話の中身としてはタイトルにもあるように未来とキッドが対決する構図で、舞台は映画と同じ函館…ですけども、ヒロインはコナンからではなくSAOのキャラとさせていただきます。ちょっとやりたいネタがあるのでね…映画本編をご覧になられたのならお察しでしょうけど、お楽しみに!
登場ヒロイン
【ソードアート・オンライン】
桐ヶ谷直葉
ゲストヒロイン
結城明日奈
ゲスト出演
黒羽快斗(怪盗キッド)
side明日奈
5月のゴールデンウィークの中、私達は函館へとたどり着いた。今回の私は剣道部のマネージャーとして婚約者であるキリトくんやその妹の直葉ちゃんに幼馴染の未来くんと澄晴くんを中心とした函館で行われる大会に出場する部員達のサポートをするために帯同している。大会が終わった連休最終日は夜に飛行機で東京に帰るまでキリトくんとデートしようかな?直葉ちゃんも彼氏の未来くんとデートするんだろうね…函館の100万ドルの夜景はゆっくり見れないけど、桜のシーズンの最中だから桜に囲まれた函館を楽しみつつ函館の美味しい物を食べたり函館のゲームセンターでゲームをしたりお土産も買いたいなと思っている。キリトくんとのデートが楽しみだなぁ♪
「ここが函館か…なんか競馬とか競輪とかしたくなってきたぜ!」
「澄晴くん…競馬はまだ開催してないし、競輪はやってることはやってるけど賭けたらダメだからね?そもそも僕達は大会のために来てるし未成年なんだから…」
「ちぇっ…分かりましたよ。」
「未来先輩、そんなに大会前からピリピリしてたら疲れますよ?こうやってオフの時は力を抜いて函館を楽しみましょう!競馬と競輪は別として。」
「スグの言う通りだ。今から力を入れてたって試合は始まらないからな…オフの時ぐらい旅行感覚で楽しもうぜ?」
「直葉ちゃん、和人くん、そうだね…もうちょっと気を楽にするよ。」
未来くんは東京を出発してからピリピリしたような感じだったけど、直葉ちゃんとキリトくんの兄妹に励まされてから柔らかい表情を取り戻す。キリトくんは剣道部のキャプテンじゃないけど、ALOのギルドでリーダーをしていたりSAOではβ版の時から攻略の最前線にいたから人を引っ張るのが上手いし直葉ちゃんもやはりキリトくんを支えてるだけあって励ますのが上手でこの二人とこれから家族になると思うと今からでもワクワクが止まらない。
「みんな、ホテルに着いたよ!」
そんなこんなで話していると3日間泊まることになるホテルに到着する。今回用意したのは函館五稜郭ホテル、五稜郭に近いことを売りにしてできた大きくて人気のホテルでここを押さえるためにちょっと結城家の力を借りたけど、予約できて良かった。(お金はかかったけど…)
「マジか!ここは予約したくても予約できないぐらい高いホテルなのに…どんなカラクリを使ったんだ?」
「ちょっと結城家の力をね…お金は少しかかったけど、部費じゃなくて自分で負担したから安心して泊まってね。」
「明日奈さん、太っ腹です!」
「おい、スグ…それは明日奈に対する悪口じゃないのか?」
「えっ、お兄ちゃん…何を言ってるの?」
「確かにお前は剣道をして鍛えてるからスタイルは良いかもしれないし、明日奈は最近お腹どころか胸も太ももも二の腕もムチムチ気味になりつつあるかもしれないけど…太っ腹は言い過ぎだろ!?」
「スタイル良いって…そんなことをお兄ちゃんに言われると照れちゃうよ〜。」
「キーリートーくーん?」
「ああっ、俺…ちょっと外で素振りをしてくる!未来、俺の荷物を頼んだぞ…それじゃあ!!」
「う、うん…」
私が最近太り気味になってることを暴露するキリトくんを少し威嚇すると彼は荷物を未来くんに託して竹刀だけを持って逃げ去っていく…その中で直葉ちゃんは照れているけど、キリトくんから褒められてる義妹になる予定の彼女に少し嫉妬してしまう。でも、『太っ腹』の本当の意味を知らないキリトくんもちょっとピュアで可愛いかも♪
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それから、私達はチェックインしてからそれぞれの部屋に分かれた。私の部屋は直葉ちゃんとの二人部屋になっていて今は函館の景色を楽しみながら色んな話をしている。
「函館の景色、綺麗ですね…夜景は確か100万ドルでしたっけ?」
「うん、函館の夜景は日本の中でも長崎や神戸と同じぐらいと言われてるね…そうだ、もしも未来くんと結婚するんだったら新婚旅行はここにしようよ!未来くんって夜景が大好きだから函館って聞くと楽しんでくれるんじゃないかな?」
「ええっ、私と未来先輩が結婚!?いや…まだ私達、付き合って半年ですよ?そ、そんな結婚なんて話が飛びすぎですって…明日奈さんはお兄ちゃんと結婚が決まってるから余裕でしょうけど、まだ私達はそんな段階じゃないですよ!?」
直葉ちゃんに未来くんとの新婚旅行を提案すると直葉ちゃんは顔を赤くしてから口元を隠して動揺する。慌てている様子がまるで小動物のように見えて可愛い!キリトくんと結婚して義妹になったら思いっきり可愛がってあげようかしら?
「あっ、先生からLINEだ…『警視庁の中森警部が来ていてホテルの全員に集まるようにと指示が出ています。至急、ホテルのロビーに集合してください。』だって。」
「私にも来ました。警察の人が来るってことは何かあるんでしょうか?」
「私、キリトくんを呼んでくるね。直葉ちゃんは先に行ってて?」
「分かりました!」
そして、私はホテルの外で素振りをしているキリトくんを呼びに外へと向かう。確か、中森警部は怪盗キッドの事件の捜査の指揮を任されている人だとお父さんから聞いたことがある…つまり、キッドはこのホテルの中にある何かを盗むつもりなのだろう。だから、もしものことを考えてキッドがキリトくんに変装する前に止めないといけない。待っててね、キリトくん!
(和人捜索中…)
キリトくんを探すこと3分、あちらこちらを探し回ってもなかなか彼を見つけることができずにいた。キリトくんはたまにこういうのがあるんだよね…ソロプレイヤーだった名残もあるかもしれない。
(なんだろう、鋭く刀を振る音がする…もしかして、キリトくん?)
すると、私の耳に鋭く刀を振り抜いたびゅんと風を斬る音が響く。この音を出せるのはキリトくんと未来くんと直葉ちゃんしかウチの剣道部にはいない…そうなると外で振ってるのはキリトくんのみ。間違いない、彼は無事なんだ!
「キリトくん!」
私は音が出ている先に向かってから彼の名を大声で呼びかける。もう私は彼が無事であることの嬉しさからもう猪突猛進の勢いでその方向へと走っていく。
「えっ、君は…」
しかし、そこにいたのは声がキリトくんに似てるだけ別人だった。その人は黒い着物を着ている上に彼よりもさらに大人の顔立ちをしていてキリトくんと同じようなオーラを感じてしまう。まるで別人とは思えないぐらい魅力的な人だ…
「あっ、すみません!人違いでした。稽古中に邪魔をしてしまいましたね…」
「いや、良いよ。僕もそろそろ切り上げようかなと思ってたから…それよりも君はここら辺じゃ見ない顔だね、この函館に観光に来たのかな?」
「いえ、明日から行われる剣道の大会にマネージャーとしてウチの学校の選手を応援するために来ました。」
「剣道の大会か…それなら僕が演武をそこで披露するよ。良かったらそれも見ていってくれると嬉しいな!あっ、名乗るのが遅れたね…僕は福城聖、君は?」
「結城明日奈です。」
「明日奈ちゃんか。結城ってことはもしかしてあの結城一族のお嬢さん?」
「まあ…そうですけど。」
「そうなんだ!結城家はもう日本で知らない人はいない名家だからそんなところのご令嬢に会えるなんて光栄だよ。もし良かったらこの後函館を明日奈ちゃんに案内しようと思っているけど、時間はあるかな?」
「えっ?ええっと…」
福城さんはいきなり私のことを『明日奈ちゃん』と馴れ馴れしく呼んでから私の手を握り、函館を案内すると言い出す。私は心の中では迷ってしまうけど、キリトくんと声が同じで一人称が『僕』だから一人称が『僕』になったキリトくんに頭の中で変換されて誘いに乗ってしまいそうになる。
「明日奈…とあんた、そこで何をしてる!」
ちょうどその時、背後からキリトくんの声が聞こえて振り向くと今度は本物のキリトくんがいた。彼の表情はとても険しい…もしかして福城さんのことを私を襲ってる人と勘違いしてるのだろうか?
「キリトくん!」
「キリト…何か聞いたことある名前だな。」
「あんた、人の彼女にナンパでもしてたのか?明日奈の手まで握って…嫌がってるだろ!」
「待って、キリトくん…この人はナンパをしていた訳じゃないの。キリトくんを探している時にたまたま間違って声をかけてしまって、それで話をしていただけだから。」
「明日奈…」
私は今にも福城さんの胸ぐらに掴みかかりそうになるキリトくんを落ち着かせる。こんな公の場で喧嘩をするのもダメだし、キリトくんには暴力沙汰で謹慎や退学になってほしくないからね…
「キリトで思い出した…君、桐ヶ谷和人くんだね?」
「どうして俺の名前を知ってる?あんたとは初対面のはずだぞ…何者だ?」
「僕は福城聖、君のことは僕を含めた剣に携わる人達の中では有名だよ。確かカオスチェリー学園高校の男子剣道部の中では朝倉未来(あさくらみらい)くんとダブルエースを張っていて、女子剣道の中で無敵の桐ヶ谷直葉ちゃんのお兄さん。それでいてeスポーツでは『キリト』名義にて(剣道との)二刀流で活躍してるそうじゃないか…凄いね、お嬢様である明日奈ちゃんの彼氏を名乗れるのも納得のハイスペックさだよ。」
福城さんはキリトくんのスペックを語りつつ彼のことを褒める。しかし、この二人のやり取りを聞いているとどっちも同じような声なので目を閉じて聞いたらどっちが喋っているのかを迷ってしまいそうだ…一人称と人の名前抜きで話したらもう分からないレベルかもしれない。
「それはどうも。とにかく、明日奈にこれ以上迫るのはやめてもらえないか?彼女は俺と将来結婚することを約束している…明日奈には指一本触れさせない!」
「ほう。桐ヶ谷くん、君は良い目をしてるね…面白い、ここは僕とお手合わせ願えるかな?剣士としての君の実力、見せてもらうよ。」
「…」
そう言うと福城さんはもう一本の木刀をキリトくんに向かって投げてそれをキリトくんがキャッチする。どうやら男同士の戦いが幕を開けそうだ…二人はそれぞれ構えて戦闘体制に入る。どちらも剣士としてまっすぐな目をしていてこんなキリトくんを見たのはアンダーワールドで戦っていた時以来かもしれない。
「福城、後悔しても知らないぞ?」
「そんな軽い口、いつまで叩けるかな?はああっ!」
「たああっ!」
二人はそれぞれ距離を詰め、木刀がカキーンと鋭い音をしてぶつかり合う。木刀でこんな音が出るなんて…キリトくんの実力は知っているけど、福城さんもかなりの実力者だ。
「なかなかやるな…こんなにも手応えのある剣士は久しぶりだよ。」
「あんたも負けてないよ、今度はこっちから行くぞ…はああっ!」
今度はキリトくんから踏み込み攻撃を仕掛けた。しかし、これは福城さんがあっさりと受け止める…キリトくんがこんなにも苦戦するのは未来くんとの同門対決以外ありえないのに、そこまで苦しめる福城さんは恐らく未来くんと同等かそれ以上に強いのかもしれない。
「なるほど、君の太刀筋は読めたよ。僕から言わせれば随分ワンパターンだね…これでは僕に勝てないよ?」
「そんなのやってみなきゃ分からないだろ!?ワンパターンでも一貫して攻め続ければ隙が生まれる…そこを信じて俺は剣を振るだけだ!」
「その姿勢は素晴らしいね…だけど、次で決めるよ。」
「ああ、俺も次で決める!」
「「はあああああっ!」」
そして、二人は渾身の一撃をぐっと溜めてからぶつけ合う。時間は短くてもハイレベルな戦いであることはキリトくんと福城さんの表情からも伝わってくる…そもそもこんなに熱い戦いをちゃんと見たのは初めてだ。
「なっ、僕の木刀が…!?」
すると、福城さんの木刀が真っ二つに折れる。まさかキリトくんがリアルでもSAOのシステム外スキルである武器破壊(アーム・ブラスト)をしてしまうなんて…しかもそれを木刀でやってしまうのが凄い。
「俺の勝ちだ、福城。これで分かっただろ?やってみなきゃ分からないって…」
「僕の完敗だ。桐ヶ谷くん、君はやっぱり凄いな…修行のやり直しだ。」
「あんたの太刀筋も凄かったよ…また勝負、しようぜ?」
「ああ…」
福城さんの去り際にキリトくんは彼の太刀筋を褒め讃えて再戦を約束し、福城さんは『ああ』とだけ言い残してそれに応える。キリトくんにまさかここまで言わせるなんて…彼は過去に『俺が心から凄いなと思った剣士は明日奈と木綿季とリーナ先輩ぐらいかな。』と話していたような気もするが、それはあくまでもゲーム上の剣術の話でこうやってリアルの剣術において凄いと思った人は恐らく今回の福城さんが初めてだろうと思う。
「キリトくん、大丈夫?」
「ああ、心配いらないよ。この通り…「動かないで!」…ええっ!?」
「頬にかすり傷がある…本当、キリトくんは相変わらず無茶ばっかりするんだから。」
キリトくんの右の頬のかすり傷を見逃さなかった私は制服のスカートのポケットから絆創膏を出してからそれを傷の箇所に貼る。多分、戦っている中で傷ついちゃったかな?福城さんの渾身の一撃はどうやらキリトくんにも当たってたみたいだ。
「あ、明日奈!?そこは良いんだよ…唾つけとけば血は止まるし。 」
「はい、OK…ゲームではまだしもリアルではあまり無茶をしないでね?ここでの残機は一機しかないんだから。死に戻りはできないからね?」
「それはもう肝に銘じてますよ…ありがとう。」
「うん…って、ああっ!?」
「どうしたんだ、明日奈?」
「今、ホテルに警察の人が来てて全員集まるようにって言われてたんだった…キリトくんの携帯にもメッセージ来てるよね?」
「本当だ…明日奈、急ぐぞ!?」
「待ってよ、キリトく〜ん!」
全員集合のことを忘れていた私達は大急ぎでホテルのロビーへと走って向かった。この後、当然ながら私とキリトくんは先生や中森警部から怒られたのは言うまでもない…とりあえず、ラブラブはほどほどにしないとね。
side out
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side直葉
ロビーで中森警部からの呼びかけが終わってから時間が経ち、レストランでの夜ごはんの時間になった。普段だったらホテルのレストランのバイキングで楽しもう…なんてなる感じだけど、中森警部からは『食事以外での不要不急の外出は控えるように』と言われたんだよね。どうやら、怪盗キッドがこのホテルの中に管理されている土方歳三が使っていた刀を盗むと犯行予告をしてきたらしい…さらに続けて『身の回りの人がキッドに変装している可能性もあるのでよく人の動きも観察してください』とも言われた。もしも、私と一緒に来ている仲間達の誰かがキッドに変装してたらどうしよう…考えるだけで食事が進まない。
「直葉ちゃん、どうしたの?さっきから箸が止まってるけど…」
「明日奈さん…すみません、ちょっと考え事をしていて。」
「もしかして、怪盗キッドからお宝とセットで盗まれる〜なんて考えてるだろ?そんな気にすんなって…直葉はもう未来から施され済みだからそんな中古品に手を出すわけねえだろ!ナハハハハ♪」
「澄晴、お前…人の妹に中古品とは何だ!」
「和人は分かってねえなぁ…それほど未来から愛されてるって比喩だよ。それに、怪盗キッドがここに紛れてるとか麻雀で天和が出るぐらいありえねえしな…」
「比喩にしても酷すぎだろ?」
「直葉ちゃん、お腹が減ってないのならちょっと運動として僕と温泉近くの卓球場で卓球でもしようか?」
「未来先輩…」
頭の中がモヤモヤしていて食事どころじゃない私に未来先輩が声をかけて卓球をしないかと誘う。こんな感じで悩んでいる時は運動するのがストレス発散に良いとは思うけど、今は不要不急の外出と言われてるんだよね。
「未来くん、ダメだよ。中森警部から不要不急の外出はするなって…」
「明日奈ちゃん、大丈夫だよ。バレなきゃ犯罪以外何をしたって良いからさ…それに怪盗キッドが出てきたとしても僕が倒して中森警部に献上するよ!」
「でも…」
「明日奈、安心しろ…未来はウチのキャプテンでエースにして剣道男子の日本チャンピオンなんだぜ?キッドなんか所詮トリックしか取り柄のねえコソ泥同然な野郎だ…未来の身体能力が相手なら負けるわけねえだろ!なあ?」
「そ、そうだね…」
澄晴先輩は明日奈さんを説得しようと未来先輩がいれば安心だというをアピールしていくが、その中で未来先輩は何故か冷や汗をかいていて少し慌てている様子にも見えた…あまりにも信頼されていてプレッシャーになってるのかな?
「まあ、澄晴がそこまで言うのならスグのことは未来に任せるよ。頼んだぞ?」
「分かった…直葉ちゃん、行こうか。」
「は、はい。」
私は未来先輩に手を引かれてレストランの外に出てから卓球場へと向かう。このホテルは温泉の近くに卓球場があってそこで所謂温泉卓球ができる…未来先輩との卓球はROUND1のスポッチャ以来、あの時は太刀打ちできずに負けたけど今回こそは負けないからね!
(移動中…)
「ここまで来れば安心だな…」
「えっ?」
しかし、未来先輩に連れられた先は卓球場ではなく人が少ないどころか今はレストランにみんながいる中で誰もいない宿泊部屋が並ぶ階層でこの5階は私達の部屋のあるところだ。
「未来先輩、ここは卓球場じゃなくて私達の部屋があるところですよ?一体何を…」
「とりあえず、そこの壁に背中をつけてくれるかな?」
「こ、こうですか?」
「そう、良い子だ…」
「…!?」
私が壁に背中をつけたその時、未来先輩はいきなり壁ドンをする。いつもは優しくて紳士的な未来先輩の目はまるで獲物を欲しがる野獣のようになっていた…いつもとの違いに恐怖を感じる。
「どうしたの?直葉ちゃん、君は何を怖がっているんだい…僕は壁ドンをしただけじゃないか。」
「えっと、その…いつもの先輩らしくないですよ?」
「いつも?まあ、たまには違って良いじゃないか…人間だもの、ってことでお尻から触ろうかな?」
「ひゃあんっ!?」
すると、未来先輩はいきなり私のお尻を右手で揉み始める。レストランで夜ごはんを食べる前までは優しくて紳士的ないつも通りだったはずなのにどうしたのだろうか?普段だったらこんな公の場でエッチなことはしないはずなのに…おかしい、まるで目の前にいる未来先輩が偽者のようにも思えてくる。
「ああっ、はぁんっ…先輩、お尻、触らないでぇ!」
「へえ、案外直葉は可愛い声で鳴くじゃんか。俺の好きなお尻、ああ柔らかいなぁ…♪」
「未来先輩…ひゃあっ、ああっ、口調が変。それに、先輩が好きで一番先に触るのはおっぱいじゃないんですか?ああんっ♪」
「おっと、そうだった…おっぱいはどうかな?」
「ひゃあんっ、おっぱい…ダメぇ♪」
私がいつもと違うところを指摘すると未来先輩は気づいたかのようにすぐおっぱいも触る。しかし、いつもと違って今回は両手で鷲掴みだ…いつもだったらおっぱいを包み込むように優しく揉んでくれるのに。本当にこの人は未来先輩なのだろうか?いつもはしない呼び捨てや一人称が『俺』になったりしてるとのだからさらに疑問が深まる。
「いやぁ、直葉のおっぱいは学校で見た時から思ってたけどめちゃくちゃでかいししかも柔らかすぎる…もう剣道やっててダイナマイトおっぱいがあるなら剣道グラビアとかやっちまえって言いたいなぁ!」
「ひゃあっ、ああっ…今日の先輩、何か変!ああんっ、ふぁんっ…」
「ちょっと待った!」
「「…!?」」
すると、未来先輩が泊まっている部屋から未来先輩の声がしてドアを開けるとそこには部屋着姿の未来先輩が竹刀を持って飛び出してきた。えっ、未来先輩が二人…どっちが本物なの!?
side out
~~~~~~~~
side未来
あれから僕はどれぐらい眠らされていたのだろうか?中森警部からの注意喚起を聞いた後に部屋に戻ってからルームサービスの水を飲んでからの記憶が飛んでいて目が覚めたらパンツ以外の身ぐるみを剥がされていて外では僕の偽者が直葉ちゃんにセクハラをしていた…とりあえず、部屋着に着替えてから竹刀を持って部屋を飛び出してみたらまさにその最中で何とか更なる事態を招かずに済んだらしい。
「未来先輩…ですか?」
「うん、僕が本物だよ!おいっ、偽者…僕を眠らせたのもお前だろ?よくも直葉ちゃんにこんなことをしやがって…断じて許さん!!」
「ふふっ、バレたのなら仕方がない…」
偽者だということがバレた僕に変装した男は変装を解いてから正体を僕と直葉ちゃんに晒し出す…その目の前にいたのはなんと、怪盗キッドだった。
「「怪盗キッド!」」
「本来だったらこの時間帯は下見だけで済ませようと思ったんですけど、つい可愛い女の子を見つけちゃいましてね…貴方に変装させてもらって楽しませてもらいましたよ!それと、キスはしてないのでご安心を。」
「そうにしても直葉ちゃんにセクハラはしただろ!?お尻とおっぱいを触って…彼氏の僕に許可なくなんて最低だよ、この変態!」
「変態で結構。男はみな変態なものなんでね…俺も貴方も。」
「僕の変態とお前の変態を一緒にするな!直葉ちゃん、中森警部に知らせて…この犯罪者は僕が倒すから。」
「はい!」
僕は警察に知らせる役目を直葉ちゃんに託してこの場から逃がした。これで僕とキッドの1対1、男同士で戦う条件はフェアだ…僕は何としてもこの人の彼女に手を出した野郎には負けられない。
「へぇ…一人で俺に挑むんですね。」
「余裕そうにヘラヘラしてられるのも今のうちだぞ…はああっ!」
僕はキッドと間合いを詰めてまずは面攻撃を仕掛けた。しかし、それは彼の武器であるトランプを繰り出す銃で止められる…確か、噂によるとあの『人間兵器』と巷で呼ばれている空手の世界チャンピオンの京極真くんと互角に渡り合ったなんて言われてたから、やはりこの男は強いんだな。
「やるじゃないですか、流石は剣道のチャンピオン…少しでも反応が遅れてたら貴方の打撃が入ってたところでしたよ。」
「キッドこそ…これに反応できるとは前評判通りだな!でも、次で仕留める。たああっ!」
「よっと!」
僕が胴に向かって竹刀を振るうとキッドはバク転してこれを回避する。反応速度もバネの柔らかさもなかなかのものだ…澄晴くんはトリックだけしか取り柄がないなんて言ってたけど、なかなかの身体能力だと言える。
「どうした、逃げてばかりだったら僕は倒せないぞ!僕がそんなに怖いのか?」
「別に怖くはないです…とりあえず、決着は屋上でつけるとしましょう。先にお待ちしてますよ!」
そう言うとキッドは煙幕を出してから視界を封じていく。それから視界が開けるといつの間にかキッドはいなくなっていた…とりあえず、彼が待っているであろう屋上へと向かうことに。人の彼女に手を出した罪もこれまでの泥棒として犯した罪も全て償ってもらうからな!
(屋上へ移動中…)
それから僕は屋上にたどり着く。その真ん中には背中を向けていてズボンのポケットに手を入れて余裕そうにしているキッドがそこにはいた…
「怪盗キッド、もう逃げ場はないよ。大人しくお縄についてもらうぞ…」
「もう来ちゃいましたか、未来先輩はやっぱり凄いっすね。」
「『未来先輩』?僕はお前の先輩になった覚えはないぞ!一体何者だ?」
「それはまあ、貴方が俺に勝ったら正体を教えてやりますよ。とりあえず、決着をつけましょうか…」
「そうだね。僕もそのつもりで来てたから…覚悟はできてるよ!」
僕とキッドはそれぞれ睨み合いつつ武器を持って構え、どちらが先に動くのかを窺い合う。とにかく僕はキッドに勝たないといけないんだ…僕の彼女の直葉ちゃんに手を出したのだからもうボコボコにしないと気が済まない。
「はああっ!」
「おっと…」
(ここでトランプを出てきたか…でも筋は見切った!)
キッドは僕の攻撃を避けながらトランプ銃で僕に攻撃を仕掛ける。しかし、それを竹刀で振り払って前へと突っ込んでいく…こっちだって剣道でチャンピオンを張らせてもらってる人間としての意地があるんだ。そんなトランプでの子供騙しの技は通じるものか!
「めええええええええん!!」
「…やべっ!?」
攻撃を避けた僕は突っ込む勢いでキッドに面攻撃を浴びせ、これに彼は防ぐ術がなく頭にクリーンヒットした。直撃したキッドはその場に倒れ込み、同時に帽子とモノクルがぽとりと落ちて素顔が露となってからどんな顔か確認した。
「えっ、おまっ…いや、君は快斗くん!?」
「しまった…」
その怪盗キッドの正体はなんとウチの学校の後輩で僕の手品の師匠でもある黒羽快斗くんだった。なるほど、どうりで『未来先輩』と僕のことを呼んでたのか…納得である。
「まさか直葉ちゃんにセクハラしたのも今までキッドとして世の中を騒がせて問題を起こしてたのも快斗くんの仕業なのかい?」
「いや、あっ…直葉が来てる!」
「えっ…って、おいっ!?」
快斗くんが直葉ちゃんが来てると指を差してその方向を示しそこを見ると、その隙を突いて彼は落とした物を拾ってからハングライダーで逃げていく。それでも、キッドの正体を知れたのはかなり大きい収穫だったと言える…もう彼は僕の掌の上で踊らされてるも同然だ。
「朝倉くん!」
すると、中森警部が屋上にようやくたどり着いて僕に声をかけてくる。息が少し切れてる様子からどうやら直葉ちゃんからの報告を受けて階段を走ってきたみたいだ…本当にお疲れ様です。
「中森警部、すみません…キッドから逃げられました。」
「いや、まずは君が無事でいてくれたことが我々としてはひと安心だ。とにかく今は部屋に戻りなさい。後は俺達で何とかする…君の努力は決して無駄にはしないからな。」
「…」
中森警部は僕に対して感謝をしてから部屋に戻るようにと伝える。この場面は僕が知ったキッドの正体を捜査の主任である彼に話すべきなのだろうかと迷ったが、言えなかった…それもそうだ、快斗くんは中森警部の娘である青子ちゃんと幼馴染で親友。キッドの正体を知った中森警部と青子ちゃんの親子がショックを受けるのは目に見えている…特にこの二人にはキッドの正体を話さないと心の中で誓うのであった。
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キッドこと快斗くんと戦った次の朝、いよいよ今日は個人戦か…とりあえず目覚ましの音を聞いてから目を覚ます。あれから快斗くんが土方歳三の刀を盗んだという情報は入ってなくてどうやら彼は僕を恐れて撤退したのだろう…まあ、未然に犯罪を防げただけでも大きな収穫だ。そんなことを思っていると枕元には名刺サイズの紙があり、そこにはキッドを示すアイコンが刻まれてあった。
(快斗くん、また懲りずに予告状か?昨日は正体がバレたのに諦めが悪いな…って、えっ?)
僕はその予告状の中身を確認する。そこには『本日、桐ヶ谷直葉を頂戴する。』とだけ書かれてあった。いつも予告状とは違い時間の指定がない…つまり、いつ直葉ちゃんを狙うのかが読めないということだ。
(とりあえず、このことは中森警部に報告しないと…)
そして、僕はこのことを中森警部に朝ごはんの前に報告するのであった。とりあえず、直葉ちゃんには函館署の刑事が護衛に入ることになり厳重体制が敷かれることに…これでひとまず安心して大会に臨むことができる。大会頑張るぞ!
後編に続く
前編はいかがでしたか?書いてて自分でも思いましたけど、主人公が未来なのに未来視点少ないですよね…それどころかゲストヒロインの明日奈ちゃんの視点から始まっているのです。その理由はどうしてもキリト(和人)を動かしたいネタがあったからで…ここでも出てきましたけど、映画には同じ松岡さんが演じる福城聖ってキャラがいてその聖がいかにもキリトを意識して作ったようなキャラだったので黒の剣士同士戦わせたいと思いやっちゃいました!映画を観てて思いましたもん…聖がまんまキリトやんけって。とりあえず、勝負としてはキリトの勝ちということでここでは剣道にも復帰させた訳ですけど剣道にも復帰したらまあ彼は強いですわな…そんな感じにしていますよ。
そして、キッドがね…直葉ちゃんにセクハラをして。まったくけしからんですよ!キッドは少し変態なところがあるんですよね。作品を越えたセクハラ劇、そして後編ではついに未来とキッドがさらなる対決をするのでお楽しみに!
後編が気になる方やこれからも楽しみになさっている方はお気に入り登録、高評価、感想の3点セットをよろしくお願いいたします。それでは、また次回!
ノエルとマリンのマジエチでの一人称は?
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実際と同じ
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『私』で統一