※この作品はR-18です。

双鶴の運命   作:瑞鶴好きの龍鶴

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いやー、これまで小説を読むことはしてきましたが、いざ書いてみるとこんなに難しいんですね。これまで読んできた小説の作者には感謝です。自分もこれからがんばります。


出会い

1944年11月20日 追浜飛行場

 

 滑走路上には真新しい新型の艦上戦闘機が離陸の時を待っていた。その名は紫電改四。紫電改のエンジンを誉32型に換装し着艦用のフックを取り付けた新型機である。試験での最高速度は高度6000mで680km/hでありこれは初期のゼロ戦と比べ200km/hほど速く米軍のF6Fと比べても優速であった。海軍はこの新型機が戦局打開の切り札になると大きな期待が寄せられていた。今日はこの紫電改四の着艦試験を新型大型空母である信濃で実施する予定であった。この日は天候にも恵まれており風も弱く絶好のフライト日和であった。この新型機の試験パイロットを務めていたのは小林 龍鶴である。弱冠24歳である彼は真珠湾からの生き残りであり、元瑞鶴の搭乗員として各地を転戦してきた腕利きパイロットである。先のマリアナ沖海戦においても性能的に劣勢であったにも関わらず4機の敵戦闘機を撃墜しており瑞鶴の沈没阻止に大きな貢献をしていた。龍鶴は足かけに足を掛けてコックピットの中にゆっくりと入っていき各種確認作業の後エンジンを掛けた。新型のエンジンは整備性に難があるとされていたが今日は快調に回っているように思えた。その後、基地の整備員などが見守る中、龍鶴の操る紫電改四は離陸していった。

 

龍鶴「ふう。離陸は無事成功っと。先導機は、、、あそこだな。」

 

龍鶴は無事に離陸できたことに安堵した後、空母への先導を任されているゼロ戦に目をやった。

 

龍鶴「二一型か。。。まだ、あの機体が飛んでいるのか。」

 

ゼロ戦二一型は太平洋戦争が始まる以前から使われている今となっては旧式機である。最新のゼロ戦である五二型であっても相手の新鋭機に歯が立たないのに二一型などもはや的でしかなかったがその旧式機すら使わざる得ないのが今の日本であった。

 

龍鶴「この機体がもう2年、、、いや1年早く完成していればなあ。」

 

そんなことを口にしながら龍鶴は先導するゼロ戦を追い空母へと向かった。先導するゼロ戦は薄い雲へと突入し、龍鶴もそれに続いた。その後、事態は急展開を迎えることになる。

 

龍鶴「うっ。何だ、この違和感は。」

 

龍鶴は急に吐き気を伴う強烈な違和感に襲われた。先導するゼロ戦もまた同様な状況であったようで機体が左右に揺れていた。その後、薄い雲を抜けた時、またしても別の違和感を感じたが、その時はあまり気にしなかった。先ほどの事象も気になりはしたが今は着艦試験に集中するために気を引き締め直していた。そして、しばらくすると目標としていた空母が見えてきた。しかし、その空母を見た龍鶴は絶句していた。

 

龍鶴「なんで、、、あの空母がここに。」

 

その驚きも当然である。龍鶴の目に入ってきた空母、それは信濃ではなく翔鶴型航空母艦であった。見間違えるはずもない、何せ龍鶴はもと瑞鶴の搭乗員である。その瑞鶴もレイテ沖海戦で沈んだと聞いている。そう、もう存在しないはずの空母が目の前に現れたのである。更に驚いたことに次の瞬間、その空母とそれを護衛するための駆逐艦は一斉に発砲してきたのである。対空砲は明らかにこちら側に照準を合わせているように見えた。龍鶴は衝撃に備えたがその衝撃は来なかった。対空砲は龍鶴達より遙か後方で炸裂していたのである。安堵したのも束の間、先導していたゼロ戦が火を噴いて落ちていった。明らかに対空砲によって撃墜された訳ではなかった。その後、落ちていくゼロ戦を負うように前方を戦闘機が通過していった。後ろを振り返ると底には黒一色に塗装された戦闘機、攻撃機の一団が迫っており、それを迎撃するためのゼロ戦と混戦を繰り広げていた。龍鶴は状況を把握できなかったがあの黒い機体が先導機を撃墜したことからあれが敵機であることは明らかであり、またその機体はF4Fであり米軍機である。そことことから龍鶴は即座に迎撃行動に移った。

 

龍鶴「くっそ。なんでこんなところに米軍の艦上戦闘機が。」

 

龍鶴は照準を敵機に合わせ引き金を引いた。発射された20mm弾は相手を直撃し落ちていった。艦隊からの対空砲火がきつくなってきたからか迎撃のためのゼロ戦は散開していったが龍鶴はそのまま迎撃を続けた。

 

龍鶴「もう二度と繰り返えす訳にはいかない!!」

 

龍鶴は先のマリアナ沖海戦で瑞鶴への攻撃を防ぎきれず瑞鶴は被弾してしまってたのである。その時のことを龍鶴は相当後悔していたのである。その後の龍鶴はまさに無双状態であった。攻撃機を優先しバッタバッタと敵を撃墜していった。その数はすでに十数機に上っていた。数発の投弾を許したものの被弾ゼロのまま戦闘は進み敵の一団は撤退していった。龍鶴は空母を守り切ったのである。しかし、戦闘に夢中になりすぎて致命的なことを見落としていた。

龍鶴「燃料がちょっと厳しいな。基地まで戻るのは、、、無理かな。」

元々、局地戦闘機として開発された紫電はゼロ戦ほどの航続距離を持っていないのである。燃料の残量から基地への帰還は厳しそうであった。しかし、目の前には友軍の空母がある。そもそも、このフライトは着艦試験のためのフライトであったことを思い出し、着艦に備え準備を始めた。

 

龍鶴「もう、そろそろいいかな。」

 

迎撃のためのゼロ戦が一通り着艦し終えたのを確認すると龍鶴も着艦のために空母艦尾に周りこんだ。その頃、空母甲板上では

 

???「あの機体も着艦するようですよ?」

 

???「うーーん。あの機体に助けられたのも事実だし、、、まっ、いっか。あの妖精にお礼も言いたいしね。あっ、でも念のため警戒はおこたらないようによろしく。」

 

龍鶴はこの機体での初着艦であったこともあり慎重に機体を甲板上に下ろしていった。そして、着艦ワイアにフックが引っかかった感覚の後、急速に減速して甲板中央で停止した。その後、整備員と思われる人が翼に乗る音が聞こえコックピットから出ようと風防を開けようと目線を上げるとそこには驚愕の光景が広がっていた。

 

???「この機体なにー?」

 

???「えっ。人間が乗ってるよー」

 

???「瑞鶴さーん。これ人間が乗ってますよー。」

 

ワイワイガヤガヤ。

その頃、コックピット内で龍鶴は絶句してた。見たことの無い生命体に機体を取り囲まれていたのである。龍鶴の混乱はピークに達していた。そんな中、その生命体達を押しのけて1人の少女が駆け寄ってきた。

 

???「ちょっとごめん、どいて。人間が乗ってるって本当?」

 

その少女はコックピットを覗き込み、目を丸くしていた。

 

???「龍、、、鶴さん?」

 

龍鶴「え?」

 

龍鶴はこの少女のことを知らない。しかし、その少女は龍鶴のことを知っている様子だった。この時はまだこの出会いの重要性には互いに気づいていなかった。

 

 




1話の文字数これくらいがいいんでしょうか?
もう少し長い方がいいと思うので次回は長くしようと思います。
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