「おはよう、兄さん」
妹を犯した翌朝、リビングで顔を合わせた優香はいつものように僕に挨拶をしてきた。
「お……おはよう。優香」
いつもと変わらない、無邪気で幼い笑顔。昨日のことがまるでただの夢だったかのような振る舞いに、僕は困惑してしまった。
さすがに昨日のは遊びで済むことじゃない。なのに変わらない笑顔を向けてくれる優香に、ずきずきと胸が痛んだ。
それでも、僕もなんとかいつも通りに振舞った。優香は優しいから、ただ平気なふりをしてくれているだけなのかもしれない。
だったらせめて僕もそれに応えないといけない。
「じゃあ、今日わたし日直だからもう行くね、兄さん」
「ああ、うん。いってらっしゃい。……あ、僕、今日委員会で放課後遅くなるから、先にご飯食べていいからな」
「うん。わかった。それじゃいってきまーす!」
玄関を開けて僕に手を振る優香。その屈託のない笑顔に、僕はついに耐えられなくなって、呼び止めてしまった。
「ちょっと待ってくれ、優香!」
「ん、なあに? 兄さん」
不思議そうな顔で優香が振り向く。僕はその顔を直視できず、うつむいたまま口を開いた。
「昨日は、本当にごめん。……僕は優香に酷いこと、した」
そんな言葉じゃ済まされない。だけど僕はそれを口にするのがやっとだった。
「──いいの」
「え……?」
予想外の言葉に、思わず顔を上げた。
優香は、わずかな笑みを僕に向けていた。どこか寂しそうなその表情のまま優香は続けた。
「私が兄さんを怒らせちゃったんだよね? ごめんね、兄さん」
「な──優香、違う、僕が──」
「それと」
僕が訂正しようとすると、それを優香の言葉に遮られた。
「告白は断っておいたから」
僕に背を向けてそう言い放った。僕はその言葉に一瞬あっけにとられてしまった。
優香はその間に「じゃあね」と言い残して去って行ってしまった。
「……なに、嬉しいって思ってんだ、僕は」
その日は予定通り委員会の会議があって遅くなった。さらに、予定より長引いてしまったせいで、僕が家につく頃にはすっかり日が沈んでしまっていた。
季節は冬に差し掛かって日の入りが早いとはいえ、だいぶ遅い。優香は心配しているかもしれない。
「ただいまー」
ドアを開けてそう声をかけたが、返事はなかった。まあウチは無駄に広いし、聞こえなかったのかもしれない。
そう思い靴を脱ごうとした時だった。僕ら以外の靴が一足置いてあった。
それは、優香の中学校指定の運動靴だった。僕も同じ学校に通っていたから知っている。
「友達でも来てるのかな」
耳をすますと、二回から話し声が聞こえていた。そっとしといてやろうと思ったが、もう時間も遅い。早く帰らないと親御さんも心配するだろう。
そう考えて二階へ向かった。
「──そうなんだ、ショッピング好きなんだ」
階段を上っている途中、話し声が聞こえてきた。ただ、女友達だと思っていた僕の予想とは反対に、男の声だった。
足を速めて、優香の部屋の前に来た。ばれないように、そっと耳をドアに当ててみる。
「そうそう! 可愛い洋服とか見るの大好きなの」
「瀬田さんかわいいからきっと何着ても似合うよ」
「そんなことないってー!」
楽しそうな優香の声。眩しい笑顔をして話している姿が容易に想像できる。
「じゃあさ、今度俺と一緒に新しくできた駅前のデパート行かない?」
「えー? んー、でも兄さんに無駄遣いしちゃだめって言われてるからなぁ」
「それくらい俺がおごるよ」
「え? そんな、悪いって」
仲の良さそうな口ぶり。クラスメイトだろうか。
楽しそうなのに、僕の胸はざわつくばかりだ。相手が男でさえなければ、僕も穏やかでいられたのに。
「優香。ただいま」
たまらず、ノックをして声をかけた。
「あ、兄さん? おかえり」
がちゃりとドアを開ける。中には優香と、同級生らしき男子がいた。二人とも制服で、テーブル越しに向かい合って座っている。
「あ、初めまして、瀬田さんのお兄さん。僕、クラスメイトの神崎っていいます」
その男子は、立ち上がって律儀にぺこりとお辞儀をした。整った顔立ちと、スラっと伸びたスタイル。一目でいい印象を与える見た目だった。
「あ……うん。初めまして。ごめん、勉強中だったかな」
テーブルの上には、教科書とノートが広げられていた。
「うん。神崎くん、頭いいから期末テストの勉強教えてもらってたの」
「そんな、違いますよ。僕が教えてもらってたんです」
照れくさそうに笑いながら、神崎と名乗った男子は答えた。
人気のありそうなヤツだ、と思った。どの世代にも一人や二人はいる、勉強も運動もできて顔もいい生徒。彼はまさにそういうタイプだ。
かわいくて頭もいい優香とはお似合いだろう、なんてことを考える。それが暴れだしそうになるほど悔しい。
心の中が黒い感情でぐちゃぐちゃになっていく。それは、昨晩優香を犯したときのものとひどく似ていた。
「そうなんだ。妹が世話になってるみたいだね」
精一杯笑顔を作りながら答える。きっと不自然な声と表情になっていただろう。
「いえ、そんな。僕がお世話になってばかりです」
「はは、そっか。……あ、でももう遅いけど大丈夫?」
部屋の壁掛け時計に目をやる。時刻は午後六時を回ろうとしていた。
「あ、そうですね。そろそろお暇します。すみません、こんな遅くまでお邪魔してしまって」
「いいよ。暗いから帰り気をつけてね」
はい、と元気よく返事をして、神崎は自分の荷物をそそくさとまとめ始めた。
優香には部屋で待っているように伝えて、玄関までは僕が見送った。これ以上、優香と彼が一緒にいるところを見たくなかった。
「お兄さん、お邪魔しました」
「うん。これからも妹と仲良くしてやってくれ」
心にもないことを口走りながら、僕は彼に手を振った。彼はまた礼儀正しくお辞儀をして帰っていった。
その姿が見えなくなった後、僕はすぐに二階の優香の部屋に向かった。
「優香」
部屋に入ってドアを閉める。ベッドの上に座っていた優香は、立ち上がって僕を見た。
「兄さ──」
「さっきのヤツとはどういう関係だ」
「え……?」
優香の目の前に立って問い詰める。強気で言ってしまったから、優香はびく、と萎縮してしまった。
「クラスメイト、だけど」
「それにしては仲良さそうにしてたじゃないか」
「それは……その、最近隣の席になって話すようになった、から」
ぎり、と奥歯を嚙み締める。やっぱりただのクラスメイトじゃなかった。
あの様子だと、かなり打ち解けているのだろう。優香も家にあげるくらいだし。
それが、耐え難い苦痛を僕に与える。優香がそこまで気を許してしまっているなんて。
「優香っ!」
「ひゃっ!」
衝動的にベッドに押し倒す。あの時と同じように、優香は怯えた様子で僕を見上げている。
それがずきずきと胸を締め付ける。とても直視できなかった僕は、そのまま優香の体を転がしてうつぶせにさせた。
そして、小ぶりな尻を覆う制服のスカートの中に手を入れた。
「あっ……」
小さな声が漏れる。それが何を意味するのか優香も察したのだろう。
下着に手をかけて下へおろす。膝のあたりまで下げてから、スカートをめくりあげた。
「ぁ……にい、さん……恥ずかしいよ……」
優香がこちらに顔を向けて頬を染めている。
それに構わず、露わになった尻肉を両手で包む。まだ成長途中ではあるが、肉付きがよくて触れているだけで気持ちいい。
軽く力を入れて揉んでみると、マシュマロのような柔らかさが両手全体に伝わってくる。その感覚に僕の興奮は一気に高まり、股間の生殖器がいやらしく勃起してしまう。
「兄さん……また、ソレ、挿れちゃうの──?」
優香が僕を見上げて問いかけてくる。不思議とその声に恐怖はなく、わずかな期待さえ抱いているようにも聞こえた。
「挿れる。もう我慢、できないから」
勝手なことを言い放ち、自分の制服のベルトをゆるめた。下着ごと落とし、血管が浮き出るほど勃起した陰茎を露わにした。
それを優香の尻の間にあてがう。
「んっ……」
びく、と優香の体が震える。そのまま先端をずらして、優香の一番大事なところへ触れた。
ぬちゅ、というわずかな音。
──濡れてる。愛撫も、キスすらもしてないのに。ただ押し倒して下着を脱がせただけなのに、優香はその割れ目から蜜をこぼしていた。
「もう濡れてる……。優香もシてほしいんだ。ならこのまま挿れるから」
「そんな、こと──。あ、ダメ──にいさん……」
「もう遅いよ……っ」
ぐい、と腰を突き出して、優香の中に押し入った。
「ぁう……っ!」
びくん、と優香の体が反り返る。まだ先端を入れただけなのに、そんな反応をする優香をもっといじめたくなってしまう。
逃げられないように尻をベッドに押し付けながら、そこへずぶずぶと挿入していく。
「んっ、あ、ぁ、う……っ、ぁ、おちんちん、んぁ、あっ、おっき、い……っ」
愛液でとろけた肉をかきわけるたびに、優香の口から甘い声が漏れる。その声と肉の感触を存分に味わいながら、一番奥まで挿入した。
こつん、と子宮を押す感触。優香のすべてを征服したみたいな感覚が、僕の支配欲をぐつぐつと燃え上がらせる。
「じゃあ、動くから……」
「あ、ダメ……まだダメ、にいさ──あっ!」
優香の許可を待つことなく、浅く引き抜いて奥まで挿入した。ぱん、という乾いた音と一緒に、全身を電流のような快楽が突き抜けていった。
昨日も味わったというのに、飽きることなんかないその感触を何度も味わう。抜いて、挿れて、優香の膣肉と子宮口を幾度となく犯す。
「あっ、ぁんっ! にい、さ──ん、オっ、ぁ、あぅ、は、あんっ! すご、いっ……あっ、ぁ、あんっ、兄さんっ、だめっ、あっ……そんな、ァんっ、そんなに、シちゃ、ぁ、んっ、あぁっ……!」
ぱんぱん、ぱんぱん、と僕と優香の肌がぶつかる音が何度も響く。それが繰り返されるほど、優香の声が高まっていく。おさげにした黒髪を振り乱しながら、淫らな声を余すことなく僕に聞かせてくれる。
「ダメじゃないだろ──っ、そんな、エッチな声出してるくせに」
「あっ、ん、だって、ぁ、あン、だって──! 兄さんの、ぁ、あっ、あうっ、気持ちいい、から……っ!」
その言葉に、僕の興奮は増すばかりだ。
さっきまで同級生と話していたままの制服姿で、僕が後ろから犯している。その事実が言いようのない背徳感を湧きあがらせてくる。
いけないことなのに、それがどうしようもなく興奮する。もっと優香を乱したい。僕しか知らない淫らな姿を目に焼き付けたい。
「んっ、あっ、は、ンっ、ぁ、兄さんっ! あっ、ア、わたし、ぁ、おッ、んっ、私、もう、イっちゃう──! ぁ、あんっ、ン、は、おかしくなっちゃう、よ……っ!!」
その言葉と同時に、きゅう、とナカがすぼまっていく。雌が子種を求める本能のまま、膣肉がぐちゅぐちゅと絡みついてくる。
だらん、と脱力している両脚は、快感に喘ぐようにがくがくと震えていた。その様子に、僕も一気に精液が昇ってくるのを感じた。
「優香、僕も出るから……っ! 一緒に──!」
「あっ、ア、あ、あぁ、ん、あうっ、だめ、あっ、イっちゃう──! イク、イっくぅ──!!」
びくびくと雷に打たれたような痙攣とともに、優香は絶頂した。それに合わせるように、思い切り尻肉に腰を押し付けて僕も射精した。
「ぅ、っあ……ア、ぁ、兄さん……あっつい……ぁ、あっ……ん、おっ……」
びゅるっ、びゅるる。こらえていたものが一気にあふれだす感触。
狭い尿道を擦り上げて、粘ついた白濁が出ていくたび、体を震わせる快感が走る。それをさらに促すように、絶頂している優香の膣肉が振動する。
その動きに押し出されるように、睾丸からどくどくと精液が汲み上げられていくのがたまらない。
「う……っあ、ゆう、か……」
まだ精液が出きらないうちに、ゆっくりと引き抜いた。
「あっ……!」
ぬぽん、と完全に外に出きる瞬間、優香の体がびくんと反応する。その刺激でまた射精した。
それが優香の白く美しい尻を汚す。
「ぁ……兄さん、すご、い……こんな、いっぱい出て──あふれちゃう、よぉ……」
どろり、とさっきまで僕を受け入れていた穴から精液がこぼれ出ている。その様子に、罪悪感と征服欲が同時にこみ上げてくる。
「優香──ごめん……」
少しだけ冷静になった頭がそう口にさせる。だけど、感じる罪悪感は昨晩よりも小さくなっていた。
最低だ。だけど、その罪悪感すら僕は気持ちがいいと思ってしまっていた。
そして、僕の欲望で白く汚された優香の姿に、どこか安心してしまっている。これで優香は僕のものなんだ、と。
「いいん、だよ……にい、さん」
息も絶え絶えになりながらも、優香は振り向いて僕に微笑んだ。僕はそれがどうしようもなく嬉しくて、愛おしくて。その唇にキスをした。