朝、まどろみの中で、ルシアは自分を慰めていた。
くちゅくちゅと音を立ててみるが、いつもなら這いずり回る触手の気配はない。
「やめとけ、ルシア。今日は調査に行くんだろ? 今から体力使い切って、どうするつもりだ」
ぶっきらぼうな声とともに、クリトリスを弄くる指に触手が絡み付き、その動きを止めさせてしまう。
「あんっ! 何で止めるのさ? キミの大好きなエッチなお汁だよ? そうやって止めちゃうなら、昨日のあれ、してよっ!」
頬を膨らませたルシアが、淫魔の鎧に食ってかかる。
昨夜、絶頂失神から覚めたルシアは、目眩く続きを期待していた。
だが、無情にもドアがノックされ、触手セックスは強制的に中断されていた。
慌てて身支度を整え、ドアを開けたルシアを待っていたのは、クオムとレミルだった。
ルシアと淫魔の鎧がギルドでの聞き取りを終えたあと、買い出しを済ませたクオムが訪れ話を聞いていた。
そして、一日も早く探索を再開したいクオムは、レミルを誘って打ち合わせに訪れたのだった。
仕事の話であれば追い返すわけにもいかず、ルシアは内心憮然としながらも二人を迎え入れた。
淫魔の鎧から改めて聞かされた推測を交えた打ち合わせの結果、早速今日アバナホールに潜ることにしたのだった。
「今からやって、ルシアは起きられるのか? 起きる自信があるなら、俺も吝かではないぞ。ただし、起きられなかったら、問答無用で二人を迎え入れるからな」
出発までまだ多少時間があるとはいえ、失神してしまえば寝過ごすに決まっている。
ならば手加減すればと思うが、ルシアが納得するはずがない。
わずか数日でここまで溺れるとは、淫魔の鎧にしても想像の埒外だった。
「うぅ~、それは、いや……。我慢するよ。我慢するから、一回だけイかせて? ね? お願い」
さすがに全裸で失神した姿を、二人に晒すのは勘弁して欲しい。
レミルには今さらだが、クオムにはまだ知られたくはなかった。
それでも諦めきれないルシアは、淫魔の鎧に可愛くおねだりしていた。
「しょうがないご主人様だな。はあ、じゃあ、一回だけな、一回だけ。その代わり、ちゃんと起きろよ」
探索を前に体力の消耗は、誉められたことではない。
淫魔の鎧は、短期決戦に持ち込むと決めた。
「うんっ!♥ 大丈夫っ!♥ キミが起こしてくれるもんっ!♥ あんっ!♥ ああっ!♥ いきなりしゅごいぃっ!♥ ひあっ!♥ いいっ!♥ いいよぉっ!♥ ああああっ!♥ らめっ!♥ しゅごしゅぎぃっ!♥」
満面の笑みで情けない答えを返したルシアは、いきなりクリトリスを責められて悲鳴を上げた。
既に自身の指で弄くられ、充血していたクリトリスを剥かれたルシアは、それだけで仰け反ってしまう。
そればかりか、乳首にもいきなり粘着タッチが開始され、最初から快感が全開にされていく。
おまんことおしりの穴も抵抗する様子もなく、触手をすんなりと飲み込み、嬉しそうに迎え入れてしまう有様だ
ルシアは、視界に火花が散るのを感じていた。
「クリとれひゃうっ!♥ そ、なっ、ぺたぺたあっ!♥ とれひゃうよぉっ!♥ ひあっ!♥ ひあああああっ!♥ いっ、ぱい♥……入っへ……くりゅ♥……くぎゅぅぅぅぅっ!♥ ああああ……イく♥……らめ♥……やめひゃやらぁ♥……いっぱいイかへて、くら、はい……ッ!♥ イきゅっ!♥ おひりぃっ!♥ 抜けれきゅぅっ!♥ しゅきぃっ!♥」
クリトリスへの粘着タッチが執拗に繰り返され、充血した淫核がピンと反り返る。
おっぱいを包み込んだ触手が蠕動し、乳首といわず、白い丘といわずやわやわとした感覚に染めていった。
おまんこには触手が縮むように侵入し、ひだの隙間からGスポットまで延々と舐っていた。
おまんことは反対におしりの穴からは、触手が伸びながら抜けていく。
敏感な神経送を掻き乱され、ルシアはのたうち回るように快感を訴え続けていた。
「あ゛ーっ!♥ あ゛ーっ!♥ あ゛ーっ!♥ あ゛ーっ!♥ クリぃ♥……おっぱい♥……きもちくなりゅ♥……あひっ!♥ こん、にゃの……らめ♥……らめ♥……なの♥……バカに、なりゅ♥……ボク♥……バカに……なりゅぅ♥……こん、にゃ♥……いきにゃりぃ♥……ボク……お、ひりのあ、にゃ♥……こあれ♥……あ゛ーっ!♥ ……」
容赦ない電流責めが乳首とクリトリスを襲い、じっくりと時間をかけて抜かれていく触手に、ルシアのおしりの穴はあっさりと降伏する。
おまんこを埋め尽くした触手に圧迫された膀胱が限界に達し、おしっこをまき散らしながらルシアは失神した。
「ホント、しょうがないご主人様だ。ありがたいんだけどな。ま、魔力も完全になったし、俺も休ませてもらうとしよう」
安からに寝息を立てるルシアにシーツをかぶせ、淫魔の鎧は慌ただしく休眠モードに切り替える。
両隣の気配を探る触手だけを壁に張り付き、淫魔の鎧は意識を消していった。
「んん~っ! いい朝。クオム、レミ姉、行こうかっ!」
アレイ・バーグのゲートを出たところで、ルシアはひとつ大きく背伸びし、朝の空気を胸一杯に吸い込んだ。
「はいはい。張り切っちゃって。淫魔の鎧さん、エスコートよろしくね。それと、昨夜はお邪魔しちゃって、ごめんなさいね」
レミルの一言に、ルシアの顔が真っ赤に染まる。
何となく意味を察知したクオムは、聞こえない振りをして頬を赤く染めていた。
「レミ姉っ! ……気付いてた……の?」
思わず叫んだルシアは、クオムを気にしながら呟くようにレミルに尋ねた。
「あら、気付かない、とでも? あの夜と同じ目をしてたんですもの。すぐに分かっちゃったわ」
いたずらっぽくレミルは笑い、ルシアの額を軽く突く。
「そのあたりにしてやってくれ、レミル嬢。クオム嬢が困っている」
淫魔の鎧が、笑いを噛み殺したような口調で、止めに入る。
別に知られて困ることではないが、クオムがどうしていいか分からなくなっていた。
「そうね。クオム、ごめんなさい、ルシアがあんまりにも可愛かったから、ね」
レミルはさらりとかわして、歩き始めた。
ルシアも赤い顔のまま、あとをついて行く。
「あ、クオムは気にしてないですよ。大丈夫です」
一歩遅れたクオムが、二人においていかれまいと小走りについて行く。
今朝もルシアの喘ぎ声で目を覚まし、そのままオナニーを始めてしまったクオムは、話題が反れたことにほっとしていた。
しかし、ルシアの可愛らしい喘ぎ声を思い出してしまったクオムは、パンツに小さな染みができていくのを止められない。
いつもよりちょっとだけ内股になりながら、クオムは二人に気づかれないように祈っていた。
「うりゃあっ!♥ あんっ!♥」
横合いから飛び出してきたコボルドを、ルシアの剣が両断した。
同時に背筋を快感がぞわりと這い登る。
試し斬りの時にも感じた不思議な快感に、ルシアは戸惑いを隠せずにいた。
――本当に、何もしてないんだよね、キミは?――
疑惑の目を胸元に落とし、ルシアは淫魔の鎧に念話を向ける。
トロルと戦ったときには魔力補充のために犯され続け、絶頂の中で剣を振っていた。
だが、今は触手が挿入されてはいるが、ピストンを感じることもなく、乳首もクリトリスも弄ばれていない。
それでもコボルドを両断した瞬間に、愛液が溢れ出てしまったことをルシアは自覚していた。
――何もしてないって。あんまり黙り込んでると、二人に変に思われるぞ――
愛液を吸収しながら、淫魔の鎧も念話で答える。
確かに何もしていないが、ルシアの身体が変調を来しているのは分かっていた。
トロルとの戦いのさなか、絶頂しながら剣を振ったことが、裏目に出ているのかもしれなかった。
斬撃と快感が結びつき、セックス以外にも絶頂に達する身体になってしまったようだった。
――うん。分かったよ――
ルシアは念話で返事しながら、ぎこちない笑顔をレミルとクオムに向けた。
「ルシア、大丈夫ですか? なんだか顔が赤いです。体調が悪いなら、無理せず切り上げるですよ?」
心配そうに、クオムが尋ねる。
純粋にルシアの体調を、気遣っているようだった。
「大丈夫だよ、クオム。なんだか、身体のキレもいいし。心配ないって」
クオムの心配そうな顔が眩しすぎて、ルシアは思わず目を伏せた。
絶頂しかけていたなんて、口が裂けても言えないことだ。
「ルシア、まだ大丈夫、まだいけるは危険信号よ。撤退の判断は任されてるし、無理なら日を改めても構わないのよ」
レミルも、ルシアの変調に気付いている。
ただ、ルシアの目が潤んでいることで、変調の内容にも気付いていた。
勿論、問いただしたところで、ルシアが正直に答えるはずもない。
ルシアが現状の危うさに気付いて羞恥心を克服し、自分から言い出すのを待つべきだった。
過去に斬撃で快感を得てしまった例を聞いたことがあるレミルは、ルシアの身体が慣れてからの再挑戦も視野に入れている。
淫魔の鎧の話が真実なら、この調査をそれほど焦る必要はない。
いっそ、今日はルシアに慣れさせるため、入り口に近いところで戦うのもいいとレミルは考えていた。
「レミ姉まで。大丈夫だって。まだ潜ったばかりでしょ。帰るにしても、これじゃ早すぎるよ。キミもそう思うよね?」
ルシアは気丈に振る舞い、淫魔の鎧にも話を振った。
「……ん? あ、ああ。まだ大丈夫だろう。少し鈍ったんじゃないか? すぐに勘を取り戻すだろう。レミル嬢、クオム嬢、俺が付いてるから、心配には及ばんよ」
レミルには気付かれたと、淫魔の鎧は考えている。
ならば、巧く連携を取れば、この程度のモンスターに後れを取るとは思わない。
ルシアを今の身体に慣れさせないことには、探索者を続けていくことさえできなくなってしまう。
――レミル嬢、気付いたか?――
淫魔の鎧はクオムとルシアに気取られないように、念話をレミルに向けた。
――ええ。今、ルシアったら、イっちゃってたのでしょう? ちょっと羨ましいわね――
意外なほど深刻さのない、返答がレミルからきた。
なってしまったものは仕方がない。
これからどう付き合っていくかが重要だと、レミルは考えていたようだ。
――おいおい、ずいぶん軽く考えてくれるじゃないか。ま、レミル嬢がいれば、ご主人が快楽殺人なんぞに目覚める心配もないか――
おそらく、いつになるかは別として、ルシアはレミルに相談するだろう。
レミルがルシアを見捨てるとも思えず、巧い付き合い方をアドバイスしてくれるはずだ。
それを頼もうとしていた淫魔の鎧は、とりあえずほっと一息付いていた。
――あの娘もいつかは私の元を離れていくんでしょうけど、それまで見捨てる気はないから安心して頂戴。あなたにできないことは、私やクオムが手助けするわ――
淫魔の鎧を安心させるように、レミルは念話で答えた。
意外と人間臭い淫魔の鎧の思考に、レミルは思わず笑みを浮かべていた。
「なんだかクオムだけ置いてけぼりですぅ。さぁ、話が済んだら行くですよ。ルシア、無理だけはしないでです」
クオムの言葉に、三人はまたダンジョンの奥を目指して歩き始める。
調査はまだ始まったばかりだった。
「せりゃあっ!♥ くっ! クオムっ! よしっ! いっけぇぇぇっ! あああっ!♥」
ゴブリンの集団が襲いかかり、一気に乱戦に持ち込まれていた。
錆びた剣にルシアの剣が叩き付けられ、拮抗したところに別のゴブリンが突っかける。
クオムに援護を頼んだルシアは、鍔迫り合いを演じているゴブリンに集中した。
次の瞬間、火球が突っかけてきたゴブリンに炸裂し、その身体を弾き飛ばす。
淫魔の鎧がブーストをかけ、ルシアも相対しているゴブリンを押し倒した。
そのまま、仰向けに倒れたゴブリンの喉元に、剣を突き立てる
ルシアは絶頂とともにゴブリンの首を切り裂き、その命を奪っていた。
「はあっはあっ……くっ、まだまだぁっ! うりゃあっ!♥ はぁんっ!♥」
絶頂の余韻が残る中、ルシアはゴブリンの死体から剣を引き抜き、振り向きざまに次のゴブリンを殴り倒す。
鋭い快感が背筋を駆け抜け、一瞬硬直しそうになるが、気合いで剣を振り続けた。
殴り倒したゴブリンには目もくれず、次の獲物に剣を突き立てる。
肉を刺し貫く感触とともに、脳天まで貫くような快感にルシアは絶頂する。
ルシアが殴り倒したゴブリンにとどめを刺したレミルが駆け寄り、その隙を突かせないようにガードした。
「二人とも下がるですっ! 魔鉱石解放っ! ええいっ!」
クオムは怯んだゴブリンがひと塊になったところに、大火球を叩き込む。
高温の炎がゴブリンの身体を焼き、瞬間的な低酸素状態が炎を逃れたゴブリンを窒息させる。
渦巻く炎は瞬時に消え失せ、ゴブリンの集団は壊滅した。
「さすがねぇ、淫魔の鎧さんは。クオムの炎を完全に防いでいたわね」
スペルユーザーと行動をともにする場合、フレンドリーファイヤーを避けるための結界石は必需品だ。
攻撃のスペルを防ぎ、補助や治療のスペルは通すという、冗談みたいな性能を持つ結界石は、それなりに高価な代物だ。
その上、一回の探索で使い捨てであり、ルシアレベルで簡単に買えるものではなかった。
それでもあるとないとでは戦闘の難易度が天と地ほども違うため、クオムと組むときは無理をしてでも買い揃えていた。
だが、今回の探索は、淫魔の鎧がいる。
ルシアにとって結界石は、もう不要な物だった。
「どうだ、凄かろう、俺は。魔力さえ満タンなら、あのくらいどうってことはない。今はスペルを使ったのがクオム嬢だったからやりはしなかったが、反射で打ち返すことだって可能なんだぜ」
まさに得意気とはこのことと言わんばかりの淫魔の鎧に、三人とも笑みがこぼれた。
淫魔の鎧の高性能ぶりは聞いていたが、実際に自分の目で見るまでは信じられなくても仕方がない。
特に高火力のスペルユーザーであるクオムは、冷や汗が流れるのを止められなかった。
「確かにキミは凄いよ。あのときトロルにぶん殴られても、ぶん投げられても平気だったし。まさか、クオムの炎まで無効化しちゃうなんて、まだボクは信じられない気がするね」
魔力切れ寸前だったときですら、ルシアにダメージをほとんど通していない。
完全に防ぐことは無理だったにしろ、ルシアに傷ひとつ付けさせていなかった。
そのときの戦闘を思い出し、犯され抜いて失神に追い込まれたことまで思い出してしまったルシアは、おまんこに愛液を滲ませていた。
「ルシア、話があるんじゃないの? 私はこのままでいいとは思えない。あなたから言い出すのを待つつもりだったけど、取り返しのつかないことになってからでは遅いのよ」
緩みかけた空気を引き締めるように、レミルはルシアに厳しい言葉をかける。
確かにあのとき隙ができなければ、クオムはあの大火力スペルを使わずに済んでいた。
淫魔の鎧によるアンチスペルシールドや、結界石のあるなしに関わらず、戦闘中に無防備な状態に陥るのは周りを巻き込む危険性が高かった。
「あう……」
ルシアもそれを理解しているが、口にするのは恥ずかしい。
さすがに異常性癖だとは思われたくないし、それで友人を失いたくもなかった。
「どうしたですか、ルシア。話があるならクオムは聞くですよ。不安があるなら、相談にも乗るです」
泣き出しそうなルシアの目を覗き込むようにして、クオムは心配そうに言った。
こんなとき、力になれずして、なにが友かとクオムは強く思っている。
「ご主人、二人の言うとおりだ。これはきちんと話しておかなきゃいけない。この先、何があってもソロでやっていくってんなら俺は構わないし、何があってもご主人を守り通す。だけど、そうじゃないだろう、ご主人?」
淫魔の鎧も、諭すように言った。
何があろうとルシアを守り抜く決意に変わりはないが、人との繋がりを切っていいとは思えない。
パーティを組まない選択をしても、二人は友人でいてくれるだろうが、楽しく仕事をする機会を失っていいものではなかった。
「……うん。三人とも聞いてくれる? ボク……ボク、おかしくなっちゃったかもしれないんだ……。モンスターを斬ったとき、気持ちよくなっちゃう……最初はキミがいたずらしてると思ったんだけど……違うんだよね? 試し斬りのときも、さっきも、ボク、イっちゃったんだ。どうしよう、レミ姉、クオム。ボク、変態さんになっちゃったよぉっ!」
意を決してルシアは言った。
半ば確信していたレミルは、やれやれといった表情になっている。
まさかの内容に、クオムは開いた口が塞がらなくなっていた。
勿論、呆れ返ったりするわけではなく、あまりにも意外すぎたことに言葉が出なくなっていただけだった。
「ルシア、よく言ってくれたわね。恥ずかしかったでしょうに。でもね、それはおかしなことじゃなくてよ。私も少なからずあるもの。会心の一撃って、そういうものでしょ? ただ、イっちゃってもいいけど、隙を作らないよう気を付けなさい。淫魔の鎧さん、あなたなら何とかできるのではなくて?」
泣き出しそうなルシアの頭を撫でながら、レミルはいたわりの言葉を紡ぐ。
そして、淫魔の鎧に無茶振りをしていた。
「ちょっと待て、レミル嬢! 俺が何かしたら、事態を悪化させる自信しかないぞ。気付けになりゃいいが、気絶でもされたら……うん、操ればいいか。そうなったときなら、俺の魔力は満タンになってるしな。あー、クオム嬢? 遠慮なくぶっ放してくれて構わんよ?」
あっさりと解決した。
当のルシアの意志は、どこかに置き去りだ。
「え? ええっ? イっちゃう、です?……ルシアっ! ずるいですっ! クオムにも分けてくださいですっ! あれ、クオム何言ってるですかっ!? もうっ! 全部ルシアのせいですっ!」
クオムは混乱した。
そして、自分の言葉に、さらに混乱している。
辛うじて壁越しにルシアの喘ぎを聞きながら、オナニーしていたことを口走らなかったのは、奇跡に近かった。
「ぷっ! なあに、クオム。あなたも混ざりたかったの? じゃあ、今度、淫魔の鎧さんにお願いしてみたら?」
さすがというか、何というか。
深刻になりそうな話を、見事に笑いに変えたレミルは大人だった。
これでクオムが照れて話を有耶無耶にすれば、完璧なはずだった。
「クオムも気持ちよくなりたいですっ! いつもいつも、ルシアの声だけ聞かされるのは、もうたくさんですっ! クオムだって、誰かに気持ちよくして欲しいですっ! ひとりでするの、もういやですぅっ! 淫魔の鎧さんっ! 帰ったらよろしくお願いするですっ!」
やはり、そう簡単に起きないからこそ、奇跡は奇跡だった。
「えっ!? ……聞かれ、て、たの? クオムに、全部? ……ねぇ、音も声も漏れてないって、キミ言ってたよね?」
ルシアが気付いた。
「……あ!」
バレないはずがない。
淫魔の鎧が、素っ頓狂な声を上げた。
「……あは。もうボク、死ぬしかないねっ! ボク、死んでやるぅっ! 舌噛んで死んじゃうから止めるなぁぁぁっ! むぐぅぅぅぅぅっ!」
舌を噛もうとしたルシアの口に、淫魔の鎧の触手が強引にねじ込まれる。
羞恥と怒りでルシアは触手を噛み切ろうとするが、人の力程度では全く歯が立たなかった。
「ん~~っ! ん~~っ! ん~~っ! ふぁにゃふぇぇぇっ! ふぃにゅっ! ふぃんふぇひゃひゅぅぅぅっ! んんんん~~っ!」
暴れ回るルシアを触手が拘束し、猿轡を噛ませて黙らせる。
だが、全裸を晒すどころか喘ぎ声を全て聞かれたルシアの怒りは、そう簡単に収まるものではなかった。
「え~、一部に甚大かつ深刻な被害が発生しておりますが、ルシアの不安については概ね解決に至ったと判断いたします」
顔があるなら冷や汗がこめかみを伝っているような震える声で、淫魔の鎧が宣言する。
ルシアは目に涙をいっぱいに浮かべ、触手に猿轡を噛まされた上に拘束され、ダンジョンの地面に転がっていた。
その横では、クオムが死んだ魚のような目で、呆然と座り込んでいる。
ルシアの被害も甚大かつ深刻だが、クオムの心が負ったダメージも、負けず劣らずだ。
まだ処女であるにも関わらず、ルシアの喘ぎ声でオナニーしていたことが、二人にバレた。
昨日今日オナニーを覚えたわけではないことも、それでまる分かりだ。
どれほど淫乱なのか思われているか、それを考えるとクオムは消えてなくなりたかった。
「ま、まあ、それはそれでいいけれど……。クオム~、気をしっかり持ちなさ~い。だいたい、オナニーなんて、当たり前よ、当たり前。誰だってしてるんですもの。私だって、寂しいときにはしてるわ。気にしちゃだめよ」
あっけらかんとした物言いで、レミルがフォローする。
さすがにルシアの喘ぎを聞かせてとは、いくらレミルでも言えなかった。
もし、そんなことを言おうものなら、今度こそルシアが立ち直れなくなる。
もっとも、二人でさんざん触手セックスに溺れたレミルにとって、今さら壁越しの喘ぎ声などで満足できるはずはなかった。
「ルシア……クオムが言ったこと……忘れて……ください……です。淫魔の……鎧さんも……忘れてくれると……嬉しい……です」
相変わらず、死んだような目でクオムが呟き、ふらふらと立ち上がりダンジョンの奥へと歩き出した。
「今日は撤退すべきかしらね。今の状態でモンスターに出会したら、まともに戦えないわ」
レミルはクオムを追いかけながら、撤退を考えている。
ルシアはまだ触手に縛られてジタバタしているが、淫魔の鎧がいれば心配はない。
だが、茫然自失に近い状態のクオムは、ほとんど無防備と言ってもいい。
今、モンスターに襲われたら、抵抗するまもなく殺されかねなかった。
「ん~っ! ん~っ! ぷはっ! クオム! 危ないっ! ぐっ!」
「きゃっ!」
「クオムっ! ルシアっ!」
突然ルシアが跳ね起き、クオムに駆け寄ってその身体を引き倒した。
直前までクオムがいた場所を棍棒が走り抜け、ルシアの胸に直撃する。
闇の中から現れた一体のオーガが、三人を睥睨していた。
「ご主人、大丈夫か!?」
淫魔の鎧とルシアは、クオムの向こうに巨鬼の影を見た瞬間、走り出していた。
触手の拘束も猿轡も瞬時に消え去り、淫魔の鎧によるブーストは、十数メートルの距離を一瞬で詰めている。
魔力を全身に漲らせた淫魔の鎧にとって、オーガの渾身の一撃など蚊が刺したほどにもならなかった。
「うん、さすがだね。びくともしないよっ! りゃあっ!」
ゆらりとルシアの重心が前にずれ、居合いのように抜き放った剣が、オーガが振り下ろした棍棒を下から弾く。
大上段に振りかぶった剣を掲げ、ルシアはオーガに突っ込んでいった。
「クオムっ! しっかりなさいっ! ルシアが防いでる間に退くわよっ! また出直せばいいわっ!」
ダンジョンの地面に倒れ込んだクオムを引き起こし、レミルは撤退を決めていた。
オーガなど、中級探索者が束になってようやく拮抗できるほど、危険なモンスターだ。
いくら淫魔の鎧がついているとはいえ、ルシアの戦闘技術では荷が勝ちすぎている。
レミルもクオムを庇いながらでは、全力で戦えない。
淫魔の鎧の防御力を信じ、ここは逃げの一手だとレミルは瞬時に判断していた。
「クオムは平気ですっ! 逃げるにしても、ルシアを援護してからですっ!」
倒れたときの打撲のダメージは少々残っているが、クオムも戦闘の空気に触れたことで気持ちが帰ってきた。
ポーチから出した魔鉱石を握り締め、クオムに行使できる最大のスペルを詠唱する。
「やめなさい、クオムっ! あなたに使えるスペルじゃ、オーガを怯ませるのが精一杯よっ! 今は逃げる方が先っ!」
レミルがクオムを叱責し、腕を掴んで引きずるように後退する。
クオムの気持ちも分かるが、こちらにオーガが来てしまったらレミルには対処しきれなかった。
「それで充分だっ! クオム嬢っ! ぶっ放せっ!」
二人の遣り取りを聞いた淫魔の鎧が、クオムに叫ぶ。
ルシアはオーガのぶん回す棍棒に、突進を止められていた。
振り下ろされる棍棒を身を翻しながら躱しているが、想像以上の素早さに手こずらされて、オーガの懐に潜り込めずにいる。 ルシアがもっと戦闘経験を積んでいれば、淫魔の鎧のブーストと合わせ、オーガごときは一刀両断にできたかもしれない。
だが、力のブーストはできても、技術や駆け引きまで底上げできるわけではなく、ルシアと淫魔の鎧はオーガを攻めあぐねていた。
「行くですっ! 魔鉱石全解放っ! ぶっ飛ぶですっ!」
クオムはレミルの腕を振りほどき、魔鉱石にありったけの精神力を注ぎ込んだ。
魔鉱石が真っ赤に光り、砕け散ると同時にひときわ大きな火球が出現し、棍棒を振りかぶったオーガの顔面に炸裂する。
天地を震わせるような咆哮を放ったオーガが仰け反り、一瞬棒立ちになった。
「もらったっ!」
「いただきぃっ!」
淫魔の鎧にブーストされ跳躍したルシアは、オーガの肩口に剣を全力で叩き込む。
鎖骨を砕き、肋骨をへし折りながら振り抜かれた剣は、オーガの胸骨まで叩き割っていた。
僅かに心臓を外した太刀筋は、大動脈を切断し、オーガの胸から真っ赤な鮮血が噴水のように噴き上がる。
「あああああんっ!♥」
身悶えするほどの快感に身体を震わせながら着地したルシアは、振り向きざまに剣を一閃。
仰向けに倒れてきたオーガの首を、下から刎ね飛ばした。
「あっ!♥ イっくううううううっ!♥」
剣を伝った衝撃に、ルシアは一瞬で絶頂へと駆け登る。
剣を振り抜いたまま硬直したルシアは、絶頂の余韻の中で盛大におしっこを漏らしていた。
がしゃりと金属がぶつかり合う不協和音を響かせ、ルシアはその場にへたり込む。
淫魔の鎧に支えられているおかげで倒れ込むことはなかったが、繰り返し押し寄せている絶頂に痙攣していることは、鎧の上からでもはっきりと見て取れた。
駆け寄ったレミルとクオムがヘルメットを覗き込んだとき、ルシアは焦点の合わない寄り目で口をだらしなく半開きにし、舌を突き出してよだれを垂らしていた。
ルシアが絶頂したまま帰ってこられなくなっていて、これ以上の探索が続行不能であることは、誰の目にも明らかだった。
「完全にイっちゃってるわ、この娘。今日は、これ以上は無理ね。クオム、ルシアが息を吹き返したら帰るわよ。淫魔の鎧さん、しばらく警戒をよろしくね」
レミルは、掴んでいたルシアの肩を離した。
揺さぶってみても、ルシアは全く反応がない。
ルシアの身体がくらりと傾き、ゆっくりと倒れ込んで大の字になる。
鎧の中がどうなっているか、レミルには手に取るように分かってしまった。
「はい、ですぅ。ルシア、すっごく気持ちよさそうです……はぁ、クオムも……」
羨ましそうにルシアを見下ろすクオムも、精神力のほとんどを振り絞ったせいで、立っているのがやっとの状態だ。
ルシアの状態が万全だったとしても、ここで撤退することは決まっていたようなものだった。
その場にぺしゃりと座り込んだクオムは、戦闘の高揚感もあってか、股間が熱くなっていることを自覚していた。
「すまんな、二人とも。ご主人が返ってくるまでは、俺が何とかしよう。なに、いざとなればご主人の身体を操って戦うさ。ご主人に意識がない分、俺の意志が優先されるから、オーガごときは鎧袖一触に葬ってやるぜ」
放心状態のルシアを起こすため、淫魔の鎧はゆっくりとおまんことおしりの穴を突き上げていた。
あまり激しく責めて絶叫するような事態になれば、今度こそルシアの心が折れる。
そうならないように、優しくゆっくりと、淫魔の鎧はルシアの両穴を貫いていた。
「……ん♥……ふぁ♥……ぁん♥……ィく♥……ぁぁ♥……ぃぃ♥……ィく♥……また……ィく♥……ぁん♥……ぁぁぁぁ♥……ひぅ……」
優しくおまんことおしりの穴を揺り動かされながら、ルシアは緩やかに絶頂へと押し上げられていく。
オーガの首を刎ね飛ばしたときに、襲いかかってきた絶頂が余りにも深く、未だに意識がふわふわとしたままだ。
そこへ優しく緩やかな抽送を加えられ、ルシアの意識は帰ることができなくなっていた。
ゆっくりと視界が揺さぶられ、小さく喘ぎを漏らしながら、ルシアはイったままイき続けていた。