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1週間後、呉からの合流した艦隊を加え残存艦隊は決戦のための訓練に向けてタウイタウイへと出航した。実はこの移動は単なる移動ではない。輸送船の護衛もかねているのである。しかし、一般的な輸送船護衛のように輸送船団に付き添って護衛する訳ではない。深海棲艦の特徴から一定海域に存在する艦隊をたたけばその海域の安全は確保されるため輸送船団の通過に合わせて敵の部隊をたたけばよい。現在、日本と南方地域を結ぶシーレーン上で深海棲艦の出現海域は南シナ海のみである。ここで出現する敵部隊は軽空母を基幹とする小規模の部隊であり、油断しなければ問題となる相手ではない。しかし、今回は決戦を前にしての戦いとなるのでここで大きな損害がでれば相手を全滅させてもそれは実質的な敗北である。さらにここで南シナ海を迂回するという選択肢はない。もし、この輸送船団が日本にたどり着けなければ3ヶ月という猶予もなくなってしまうのである。そして艦隊は南シナ海域にさしかかろうとしていた。龍鶴は瑞鶴の艦橋で艦隊を眺めていた。その艦隊の陣容は
正規空母 3隻
軽空母 2隻
戦艦 2隻
重巡洋艦 2隻
軽巡洋艦 1隻
駆逐艦 12隻
である。この他にも工作艦や潜水艦がいるらしいがそれらは先にタウイタウイにいるということだがこれが今の日本の全力であると考えると非常に厳しい。辛うじて機動部隊として運用できるかという戦力であった。これは来る決戦はマリアナ並の厳しい戦いになると龍鶴が考えていると瑞鶴や信濃の甲板には索敵用の艦上攻撃機が発艦の準備を完了し今にも発艦しようとしていた。また、その他にも戦艦や巡洋艦からも索敵用の水上機も離陸していた。艦隊の規模からすると手厚い索敵網であるが、よくよく考えるとこの艦隊規模で敵に先手を取られると致命的になることは明らかである。しかも、今回は損害が許容されないのならなおさらである。そんな時、瑞鶴が自艦の索敵機に発艦の合図を出していた。
瑞鶴「索敵機全機発艦」
その合図により甲板上の索敵機は次々に発艦していった。龍鶴はそれをぼんやりと眺めていた。それを見て瑞鶴は龍鶴に話しかけてきた。
瑞鶴「龍鶴さんも、、、飛びたいよね。」
龍鶴「そりゃ、パイロットだからな。」
瑞鶴「そうだよね。龍鶴さんこの艦に来てからずっと艦内だもんね。じゃあさ、第一次攻撃隊の護衛たのんでもいい?」
龍鶴「いいのか?もしかしたらバレるかも。。。」
瑞鶴「大丈夫よ。そとからじゃコックピットなんてあんまり見えないし。あの機体も新型機って言えばなんとかなるんじゃない。」
はっきり言ってその提案は龍鶴にとって非常にありがたいものであった。こっちの世界に来てからすでに2週間ほど経過していたがずっと瑞鶴の艦内でいい加減嫌になり始めていたのである。最近は知り合ったパイロット妖精と囲碁や将棋をして時間を潰していたがそれにも飽き始めていた。ただ、自分が瑞鶴にのっていることがバレて瑞鶴に迷惑がかかるといことだけは避けなければならないという思いからずっと飛びたいという思いを封じてきた。
瑞鶴「そうと決まれば準備準備!!早くしないとみんな行っちゃうよ。」
龍鶴「ああ。じゃあ行ってくるよ。」
瑞鶴に背中を押され龍鶴は覚悟を決めて攻撃隊に参加することにした。龍鶴は直ぐに格納庫にある自分の機体に向かい発艦に向けた準備を始めた。
ガジ「龍鶴さんも参加されるのですか?」
龍鶴「ああ。瑞鶴にも許可を貰ってる。」
ガジ「そですか。これでやっと貴方の実力を見ることができます。」
龍鶴「いやいや、、、そんなに期待されても。」
そんな話をしていると敵部隊発見の報が艦内に響きわたった。その報を聞くとガジさんは甲板上にある自分の機体に向かって走って行った。龍鶴の機体はまだ格納庫の中にあるので甲板上の機体が全部発艦し終わってから発艦し攻撃隊に追いつく必要がある。まあでも攻撃隊の機体を見ると龍鶴kらすると旧式の機体なので紫電改四なら追いつくことは容易である。しばらくして甲板上の攻撃隊が発艦し終えると紫電改四はエレベータで甲板上に上げられ発艦に備えた。すると艦橋から瑞鶴が手を振っているのを見てそれに応えると龍鶴は発艦していった。龍鶴にとって紫電改四をつかっての初めての発艦であったので不安もあったが何も問題なく発艦することができた。その瑞鶴から発艦する紫電改四を見て不審に思う艦娘が一人いた。
信濃「あれって紫電じゃない。なんで瑞鶴先輩が?」
そう信濃は史実でも紫電の艦載機バージョンの発着艦試験を何度もしているので紫電はみたことがあるのである。その紫電が瑞鶴から発艦する様子を見て信濃は驚いた表情そしていた。瑞鶴先輩に紫電が搭載されているなんて聞いていないしそもそも紫電はまだこの世界に無いはずである。今すぐにでも聞きたいところではあったが作戦中なので後にすることにした。
その頃、龍鶴の機体はぐんぐん速度を上げ攻撃隊を追っていた。しばらくすると攻撃隊が目に入ってきたがその数は100機ほどであり龍鶴が真珠湾やマリアナで見てきた攻撃隊に比べると非常に小さいものであった。龍鶴はコックピットを見られるのを防ぐために攻撃隊の上方位置どった。すると、下方から一機のゼロ戦が近づいてきた。一瞬瑞鶴隊じゃなければマズいと思ったがそれは虎徹が操る機体であった。
虎徹「あんたも今回から参加するのか。では早速、撃墜機数勝負でもどうかな?」
龍鶴「いいでしょう。その勝負受けて立ちましょう。」
前回会ったとき少し龍鶴はカチンときいたので今回の勝負を売り言葉に買い言葉で乗ってしまった。
虎徹「では、せいぜい落とされないように気をつけて。」
龍鶴「あんたもな。」
そういうと虎徹は攻撃隊の一団に戻っていった。しばらく飛行していると前方に黒い斑点がいくつも見えてきた。敵の迎撃機である。敵の数は20機ほどであり、どんどん近づいてくる。すると攻撃隊を護衛する戦闘機隊の約半数が迎撃に向かうために高度を上げ始めた。龍鶴もそれに続きいよいよ龍鶴にとってのこちらの世界での初陣が始まろうとしていた。
もうちょっと艦娘に話して貰った方がいいかな。