「あっ、ぁ、んアぁ……っ、にい、さぁんっ、ぁ、おっ! これ、すごい、よぉっ……あうっ、ン、んおっ……!」
誰もが寝静まる夜中。日付が変わる間近、僕は自室のベッドの上で妹と交わっていた。
優香と脚を交差させて、その片脚を抱いている。いわゆる、松葉崩しという体位。
お互いの股が密着して、より深く挿入できるのが気持ちいい。初めてする体位だったが、優香も快楽に乱れていた。
「優香っ、優香──僕も、気持ちいいよ……っ!」
「んっ、アっ、あっ、オっ、もっと、シて……っ! にいさんっ、ぁ、あっ、ンあ、もっと、壊してっ……兄さんっ──!」
ベッドがぎしぎしと軋む激しいセックス。はだけられたパジャマから覗く、淡く膨らむ胸を震わせて、優香は淫らによがっている。
それをさらけだすように、カーテンから差し込む月明かりが照らしていた。繋がっているところからは、一度目の精液と愛液が混ざったものがどろどろと零れ出てきている。
「ん、ぁ、アっ、にいさん、わたし──ぁ、んおっ、オっ、もうイっちゃう、ぁ、あんっ、イっちゃうよ……っ!!」
きゅうう、と優香がイク直前の締め付けがやってくる。それに促されるまま、熱い白濁が昇ってくる。
射精欲が急激に増して、その気持ちを叩きつけるように腰を振る。それと一緒に、持ち上げられた優香の片脚を思い切り引き寄せた。一つに溶けるようなその密着感に、、快楽は一気に頂点に達した。
「ぐっ──優香、イクっ!」
「あっ、ア、わたしもぉ……っ、いく、イくっ、イッグぅうう──!!」
びくびくとはしたなく体を震わせて、優香は絶頂した。足先までぴん、と伸ばし、がくがくと痙攣している。
そんな体の感触を感じながら僕も射精した。どろどろに練り上げられた精液が、びゅるびゅると無秩序に吐き出されていく。
「っ……あ、アっ……オ、んおっ、ぁ……せーし、どくどく、ぁ、っオ──なかだし、されてる……っ、んぁ、あ──」
恍惚とした優香の絶頂顔を眺めながら、残ったものを注ぎ込む。とく、とく、と生殖器の脈動に流されるまま、最後の一滴までそうして射精を続けた。
「優香……抜くよ」
「うん──あっ、ん……」
ずるん、と優香の蜜穴から萎えたものを抜き取った。二回も中出ししたから、優香の穴は洪水のように淫液があふれていた。
「兄さん……おちんちん、キレイにするね」
「え……? ぅあっ!」
ぱくん、と優香は白濁に塗れた僕のものを口に含んだ。もう萎えてしまったから、簡単に根元まで咥えこまれる。
「んっ、ぢゅ、ン……ぁむ……ん、おいし……」
じゅるる、と下品な音を立てて、性器についた液をすすられる。敏感になっているせいでくすぐったいが、フェラとはまた違った快感があった。
「ん、は──っ……はい、おちんちん綺麗になったよ」
「あ……うん。ありがとう、優香」
えへへ、と優香は満足そうに笑った。その口元からは少しだけ白濁が垂れていた。
「じゃあおやすみ、兄さん」
「ああ、おやすみ。また明日」
優香はパジャマを着なおすと、とてとてと僕の部屋を出て行った。
日常化された妹との行為。最近の優香は、拒むどころか、嬉々として応じてくれる。
さっきやってくれたお掃除フェラのように、僕が何も教えなくても新しいプレイを覚えてきてくれるようにさえなった。
妹が僕のためにそんなことをしてくれるのは嬉しくもあった。だけど、どんどん淫らに変わっていくその姿に、今更ながら罪悪感を覚えてしまうのだった。
二月に差し掛かった、ある平日のことだった。その日は朝は晴れていたものの、午後からぽつぽつと雨が振り出してしまった。
傘をさして高校から下校しようとしていると、スマホに着信があった。画面を見ると、妹の優香からだった。
「もしもし、優香か?」
『あ、兄さん? 突然ごめんね』
「珍しいな。どうかしたのか?」
『あ、えっとね。今日、傘忘れちゃって……』
そういえば、と朝の様子を思い出す。
今日優香は寝坊してしまって、朝の天気予報を見ないで登校していった。それで傘を忘れてしまったのだろう。
「ん、わかった。じゃあ迎えにいくよ。今は学校か?」
『うん。下駄箱のところにいる』
「それじゃそこに行くよ。ちょっと待っててな」
『ありがとう。ごめんね、兄さん』
「いいよ。気にしないでくれ。それじゃ」
電話を切る。僕の傘を叩く雨音は少しずつ強まっている。僕は足早に優香の中学に向かった。
「ねぇねぇ、知ってる? 神崎くん告白断られたんだって」
信号待ちをしているとき、僕の後ろから女子の話し声が聞こえてきた。
「え、ホント? 誰に?」
「それがさぁ、優香なんだって」
「マジ? また?」
優香の名前が出たことに、びくん、と一瞬だけ反応してしまった。
一瞬、別人の話題かとも思った。だが、話している二人の声に聞き覚えがあった。僕が優香の授業参観に行ったときに会った優香の友人たちだ。
「これで何人目?」
「わっかんない。五人目くらいじゃない?」
わかっていたが、やはり優香は学校でも人気があるのだろう。それにしても五人は多いが。
「いい加減オッケーしちゃえばいいのにねー」
「ほんとそれー。てか付き合う気無いなら思わせぶりな態度とらなければいいのにさ」
「気取ってるのか知らないけどさぁ、ああいうのなんかイライラするよね」
それは、優香の陰口だった。以前彼女らと会ったときは優香と仲が良さそうだったのに、あれは嘘だったのだろうか。
「実はもう誰かと付き合ってるとか?」
「いやいやそれはないでしょ。いかにも初心って感じなのに。まあそれがイラつくんだけど」
「まじそれー」
あはは、と笑いながら二人は僕の横を通り過ぎて行った。気づくと信号は青になっていた。
追いかけて何か言ってやりたいとも思ったが、僕にそんな資格はない。
だって優香がそんなことを言われているのは、僕のせいなのだから。
「あ、兄さん!」
中学の下駄箱の場所に迎えに来た僕に、優香は嬉しそうに笑いかけた。さっきの件の手前、僕はぎこちない笑顔を向けてしまった。
「お待たせ。ごめんな、寒かったろ」
「ううん。平気。さっき職員室でちょっとだけ暖まらせてもらったの」
そっか、と返事をしてその髪を撫でる。優香は気持ちよさそうに目を細めた。
「それじゃ行こうか。お腹も空いただろ?」
「えっと、うん。ちょっとだけ」
恥ずかしそうに笑う優香の手を取って、僕たちは帰路に就いた。
「ただいまー」
途中からさらに雨足が強くなってしまったが、なんとか帰ってこれた。
「はぁー、寒い寒い」
とはいえ、冬の雨はかなり冷える。僕たちはすぐにリビングに行って暖房を付けた。
「それじゃ夕飯作るから、優香はそこであったまってな」
「あ、兄さん、ちょっと待って」
「ん?」
台所に行こうとしたが、手を握って引き留められた。振り向くと、優香は少しだけ頬を赤く染めていた。
「その、今日のお礼、するね」
「お礼?」
いまいちその言葉の意味がわかりかねる。だが、優香はそんな僕に構わずに、僕の前にしゃがんだ。
「え……ちょっと、優香?」
そのまま、さす、と股間の部分を撫でられる。びく、と体が反応してしまう。
「今日も疲れたでしょ? お夕飯作る前に一回抜いてあげるね」
「な、優香……」
慣れた手つきでベルトを緩められる。僕が何か言う間もなく、陰茎が外気にさらされた。
「あ……まだおっきくないね。手でしこしこしてあげる」
「ちょ、ちょっと待て! 優香」
え、と優香が困惑した顔で僕を見上げる。ただ純粋に不思議そうにしている優香に、軽い恐怖を抱いてしまう。
今まで優香から誘ってくることはただの一度もなかった。するときはいつも僕が一方的に妹を求めていた。
「あ、手じゃなくて口のほうがいい? ……それとも、もうこっちでしちゃう?」
ぺら、と制服のスカートを軽くめくって見せる優香。
その仕草が決定的だった。
──優香は変わってしまった。いや、僕が変えてしまった。
「違う──そうじゃないんだ、優香……」
最初は、ただ純粋な優香が好きだったはずだ。それがいつの間にかこじれて、優香を僕のものにしたいなんて考えるようになった。
それは叶った。でも、今の僕はこれっぽちも嬉しくなかった。
無垢なままの優香はもういない。僕の欲望で汚してしまった。そのせいで、あんな陰口まで叩かれて。
「優香。もう、終わりにしよう」
僕たち兄妹は前のような関係にはもう戻れない。だけどそうすれば、優香は普通の女の子としての生活には戻れるはずだ。
だから、これで終わりにするべきだ。僕は、そうやって無理やり自分を納得させた。