※2022/02/23 エピローグの1回目を追加しました
立香はマシュの協力によって自分が"男"である事を再認識する事ができたが、まだコヤンスカヤによって凌辱された時のトラウマが残っていた。立香はコヤンスカヤによって犯されている最中、彼女は何度も自分の事を女だと言い聞かせていた。コヤンスカヤが連れて来た男達に輪姦され続け、男としての尊厳とプライドをズタボロにされ、一度は自分が"女”という事を認めてしまったが、彷徨海に帰還後マシュとのセックスを経て自分が男という自覚が持てた。
しかし立香は時折自分がコヤンスカヤのペニスバンドで肛門を掘られていた時の感覚を思い出す。コヤンスカヤの付けた偽物の男根によって自分が"征服"されていく感覚。立香は自分が女だと認めてから、コヤンスカヤによって陵辱されていた時に感じた快感を度々思い出してしまう。そう簡単に乗り越えられないからこそ"トラウマ"であり"心の傷"なのだ。こういう時はカウンセラーやセラピストの出番なのだが、生憎とノウム·カルデアにはそういった職業の人間やサーヴァントはいない。何であれ自分がコヤンスカヤに囚われ、レイプされたという事実には変わらないのだ。立香は屈辱と羞恥心を覚えながらも、コヤンスカヤに犯された事を思い出し、無意識に性器を屹立させる。
「くそ…!またコヤンスカヤに犯されていた時の事を思い出して…!」
立香はズボンの布越しにテントを張る自分の股間を見て苛立ちを隠せない。そんな立香の姿を見て、マシュは何とも言えない表情をしていた。立香に対してあえて尋ねないのは、立香の男としてのプライドを尊重しての事だ。異性であり異星の使徒であるコヤンスカヤと、彼女が連れてきた男達に無理矢理レイプされた時の事など気軽に聞ける筈がないのだ。
マシュはコヤンスカヤが彷徨海に送って来た記録映像を見ているので、立香がコヤンスカヤからどのような仕打ちを受けたのかは分かるのだが、立香が負った心の傷の事を思うと、無理に思い出させたくはなかった。食堂の椅子に座る立香の向かいに、ランサーのサーヴァントであるヴリトラが座った。ヴリトラはニヤニヤしながら必死で勃起を抑えようとする立香を見ている。
「なんじゃ、マスター。貴様、またあの女にヤられていた時のことを思い出しておったか」
「……」
立香は顔を赤くしながらヴリトラから目を背ける。それを見たヴリトラは益々立香にちょっかいをかけはじめた。
「ひっひっひ、なんと情けない奴じゃ。あれしきの事で勃ち上がるとはのう。しかしまあ、マスター。貴様は最早女じゃ。女は女らしくするのが一番じゃ。男の服など捨てて女子の服でも着ればよかろう?」
ヴリトラは自他共に認めるドSである。立香は彼女の言葉を聞いて、腹を立てた。何も好きでコヤンスカヤに囚われ、彼女に犯されたわけではない。なのにヴリトラはデリカシーの欠片もない言動で自分を煽ってくる。
「ヴリトラ…いい加減にしてくれ。俺は好きでコヤンスカヤの奴に犯されたわけじゃないんだ…」
「ほう? そうかそうか。じゃが貴様はあの女によって男に犯されて悦ぶような変態にされてしまったではないか。何にせよ貴様は一度"メス"になったのじゃ。その事実を受け入れたらどうじゃ?わえはそれでも構わぬぞ?」
「ヴリトラ……お前って、本当に嫌な性格をしているよな」
「じゃがわえは貴様が自分の力で"メス"から”オス"へと戻るのを楽しみにしておるのじゃ。見たところ貴様は未だにコヤンスカヤの呪縛から抜け出せずにいると見える。まぁ、それだけのあの女狐の調教が凄まじかったのじゃろうて」
「それは……」
「わえは貴様がコヤンスカヤの呪縛を乗り越え、見事"オス"へと戻る様をこの目に焼き付けたい。貴様が"オス"へと戻る為に足掻く姿は間近で見てみたいものよのう」
ヴリトラはこういう性格である。人間や神々に対して試練を与え、苦難の果てにそれを乗り越える姿を見るのが何よりも好きな悪竜だ。ヴリトラは立香がコヤンスカヤによって犯されている映像を見て興奮したのか、鼻息を荒くしていた。
「貴様がコヤンスカヤや男共に犯され、女のように喘いでいる映像は愉快だったのう。あの映像の貴様は完全に"メス"じゃった。男共に犯され続け、メスのような顔をしながらメスのように喘ぎメスのように快感を得る…。あの映像に映る最早貴様は男ではなかった。股間には生意気にも魔羅が付いておるが、心の中は完全に"メス"よ。わえは何か間違った事を行っておるかのう?」
ヴリトラは笑いながら言う。ヴリトラの言葉を聞いていた立香の目からは涙が流れた。
「そうやって涙を流しておるのも、貴様の男としてのプライドが傷付いたからかの? それとも、わえに馬鹿にされているのが悔しいからか?」
「その両方だよ…」
ヴリトラの言う事は正論だ。何一つ間違った事は言っていない。コヤンスカヤに無理矢理調教された事を言い訳にしても、映像に映る立香はまさしく"女"であり、男達に犯されてよがり声を出す"メス"そのものだった。マシュとのセックスで乗り越えたつもりでいたのに、こうしてヴリトラに煽られただけでトラウマを思い出す。立香は頬に流れる熱い液体を感じながら、ヴリトラの言葉を聞き続けていた。
「怒るなり怒鳴るなりで反論してくるかと思っておったが、そうやって涙するだけとはのう。じゃが貴様自身もこのままではいけないとは思っておるのじゃろう?それならわえが協力してやらん事もない」
「え…?」
「わえの部屋に来るがよい。貴様を"メス"から”オス"に引き上げてやろうぞ」
そう言って立香はヴリトラの後に付いて行き、彼女の部屋に入る。部屋の中に入った立香に対してヴリトラは着ている服を全て脱ぐように言う。
「ほれ、着ている服を全てわえに預けろ」
「あ、ああ……」
立香は言われるままに上着とシャツ、そして下着を脱いでヴリトラに渡した。全裸の立香はヴリトラに全身を舐め回すように見られ、羞恥心で赤面してしまう。
「ふぅん、貴様はなかなか良い体つきをしておるのう。まぁ、わえに比べれば貧弱だがな」
立香は両手で自分の股間を隠すが、それを見たヴリトラは煽り始めた。
「ほう? 今更股間を隠すか。散々コヤンスカヤに犯され続けた割には羞恥心は残っておると見える。それとも、股間を隠せばメスとして見られる事はないと思っているのかのう?」
「そ、それは…!」
立香は返答に困るが、ヴリトラは容赦が無かった。
「まぁ、どちらでも構わん。わえが貴様に望むのは"メス"から"オス"へとなる事じゃ。わえの眼から見て貴様はメスにしか見えぬが、それでも貴様は"オス"になりたいと願うのじゃろう?ならばわえが手伝ってやる」
そう言うとヴリトラは立香の両手を掴み、股間を隠している手をどけさせた。ヴリトラの眼前には雄々しく勃起している立香のペニスがあった。
「おお、やはり立派なモノを持っておるではないか。亀頭も露出しておるし、カリ首も大きく張っている」
ヴリトラは勃起した立香のペニスの大きさを賞賛する。
「貴様は多数の男共の魔羅を尻の穴に突っ込まれたのじゃろう?それが続けば如何に屈強なオスでもメスになり果てるというものよ」
ヴリトラは立香の横に立つと、手を伸ばして立香の尻を撫でまわす。
「ひゃっ!? ちょ、ちょっと! 何するんだよ!!」
「貴様の尻は"メス"のように柔らかいのう。しかも張りも良いし弾力もある。女であるわえから見ても嫉妬してしまうぞ?女からも嫉妬される程の尻を持っているとは、貴様には元々"メス"の素質があったのじゃ」
立香はヴリトラの言葉を聞いて顔を真っ赤にする。
「お、俺は…俺は女じゃない…!!」
必死に反論するものの、ヴリトラは涼しい顔だ。
「くっくっく、貴様は自分が女だと認めたくないのであろう。だが、貴様はもう女なのじゃ。女である事を自覚した方が幸せになれるのではないか?女のような言葉遣いで、女のような服を着て、女のように暮らす…。開き直った方が楽じゃぞ?ん?」
ヴリトラの言葉に立香は言葉を詰まらせる。
「け、けど俺は…俺は男なんだ…!もう女として扱われたくない…!!」
だが立香は自分の中の"オス"を奮い立たせてヴリトラに反論する。しかし、ヴリトラは余裕の表情だ。
「笑わせるでない、このわえの前でそんな戯言が通じると思うたか?」
そう言うとヴリトラは再び立香の体を触り始める。今度は胸を揉み始めたのだ。立香の胸は男らしい筋肉に覆われていたが、ヴリトラにとっては女の胸でしかないようだ。
「どうじゃ?胸を揉まれて気持ちいいか?わえは女だからよく分からんのだが、こういう風に男の乳を弄ぶのは楽しいのかのう? ほれ、もっとわえに教えてくれぬかのう? わえは女じゃから、貴様が女である事を認めればいくらでもわえが楽しんでやるわい」
「や、やめ……やめてぇ……」
「呆れた奴じゃな。そうやって女のような声を出すから"メス"として見られているというのに。幾ら自分がメスになった事を否定しようとも身体というのは正直じゃの。まぁ、仕方ない。貴様がオスとして復帰するまで付き合ってやるかの」
ヴリトラにとってはこれも立香に与えている『試練』に過ぎない。立香が自分の中の"オス"を以て"メス"としての自分に打ち克つ事をヴリトラは大いに期待していた。立香に対する性的な辱めも、実の所試練の一つなのだ。
「ううぅ……やだぁ……俺は女なんかじゃないぃ……!」
「ほれほれ、女のような声で鳴きおって。貴様はもう女じゃ、わえが保証してやる。じゃが本当にそれでいいのか?お前はこれから一生コヤンスカヤに調教された時のトラウマを抱えながら生きていくのか?そうならばこれから先ずっと貴様は"メス"として扱われるだけじゃのう?それでも構わんのかえ?」
「そ、そんなのは嫌だ…!だけど俺は……!!」
立香はどうにか気力を奮い立たせてヴリトラに反抗するが、ヴリトラはニヤリと笑う。そして立香の耳元で囁いた。
「それなら何故貴様は抵抗しない…?」
「え…?」
ヴリトラの言葉を聞い立香は自分の背中に冷たい汗が流れるのを感じた。
「わえの目は誤魔化せぬ。男らしくわえの悪戯に抵抗するならばまだしも、こうして快楽に身を委ねている…。なぁ、貴様は本当に"オス"に戻る気はあるのかえ?」
ヴリトラは立香が自分が与える快楽に身を委ねてしまっていたのをしっかりと見抜いていた。立香が強い言葉でヴリトラの言葉に反抗したりするでもなく、尻や胸を触るヴリトラに力づくで抵抗するでもなく、単にヴリトラの言葉に対して微かに反論しつつ、ヴリトラの性的なスキンシップを受け入れていたのだ。立香自身に抵抗する気があるのかどうかなどヴリトラには手に取るように分かる。
「待ってくれ!俺は……コヤンスカヤによっておかしくされて……!」
「黙れ、このわえに口答えをするな」
ヴリトラは本気で怒っているのか、立香の顎を掴んで自分の顔の前に引き寄せた。
「ぐっ……!?」
「わえとしては貴様がコヤンスカヤの呪縛に打ち克ち、見事"オス"としての自分を取り戻すのかと期待したのじゃが、見当違いも良い所じゃな。わえは貴様に快楽を与える目的でこのような事をしているのではない。わえは貴様が"オス"へと戻れるよう、協力してやったつもりじゃがこうして裏切られた。このままわえのスキンシップと言葉責めを楽しもうとしていた事などお見通しじゃ」
ヴリトラの眼光が立香の両目を射抜いている。どうやら相当に立腹しているらしい。ヴリトラからすれば立香が試練を乗り越えて"オス"へと戻ろうとするのを見たいのに、当の立香はヴリトラの行う責めで快楽を得ていたのだ。それに気づかぬヴリトラではない。ヴリトラは怒りと失望が入り混じった表情で立香を見ていた。
「貴様は最早"メス"でさえない。ただの淫乱じゃ」
ヴリトラの言葉に立香は反論できなかった。立香自身、自分でも無意識の内にヴリトラの行うスキンシップで快楽を得ようとしていた事に絶望していた。
「わ、分かった……!俺は女だって認めるから……!」
「ほざけ、貴様はもう女でさえないわ。わえは貴様が見事"オス"としての自分を取り戻すかと思って協力したのに、こうして裏切られたのじゃ。わえは貴様のような無様な者をマスターにした覚えはないぞ」
普段は飄々とした余裕のある態度を見せるヴリトラであるが、この時ばかりは立香に対して怒りを見せている。立香はヴリトラの身体から放たれるプレッシャーを感じ、全身から汗が大量に流れ落ちるのを感じた。
「ヴリトラ……ごめん…」
「ごめんで済むなら警察は要らぬ」
ヴリトラは立香の顎を掴んでいた手を放すと、立香の頬にきつい平手打ちをお見舞いした。
「痛…!」
立香はヴリトラからビンタされた頬を手で抑えつつ、ヴリトラを見上げる。
「わえは貴様が"メス"に戻ったところで何も困りはせぬ。わえが欲しいのは"オス"として生きる覚悟じゃ。それを貴様はわえの目の前で自ら放棄しおった。わえは貴様の事をそれなりに気に入っておったがもう知らん。二度とわえの前に現れるな」
ヴリトラは床にへたり込む立香をゴミでも見るかのような目で見下ろしながら吐き捨てると、そのまま部屋を出て行った。
「クソ…!何で俺は…!!」
ヴリトラが出て行った後の部屋で立香は目から涙を流しながら拳で床を殴りつけた。
「くそっ、こんな事してる場合じゃないのに……!!早く男に戻らないと……!!」
それから数分間、ヴリトラの部屋から立香の嗚咽が響き渡った。
「ひっひっひ…これもまた"試練"の形よのぅ…」
部屋を出て行ったヴリトラは、ニヤニヤ笑いつつ廊下を歩きながら呟く。
ヴリトラさんキレた…(^_^;)
そりゃ快楽与える目的でやってたわけじゃないから怒るよね。