピチャという淫猥な音が響く。「んんっ!あっ!」 次第に田崎の動きが激しさを増し最終的には全身を使って思い切り押さえつけながら射精した。「あっ……あっ……」 あまりの快感と屈辱に凛はしばらくの間動けなかった。そして3人目の学生が凛に挿入した。
和泉は息を整え、局長室の扉の前に立った。その扉は、重厚なマホガニーの一枚板だった。国家権力の威厳を示す扉。
和泉はその扉を蹴り開けた。
局長室は広かった。一角に置かれた執務机。その上に積み上げられた書類。そして、その机に向かい、背を向けたまま座っている男がいた。
「……来たか」
大森隆史は、振り返りもせずに言った。
「来ると思っていたよ。白川誠司とその一派が。法政大学での騒ぎも聞いている。なかなかやるね、あの演説。感動的だったよ」
大森はゆっくりと回転椅子を回し、和泉と誠司に向き直った。その顔には、恐怖の色はなかった。むしろ、楽しげな笑みすら浮かべていた。
「君たちの気持ちはわかる。だがね、これは無意味な抵抗だ。君たちがここで何をしようとも、法律は変わらない。政策は続く。私がいなくても、次の局長が来るだけだ」
「次の局長は来させない」
和泉が言った。その声は静かだったが、その静けさには鋼のような決意が込められていた。
「私たちはここを占拠する。そして、ここにある機密情報を全て暴露し、少子化対策特別法の廃止を実現する。」
大森の表情が初めて変わった。笑みが消え、冷ややかな警戒の色が浮かんだ。
「……それは困るな」
大森が机の引き出しに手を伸ばした。和泉が反応するより早く、誠司が飛び出した。
「やめろ!」
誠司は大森の手を掴み、引き出しの中身を確認した。そこにあったのは拳銃だった。
「……国の幹部が随分と怯えているじゃないか」
誠司が冷ややかに言った。大森は誠司を睨みつけた。
「君こそ、よく来れたねレイプで社会的に抹殺されたはずの君が、よくも」
「レイプなどしていない」
誠司は拳銃を机の上に放り出し、大森の胸ぐらを掴んだ。
「すべてお前が仕組んだことだ!俺の家庭を壊し、俺の信用を破壊し、俺を社会的に抹殺した。お前がやったことだ」
大森は誠司の手を払いのけようとしたが、誠司の力が勝った。
「……そうだ。全部私がやった。そして? それがどうした。君が訴訟を起こさなければ、こんなことはしなくて済んだんだ。君が大人しくしていれば、君の家庭も壊れなかった。君の妻も娘も、トーマスなどに堕とされずに済んだんだ」
大森の言葉に、和泉が息を呑んだ。しかし誠司は怒りに身を震わせながらも、冷静だった。
「お前にとって、国民はただの再生産装置だ。だから、不服な人間は排除する。家庭を壊し、社会的に抹殺し、反逆者は連行して種付け施設に放り込む。それがお前の少子化政策だ」
「正解だ」
大森は誠司を睨みつけた。
「そして私はそれを誇りに思っている。少子化は国家の存立に関わる危機だ。国民が自己の都合で出産を拒むなら、国が管理するしかない。それは暴政ではない。国家の自衛だ」
「国家の自衛のために、国民の身体を管理する。それを何と呼ぶか、知っているか」
誠司が言った。
「ファシズムだ」
その言葉が、局長室の空気を凍りつかせた。大森は一瞬言葉を失ったが、すぐに嘲笑を浮かべた。
「言葉の綾だ。君たちはいつもそうだ。ファシズム、ファシズムと。だが現実には、何もできない。君たちはここで何をしようとも、明日のニュースでは『テロリストが官庁を占拠』と報じられるだけだ。国民は君たちを支持しない」
「それはどうかしらね」
和泉が口を開いた。彼女は既に、局長室の隅にあった配信機材を起動していた。
「……何をしている」
大森が声を荒げた。
「配信よ。先生の演説に続く第二弾。少子化対策特別法の立法経緯、各自治体への出生目標値の通達、不適格者認定のリスト、そして……」
和泉は一枚の書類を取り出した。大森の顔色が変わった。
「強制種付け施設の所在と収容者名簿。これを全国に配信するのよ」
大森が立ち上がった。
「やめろ! それは――」
「機密情報? もちろん知ってる。でも、あなたは国民の身体を国家の所有物にした。その秘密を、国民の知る権利が上回るわ」
和泉は配信を開始した。
配信が開始された瞬間、ネット上で爆発的な拡散が始まった。法政大学での衝突の映像に続く、官庁占拠のライブ配信。SNS上で「#少子化対策局炎上」のハッシュタグがトレンド入りを始めた。
「……市民のみなさん」
和泉がカメラに向かって語りかけた。誠司が大森を抑え、学生たちが局長室の機密文書を次々とカメラに映していく。
「私たちは今、霞ヶ関の少子化対策局本部にいます。ここで行われていることを、皆さんにお伝えします」
和泉は淡々と、しかし確かな声で語り始めた。
「国民の身体は国家の所有物ではありません。生殖は個人の自由であり、信条は個人の尊厳です。それを国家の都合で管理し、操作し、必要とあらば破壊する。それは人権侵害であり、暴政であり、ファシズムです。これからその証拠をお見せします。」
「……やめろ……やめろ! それは国家機密だ! 国民に知らせる必要はない!」
大森が叫んだ。和泉が合図を送ると貝塚透がパソコンを操作した。
白川誠司と和泉は作戦の成功を確信していた。パソコンの画面に少子化対策特別法の秘密が流れる。国民の身体を国家の所有物にするという政策の真実が暴露されれば、世論は一気に白川たちに傾くはずだ。和泉は配信カメラの前で凛とした声で語り始めた。
「皆さん、ご覧ください。これが少子化対策局の真実です」
貝塚透が配信ボタンを押した。しかし画面に映ったのは、機密文書ではなかった。
和泉と誠司の裸体が絡み合う映像だった。
「あっ…あんっ…先生…和泉の中に…全部来てる…」
和泉の嬌声がスピーカーから流れた。法政大学の地下室で交わされた二人の愛の行為。それが貝塚のスマートフォンで隠し撮りされ、今、全国に配信されていた。
「なっ…!」
和泉の顔色が蒼白になった。誠司も目を見開いた。
「これは…貝塚…! お前…!」
貝塚透はパソコンの前で俯いていた。その顔には後悔の色はなかった。ただ、虚ろな瞳で画面を見つめていた。
「ごめん…和泉さん。でも…僕にはこっちの方が大事だったんだ」
貝塚の声は掠れていた。藤宮絵里と澤田明美に溺れ、骨抜きにされた男の声だった。
「貝塚! 何をしている! 配信を切れ!」
誠司が叫んだ。しかし配信は既に何万もの端末に拡散されていた。SNS上で「#白川誠司」と「#兼定和泉」のハッシュタグが爆発的に拡散し始めた。
「白川誠司、あいつまたセックスしてるよ」
「指導者なのに若い子とやりまくりすぎかよ」
「白川誠司、完全にクズ確定」「inmu kingの刑だな」
「兼定和泉もただの肉便器じゃん」
誹謗中傷のコメントが画面を埋め尽くしていく。和泉の瞳から涙が零れた。誠司は拳を握りしめ、貝塚に詰め寄った。
「なぜだ…なぜ裏切った…!」
貝塚は顔を上げなかった。ただ、震える声で答えた。
「先生…僕は…僕は…」
その時だった。
局長室の窓ガラスがガラスが粉々に砕け散った。
「伏せろ!」
身延圭也が叫んだ。しかし遅かった。割れた窓から一つの影が飛び込んできた。それは小柄な体躯だった。だが、その手にはサブマシンガンが握られていた。
影は着地すると同時に引き金を引いた。乾いた銃声が局長室に響き渡る。
「うあっ!」
学生の一人が肩を撃たれ、悲鳴を上げて倒れた。他の学生たちがパニックに陥り、逃げ惑う。
「撃つな! 撃つな!」
誠司が叫んだ。しかし影は止まらなかった。次々と発砲し、学生たちを制圧していく。
「全員動くな! 動いたら撃つ!」
影の声は若かった。女性の声。しかし、その声には容赦というものがなかった。
影はヘルメットを外した。そこには二十歳前後の少女の顔があった。ショートカットの黒髪に鋭い瞳。少女兵として訓練を受けた戦闘少女、小布施千秋だった。
「少子化対策局、特務執行部、小布施千秋。テロリストども、おとなしく投降しなさい」
千秋の声は冷たかった。彼女はサブマシンガンを学生たちに向けながら、ゆっくりと局長室の奥へ進んでいった。
大森隆史は椅子に座ったまま、満足げに微笑んでいた。
「助かったよ、千秋」
「局長、無事でしたか」
千秋は大森の前に立ち、敬礼した。その動きは無駄がなく軍人そのものだった。
「ああ。しかし困ったことになった。この連中が私の機密情報を盗み見ようとしてね」
大森は誠司と和泉を見た。二人は壁際に追い詰められていた。誠司は拳を握りしめ、和泉は怯えたように誠司の後ろに隠れていた。
「白川誠司。兼定和泉。貴様らは国家反逆罪で逮捕する」
千秋が言った。しかし誠司は膝をつきながらも一歩も引かなかった。
「国家反逆罪? 俺たちは国民の権利を守ろうとしただけだ。国家反逆をしているのはお前たちだ!」
千秋の眉がぴくりと動いた。
「黙れ。テロリストに発言権はない」
千秋は誠司の腹をサブマシンガンの銃床で殴りつけた。
「ぐはっ!」
誠司が呻き声を上げて床に倒れ込んだ。和泉が叫んだ。
「先生!」
和泉は千秋に飛びかかろうとした。しかし千秋は和泉の腕を掴み、逆手にねじ上げた。
「いっ…!」
和泉が苦悶の声を上げた。千秋は和泉の顔を冷ややかに見下ろした。
「あんたが兼定和泉? たいしたことないわね。機動隊を殴り倒したって聞いたけど、私相手じゃ話にならない」
千秋は和泉を放り投げ、壁に叩きつけた。和泉は激痛に顔を歪めた。
「和泉!」
誠司が立ち上がろうとした。しかし千秋は誠司の顔面を蹴り上げた。
「ぐっ!」
誠司が再び倒れた。口から血が流れた。
「テロリストは黙って逮捕されなさい」
千秋は無表情のまま言った。
「ウジ虫が私の局長に何してくれたの」
千秋は足元の誠司の頭をサブマシンガンの銃身で叩いた。誠司が呻き声を上げる。
「やめて! 先生を殴らないで!」
和泉が叫んだ。しかし千秋は和泉の腹を蹴り上げた。
「ぐはっ!」
和泉が苦しげに身を丸めた。千秋は二人を見下ろし、冷ややかに言った。
「国民の権利? 笑わせないで。国民の権利なんて存在しないわ。国が決めたルールに従うだけ。それが国民の義務よ」
「…お前は…」
誠司が血を吐きながら呟いた。
「お前は…国の犬か」
千秋の瞳に一瞬、冷たい怒りが宿った。
「国の犬じゃないわ。私は大森局長の剣。彼を守るための武器よ」
千秋は誠司の胸を踏みつけた。
「ぐっ…!」
「あんたたちの負けよ。テロリストは必ず敗れる。それがこの国のルールだから」
大森が立ち上がり、千秋の肩を叩いた。
「ご苦労だった、千秋。連中を連行しろ」
「はい」
千秋は敬礼し、倒れた誠司と和泉を引きずり起こした。二人の腕を縛り、無理やり立たせる。
「白川誠司、兼定和泉。貴様らは国家反逆罪およびテロリズムの容疑で逮捕する。黙秘権はあるが、これだけの証拠が揃っている。無駄な抵抗はやめなさい」
千秋の言葉に、誠司は顔を上げた。その瞳には、まだ炎が残っていた。
「負けてない…まだ…」
千秋は冷ややかに笑った。
「負けたのよ。あんたたちの小さな革命は、ここで終わり」
⭐️事件後
会津若松の冬は厳しい。雪に閉ざされた街は白一色に染まり、古くから続く酒蔵の黒い板壁だけがその静寂に黒々とした影を落としていた。貝塚透は大学を中退し、この実家の酒蔵に戻ってきていた。かつて学生運動に身を投じ、国家権力と戦った男はもういない。そこにいるのはただの、疲れ果てた青年だった。
冬の蔵は冷え込む。貝塚はコートの襟を立てながら、蔵の奥へと歩いていた。酒の仕込みの時期は終わり、蔵は静まり返っていた。しかし、その静寂の中に異質な音が混じっていた。
「あっ…あんっ…はぁっ…」
それは女の喘ぎ声だった。甘く、切なく、そして淫らな音。貝塚は足を止めた。その声に聞き覚えがあったからだ。心臓が早鐘を打ち始める。
「まさか…」
貝塚は震える足で音の出処へ向かった。蔵の一番奥にある小さな部屋。かつて杜氏が休憩に使っていた部屋だ。その引き戸はわずかに開いていた。
貝塚は恐る恐るその隙間から中を覗いた。
部屋の中にはストーブが置かれ、赤い炎が揺らめいていた。その明かりに照らされて、一人の女がベットの上で裸体を晒していた。白い肌が汗に濡れて艶めかしく光っている。彼女は四つん這いになり、自ら腰を振っていた。その指先は自身の秘所に伸びており、激しく動かされていた。
「ああっ…もっと…もっと奥まで…」
その声。その姿。貝塚は息を呑んだ。
兼定和泉だった。
かつて凛として戦った少女はいない。そこにはただ快楽に溺れる一人の女がいた。彼女は夢中で指を動かし続け、淫らな水音を響かせていた。
「和泉さん…」
貝塚は呟いた。和泉はその声に気づいたのか、ゆっくりと顔を向けた。その瞳には焦点が合っていなかった。虚ろで、どこか遠い場所を見ているような目だった。
「あ…貝塚くん…」
和泉の声は掠れていた。貝塚は引き戸を開けた。
貝塚は愕然とした。少子化対策局。大森隆史。そして藤宮絵里。彼らは貝塚が裏切った見返りとして、和泉を「与えた」のだ。しかし、それは和泉自身の意思ではなかった。彼女は再教育を受け、心を壊され、ただ男を喜ばせるためだけの存在として作り変えられていた。
「和泉さん…俺は…」
貝塚は言葉に詰まった。仲間を裏切り、誠司と和泉を陥れた代償として得たもの。それはかつて彼が愛した女性ではなかった。ただの抜け殻だった。
しかし、貝塚は拒絶しなかった。
「和泉さん…」
貝塚はコートを脱ぎ捨てると、和泉に近づいた。そしてその裸体を抱きしめた。冷え切った肌が触れ合う。
「貝塚くん…どうしたの…?」
和泉は無邪気に問いかけた。その声が貝塚の胸を抉った。
「好きだ…和泉さん…ずっと好きだった…」
貝塚は和泉の耳元で囁いた。そしてその唇に自分の唇を重ねた。
「んっ…」
和泉は抵抗しなかった。むしろ自ら唇を開き、貝塚の舌を受け入れた。それは再教育によって植え付けられた反応だった。「与えられた相手には従順に応えろ」という命令に従っているだけだった。
しかし貝塚には関係なかった。彼は和泉の唇を貪った。唾液が混じり合う粘着質な音が響く。
「あっ…んっ…貝塚くん…」
和泉の腕が貝塚の首に回された。その体温が貝塚の凍りついた心を少しだけ溶かした気がした。
「俺たちの革命は失敗した…白川先生も捕まった…でも…お前だけは…」
貝塚は和泉を押し倒した。藁の上に横たえられた和泉の白い体がストーブの炎に照らされ淫靡に光った。
「貝塚くん…して…私の中に…」
和泉は自ら足を開いた。その秘所は既に濡れそぼり、貝塚を待ち構えていた。
「和泉さん…」
貝塚はズボンを下ろし硬く猛った自身を取り出した。そして和泉の秘所に先端を押し当てた。
「あっ…来て…早く…」
和泉が催促するように腰を揺らした。貝塚は一気に腰を進めた。
「ああっ!」
和泉の口から嬌声が漏れた。内部がきつく締め付けられる。
「きつい…!」
「ごめん…貝塚くん…私おかしくなっちゃったの…感じることしか考えられないの…」
和泉の告白が貝塚の心を刺した。彼女は壊されていた。しかし貝塚は止まらなかった。
「いいんだ…俺が癒やしてやる…」
貝塚は腰を動かし始めた。ゆっくりとしかし確実に奥へと突き上げる。
「あっ!あんっ!ああっ!」
和泉の嬌声が蔵の中に響き渡った。藁の上で二つの体がぶつかり合い淫らな音を立てる。
「好きだ…好きだ和泉さん…!」
貝塚は何度も愛をささやいた。それは仲間への裏切りへの贖罪だったのかもしれない。あるいはただの自己満足だったのかもしれない。
「私も…私も好き…貝塚くん…!」
和泉も応えた。少子化対策局徹底的に教育され、男に対して媚びる女になっていた。
貝塚は構わず腰を振り続けた。ズンズンと奥へ突き上げるたびに和泉の体が跳ねる。
「あっ!ああっ!もっと奥まで!もっと!」
和泉は自ら腰を振り貝塚を受け入れた。その姿はあまりにも淫らだった。
「いくぞ…和泉さん…!」
「きて!中に出して!私の中に全部!」
貝塚は和泉の最奥に向けて最後の一突きをした。
「うっ…!」
ドクドクと熱い精が注ぎ込まれた。和泉は痙攣するように体を震わせ絶頂した。
「ああぁぁイクゥっ!」
二人は抱き合ったまま藁の上に倒れ込んだ。汗と体液が混じり合い匂いが充満する。
「和泉さん…」
貝塚は和泉の髪を撫でた。彼女は虚ろな瞳で天井を見上げていた。
「私たち…これからどうなるの…?」
その問いに貝塚は答えられなかった。仲間を裏切り国に従った見返りとして手に入れた愛。しかしそれは本物ではなかった。
「一緒にいよう…ずっと…そして家族になろう。子供もいっぱいいっぱい作って幸せになろうよ」
貝塚はそう言うしかなかった。
外では雪が降り続いていた。会津若松の冬はまだ長い。
そして貝塚透と兼定和泉は酒蔵の奥でただ快楽に溺れ続けることになる。
それが彼らの結末だった。
歪んだ愛と裏切りの末に残されたのは寒々しい酒蔵と二人きりの世界だけだった。
「貝塚くん…聞いてくれる? 私があそこで何をされたか…全部話してもいい?」
和泉はベットの上に座り、膝を抱えながら貝塚を見つめた。貝塚は黙って頷いた。
「あの施設は…地獄だった。でも、不思議なことに…私、だんだんそれが当たり前になっていったの」
和泉は目を閉じ、記憶の糸を手繰り寄せた。
**朝六時 起床**
「起きろ! 兼定!」
独房の鉄の扉が蹴り開けられた。冷たい空気が流れ込む。
「はい…」
和泉は素早く起き上がった。反抗すればどうなるか、最初の三日間で学習済みだった。
「体操だ! 広場に出ろ!」
薄暗い中庭に他の収容者たちが集められる。全員が灰色の囚人服を着ている。女性ばかりだ。少子化対策に非協力的な女性たち。彼女たちの目は死んでいた。
「国民の義務を果たせ! 国のために産め! 一、二、三、四!」
看守の号令に合わせて体操をする。屈伸、腕立て伏せ、腹筋。体を鍛え、出産に適した体にするための訓練だ。
「兼定! 腰をもっと振れ! 出産に必要な筋肉だぞ!」
桑島という看守が和泉の腰を叩いた。痛みに顔を歪めながらも、和泉は言われた通りに腰を振った。
**思想矯正座学**
「少子化対策特別法は国民の義務である! 国のために産むことは最高の名誉だ!」
講堂でスライドを見せながら職員が熱弁を振るう。スライドには笑顔で赤ん坊を抱く母親の写真と、国の人口推移のグラフ。
「質問はないか?」
誰も手を挙げない。質問すること自体が「非協力的」と見なされるからだ。
**七時 朝食**
「いただきます」
朝食は栄養バランスを考えた和食だった。出産に必要な栄養素を計算して作られている。味は…なかった。ただ栄養を摂取するだけの行為。
**八時から十二時 矯正プログラム**
これが一番辛かった。和泉は声を震わせた。
「あの時間は…毎日毎日、男たちに…されたの」
独房に戻ると、既に刑務官が待っていた。
「兼定、今日の担当は俺たちだ」
山田、桑島、江藤。三人の刑務官がニヤニヤしながら立っていた。
「服を脱げ」
和泉は黙って囚人服を脱いだ。抵抗することは許されない。拒絶すれば「懲罰房」に送られる。そこではもっとひどいことをされる。
「いい体だな。革命のアイドル兼定和泉か。さっそく楽しませてもらおうか」
山田がズボンを下ろし、屹立したペニスを露出させた。
「口を開けろ」
和泉は目を閉じ、口を開けた。山田のペニスが口腔内に侵入してくる。
「んっ…んぐっ…」
「上手いな。さすが革命のアイドルだ」
桑島が背後から和泉の腰を掴み、ペニスを秘所に押し当てた。
「あぐっ!」
二つの穴を同時に塞がれる。前後からの責めに和泉は声も出せなかった。
「きついな。まだ慣れてねぇか?」
江藤が和泉の乳房を鷲掴みにし、乳首を指で弾いた。
「んんっ!」
三人同時の責めに和泉の体が快感の波に飲み込まれていく。
「ほらほら、感じてるじゃねぇか。革命女も結局は雌かよ」
山田が口内にペニスを出し入れしながら嘲笑った。
「んっ…んあっ…!」
桑島が激しく腰を打ちつけ始める。ズンズンという音と共に和泉の内部を掻き回される。
「あっ!ああっ!ダメっ…おかしくなる…!」
和泉の口から抑えきれない嬌声が漏れた。
「正直になれよ。気持ちいいんだろ?」
江藤が耳元で囁きながら乳首を強く摘んだ。
「ひっ!ああっ!」
三人の男たちに同時に犯され続け、和泉は何度も絶頂に達した。
「いくぞ!」
山田が和泉の口内に精を放った。同時に桑島も最奥に精を注ぎ込む。
「んぐっ!ううっ…!」
口と秘所から溢れる白濁液。和泉は力なく床に崩れ落ちた。
「次は俺だ」
江藤が和泉を裏返しにし今度はバックから貫いた。
「ああっ!またっ…!」
1時間ごとに交代で3人の刑務官とセックスをさせられる。行為後は10分間だけシャワーを浴びることが許された。冷水シャワーで体を洗い流しながら、和泉は涙を流した。
**十二時から十六時 接待**
正午になると和泉は裸エプロン姿に着替えさせられた。
「今日のランチ会だ。VIP客が来るぞ」
接待用の部屋には円卓が置かれ、数人の男たちが座っていた。彼らは少子化対策局の関係者や協力企業の幹部たちだ。
「兼定和泉か。噂通りいい体だな」
男たちが品定めするように和泉を見た。
「さあ、給仕してくれ」
和泉は震える手で料理を盛った皿を運んだ。裸エプロンから覗く胸と尻を男たちの視線が舐めるように追う。
「こっちに来い」
一人の男が和泉の手首を掴み自分の膝の上に座らせた。
「あっ…」
「美味そうな体だな。いただこうか」
男は和泉のエプロンをまくり上げ直接秘所に指を挿入した。
「ああっ!」
「もう濡れてるじゃねぇか。淫乱だな」
男たちは次々と和泉を犯していった。給仕する合間に体を弄ばれテーブルの上で足を開かされ次々とペニスを受け入れる。
「あっ!ああっ!ダメっ…もう無理っ…!」
限界を超えた快楽と屈辱に和泉は何度も気絶しかけた。
その時ドアが開き大森局長が入ってきた。
「おや、賑やかですね」
男たちは慌てて席を立った。
「局長!ようこそお越しくださいました」
大森は微笑みながら円卓についた。
「兼定君、こっちに来てくれたまえ」
和泉は大森の隣に座らされた。
「君の体は国の宝だ。大切に扱わないとね」
大森の手が和泉の太ももに触れた。その手つきは刑務官たちとは違っていた。優しくしかし確かに所有物を愛でるような触れ方。
「あっ…局長…」
「感じてごらん。君の体が何を求めているか」
大森の指が秘所に入り込み的確に敏感な場所を刺激し始めた。
「ああっ!そこっ…!」
他の男たちのような粗暴さはない。しかしそれ以上に恐ろしいほどの技巧だった。
「どうだい? 気持ちいいだろう?」
「はいっ…ああっ…気持ちいいですっ…!」
和泉の意志とは裏腹に体が正直に反応してしまう。
「素直な子だ。ご褒美をあげよう」
大森は自身のズボンを下ろし屹立したペニスを取り出した。そして和泉を座らせたままゆっくりと貫いた。
「ああぁぁ…!」
ゆっくりとしたストローク。しかし的確に性感帯を刺激し続ける。
「君は国のために生きるんだ。そして国のために産むんだ。それが君の存在意義だ」
大森の言葉が脳に染み込んでいく。
「はいっ…ああっ…国のためっ…産みますっ…!」
5回連続で絶頂させられ和泉は完全に気絶した。
**十七時から十九時 座学と反省文**
意識を取り戻した後再び講堂へ。
「今日の行動を反省しろ! 国に逆らった罪深さを書き記せ!」
用紙には既に書くべき内容が印刷されていた。「私は国に逆らいました」「私は非協力的でした」「私は国のため産むことを誓います」。それをただ書き写すだけ。
**十九時 夕食**
朝食と同じく栄養だけの食事。
**二十時より自由時間**
自由と言っても独房からは出られない。テレビだけが見られる。しかしチャンネルは固定されていてAVしか映らない。
画面の中では女たちが嬌声を上げながら男たちに犯されている。最初は目を逸らしていたけれど次第にそれを見る自分がいた。
**夜 長谷川**
深夜独房の鍵が開く音がした。
「よう兼定。起きてるか?」
長谷川という若い刑務官が入ってきた。
「何…?」
「お前とやってみたかったんだよ。革命のアイドル兼定和泉とさ」
長谷川はニヤニヤしながらズボンを下ろした。
「ダメ…時間外は…」
「誰も見てねぇよ。内緒だ」
長谷川は和泉を押し倒した。
「やめてっ!」
抵抗しようとしたけれど体はもう言うことを聞かなかった。1日中犯され続けた体は快楽に慣らされてしまっていた。
「ほらもう濡れてる。感じてるんだろ?」
長谷川のペニスが侵入してくる。
「あっ…ああっ…!」
「やっぱりいいな。革命女のおマンコ最高だぜ」
長谷川は激しく腰を振った。
「ああっ!ダメッ…またイクッ…!」
和泉は自分の意思とは裏腹に絶頂してしまった。
和泉は話し終え俯いた。
「私…変わってしまったんだと思う。最初は嫌だったのに…だんだん体がそれを求めるようになって…国のためとか言い聞かせながら…本当はただ気持ちよくなりたかっただけなのかも」
貝塚は黙って和泉の手を握った。
「そんなことないよ。和泉さんは無理矢理…」
「ううん…わからない…もう自分でもわからないの」
和泉の瞳には涙が光っていた。
⭐️白川誠司逃亡
白川誠司はパトカーの後部座席に押し込まれていた。手錠をかけられた両手は膝の上で固く握りしめられ、窓の外の景色が流れていく。千秋に腹を蹴られ、顔を殴られ口の中にはまだ血の味が残っていた。隣には和泉が座っていた。彼女も手錠をかけられ、虚ろな目で前を向いている。
「和泉…大丈夫か」
誠司が掠れた声で問いかけると、和泉は小さく頷いた。
「先生こそ…血が出てます」
「大したことじゃない」
白川は学生達と別々のパトカーに乗せられて連行された。
誠司は窓の外を見た。霞ヶ関の官庁街を抜け、高速道路へと入っていく。移送先は警視庁の留置所か、それとも少子化対策局の専用施設か。どちらにせよ、もう後戻りはできない。すべてを失った。演説も、学生たちの決起も機密情報の暴露も。すべては貝塚の裏切りによって水泡に帰した。
(だが…まだ終わってない)
誠司の胸の奥で消えかけた炎がまだ燻っていた。国家権力の横暴を許してはいけない。たとえ自分が囚われの身になっても、その事実を世に知らしめなければならない。
ふいに後方から凄まじいエンジン音が近づいてきた。バックミラーに映るのは、赤い日の丸が描かれた白いハイエース。異様な速さでパトカーに迫ってくる。
「なんだ…?」
運転席の警察官が声を上げた。助手席の警官も振り返る。
「後ろの車、朝日新聞の報道車ですね。異常な速度で接近してます!」
「無線で応援を要請しろ!」
しかし、その言葉が終わる前にハイエースはパトカーの後部に激しく追突した。金属が軋み、パトカーが大きく揺れる。誠司はシートに体を打ちつけ、和泉が悲鳴を上げた。
「うあっ!」
パトカーはスピンをしながら中央分離帯に衝突した。エアバッグが展開し、運転席の警官が動かなくなる。
「なんだ…何が起きて…」
助手席の警官がドアを開けようとした瞬間、ハイエースから三人の人物が降りてきた。全員が黒い覆面を被り、手には猟銃を握っている。
「動くな!」
一人が叫び、猟銃を構えた。警察官が腰の拳銃に手を伸ばすより早く、銃声が響いた。
ドンッ!
助手席の警官が窓ガラス越しに撃たれ、そのまま崩れ落ちた。
「てめぇ!」
後部座席の警官がドアを蹴り開け、拳銃を抜いた。しかし三人の内の一人が正確な狙いでその警官の胸を撃ち抜いた。
ドンッ!ドンッ!
二発の銃声。警官はその場に倒れ、動かなくなった。
「先生!伏せて!」
誠司はとっさに後部座席の床に伏せた。窓ガラスが粉々に砕け散り、破片が降り注ぐ。
銃声が止んだ。静寂が訪れる。そして、パトカーの後部ドアが外側からこじ開けられた。
「白川誠司さんですね?」
覆面の一人が言った。女性の声だった。
「あんたたちは…誰だ」
誠司が顔を上げると、三人の覆面の人物が一斉にマスクを外した。そこには三人の女性の顔があった。一人は二十代後半の凛々しい顔立ちの女性。そしてもう一人は眼鏡をかけた知的な印象の女性。もう一人はギャル系の可愛い女の子」
「同神社大学、キリスト教革命集団『回天』の者です。私は高杉真。こちらは山縣朋と伊藤博子」
凛々しい顔立ちの女性――高杉真が言った。
「回天…?」
誠司は聞いたことがなかった。学生運動の過激派の一つだろうか。
「私たちは少子化対策政策を神の名において糾弾する者です。そして、あなたを必要としています。白川誠司さん。あなたの言葉は、私たちの闘いの精神的支柱となる」
高杉は手錠の鍵を取り出し、誠司と和泉の手錠を外した。
「さあ、来てください。時間がありません」
「待て…警察官が…」
誠司は倒れた警官たちを見た。三人とも、もう動いていなかった。
「彼らは国家権力の手先です。神の審判は下されたのです」
山縣朋が冷ややかに言った。
「そんな…」
誠司が震える声で呟いた。誠司も言葉を失った。確かに彼らは国家権力の手先だったかもしれない。しかし、ただ職務を全うしていただけの人間を殺すことは、正義ではない。
「少子化対策を潰すために。あなたの知恵と、私たちの行動力。それが合わされば、必ず道は開けます」
山縣がの奥から誠司を見つめた。
「白川のおじさん。私たちの仲間になりなよ❤️」
伊藤博子が人懐こく彼の妹ニの腕に抱きついた
誠司は一瞬、躊躇した。彼らは人を殺した。それは許されざる行為だ。しかし、他に道はあるのか? 捕まれば、もう二度と表に出ることはできない。少子化対策局の闇に葬られるだけだ。
(俺は…どうすべきなんだ)誠司は深く息を吸った。
「…行くしかない」
誠司は立ち上がった。足が震えていたが、それを悟られないように踏ん張った。
「ただし、一つだけ条件がある」
「何でしょう」
高杉が問う。
「無差別な殺人はやめてくれ。俺たちはテロリストじゃない。国民の権利を守るために闘っているんだ。人を殺してまで正義を唱えるなら、それはもう正義じゃない」
高杉は一瞬、誠司を値踏みするように見つめた。そして、小さく笑った。
「わかりました。私たちも神の使徒です。意味なく人は殺しません。約束します。」
「…それでいい」
誠司は頷いた。完全な合意ではなかったが、今はこれしかない。
「では、行きましょう」
三人の女性に促され誠司と和泉はハイエースに乗り込んだ。
ハイエースはエンジンを轟かせ、現場から走り去った。後部座席の窓から、横転したパトカーとその周りに集まり始めた救急車とパトカーの赤い灯が見えた。
「白川さん」
隣に座った高杉真が静かに言った。
「私たち『回天』は、少子化対策を悪魔の所業と信じています。神は人間に生殖の自由を与えた。それを国家が管理することは、神への冒涜です」
「だから人を殺すのか」
誠司の問いに、高杉は首を振った。
「私たちは武器を取ることをためらいません。しかし、それは最後の手段です。できれば、あなたの言葉で多くの人々を目覚めさせたい。そして、平和的な革命を起こしたい」
「平和的な革命…」
誠司はその言葉を噛みしめた。かつて自分が目指したものだ。法廷で、言葉で、国民の権利を守る。しかしその道は閉ざされた。国家権力は、法を捻じ曲げてでも自分を排除しようとした。
「今度は…負けない」
誠司は小さく呟いた。和泉がその手を握った。温かい手だった。
「先生…私もついていきます」
「ああ。一緒に闘おう」
ハイエースは夜の高速道路を走り続けた。行き先は京都。同神社大学を拠点とする「回天」のアジト。そこから、新たな闘いが始まる。
白川誠司はまだ死んでいなかった。その魂の炎は、国家権力の闇の中で、さらに激しく燃え上がろうとしていた。
そして、その炎は、いつか必ず国家権力の闇を焼き尽くすだろう。
――尊厳あらば、立て。
その言葉は、まだ誠司の胸の中で生き続けていた。