昨夜行われた淫魔の鎧の触手フルコース対ルシアの淫汁カクテルフルコースの対決は、淫魔の鎧によるルシアの完全失神KOで、いつものように幕を閉じていた。
自身の潮を浴びせられ、垂れ流しになったおしっこと愛液と腸液のカクテルの中で眠りに落ちたルシアは、爽やかな朝を今日も迎えている。
淫魔の鎧がいつものようにカクテルを吸収してくれたおかげで、さっぱりとした洗い晒しのシーツに包まれた朝だった。
シャワーを浴び、簡単な朝食を済ませたルシアは、この日も裏庭で実験を続けるつもりだった。
やはり、独り暮らしより誰かがいてくれる方が、生活に無駄がでない。
以前であれば自堕落に流され、数日を無駄にすることも多かった。
淫魔の鎧があれこれと口を出してくれるおかげで、その心配もない。
生活の全てが、自身を強くするための一点に集約されているような、充実感に包まれていた。
「この胸当て、すごいよ。あれだけ動いても、おっぱいがぜんぜん揺れないなんて。擦れないから、ちっとも痛くならないし。みんな、結構これで苦労してるからね」
この日の実験を終えたルシアは、部屋に戻ってから自分の胸に手を当てた。
淫魔の鎧はゆったりとした部屋着に変化しているが、インナー部分は実験中と同じ状態でいてもらっている。
ルシアのおっぱいは、いわゆるスポーツブラに包まれている。
勿論、それは触手が変化したものだが、肌触りのよさもさることながら、戦闘中におっぱいを揺らすことがない。
駆け出し探索者の女性、特に剣や槍を得物とする前衛職が、一番最初に悩まされるのがおっぱいだった。
ベテランからアドバイスを受ける機会があればいいが、だいたいは身を以て知れとばかりに教えてもらえることは少ない。
そのため、ほとんどの者は、普段の下着の上にアーマーを着込んで、初めての探索に臨んでいた。
そして、駆け出しの探索者たちが高価な絹や上質な綿生地の下着など、気軽に買うはずも買えるはずもなかった。
歩いているだけであれば、たいしたことはない。
だが、一旦戦闘ともなれば、全身を使う全力の運動になる。
当然おっぱいは揺れ、インナーの布地で乳首が擦られる。
乳首の勃起は、そもそもが性的な刺激だけに依るものではない。
温度変化でも起きるし、授乳の際に赤ん坊が吸いやすいように、刺激の原因の如何を問わず起きる現象だ。
布地に擦られていれば、当然乳首は勃起する。
あとは、悪循環だ。
慣れない戦闘に身体の動きに無駄が出て、過激な動きに晒され続けた乳首の皮が剥けてしまうことは、よくあることだった。
そして、これは夜も眠れないほどの、痛みを伴っている。
こうなって初めて、サラシなどでおっぱいを固定して探索に臨むようになるが、炎症を起こした乳首には、サラシを巻くこと自体が苦痛になる。
駆け出しの探索者など、おしなべて貧乏だ。
大概が家を継ぐことができずに食い詰める未来を打開するため、この職を選んだ者が金銭の余裕があるはずがない。
つまり、乳首が痛いからといって探索を休むわけにもいかず、そうなると炎症を起こした乳首がまたサラシの中でも擦られて悪化する。
乳首の炎症が収まるまでは、仕事をセーブしながら貧乏に耐えるしかない。
駆け出し女性探索者の誰もが経験する、通過儀礼のようなものだった。
この世界では、まだブラジャーは発明されていなかった。
当然ルシアもこの洗礼を浴びている。
あの痛みを知る者にとって、淫魔の鎧が作り出したブラジャーは天の恵みに等しいものだった。
そして、この乳首への惨禍は、女性探索者たちにとって、違う意味でも大きな悩みの種だった。
乳首が摩擦によって炎症を起こした状態は、メラノサイトを活性化させてしまう。
つまり、乳首が黒ずんでしまうということだ。
元々は授乳の際に赤ん坊が強く吸いつくことへの防御機構だが、同時にセックスに耽る淫蕩な女性だと男性に思わせてしまうことが多かった。
授乳であろうがセックスによる刺激であろうが、乳首への色素沈着は起きてしまう。
想い人と初めてセックスに臨む際に、幻滅されてしまうのではないかと悩む女性探索者は少なくない。
おっぱいにぴったりとフィットしたブラジャーは、この二つの悩みを解決できるとルシアは思っている。
ギルドに相談すべきかと、ルシアは考えていた。
「ねえ、これさ、ギルドに知らせていいかな?」
ルシアが淫魔の鎧に尋ねた。
知的財産という概念はまだないが、発案者を称えるくらいのことはある。
面倒を嫌うのではなければ、淫魔の鎧が賞賛されることは、ルシアにとって歓迎できることだった。
「ああ、構わないが。だが、ご主人。これを見せるということは、人前で裸になるということだが、それは構わんのか?」
ブラを見せるということは、以前ビキニアーマーを見せたときより、人によっては扇情的に見えるかもしれない。
淫魔の鎧は、それを危惧していた。
もっとも、ルシアにちょっかいをかけてくる者が淫魔の鎧の眼鏡にかかる者でなけば、叩きのめすだけのことだ。
全力解放がかなった今、淫魔の鎧を止められる者がこの世にいるとは思えなかった。
「やだなぁ、ボクが誰彼構わず肌を晒すとでも? キミだけだよ、ボクが見せるのは。でも、女性職員なら、話は別でしょ? これはね、みんなで共有しなきゃいけないと、ボクは思うんだ」
身体を左右に揺らしながら、おっぱいが動かないことを確認したルシアが言った。
これはまさに福音だ。
独り占めしていいものではない。
ルシアは、確信していた。
「ああ。今度こそ、普及させたいものだ。過去の主人たちもそうしようとしていたが、縫製の技術や素材の開発がついていかなかったようだ。俺が封印されて二〇〇年経ったうちに、そのあたりも解決されているといいんだが。どうする? 昼食後にでも行くか?」
ゴムや伸縮性に富んだポリエステル等の生地がまだないこの世界で、淫魔の鎧が作るブラを再現することは難しい。
単におっぱいを支え、カバーする下着なら作れるだろうが、探索者たちが望むような激しい運動に対応できるものとなると、素材がまだ開発されていなかった。
「う~ん、そのあたりは多分難しいけど……スペルでなんとかならないかなぁ。そのへん含めて相談してみないとかなぁ」
ルシアも、適した素材が思いつかない。
「その相談なんだがな、ご主人。ギルドの女性職員に見てもらうだけで、解ってもらえるのか? 誰か体験してもらわなければならないんじゃないか? 俺がご主人以外の女性のおっぱいに触るわけだが、ご主人はそれでいいのか、ふと気になってな」
ルシアが即断でやめようとしたとき、隣のクオムの部屋から、ドアが蹴り開けられたような音が響いた。
廊下を走る足音が聞こえる。
続いて目の前のドアが、激しくノックされた。
そして、ルシアが対応に出る前に、勢いよくドアが開けられる。
「話は聞かせてもらったですっ!」
食いつくような表情のクオムが、肩で息をしていた。
「話は聞かせてもらったって、何をしてたのかなぁ、クオムは? で、何を聞いてたってぇ? 僕たち、クオムの部屋まで聞こえるような、大声出してないよ?」
地鳴りのような低い声が、ルシアの喉からこぼれだした。
今は触手セックスに興じているわけでもないので、淫魔の鎧は特に防音バリアを張っていない。
それはルシアも承知していた。
だが、大声で怒鳴り合っていたわけでもないので、二人の会話は筒抜けになどなっていないはずだ。
なら、なぜクオムは息急き切って飛び込んできたのか。
この際、ルシアにとって、聞かれた話の内容はどうでもよかった。
なぜ、聞こえたのか。聞けたのか。
それが重要だった。
「そんなことはどうでもいいですっ! 細かいことは気にすんなですぅっ! 見せるですっ! 揺れないって、痛くならないって、どういうことなんですぅっ!」
乳首の痛みは、何も前衛職に限った話ではない。
スペルユーザーであろうと、被害の大小の差はあれ、この悩みから逃れることはできなかった。
たしかに、直接敵と剣を叩きつけ合い、全身を使って回避運動を常に続けているわけではない。
だが、探索中に走ることもあれば、前衛防御を潜り抜けてきた敵と、近接戦闘を行うこともそれなりにある。
特にクオムレベルのスペルユーザーは、一回の探索中に使用できるスペルの数も回数も、それほど多くはない。
スペルの使用限界がきた後、黙って突っ立っているというわけにもいかなかった。
そしてクオムの胸部装甲は、レミルには及ばないとしても、ルシアよりはるかに立派だ。
サラシなどで対応しているが、ファイターやソードマンのように防具でさらに固めているわけではない。
比較的ゆったりしたローブの下では、サラシが緩んでくることも多かった。
いつ敵に襲われるか分からない状況で、悠長に肌を晒しているわけにもいかない。
揺れる。
擦れる。
痛みが襲ってくる。
こうなると、スペル行使時の集中力にも、悪影響を及ぼしかねない。
ルシアと淫魔の鎧が話し合っていた内容は、クオムにとっても切実なことだった。
たとえ、壁に耳を押しつけて、触手セックスを盗み聞きしようとした結果であったとしても。
「さあ、クオムにも見せるですっ! なんなら、クオムのおっぱいにもつけてみるですっ! 淫魔の鎧さんっ!♥ さあっ、お願いするですっ!♥」
クオムの視線が、ルシアのおっぱいへと注がれた。
目があった。
目が合った。
その目がウインクした。瞬いただけだが。
「めえええええええええええっ!? ……は、ふぅぅ……」
ルシアの部屋に、クオムの絶叫が響いた。
あまりにも予想外だったのか、そのままクオムが卒倒する。
勿論、クオムが昏倒する前に、淫魔の鎧の触手がその身体を柔らかく受け止めていた。
「……あ~、そういえば、クオム嬢たちには、まだ見せていなかったな」
昨日買い出しを頼んだときや、レミルを含めてお裾分けしたときは、伸ばした触手で対応していた。
コアの部分は絶頂失神したルシアごとシーツの下に隠れていたため、昨日クオムは淫魔の鎧の目を見ていなかった。
「……あ、お漏らし……ご主人?」
下半身の緊張が一気に緩んだのか、クオムは触手に抱かれて失神したまま、おしっこまで漏らしてしまった。
淫魔の鎧としては、主人の許可なくそれを吸収するのもはばかられ、一応ルシアに声をかける。
「……うん、吸収しちゃって……いや、してあげて。で、あとは、ポイで」
頭を抱え込んだルシアは、呻くような声で淫魔の鎧に頼んだ。
このまま放置しておいて目を覚ましたら、間違いなくクオムは立ち直れない。
いっそ失神していたことは、幸いだったかもしれなかった。
だが、盗み聞きしていた事実は、消せるものではない。
ブラの話しに気付いて聞いていたならともかく、どう考えても触手セックスの盗み聞きだろうと、ルシアの直感が告げていた。
ならば、これ以上の情けは無用だった。
「承知した。とりあえず、クオム嬢のベッドに捨ててこよう」
主人の意向を理解した淫魔の鎧は、クオムのお漏らしを衣服が吸った一滴残らず吸収する。
そして、触手を伸ばしてクオムを部屋まで運び、ベッドに寝かせてシーツをかぶせ、ルシアの肩口まで引き戻してきた。
「はぁ、どうしてああなっちゃったんだろうね、クオムはっ」
ルシアは、淫魔の鎧の目を睨みながら言った。
言うまでもなく、ルシアの触手セックスの喘ぎ声を、淫魔の鎧が意図的に聞かせたからに決まっている。
勿論、それを認めるような、淫魔の鎧ではない。
「何を言っているのか、俺にはさっぱり解らんが。レミル嬢も言っていたように、オナニーなど誰でもするものだ。ご主人も俺と出会う前はしていただろう? していないなどとは言わせんからな」
流れ弾が飛んできた。
ここで下手に言い返せば、なんだかんだで触手セックス開始の流れだ。
そうなったら、絶対にクオムに聞かせるに決まっていた。
「はあ、キミには勝てないよ。そりゃぁ、ボクだってしてたさ。今はしないけどね。それにしても、キミは何でもできるんだね。どうすれば、こんな鎧作れるんだか」
慎重に言葉を選んで肯定し、現時点での触手セックス回避のためにルシアは話題を変えた。
「う~ん、神々のいたずら?」
なぜか疑問系で、淫魔の鎧は答える。
「何で疑問系なのさ。いたずらって、どういうこと?」
出会った当初はともかく、今では心底信頼しているパートナーがどうやって作られたか、ルシアの興味がそこに向けられた。「ミスリル銀とアダマンタイトを黄金比の一対一.六一八で混ぜ合わせ、火の神が溶かして作った超合金を鍛冶の神が鍛え上げ、淫魔の王が百人の妖精から集めた愛液で焼き入れし、淫魔の女王が愛液を塗り込み、戦女神と愛と美の女神の祝福を受けて組み上げられ、太陽神と暗黒神の加護を受けた俺を、どうやって壊すんだ?」
この世界の常識を覆す発言が、さらっと淫魔の鎧から飛び出した。
この世界は人間も亜人も、信仰する神はまちまちの、多神教の世界だ。
だが、共通認識としては太陽神と暗黒神が対立し、光と闇の戦いの中で均衡を保っていると考えられていた。
だが、淫魔の鎧の言い分では、互いに悪とされる者同士の共同作業の上、加護を受けて作り上げられている。
他者へのいたわりや秩序を好む太陽神と、身勝手で混沌を好む暗黒神の考え方は、まさに正反対だった。
そのふたつの神が、同時に加護を与えるなど、信じられるはずもない。
「絶対、それボク以外の人に言っちゃダメだからねっ! 特に太陽神のプリーストとかプリーステスの前では絶対厳禁っ! 異端裁判なんて、まっぴらだからっ!」
間違いなく、八つ裂きの刑だ。
淫魔の鎧のおかげで殺されることはないにせよ、一生を逃げて暮らすなどまっぴらごめんだった。
暗黒神への信仰は現状において、世間的にはおおっぴらにできないアングラなものだ。
当然庇護を求めることはできない上、太陽神に関わった者はこちら側においても異端扱いされる。
どちらの陣営にも逃げ込めないなら、世捨て人になるしかなかった。
純潔を散らされたとはいえ、ルシアは幸せな結婚を夢見る平凡な少女だった。
「うん、まぁ、それは安心してくれ。一回そのことで戦争引き起こしてから気をつけてる。ただ、ご主人たるルシアには知っておいてほしいなぁと思ったからだよ」
宥めるような口調だが、さらにとんでもない発言が飛び出した。
「ちょっ! 戦争って!? まさか、人魔大戦の引き金は……キミ?」
恐る恐るルシアは聞いた。
心当たりは二つあるが、心の被害が少なそうな方を無意識のうちに選んでいる。
「あ、それも言われてみりゃそうか。だけど、あれは太陽神も暗黒神も関係ない。話すも涙、聞くも涙の、俺は巻き込まれただけの被害者だ。その前、その前」
あまりにも軽い物言いに、ルシアの意識が一瞬遠ざかる。
人魔大戦とは、約二〇〇年前に偶発的な戦闘から勃発した、この世界と魔界の間で争われた戦争だ。
開戦の理由には様々な説があり、今もって関わった人々の証言は封印されたままで、謎だらけの戦争だった。
幸いなことに、全面戦争までは発展することなく、半年ほどの期間で終息していた。
だが、この戦争のせいで人間たちの間には、いつか魔界の住人たちがこの世界を征服するため攻め込んでくるのではないか、という疑念が残されてしまった。
「その前って……世界、大、戦?」
遠ざかっていく意識を必死につなぎ止めながら、ルシアは当たってほしくなった答えを口にした。
世界大戦とは約三〇年に渡って繰り広げられ、今から二五〇年程前に終結した全世界を二分して争われた戦争だ。
太陽神シダルと暗黒神ルイビスをそれぞれ信仰する者たちによる、全世界を巻き込んだ宗教戦争だった。
当時はまだ暗黒神信仰は、今のようなアングラな存在ではなかった。
単に秩序に対する混沌という位置付けであり、国家の指導者層にも信仰する者がいたほど、一般的な存在だった。
戦争のきっかけ自体は、大したことではない。
たまたまその当時の淫魔の鎧の主人が暗黒神の信徒であり、大規模な魔獣討伐の後に行われた宴席で誉め称えられた淫魔の鎧のひと言がきっかけだった。
太陽神は秩序を愛すると言うが、暗黒神と共同で淫魔の鎧に加護を与えた、混沌に与するものだと、暗黒神の信徒たちが喧伝し始めた。
それを許せない太陽神信徒の中でも原理主義者たちが、暗黒神信徒を襲撃することが頻発する。
あとは、全面抗争へ一本道だった。
国家の指導者層が互いに非難しあい、その国民たちが内戦を引き起こす。
いくつもの国家間戦争にも展開しながら、その同国人同士ですらが熱狂的に殺し合った。
血で血を洗うような凄惨な殺戮の嵐がそこかしこで巻き起こり、凄絶な消耗線を展開していたことで、有史以来最悪の戦争と言われている。
多くのひとびとが死に、遺失した技術も多数あった。
中世から近世へとの過渡期に、それまでの文明を徹底的に破壊してしまえば、やり直しにはとてつもない時間がかかる。
二千年以上の歴史を持つこの世界が、現代日本から見て中世程度の文明レベルに留まっている理由がこれだった。
「それで不戦協定のために、俺が原因ってことで魔界に戻されて、五〇年封印されるってことにちまってなぁ。だから反省してるから大丈夫だよ、ルシア」
ルシアはあまりにもあまりな展開に、現実逃避のために意識を吹っ飛ばしていた。
「ルシア~? どうした~? 戻ってこ~い……っ!? おい、ルシア、しっかりしろ! 目を覚ませ!」
絶頂失神のときと同じように、まるで反応がなくなったルシアの身体を、淫魔の鎧は触手で揺さぶる。
だが、現実を認めたくないルシアの精神は、淫魔の鎧の触手に対する反応を拒んでいた。
淫魔の鎧は常時ルシアのおまんこに挿入している触手を、気付け代わりに動かそうとして、やめた。
今、性的な刺激で目覚めさせるのは、得策ではないと判断したからだ。
触手からルシアの直腸に注入し、粘膜から直接吸収させていた媚薬のせいで、ルシアは触手セックスへのハードルが極端に下がっている。
今、性的な刺激で目覚めた場合、ルシアは体力の限界まで触手セックスにのめり込むことは確実だ。
ルシアがそうなるのは淫魔の鎧にとって望ましいことだが、それも時と場合による。
朝からの実験で体力を消耗し、昼食もまだ済ませていない。
ルシアの体調が万全から遠ければ遠いほど、淫魔の鎧のエネルギー源である淫汁カクテルの質は低下する。
それはルシアに還元する魔力の低下にもつながり、双方にとっていいことではなかった。
ここは性欲を呼び起こさせないように目覚めさせ、きちんと昼食を摂らせた上で午後を休養に当てるべきだ。
淫魔の鎧は、ルシアを優しく揺り動かし続けていた。
「……っ!? ……はっ! キミはここにいるよねっ!? どこにも行かないよねっ!? ……うわああああああん!」
ベッドの上で目を覚ましたルシアは、不安げに辺りを見回し、慌てたように股間に手を入れた。
そこにいつもの感触があることを確かめたルシアは、左の胸元に視線を落とす。
困ったように見上げている目に視線を合わせたルシアは、悪夢から覚めた子供が夢を夢だと確かめるように叫び、号泣し始めてしまった。
「ご主人、どうしたんだ? 俺はどこへも行ってないし、常にご主人と共にある」
ルシアを落ち着かせるように、柔らかい声で淫魔の鎧は話しかけた。
「キミがっ! いなくなっちゃってっ! 封印されちゃって!」
夢を見ていた。
ルシアは失神している間、淫魔の鎧が封印される悪夢に苛まれていた。
身体から淫魔の鎧が引きはがされ、永久のような闇の中に沈められていくのを、泣き叫びながら、なす術もなく見ていた。
おまんことおしりの穴を埋め尽くしていた感触も消え、着ている服の肌触りも安物の麻布に変わっていた。
闇に沈められたのは淫魔の鎧のはずなのに、ルシアはたった独りで闇の中に立たされているような錯覚に襲われていた。
そこへ唐突に光が射し、いつもの感触が両穴に甦ったところで、ルシアは目を覚ましていた。
「すまん、ご主人。俺があんな話をしたばっかりに」
珍しく、しおらしい返事が返ってくる。
ルシアの取り乱しっぷりに、さすがの淫魔の鎧も反省したのかもしれなかった。
「して。いっぱいして。ボクの側にいつもいるって、分かるようにいっぱいして。あんな怖い話じゃなく、気持ちよくて失神しちゃうまで、ボクを犯してめちゃめちゃにして」
ルシアはおまんこに入り込んでいる触手を掴み、腰を浮かせて揺り動かしている。
淫魔の鎧の気遣いは、徒労に終わったようだった。
もっとも、ルシアを不安に陥れた結果であり、自業自得といえなくもなかったが。
「おい、嬉しいんだが、今はだめだ。朝からの実験でご主人は疲れている。昼食もまだだ。今は少し休め、ルシア」
普段はご主人と呼んでいるが、淫魔の鎧がルシアと呼びかけるときは、ルシアが不安定になっているときが多い。
今がそれだった。
「やっ! して。やー。してくんなきゃ、ボク泣いちゃうよ。キミがどっか行っちゃいそうで……んっ!♥ ボクから離されて封印されちゃったら、あっ……ボク……あんっ!♥」
精神状態がよほど不安定なのか、ルシアは完全に甘えていた。
まるで子供が駄々をこねるかのように我が儘を言い、腰を揺らし続けている。
動いてくれない触手に焦れたかのように、掴んだ手でピストンを始めていた。
こうなったルシアは、もう止まらない。
淫魔の鎧は、合わせることにした。
「ホント、淫乱なご主人様になっちまったな、ルシア。俺は嬉しいぜ。じゃあ、犯してやるよ。その代わり、やめてって言っても止まらないからな」
実験で性欲を掻き立てられている以上、どこかで発散させなければどうしようもない。
淫魔の鎧の見立てでは、ルシアの魔力を吸い上げればその時点で絶頂はしないが、性欲自体は膨れ上がっているように感じられていた。
パーティを組んだダンジョン探索中ならルシアも自重できるだろうが、ソロで行動しているときは難しそうだった。
ならば、獲物を狩ったその高揚感の中で、性欲を満たすパターンを確立させてしまえばいい。
周辺の警戒くらい、淫魔の鎧がいれば問題ない。
触手セックスの最中に襲われたとしても、全力解放が可能になった今なら、オーガの群でもどうとでもできる。
そこまで考えた淫魔の鎧は、ルシアのおまんこから溢れる愛液で主人が充分焦らされたことを感じ取ると、いきなりクリトリスに襲いかかった。
「ひゃうっ!♥ ……あん♥……いき、なり♥……それ、は♥……ああっ……♥」
ルシアのクリトリスが包皮を剥かれ、ぴくぴくと震えながら反り返る。
舐め上げるような触手の動きを予想していたルシアは、身を固くしながらその快感を待っていた。
だが、ルシアの予想に反し、触手からいきなり電撃が走る。
前戯を通り越えた突然の過剰な快感に、ルシアの身体は跳ねるように仰け反った。
「りゃめええええっ!♥ びりびりしゅごい♥……しゅごしゅぎりゅのおおおっ!♥ ボク♥……今のれイっひゃったよお♥……やらぁ……あひっ!♥ いやああああああっ!♥ らめっ!♥ に、かい……めぇっ!♥ イってりゅ♥……イってりゅのおおおっ!♥ しゃんかいめえええっ!♥ ……ひあっ!♥ ああああああっ!♥」
クリトリスに走った電撃はルシアの身体を貫いて、尾てい骨から脳天までぞわりと駆け登っていく。
一気に失神させるような激烈な快感ではなく、永続的に狂わされそうな長く続く怖くなるような快感だった。
あっという間に三回イかされたルシアは、もう既に呂律が回らなくなっている。
舌をだらしなく口から押し出し、シーツを掴み締めながら止められない痙攣を続けていた。
おまんこに挿入された触手が、ルシアの手を振り払うようにピストンを開始する。
徐々に加速していくピストンに愛液が掻き出され、白い太ももにいやらしい飛沫を飛ばしていく。
「いやあああああっ!♥ しゅごぉっ!♥ しゅごい♥しゅごい♥しゅごい♥しゅごい♥しゅごいのおおっ!♥ とけひゃうっ!♥ とけひゃうううっ!♥ ぼくのおまんこ♥……おひり♥……も……とろとろぉ♥……あひっ!♥ 出……ちゃ……ぅぅぅ♥……ぁぁぁ♥……あぎいっ!♥ お漏らひぃっ!♥ ボクのおひっこ♥……れれりゅ♥……ボク♥……お漏らひきもちくて♥……お漏らひれイきゅぅぅ♥……ぁぁぁぁぁぁ♥……ああああああああっ!♥」
おしりの穴も、触手が出入りし始めた。
敏感な神経叢を何度も掻き毟り、触手がおしりの穴を出入りしている。
あっという間に数え切れないほどイったルシアは、早くもとろけたアヘ顔を晒しながらお漏らしを垂れ流していた。
「ひうっ!♥ らめにゃ♥……らめにゃのぉぉ♥……ボク♥……っ♥……イきながりゃ♥……イッへりゅぅ♥……あああああああああがぁっ!♥ ……も♥……っ……ゆる、ひて……あひあっ!♥ ボクがバカれひりゃっ!♥ あイっ!♥ ……らめぇ♥……キミの♥……しゅごしゅぎぃ♥……ボク♥……」
ぽとんとルシアが失神した。
自ら脚をM字に開いて、触手を受け入れながら痙攣している。
おまんこから泡立った愛液を垂れ流し、触手が掻き出した腸液と混ざってシーツにシミを作っていた。
その上に絶頂のたび吹き出す潮が降り注ぎ、淫魔の鎧が大好きな淫汁カクテルに仕上げられていく。
やがて、大きく開かれた両脚の間から液体のアーチが描かれ、最後の仕上げが施された。
おっぱいを這い回る幾本もの触手を抱き締め、ルシアは白目を剥きながら絶頂失神に身を任せていた。
そんなルシアの尿道口を塞ぐように、細い触手が入り込む。
膀胱から直接吸うような無粋はせず、ゆっくりとルシアのおしっこ穴を犯し始めた。
おまんこの奥をこつこつと叩くような突き上げと、敏感な神経叢を掻き乱すおしりの穴への突き上げに続き、おしっこ穴を犯されたルシアは意識を取り戻した。
だが、次の瞬間に自覚した快感は限界をはるかに超え、ルシアは今までにない高い絶頂を味わいながら、声を上げる余裕もなく意識をまた刈り取られた。