呪術高専で
「そらよ」
「よっと」
呪具、主に武器の扱いに関して真希は優れている。体捌き、体術こそが本領である彼女にとってそれらが劣るというのは致命的でもある。しかしながら、城太郎も彼の生得術式の都合上、体術は並外れている。今も天与呪縛を課されている真希に
現状、一年生と二年生で体術に関しては城太郎と真希はトップクラスと言ってよかった。
真希にさんざん打ち据えられたあとの
(あの二人、相性がいいのか……? 互いによく動きを読んでいる)
まるで詰将棋の問題を解いているかのように城太郎と真希はお互いの攻防の動きを脳内で先読みし牽制し合っているように恵は感じた。
二人が幾度もの身体を重ね合わせ、仲間には秘密で交流する時間が増えたことで予測される攻撃の軌道を感覚的に視認できる状態になるという思わぬ副産物的な成果を城太郎たちは得ていた。
「あの二人仲いいよな」
「……そうね」
何気なく呟いた恵に、(同じく休憩中の)
恵は胡乱げに見るが野薔薇は答える気がないらしい。
城太郎と真希の鍛錬が終わる。荒い呼吸で豊かな胸を上下させながら真希はポケットから一〇〇〇円札を取り出すと、城太郎に渡す。
「なんすか」
「休憩だ。恵や野薔薇と飲み物買ってこい」
「なんでもいいですか?」
「おう、任せる。先輩からの奢りだ」
「こいつはどうも。ゴチになりま~す」
城太郎が離れてこちらを伺いながら休憩する級友たちに歩み寄る。
「野薔薇ちゃん、恵くん。自販機行こう」
「仕方ない……」
「……わかった」
真希さんのためなら仕方がない、と野薔薇が身を起こす。城太郎が手を差し伸べると躊躇うこともなく野薔薇は手を取って起き上がる。
「ごめん、二人とも後で俺はトイレ行くから先に行ってて」
「ったく……城太郎、レディの前だぞ。もっと言い方を考えろよ」
「ですか」
城太郎は手を振ってそのまま校舎へ向かって立ち去る。級友の背中を見送りながら、恵は隣の野薔薇に目をやった。
「お前ら、随分仲がいいよな。あいつの手を取るのは何だか意外だった」
「……」
内心しまった、と思った野薔薇。肉体関係を持つようになってからああいう場面で、手を取ることに躊躇うことがなくなっていた。
野薔薇はすぐに取り繕う。
「誠意を無下にするような野暮なことはしないわよ。それに、さっきのあれだってあんなものは単なる一般論でしょ。……まあ、ね。私が知って男連中の中ではだいぶマシな部類だけどね?」
そう思っていなければお互いを求めあう関係になどならない。
尤も、直近で知己を得た男たちを比較対象に据えると相対評価というのも考えものではあるが……。
恵が抱いた疑念も、後に起きる椿事によって忘却の彼方へ消えることとなる。
京都校の
◇◆◇
「こんにちは。久しぶりね、鹿島君」
「お久しぶりです。真依さん」
しなを作ってにっこり笑いかける真依。
そつなく、笑顔で応じる城太郎。
双子の姉である真希と同じく、一七〇cmのスラリとしたモデルのような美しいスタイルの美人だ。つり目は長い睫毛で一層妖艶な美少女。肩にかからないくらいに切り整えられた髪は一本一本が黒絹のように美しい。
色白のキメの細かいスベスベの美肌にスラリとしたボディだ。豊かな双丘の稜線は制服の上からでもはっきりわかる。スリットの入った高専制服のロングスカートから覗く、長く伸びた足は象牙細工のように美しい。
城太郎としては野薔薇たちと合流しようとしてみれば、野薔薇や恵が京都姉妹校と乱闘になっている状況で戸惑っていたのだが、そこに新たな火種が投げ込まれた。
「へぇ……お前らそういう感じかよ」
「……何、知り合い?」
真希と野薔薇が剣呑に目を光らせた。二人の変貌に真依は戸惑い、城太郎は微苦笑を浮かべた。
「何? 私と鹿島君がどういう仲だろうとあなた達には関係ないんじゃない?」
戸惑うのも束の間、すぐに真希たちを煽るのは流石と言える図太さだ。ギリィッと不気味な音が真希の掌中から起きるが、真依は気にしない。
「会えたら嬉しいなと思っていたけれど、本当に会えて嬉しいわ鹿島君」
「こいつはどうも。僕みたいなつまらない男が構ってもらえるなんて嬉しいな」
愛想笑いをしても城太郎としては嬉しいとは思えなかった。美人にアプローチされるのは本来であれば悪い気はしないが、真依の態度に彼女の生家の思惑を感じずにはいられないのだ。
そして城太郎の推量は正しく、真依は禪院本家から命じられたのは、城太郎の歓心を得ることだった。
一時没落して廃業していたとはいえ神話として語られる国譲りの時代から続く
城太郎には業界内に影響を及ぼす面倒な親族もいない。そして城太郎本人も五条が目をかけて育て僅かな期間で一級術師にまで大成する豊かな才幹を持つ麒麟児。
そういった城太郎の
一度は関係を持って未だに城太郎へ思いを燻ぶらせている真希、現在も週に幾度となく関係を持っている野薔薇も、直観的に不吉な予感を抱いていた。
そんな数ヶ月前のことを城太郎が思い出したのは、一種の現実逃避だったのだろう。
「襲撃を受けて交流会のスケジュールが一日空いたから急遽仕事を入れられるのもしんどいし、このあと帰って朝から野球ってのもしんどい」
「……私としては、未来の悩みの種よりも今の悩みを解消したいわ」
呟く城太郎に真依は不機嫌そうに言った。
特級呪霊たちの襲撃を受けた呪術高専は、被った被害から立ち直るために一日の猶予を必要とした。そしてちょうど緊急にきた案件への対応する担当者に城太郎と真依が選ばれたことに作為的なものを感じずにいられなかった。
その村は過疎化が進む村だった。昔この地域に災いをもたらしていた呪霊を封じ込めていた依り代の老婆が亡くなった。封印が緩み、遺体から出ることができるようになった呪霊が人を襲うようになっているため、封印をし直すか祓って欲しいと依頼があった。
村の出身者である呪術師の告発がなければ高専でも知りえなかったのは、驚くべき秘匿性の高さと言えた。時として誘拐をして次代の依り代──生贄となる子供を用意して村で育てた。そして古くから伝わる伝統を外部からは村ぐるみで隠した。
住所録にない家に住ませ、病気にあったら村の療養所で診て、亡くなれば村の中にある葬式会社が埋葬する。
学校は中学までは通うものの、それも村の関係者が多くて誤魔化しに協力していた。
「もっと詳しい話聞きたかったけど、あの呪術師も喰われちまったからな……」
城太郎は頭を掻いてぼやいた。彼らの誤算は封印されていた呪霊は特級呪霊だったことだ。遺体から抜け出て暴走したことで城太郎たちを案内した呪術師、隠蔽に協力していた駐在の警察官や葬式会社の業者含む村人たち数名が犠牲となった。生き残ったのは代々伝わる魔除けの呪具を持っていた村長と村の異変を感じ取り外と連絡を取った新任の警察官のみ。警察官は偶然にも城太郎の近くにいたために難を逃れた。
呪霊は城太郎からの反撃で傷を負って逃げ出したが、それも時間が立てば再び襲ってくるだろう。
「次に来るとしたら、夜でしょうね。
「ええ、きっと怪我を負わせた僕を殺したくて仕方ないでしょうねぇ」
「そうね、一番恨んでいるでしょうから」
城太郎と真依がいるのは村にある公民館だった。この村が異質なのか村人たちは呪霊を視認できるようで呪霊を恐れて城太郎たちが滞在する公民館には近づこうとしない。
公民館には彼ら以外に二人いる。次代の依り代として育てられていた少女と生き延びた警察官だった。二人とも疲弊して別室で寝ている。
「殺されてやるつもりはありませんがね。
「……虎杖悠仁。宿儺の器を気に入っているのね。先日も、私たちが虎杖を抹殺することを阻んだけれど、上層部の不興を買ってでも危険を冒す理由は何かしら?」
「彼は気持ちのいい男です。ああいう男がひとりいなくなると、そのぶん、業界がつまらなくなります」
「そう……」
真依にとって男の呪術師というのは往々にして欲望のままに振る舞う者が多い認識だった。自分や真希を嘲弄し、否定する禪院が彼女の認知に大きな影響を及ぼしていた。だからこそ、眼前の鹿島城太郎には不思議な感慨を抱いていた。
──僕に構ってもいいことないですよ? 僕ったら強い方に付くだけのお調子者だから。
だが、自分をそう称しながらも級友や姉たちへの態度の誠意や、五条に対する敬意は先の言葉とは反していた。呪術師に嘘つきは多い。しかし、城太郎の嘘は呪術師の嘘とは異なるように真依は思った。
真依はさらに城太郎へ歩み寄ることは小さからぬ事業だった。悩み、それでも現状の打開の必要性と緊急性に押されて、真依は口を開いた。
「鹿島君、あなた私に隠していることがあるのでしょう?」
「なんでそう思うんです?」
「この件の担当者の決定は上層部が関わっている。ほぼほぼ禪院もね。私たちに死んで来いと思っていないのであれば、相手が特級呪霊であっても祓うことができると思われているのでしょうね」
真依は質問をしているようで、確信めいた言い方だった。
「僕に何、期待しているんですか」
「私がではなく上層部ね。実力を確認したいのでしょう。そして、そう期待されているのは三級呪術師の私ではないわ。あなたにはあの特級呪霊を祓うことができるのではなくて?」
「──」
追及される城太郎は、緊張を外にあらわさぬよう、短いが真剣な努力をはらった。上層部が特級呪霊も祓える
説明を訊き終えた真依は沈黙していたが、否定的なものではなかった。
「……わかったわ。私は、その、経験がないから、あなたに任せる」
真依は決心を声にした。特級呪霊に対抗するすべがほかにないのであれば、全権をゆだねる以外にない。
城太郎の顔を見て、真依は微苦笑した。
「私は嫌だと思っているんじゃないわ。どうせ、ここで処女を守って仮に生き延びたとしてもそれで幸せになるとは思わないもの。一族の者に性処理に使われるか、意に沿わない相手に嫁がされるか愛妾として身を差し出されるだけ」
城太郎の視線を受けとめることができず、真依は視線を逸らす。抵抗をあきらめ、男の呪術師に対して卑屈をきわめた姿。それは級友たちには一度たりとも見せたことのない姿。
「では、任せてもらおう。俺は布団敷いておくさから先にシャワーを浴びてきなよ」
城太郎の言葉に真依が素直に従い、自分は準備をはじめた。はじめてだからか真依は従順に従った。
彼女に代わり、城太郎もシャワーを浴びて真依が待つ部屋に入ってみれば、いつもより幾分しおらしい真依を見て、思わず唾を呑み込んだ。
「ねえ、私の身体、そんなに興奮する?」
真依が大胆なことを訊いてくる。
「それは勿論」
「そうなんだ。まあ、真希とも寝ているんだし、それも当然か」
「いやいや、真希さん関係なく真依さんには興奮しますよ?」
「双子なのよ、顔とか同じじゃない」
正確に言えば体術に長じた真希のほうが発達した筋肉がある分、体つきは少し異なる。真依を抱き寄せた城太郎にはわかった。
「まあ、そりゃ顔立ちなんかは似てますが、真依さん、真希さんそれぞれ違う女性ですよ。どちらでも同じ、だなんて思えません」
真依が美貌を寄せてくる。城太郎を見つめる目が、妙に妖しく潤んでいる。
「そう言ってもらえて嬉しい。呪術的には双子は、一人と数えられるのよ。私も真希も、どちらでも同じことなの」
甘い息がかかった瞬間、彼女の唇に塞がれて、ぬるりと舌が入ってきた。
城太郎も舌を迎え入れて、それに応じる。くちゅくちゅと唾液の音をさせながら、熱くて甘いキスをする。
甘い唾液に噎せ返るような柔肌の匂いも、濃厚すぎて城太郎の頭は痺れそうだ。
城太郎は真依の背中に両手を這い回らせながら、ときどき指先をウエストからヒップまで伸ばした。そしてお尻を撫でつけた。スカートの独特なざらついた奥から柔らかくなめらかな丸みが伝わってきた。お尻を撫で回した。
スカートの裾を捲って、両手を中に潜り込ませた。触り心地の良いショーツの手触りの下で、柔らかい弾力に満ちたお尻の肉が弾むように躍った。
「っ、ん……」
一瞬、驚いたように真依の身体は強張ったが、城太郎に大丈夫だと告げるように微笑みかける。
城太郎は真依を抱きしめたまま、布団を敷いてあった休憩室に行き、彼女を布団に押し倒した。スリットの入ったスカートがめくれて、ショーツが丸見えになっている。
「真依さん……」
城太郎は下になった真依を見つめた。
「真依って呼んで……」
仰向けに寝た真依が、切れ長の眼で城太郎を見つめていた。
城太郎はショーツを引き抜き、真依の脚の間に自分の膝を入れる。自分の太腿と真依のなめらかな内腿の肌とふれあい、お互いに興奮が一気に昇りつめる。真依のお尻の両側まで膝を押し込んでから、城太郎は真依に覆い被さる。
サラサラの髪を抱え込むようにして、濡れた唇に舌をすべり込ませる。真依はキスに没頭しながらも両腕を城太郎の首に絡ませてきた。城太郎は自分の肉幹をヴァギナに近づけた。
「ああ、どうしよう。流石にドキドキするわね」
ロストヴァージンの緊張を誤魔化すように、真依が言葉を口にする。
「本当に、鹿島君と……するのね」
瞳が怯えたように、宙を彷徨っていた。気の利いた台詞など思いつかない城太郎は真依を宥めるようにキスをする。少しずつ真依が落ち着きを取り戻すと、城太郎は亀頭の先を膣の入口、収縮する粘膜の窪みにヌポッと収めた。ほんの少し腰を押し出しただけで、ミチリと膣口の粘膜が亀頭を締めつけてきた。
「真依、入れるぞ」
首に絡んだ腕が、ギュッとしがみついた。
「は、はい、鹿島君」
城太郎はゆっくりと腰を押し出して握ったペニスを埋め込んでいった。抵抗する膣の入り口に亀頭の先端をはめて、ゆっくりと腰を押し出す。弾力に満ちた膣口の粘膜に、亀頭が少しずつ埋まり込んでいく。
真依は「アッ、アッ」と口を開いて、サラサラの髪を揺らした。カリ首までも入っていないのにも関わらず、澄んだ声で訴えてきた。
「か、鹿島君……い、痛い」
美しい顔をゆがませ、唇をきつく嚙みしめる。身をよじり逃げるようにしているので城太郎は両手を真依の腋の下から差し込み、肩に回して引き寄せ逃げられないようにした。真依が驚いたように瞠目するが、城太郎の顔を見て抗うことをやめて、コクッと小さく頷いた。その瞬間、わずかに腰を突き出すと、ヌチャッと埋まる。
「いっ! いた……い」
真依が瞠目する。
城太郎は肩をさらに引き寄せて、尻の筋肉でペニスを押し出した。ズンッと突き抜ける感触が亀頭で感じ、みっちりと幹の根元まで挿入できた。
痛みから、真依は城太郎の背中に爪を立て、しがみついた。
城太郎はしばらく動かず、真依の痛みが和らぐのを待った。真依も挿入の苦しさを紛らわそうとでもするように、激しくキスをした。口を大きく開いて、舌を絡ませてきた。腰を動かそうとしなくても、蠢く粘膜に反応して、膣の中で亀頭がピンピンと弾けた。そのたびに真依が肩を強張らせた。真依の強張った肢体がずっとしがみついていた。
城太郎は左手で小さな頭を抱き寄せ、サラサラの髪の毛を撫で回しながら、喉元、首筋、耳の周ち嘗め続けた。女の香りが鼻腔を満たし、甘じょっぱい汗の味が口の中に広がり、獣欲を昂らせた。
「真依、動かしてもいいかな」
城太郎が問うと、真依は頷いて許可する。ゆっくりと小さなふり幅でペニスを前後に動かした。
「な、なんか。指と、全然違うのね」
城太郎にしがみつく両腕に、ブルブルと震えるほど力が入っていた。
「指でオナニーとかするの?」
「そ、そうよ……」
「へぇ、そうなんだ。……痛いのなら、やめるか?」
「い、いいの。だんだん慣れると思うから」
そう言って真依は微かに微笑みを浮かべ、それから唇を嚙みしめた。きつく苦しい真依の膣内は淫らな感触に満ちていた。ゼリーのような密着感に締めつけられるペニスの表面には、無数の軟体生物が吸いつき蠢いているようだった。
「じゃあ、もっと動かすけど、無理しちゃだめだよ」
ウエストを支点にして、徐々に出し入れのストロークを大きくする。濃いめの陰毛の下で、生き物のような小陰唇がペニスの幹にまとわりついた。
亀頭のカイから根元まで、湧き上がる衝動を抑えて、スローモーションのように引いては押し出した。真依が乳房を揺らし、身悶えた。
グジュ、グジュ──ペニスとヴァギナの交わる部分に愛液が泡立った。
「あっ、あっ、感じるわ、鹿島君。オチンチンが動いてる」
米粒ほどの突起を愛撫し、掻き上げる。敏感な部分を刺激して挿入の快感を味わって欲しいと城太郎は思った。
「そこは……あ、うぐっ」
ゆっくりと出し入れしながら、耳を嘗め回し、クリトリスを弄り続けていると、真依の身体から少しずつ力が抜けていった。全身が狂おしい波を打ち始め、プリンのような乳房の感触がムニュムニュと胸板にまとわりつき、「あっ、あんっ」と透き通った声がした。M字を描くすらりとした長い脚が、ときおり震えながら城太郎の腰を絡めとった。ぴったりと貼りつく膣粘膜の中では、無数の軟体生物が蠢き、ペニスのいたるところを這いずり回っていた。
「おおっ、なんて気持ちいいんだ、真依」
ドクドクと脈打つペニスが、強いストロークを求めていた
グッと背筋を伸ばして、ピストンのテンポを上げた。ヌルヌルに光る肉幹が、綺麗に濡れ輝く粘膜の割れ目の中に、消えては姿を覗かせた。
「ん、ぐぐっ……私、鹿島君と、セックスしているのね」
真依が突き入れを受け止めるように、グッ、グッとお尻を張りつめた。時々、「あうぅ」「はぁっ」とエッチな声が漏れて、全裸の伸びやかな肢体にびっしりと汗が浮いていた。切なげに喘ぐ表情は、普段の彼女からは想像もできないほど淫蕩的な女となった。城太郎の全身にゾクゾクと寒気のような感覚が奔り、突き入れはますます激しくなった。
「鹿島君、そ、そんなに……あくっ!」
上半身を覆い被らせて、珊瑚色の唇を嘗め回し、腰だけを大きく振った。全身の神経がきつ苦しい膣粘膜を貫く亀頭に集中していくようだった。
「んぐっ、むぐぅ、うぐうぅ」
下から抱き着く真依が呻き身悶える。汗だくの乳房が胸板を揉むように動き、花のような匂いが濃厚さを増して立ち昇ってくる。
それほど長くは挿入していないのに、沸き立ったザーメンがペニスの幹に根元に押し寄せてきた。ビロードのようにすべすべした肌の頬に両手を添えて、尖らせた舌を唇に突き立てた。舌を出し入れしながら、テンポを合わせてペニスを前後に動かした。
「むぐっ、ううっ、うぐぅっ」
間近に見開かれた真依の瞳は、今にも涙が零れそうに潤んでいた。責め苦に耐えるように震えていた。亀頭が粘膜を押し広げ貫くたびに、膣の中の軟体生物が抗うように蠢いた。きつく苦しい収縮が強烈な快感となって、城太郎の全身を駆けずり回った。
張りつめ幹を昇ってくるザーメンの勢いに任せて、激しく腰を振り立てた。真依は口角をキュッと結んで、城太郎のピストンを受けとめていた。
射精直前の湧き上がる衝動に、下腹部をぶつけるように腰を振り込み、続けざまにペニスを突き入れた。
サラサラの髪がのたうち、交わる唇が逃げていった。
「こんな……あぐぅ」
「ああぁっ、真依!」
腰を振り続けて、何度も亀頭が弾け、快感の塊が次から次へと噴き出した。真依は切れ長の瞳を見開き、身を硬くしたまま、パクパクと口と閉じ開いた。
長い射精とその余韻を経てから、ヌルッとペニスを引き抜いた。
◇◆◇
陰陽術式を使った城太郎を五条悟は特級呪術師にも匹敵する、と評していた。
特級呪霊と渡り合い、祓える程の戦闘力を五条は評価しての表現であった。もっとも、存在そのものが呪術界の勢力図を左右する呪術師のことを特級と認定されるため、五条の表現も“特級呪術師”への表現はいささか語弊を招くものでもあった。
真依と交わり城太郎が陰陽術式で精強無比な力を得ていた。その出力の高さは甚大で、ただシンプルに暴力的なスペックを発揮していた。呪力生成量の高さも凄まじい。彼の師匠は「MP一〇〇を消費しても深呼吸一度でMP一〇〇を回復させる」事ができると称えるほど、呪力の効率がいい。
「……来たわよ」
真依が顔を強張らせて夜闇の向こうから巨大な影が、目視できるところまで近づいていた。
「大丈夫大丈夫、今の状態の僕てっば無敵だから。……なんてな」
常の飄然とした笑みとは異なる、覇気を漂わせる笑みを浮かべる城太郎。普段の彼も呪力総量は莫大なものだが、今はそれをさらに上回るものがある。
特級呪霊が迅速に伸ばす腕を魔剣が弾き、払い除ける。特級呪霊を相手にしても抑えることもなく、時間認識と距離感を狂わせ、相手のリーチも無視した攻勢に呪霊は押されることとなった。瞬時に伸ばした刀身が深く斬りつけることで呪霊も怒り、猛り狂う。
その時点で、呪霊はもともと乏しい理性を、激情の奔騰でいずこかへ吹き飛ばしてしまっていた。
「“たかが人間風情が増長極まる! どうやって料理してやろう”とか思っているんだろうな」
「余裕ぶってんじゃないわよ! しっかり決めなさい!」
「んじゃま、下がってな真依ちゃん? 見せてやるさ……俺の剣を!」
銃弾のように駆け抜け、間合いを詰める。狙うは呪霊の眉間。
そこで、呪霊が漂わせる呪力の変化が危険な香りをともなった不快感が、城太郎の皮膚を無遠慮に撫でまわした。
(これは!)
好ましからぬ予感は的中し、呪霊の眉間から人間の上体が現れる。城太郎は資料でしか知らなかったが、それは先頃亡くなった依り代となっていた老婆であった。
老婆は印を結ぶ。
「──領域て」
「ざけんなっ!」
城太郎の呪霊をひとなでした視線には、名刀の刃先を思わせる光があった。その眼は呪力の流れ、変化を見てとった。
「剣神よ、僕に力を!」
裂帛の気合いとともに振るわれる魔剣。破壊一閃。
呪力を活性化させ、膨張させ、生得領域を体外へ拡張させ結界を展開させるはずだったが、呪力を斬られたことで術式が乱され、結界は完成をみる前に崩壊した。
「悪いがここまでだ。……死ね」
魔剣で刺し貫かれた呪霊は体内から爆ぜて消滅した。
◇◆◇
「最後、呪霊にやったことはもしかして、反転術式?」
「あっわかる? 流石は真依」
呪霊を祓い、後始末をつけて迎えを待つ間に真依は、先程見た光景について城太郎に訊いていた。
「あなた、反転術式を使えたのね」
「まあね、いつもは呪力で
「……呆れた。あれ、あのとき思いついたの?」
「はははは、五条先生のところで勉強して呪術師として学んだことだけど、見切り発車と現場対応!」
かける言葉もないとばかりに嘆息する真依。いつもの韜晦するような笑みを浮かべていた城太郎だが、笑みを消し、少し考えるようにしてから再び真依に向き直る。
「真依は呪術師にはなりたくもないし、傷つくのも、呪霊だって怖い、そう言ってたな。本当にどうにも……、どうにもならなくなったら俺に言いな。どこでも連れて逃げてやるからよ」
逃げていい、そうはっきりと言われた真依は動揺した。今まで願うことはあっても諦めていた。戦うことしか許されないのだと、思っていたのだ。
「あなたを禪院だとか、呪術師だとか抜きにして大切と思っている人はいる。そういう人たちもきっと、認めてくれるよ。──そういう生き方だってあるってことを」
「──」
級友たちを、先生を、そして姉を思い出し、体温が上昇することを真依は自覚した。
真依の頬は、処女雪を夕陽が照らすように紅潮していった。
禪院真依が禪院真希、釘崎野薔薇、冥冥たちと同じ秘密を共有することになったのは、この任務を終えたあとのことであった。
時間軸としては死滅回泳に参加するという辺りまでは書いてみたいと思います。あとは原作イベントの合間を縫う感じで話を書いていきたいと思います。
ちなみに女性陣で一番城太郎と交わっているのは真希か野薔薇って感じです。