※この作品はR-18です。

淫魔の鎧   作:らんふぉりんくす

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第26話 触手・de・いたずら

 窓から差し込む薄明かりの中で、クオムは目覚めていた。

 ルシアの部屋に飛び込んでいく前は、確かに窓を開けていたはずだが、今は閉められている。

 遠くからルシアの矯声が響いていた。

 とろりとした世界の中、壁越しに聞こえてくるルシアの喘ぎ声に、クオムの指はいつの間にかおっぱいを這い回っている。

 

 身体には、微かな感触が残っていた。

 卒倒したときに、抱き抱えてくれた触手の感触だ。

 あれが、日夜ルシアを責めている触手だと思うと、クオムは燃え上がった嫉妬の炎を抑えることができなかった。

 

 優しく、柔らかく、丁寧にベッドに寝かせてくれた。

 目覚めたとき、身体に弄ばれたような跡などは、欠片もない。

 あの幼馴染みたちとは、まるで違う扱いだった。

 セックスを覗いた自分に非があることは重々承知しているが、嘲笑しながらオナニーを強要された屈辱はそう簡単に消せるものではない。

 そして、覗かれた方の恥辱が、その程度で消せるものではないことも、仲の良かった幼馴染みの豹変でクオムは理解していた。

 

 だが、淫魔の鎧はクオムを拒絶していない。

 それがそう作られた性質によるものだとしても、クオムは嬉しかった。

 そして、ルシアもクオムを拒絶もしなければ、恥辱に狂ってオナニーを見せろとも強要していない。

 

 クオムは、自身の性癖がおかしいことに、最近ようやく気付いていた。

 オナニーしていることを、気付かれてもやめられない。

 気付かれていても、やめられなかった。

 それどころか、気付かれて喘ぎ声を聞かれている方が、燃え上がってしまう。

 今もルシアにではなく、淫魔の鎧に聞かれているかと思うと、指が止まらない。

 ベッドに横になり、身体を丸めてクリトリスを弄くりながら、クオムはルシアが触手に責められている光景を想像している。

 

「……んふっ♥……ひぁ♥……ぁぁ♥……らめ、れす♥……ぁひぁ……♥」

 クオムの脳裏には、人間のセックスではあり得ない体位で、責められるルシアの姿態が描かれていた。

 

 触手に両腕両脚を拘束され、宙吊りにされたルシアの身体を無数の触手が這い回っている。

 おっぱいの丘を触手が包み込み、つんと勃ったピンクの突起が弾かれるように弄ばれるたび、ルシアが仰け反っていた。

 幼児のペニスほどまで肥大したルシアのクリトリスが包皮を剥かれ、触手にしごかれている。

 それは幼馴染みの肉棒を、口と手を使って丹念にしごいている女友達を思い出させた。

 

「……んぁ♥……ふ……はひ♥……あぁぁ♥……ぃぃ……です♥……はん……♥」

 同じように乳首を指で弾き、おっぱいに埋め込むようにこねくりながら、クオムは股間に指を這わせる。

 恥毛を掻き分けて進んだ指は、淫核を剥き出しにする。

 すでに真っ赤に充血したクリトリスは、小さいながらも存在を示すように反り返っていた。

 想像の中のルシアがクリトリスをしごかれ、断続的な快感に痙攣する様を思い浮かべながら、クオムは自身の淫核を弄くり始めた。

 

「……んっ♥……んあっ♥……~~っ!♥ はぁぁぁっ!♥ ……おしり♥……」

 クリトリスから沸き上がる快感に、軽い絶頂を覚えたクオムは、そのまま指を秘裂を越えて這い進ませた。

 普段は決して触れることのない穴を、指がゆっくりと撫で回している。

 想像の中のルシアが、触手におまんことおしりの穴を貫かれ、歓喜の悲鳴を上げて仰け反った。

 全身をぴくぴくと痙攣させたルシアが、失神したようにがっくりとうなだれ、だらしなく開かれた口元からは、よだれがおっぱいに糸を垂らしている。

 

 クオムは魔装具屋で購入した、五センチほどの短い木彫り細工を手にしている。

 串に刺された団子のような形状で、太さは先端に行くほど細くなり、先端は一センチ、根本は三センチほどになっていた。

 おそるおそるといった感じで、クオムは細い先端をおしりの穴にあてがった。

 軟化のスペルを掛けられた木の先端は、まるでシリコンのような感触をクオムのおしりの穴に伝えている。

 

「……んんん♥……ぁ♥……平、気です……ルシアが……あんな……気持ちよさそうです♥……クオムも……きっと……気持ちよくなれるです……んあああああっ!♥ ……むぅぅ、んぅぁっ!♥」

 意を決して、クオムは魔装具のアナルディルドをおしりの穴に押し込んだ。

 未知の快感が脳内に弾け、一瞬声を上げてしまった口を、クオムは無理矢理掌で抑え込む。

 だが、アナルディルドを押し込む手は止まらない。

 想像の中のルシアの両穴を、触手がリズミカルにピストンしている。

 クオムの手がそれに同期したようなリズムで、アナルディルドを動かし始めた。

 

「んんんんんんっ!♥ むぐぅっ!♥ ……ぁひっ!♥ ……おしり♥……すご、い……です♥……ルシア……いつも……こんなの……んひいっ!♥ ……んんんんっ!♥」

 敏感な神経叢を、アナルディルドが掻き乱していく。

 一瞬また絶頂したクオムはベッドに横臥したまま、再びクリトリスも弄くり始める。

 隣の部屋ではルシアが完全失神に追い込まれ、物音ひとつしなくなっていることに、クオムはまだ気付いていない。

 クオムは脳内でルシアを触手で犯しながら、ますますオナニーに没入していった。

 

 何度目かのアナル絶頂のあと、クオムはのろのろとベッドから這い降りた。

 おしりの穴には、深くディルドを飲み込んだままだ。

 クオムは床に四つん這いになって、ディルドを引き抜いた。

 

「ッ!♥ あああああああああっ!♥」

 ディルドが抜けていく感覚に、クオムは一瞬で絶頂へと駆け上がる。

 もう口を押さえることも忘れるほど、クオムはオナニーにのめり込んでいた。

 

「あっ、はぁっ!♥ ……はひっ……これ、を……♥」

 クオムはディルドの根本に、固定のスペルを使った。

 本来であれば、戦闘時に敵の足止めに使うべきスペルだが、今のクオムは冷静さの欠片もないほど、性欲に忠実になっている。

 荒く息を吐きながら、クオムは床にディルドを固定した。

 

「……はあはあ♥……どうしよう……クオム……おかしくなっちゃったです♥……ルシアには……責任……取って……もらう……ですっ!♥ あひ……あああああああああああっ!♥」

 ディルドの先端をおしりの穴にあてがい、クオムはゆっくりとしゃがみ込んだ。

 ディルドの根本までおしりの穴に飲み込ませたクオムは、小さく小刻みに腰を上下させ始める。

 片手でクリトリスを弄くり、片手で乳首をこねながら、クオムは腰の動きを止められなくなっていた。

 おまんこからは愛液が垂れ流しになり、蟻の戸渡りを伝っておしりの穴から掻き出された腸液と混ざり合っていく。

 断続的に敏感な神経叢が掻き回され、絶頂の波が引くことなしに何度も押し寄せていた。

 

 

「……こ、れ……らめれす♥……も……一回イったら……やめ、ないと……クオム……壊れひゃう、れす……あんっ!♥ ……らめぇ♥……やめ、る……で、す……」

 クオムの腰が砕けてきた。

 膝を立ててしゃがみ込んでいた姿勢が、膝を床につけて腰を振るように変化している。

 もしこのまま腰が完全に落ちてしまったら、ディルドにおしりの穴を深く貫かれたまま、二度と立ち上がれないとクオムは予感していた。

 

 だが、身体は貪欲なまでに快感を貪り、クオムは腰を浮かすことができなくなっている。

 指はクリトリスを押し潰すようにこねつけ、淫核からも鋭い快感が全身を貫いていく。

 何度目になるか解らない高い絶頂の波に、クオムは翻弄されながら、ゆっくりと身体が床に倒れ伏せた。

 おしりが持ち上がり、いやらしい音を残してディルドが抜け落ちる。

 再度襲ってきた高い絶頂の波に、クオムは痙攣しながらおしっこを漏らしていた。

 

 顔を冷たい木床に着け、おしりを高く掲げたまま、クオムは虚ろな目で床の水溜まりを見ていた。

 のろのろと身体を起こし、ふらつく脚でベッドまで辿り着いたクオムは、そこで崩れ落ちるように倒れて落ちた。

 絶頂の余韻が、クオムの身体を小さく痙攣させている。

 いつしかクオムは、絶頂の余韻の中で、意識を手放していた。

 

 

 

 闇の中で、ルシアの身体を無数の触手が這い回っている。

 昼に食事も摂らず触手セックスにのめり込んだ挙げ句、絶頂失神したままのルシアは、まだ目覚めずにいた。

 いや、何度か目覚めてはいるが、その都度朦朧としたまま触手にイかされ、絶頂失神に追い込まれている。

 快感抑制の実験を始めて以来、ルシアの疲労は蓄積されていく一方だった。

 良質な淫汁カクテルのために、ルシアの体力をきちんと回復させたい淫魔の鎧だったが、なぜか激しい触手セックスばかりになっている。

 ルシアを快感に目覚めさせてしまったのは淫魔の鎧だが、多少は自重させなければとも考えていた。

 

 だが、性の快感に目覚めてすぐは、そう簡単には止まらない。

 オナニーを覚えた直後と、同じようなものだった。

 しばらくすれば落ち着くことも、過去の主人たちとの付き合いから分かってはいるが、ここ数日は少しやり過ぎたかと、淫魔の鎧は反省していた。

 しかし、主人を守ること以外では、淫汁カクテルを得ることに最適化されていることも、淫魔の鎧は自覚している。

 もっとも自重すべきは自身であると、淫魔の鎧は強く言い聞かせていた。

 

 

 

 爽やかな朝。

 たっぷりと睡眠をとったルシアは、壮快な気分で目を覚ましていた。

 そのおかげか、淫魔の鎧が封印される悪夢にうなされたときのような不安は、一切残っていない。

 キッチンの流しで顔を洗ったルシアは、今日一日をどう過ごすか考え始めていた。

 

 実は、昨夜もさんざんに犯され、眠るというよりは失神していたことを、ルシアは覚えている。

 しかし、声を掛けることなく、ルシアが目覚めるたびに優しく犯してきた淫魔の鎧の気遣いも分かっていた。

 それ故にルシアは、気付いていない振りをしている。

 昨夜のことは、互いに秘密にしておこうと、ルシアは決めていた。

 

「おはよう、ご主人。昨夜はよく眠れたか? このところ、俺まで羽目を外しちまうくらい、ご主人は淫乱になっちまったからなぁ」

 笑いを含んだ声が、聞こえてくる。

 テーブルに目を移せば、パンとスクランブルエッグにコンソメスープが温かそうな湯気を立てていた。

 

「おはよう。朝ご飯、ありがとう。キミの作るご飯、美味しいからボク嬉しいよ。今日も実験頑張ろうって気になってくるね。ひとつ断っておくけど、ボクは淫乱になったんじゃないからね。キミがボクをこんな……淫乱……にしちゃったんだ。そこは間違えないでほしいな」

 顔を赤らめつつ、文句を言いながらもテーブルに就いたルシアの前に、温野菜サラダが置かれた。

 ざっと湯通ししたキャベツのざく切りとアスパラガス、そして冷たく冷やされたトマトが串切りにされて添えられている。

 上からは卵を強烈に撹拌し、油を少しずつ混ぜながら乳化させ、塩胡椒で味と香りを整えられた、いわゆるマヨネーズがかけられていた。

 

「おう、それなんだがな。食べながら聞いてくれ」

 そう言いながら、淫魔の鎧は触手を器用に操り、ボイルドソーセージを湯切りして、スクランブルエッグに添えた。

 

「うん。まずは、いただきます。……うわ、美味しい、これ」

 ルシアは素直に頷くと、パンにバターをたっぷりと塗りつけかぶりついた。

 そしてマヨネーズをアスパラガスに絡めて口に入れ、濃厚な味わいに驚嘆の声を上げる。

 

「旨いだろ、それ。で、まず、今日は実験中止だ。このところ、少しルシアは疲れている。まあ、俺もやり過ぎってのもあるんだけどな。だから、昼間では何もしない。ご主人が望むなら、酒飲んでまた寝ちまうのもいいな」

 淫魔の鎧の言葉に、ルシアはまた頷きながら、ボイルドソーセージをくわえた。

 それからスープをひと口啜り、ルシアはしおらしく話し始める。

 

「うん。なんか、昨日はボクが無理矢理してもらったのに……気を遣ってくれるんだね、キミは。まあ、実のところ、昨日と一昨日の実験で、ボクもだいたいコツは掴めてきたと思うから、それには賛成だね。どうしようかなぁ……シャワー浴びなくていいから、もう飲んじゃおうかなぁ」

 ルシアはスクランブルエッグをパンに載せ、大きく開けた口に押し込んだ。

 そして、スープで流し込んだあと、湯がいたキャベツにマヨネーズを絡めてかじった。

 実のところ、寝汗も既に淫魔の鎧が吸収しきっているおかげで、シャワーは必要ない。

 それでも淫液にまみれたままでいるような気がして、切り替えのための儀式みたいなものだった。

 

「よし、ならば、ご主人が好きなものを、追加で作ろうじゃないか。材料があるものに限るがな。で、ひと眠りしたら、昼からは買い物にでも行くか? せっかく金が入ったんだ。食い物ばかりに遣うことはない」

 淫魔の鎧は、寝間着からゆったりとしたワンピースに、その姿を変えた。

 

「じゃあ……カルパッチョっ! ボク、あれが好きっ! 材料、まだ大丈夫だよね?」

 少し考え込んだルシアは、一昨日食べた中でも新しい体験をもたらしてくれたメニューを選んだ。

 生魚の味が、相当お気に召したようだった。

 

「承知した、ご主人。ところで、さっきのマヨネーズは気に入ってもらえたかな?」

 カルパッチョのソースを考えながら、淫魔の鎧はルシアに尋ねた。

 世界大戦の直前に完成していたが、今では失われたレシピだ。

 

「うん。ボクはあれ好きだな。濃厚で、なめらかで、何にでも合いそうだね。繊細な料理だと、あの味だけになっちゃいそうだけど」

 ルシアはマヨネーズを気に入っていたが、妙な中毒性がありそうな気がしていた。

 

「そうか。ならば、カルパッチョのソースに使うとしよう。今回の魚は血の味が強いから、ちょうどいいだろう。たしかにご主人の言うとおり、これを白身魚に使うのは間違っている。たまにいたんだ。何でもかんでもマヨネーズをかけちまうものがな。極端な者は、瓶詰め持参で料理屋に行って、そこの料理人と大喧嘩になった者もいるくらいだ」

 やはり、どの世界にもマヨラーはいるらしい。

 確かにマヨネーズは万能だが、何にでも使うのは間違いだ。

 少量をアクセントにするならまだしも、マヨネーズで埋め尽くしてしまったら、素材の味など消し飛んでしまう。

 それが好きになるくらいであれば、マヨネーズだけ舐めているのと大差ない。

 とにかく、使い方が難しいドレッシングだ。

 

「あははっ。そんな人、いる……だろうねぇ、あれは……」

 ルシアが引きつった笑いを浮かべている間にも、淫魔の鎧は素早く酒の準備を進めている。

 いつの間にかルシアの前には、ワインを満たしたピッチャーが置かれていた。

 触手が器用にピッチャーを取り、新しいカップにワインが注がれていく。

 

「まあ、ご主人はそんなことしないと思うが……。ほら、ツナのカルパッチョ、マヨネーズ仕立てだ」

 マヨネーズにホースラディッシュの摺り下ろしを混ぜ、先日作ってあったドレッシングで伸ばしたソースが、艶やかなマグロの赤身を飾っていた。

 極限まで薄くスライスされたタマネギを、触手で揉み込んで辛みを飛ばしたものがその下に敷き詰められている。

 赤と白のコントラストが目に鮮やかなハツカダイコンがあしらいに添えられ、瑞々しい緑の葉が赤を基調としたひと皿を引き締めていた。

 

「……はぁ。どうしてキミはいつもあんな下品なことばかりするのに、こんなきれいなもの作れるんだろう……。ボクには不思議でしょうがないよ」

 ルシアの溜め息は、決して落胆の溜め息ではない。

 あまりの芸術性に、素養のないルシアですら見惚れてしまったからだ。

 勿論、造物主たるアダムと共同作業者のリリスから受け継いだ芸術性と、数多の神々の祝福がそうさせている。

 それだけではなく、歴代の主人の中には優れた芸術性を持った者が少なからずいた。

 そういった主人たちとの交流が、淫魔の鎧の芸術性をさらに高めたのだった。

 

「どちらにせよ、お褒めに与り恐悦至極。さ、召し上がられよ、ご主人」

 胸元の目が、軽く瞬く。

 以前もルシアの突っ込みをもらっているが、淫魔の鎧は懲りずにウインクしていた。

 

「前半は誉めてないし、可愛くなっいて言ってるでしょうに。もう、いただきます……うわあ……美味しい……。ねぇ、これ、レミ姉に食べさせようよ。キミが触手で押さえつけてさ、無理矢理にでも」

 一昨日のカルパッチョも旨かったが、この日の味はその一段上を行っていた。

 爽やかさだけでなく、濃厚さを合わせ持ったソースが、マグロの強い血の味を巧くまろやかに仕上げている。

 これを食わず嫌いするなど、ルシアには考えられないことだった。

 

「だから、可愛くしようなんぞ思ってないし、レミル嬢に食わせようとするな。喧嘩別れして、最後に食らわすってんならやってやるがな」

 笑いを含んだ淫魔の鎧の声が、返された。

 勿論、ふたりが喧嘩別れなどするとは思ってもいないし、そんなことをしようとも思っていない。

 

「僕たちが喧嘩別れ? いやだなぁ、そんなことあり得ないって。あ、そうだ。クオムは気に入ってくれたのかな? 昨日あんなことになる前に聞いておけばよかった。キミはどう思う?」

 快調にワインを飲みながら、ルシアは気になったことを聞いてみる。

 二対一になれば、説得の機会も増えるかもしれなかった。

 

「多分だが、気に入ってくれたと思うぞ。レミル嬢のあれは、育ちのせいだからな。クオム嬢はご主人に近い育ちだろう? ならば、それほど食に忌避感は持たないだろう」

 昨日驚かせた上に気絶までさせたお詫びに、新作をあとで差し入れようと淫魔の鎧は考えていた。

 ルシアの喘ぎ声でオナニーの手伝いだけでは足りないと、淫魔の鎧は思っている。

 

「それは嬉しいにゃあ。こんろ、三人れ飲むときは、またこれ作ってほしいにゃ。レミ姉に無理強いはしにゃいと約束するにゃぁ」

 頬を紅く染めたルシアが答える。

 どうやら、酔うとにゃん娘化する傾向にあるらしい。

 

「ああ、勿論だ。そのときには全力でご期待に応えるとしよう。ご主人、眠いなら無理はするなよ」

 ルシアの呂律が怪しくなっている。

 淫魔の鎧は、ルシアの休息を最優先に考えていた。

 

「うにゃ。じゃあ、これ全部食べて寝るにゃぁ。キミが作ってくれたの、残すのイヤにゃ。昼ににゃっても起きにゃかったら、今日は無理に起こさにゃくてもいいにゃあ。今日はキミに甘えるにゃあ……♥」

 起きたばかりだというのに、早くも目をとろんとさせたルシアは、ワインを煽りながら残った料理を片っ端から平らげていく。

 意識と食欲は別物のようだった。

 

「おう。ご主人、休むがいい。たまにはこんな日もいい。あとのことは、目覚めてから考えよう。今はゆっくり休め。……俺も自重しよう」

 ふらつき始めたルシアの上体を、淫魔の鎧は触手で支えた。

 そして、あえて酔いを醒ますようなことはせず、ルシアが飲むに任せている。

 もし、ここで触手セックスを望むようなら、クリトリスへの電撃で一瞬にして意識を刈り取るつもりでいた。

 

「ふにゃあ……ボク、知ってるにゃぁ……キミがいつもボクを守るために起きてるって。今日は一緒に寝るにゃあ……キミを抱っこして寝るにゃあ♥……。ボクのおまんこに入ってるキミの触手、抱っこさせてほしいにゃあ……♥」

 全ての料理を平らげたルシアが、ふらふらと立ち上がる。

 ベッドに辿り着くとシーツを被り、股間にいる触手を撫で始めた。

 

「承知した、ご主人。好きなだけ抱いてくれ。ご主人の胸に抱かれて、眠るのもいい……」

 ずるりといやらしい水音を立てて、ルシアのおまんこから触手が抜け落ちる。

 そして、重さを感じさせることなく、おっぱいの間に滑り込んでいった。

 

「あんっ!♥ ふあっ!♥ ……あぁ、来たにゃぁ♥……うにゃぁ……くぅ……」

 触手がおまんこを抜けていく感覚に、ルシアは一瞬身体を跳ねさせたが、触手セックスをねだることはなかった。

 おっぱいの間に滑り込んだ触手をしっかりと抱き締め、横臥すると数えるほどもなく眠りに落ちていった。

 

「……酔いが手伝ってはいるが……やはり疲れているんだろうな……」

 ひとりごちた淫魔の鎧は、パッシブエネミーソナーを壁に張り巡らせ、スリープモードに切り替えていく。

 勿論、ルシアのおまんこには別の触手が入り込み、愛液のひと雫たりとも逃さない態勢は作り上げていたことは、言うまでもない。

 

 

 

 案の定、ルシアは昼に起きることはなく、日が傾く頃になって目を覚ました。

 淫魔の鎧に教わりながら夕食を作り、その後シャワーを浴びて人心地ついたところだ。

 

「ふう。……久し振りに大浴場も行きたいかな」

 久し振りというほどでもないが、淫魔の鎧と出会って以来、ルシアは大浴場に行っていない。

 触手にイかされている真っ最中に、誰か入って来ようものなら、ルシアは軽く死ねる自信がある。

 

「どうした、ご主人。行けばいいじゃないか。気持ちいいぞ、熱い湯の中で足を伸ばすのは」

 いけしゃあしゃあと、淫魔の鎧が答える。

 左胸の目が、おもしろそうに形を歪めていた。

 

「誰のせいで行けないと思ってんのさっ! 迂闊にそんなところ行って、キミにイかされてるとこ誰かに見られたら、ボクは死ぬね」

 朝食に出た食堂や、路地裏でお漏らしにまで追い込まれた前科がある以上、大浴場の湯船で足を伸ばすなど、夢のまた夢だった。

 

「おいおい、俺だって、さすがにときと場所くらいは選ぶぞ。それに、気持ちよく湯に浸かってるとにするなんて、無粋の極みじゃないか」

 この世にこれほど、白々しいという形容が合うセリフがあるだろうか。

 ルシアは呆気に取られ、信じられないという表情で、左の胸元を見下ろしている。

 

「いったい、どの口がそんなこと言うかなあ。食堂や路地裏の一件、忘れたなんて言わせないよ?」

 憤然としたルシアが、下を向いて目を睨みつけながら言った。

 

「どの口って、前にも言っただろう? 俺には口なんかないんだけどな。信じてくれよ、ご主人。この目が嘘をついてるように見えるか?」

 ルシアが言い返した瞬間、ステルス化していた触手が具現化し、可愛いともグロテスクとも言い難い眼球をいくつも作り出す。

 ルシアはその眼球のひとつに、無言で指を突き立てた。

 次の瞬間、眼球がシャボン玉のように弾けた。

 

「ひゃあっ!?」

 思わず悲鳴を上げて身体をびくっと震わせたルシアの目の前で、眼球を弾けさせた触手が溶解していく。

 ルシアは唖然としながら、その様を眺めていた。

 やがて、触手が泡を立てながら消えていったとき、触れてもいないのに次の眼球がいきなり破裂した。

 

「ひっ!? なにっ!? 何が起きたのっ!? きゃっ! うわあっ!? ぷぁっ!」

 弾けた眼球からねばこく白い液体が飛び散り、それに触れた他の眼球が連鎖誘爆を起こして白い液体を振りまいていく。

 眼球が弾け飛ぶたび、ルシアは頭を抱えて身体をびくっと竦ませている。

 四個ほど爆発が続いて止まったとき、ルシアはおそるおそる腕を降ろして弾け飛んだ触手を見た。

 

 次の瞬間、大きな音を立てて、一〇個ほどの眼球が一斉に弾け飛ぶ。

 その音に声を上げることもできずに、身体だけを大きくびくっとさせたルシアは、茫然と触手を眺めている。

 そして数秒の間を置いて、すべての触手が軽快な破裂音を立てながら、連鎖して弾け始めた。

 

「なにこれぇぇぇぇぇぇっ! もうボクわけ分んないぃぃぃぃぃぃっ!」

 淫魔の鎧のいたずらだと解ってはいても、ルシアにはそれを止める術などない。

 弾け飛んだ眼球が振りまく粘つく液体は、ルシアの顔にも次々と降り注ぎ、精液をぶっかけられたようにいく筋も流れていった。

 劣情を掻き立てる匂いに、本能的に顔を拭ったルシアは、口元の白濁液を舐め取っている。

 甘く濃厚な催淫効果の高い白濁液を飲み下したルシアは、手にまとわりついた白濁にも無意識のうちに舌を這わせていた。

 

 とろんとした目つきで自分の指を舐め回すルシアの舌に、いつの間にか触手が絡み付いている。

 舐めしゃぶった指から白濁を舌と触手が集め、ルシアは喉を鳴らしてそれを飲み込んだ。

 頭の中に白く濃密な靄がかかり、ルシアの思考能力が失われていく。

 ぼんやりとした頭で、ルシアは触手に犯される自分の痴態を思い浮かべていた。

 じんわりと愛液がおまんこから滲み出し、触手へと伝わっていく。

 

 ふらふらとルシアは室内を歩き、ベッドに辿り着くと力尽きたようにうつ伏せる。

 おしりを高く掲げたルシアのおまんことおしりの穴には、早くも触手がピストンを開始していた。

 ベッドに舌を垂らし、シーツによだれの染みを作りながら、ルシアは何でこうなったのか、もう考えることもできないくらいの快感に、その身を包み込まれている。

 

「ああああああああっ!♥ しゅごいのぉっ!♥ いやっ!♥ いつもより気持ちいいっ!♥ らめぇっ!♥ ……また♥……ああんっ♥……ボク♥……ひあっ!♥ ……すぐに……ひぃっ!♥ ……らめになっひゃう……らめになりゅっ!♥ あああああああっ!♥ イくっ!♥ ……もう、ボクイっちゃううううううっ!♥」

 おまんことおしりの穴をピストンされ、乳首とクリトリスを蹂躙されて、ルシアはあっさりと陥落している。

 催淫効果の高い白濁のせいで、ルシアの全身は全てが性感帯のように敏感にされていた。

 

「あ゛っ!♥ あ゛っ!♥ あ゛っ!♥ あ゛っ!♥ あ゛っ!♥ イぐっ!♥ ボク、ひぬっ!♥ ……これいじょ、ひぬっ!♥ ひんひゃうっ!♥ あぎいいいいいっ!♥ あ゛ーっ!♥ あ゛ーっ!♥ あ゛ーっ!♥ あ゛ーっ!♥ ……らめ♥……らめぇ♥……いひっ!♥ ああああああ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛っ!♥」

 狂ったように喘ぎ、身体を断続的に痙攣させながら、ルシアはイき続けている。

 壁の向こうでクオムが細い嬌声を上げてしまったことに、ルシアは気付くことすらできなかった。

 淫魔の鎧のいたずらは、みごと大成功を収めていた。

 

 

 

「ここんとこ、ずっと優しくしてくれてたから、忘れてたよっ! キミはそういうヤツだったよねっ!♥ ……うう、簡単に引っかかった上に、気絶するまでイかされ続けた自分が情けないよ……」

 翌朝、絶頂失神から覚めたルシアが、淫魔の鎧に食ってかかる。

 いたずらに引っかけられたことは悔しいが、触手セックス自体は好きなのだから、当たり前と言えば当たり前の反応だ。

 それを自覚しているから、よけいに悔しかった。

 次は引っかからない。

 ルシアはそう決めていた。

 

 でも、ちょっと楽しかった、かな。

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