「あっ!あの馬がこっち向いたよ。」
「い、意外と近くで見ると迫力があるね…」
今日は鈴木くんと公園に来ている。告白してから2週間ほど経っていたけれど鈴木くんの家で遊んでばかりだったため、外に出るのは初めてだ。公園には動物もいるが、動物園ほど人が大勢居るわけではないので少し気が楽だ。外を出歩くと通行人に見られている気がしていつも緊張してしまう。だから、この公園みたいに人がまばらな場所が僕は好きだ。
「あ、あっちには羊が居るみたいだから…い、行こう!」
「あっ…」
鈴木くんは僕の手を握って目的地まで歩き出す。僕の手を引く鈴木くんの顔を見る。皆は彼の顔について酷いことを言っていたけど、僕には鈴木くんの小柄な体格もあって年下の美少女にしか見えない。前世でも不細工だった僕は女性とお付き合いしたことがなかったので、鈴木くんと二人でデートをしている今は前世で憧れていたシチュエーションとどうしても重ねてしまう。
手を引かれて歩いていると鈴木くんの手が震えているのに僕は気づいた。鈴木くんは女の子と付き合うのは初めてだと言っていたけど、今回はデートに誘ってくれてこうやって僕に優しく話しかけてくれる。さっきまで僕はモテていなかった自分と重ねて彼に勝手に共感していたが、彼は僕なんかと違って一歩を踏み出した人間だ。誰かの手を握るのは勇気がいる。好きな子を誘うのは勇気がいる。
僕にはないものを持っている。そんな彼の彼女で僕は良いんだろうか?不安をまぎらわせるように鈴木くんの手を握り返すと震えは止まりゆっくりと握り返してくれた。
「はい、二人でそこに並んでね…あっもうちょっとこっちに寄って、写らないよ。」
今は公園の職員の人に写真を撮って貰っている。本当は撮るつもりはなかったけど、羊を見ていたら職員さんから話しかけられ気づいたら写真を撮ることになっていた。写真なんて殆ど撮ったことないからどんな顔をすれば良いのか分からなくて、ひきつった顔になってしまっていてぎこちない笑顔だ。でも、二人で並んだ写真を見て恋人になったんだと初めて思えた瞬間だった。
公園からの帰り道で今日見た動物について二人で盛り上がっていた。初めは罪悪感で彼と居てもなかなか楽しい気分になれなかった。でも動物に一緒に触れて写真を撮って、いつの間にか罪悪感なんて忘れて楽しんでしまっていた。夢中になって話していたら鈴木くんとの分かれる道まで着いてしまった。
少し寂しいけどお別れを言おうとした瞬間、鈴木くんは振り返って僕に微笑む。
「今日は楽しかった。山本さんまた遊ぼうね!」
夕日を背にした鈴木くんはとても綺麗で、この瞬間に僕は鈴木くんに惹かれ始めている自分に初めて気がついた。
「…うん、またね」
鈴木くんに見とれてしまった僕は曖昧な返事を返すことしかできなかった。
家に帰った僕は布団の中で今日二人で撮った写真をスマホで見ている。この写真を見ていると顔がにやけてしまいそうになる。今日のデートを思い出して握ってくれた手を見る。今も嘘の告白への不安はある。それは罪悪感から来るものから鈴木くんへ嘘を知られることへの恐怖に変わりつつあった。不安を掻き消すように手を胸に抱いて眠りにつく。
ーーーーーーーーーー
「ねぇ山本さん。あれからどうなの?」
「ど、どうって?」
鈴木くんと公園へ遊びに行った翌日の学校でいつものグループから話しかけられる。彼女たちはすごく楽しそうに僕を囲んでいる。クラスの皆は放課後で教室に残っている人はいない。彼女たちからからかわれている現場を見られたくない僕は少しほっとした。
「付き合ったんでしょ?楽しい?」
「う、うん。鈴木くんは優しくて一緒にいるの楽しいよ…」
この言葉は本当だ。本当に彼といるのは楽しい。誰かからあんな風に好意を寄せられたのは初めてで、恋人という関係を楽しんでしまっている自分がいた。
「えー、本当に?嘘ついてない?あんなに嫌がってたのに信じられないなー」
「う、嘘じゃないです。本当に、えっと…す、好きだから」
最初は嘘だった。でも、鈴木くんに何度も好きだと言って鈴木くんからも好きだと言ってくれて優しくしてくれる。本当に鈴木くんのことを…だから、嘘はつきたくなかった。
「ふーん…証拠は?」
「し、証拠?」
「そ、好きなら写真ぐらい撮ってるでしょ。それ見せてよ。」
「ご、ごめんなさい。携帯は学校に持ってきてなくて…」
「は?普通、携帯くらい学校に持ってくるでしょ。どうやって証明するの?」
「あ、明日持ってくるから」
「ま、それでいいけど。ちなみにどんな写真?撮ってるんでしょ?」
「うん。鈴木くんと二人で羊を見たときに一緒に撮った写真が…」
鈴木くんとのデートを思い出しながら僕は呟いた。男女二人で撮った写真なら証拠になるだろう。だって、付き合ってもいないのに写真を撮るなんてないんだから。
「は?そんな写真?そんなの証拠になるわけないじゃん」
「そ、そんな写真…」
僕は鈴木くんとの楽しかったデートをそんなものと言われたことが、下らないものだと言われたようでただ悲しかった。何か言い返したかった。でも、彼女たちが怖い僕はなにも言い返せず涙をこらえるために下を向いていた。好きだと言っているくせに鈴木くんの思いを僕はとことん踏みにじっている。そんな罪悪感が僕の心に広がっていく。
「あ、証拠写真を別に撮れば良いよ」
「別に?」
「うん。セックスしてるところを撮ってよ」
ーーーーーーーーーー
僕は今、人生の中で一番幸せだ。間違いなくそう断言できる。小さな頃から僕は不細工だと言われ続けて彼女なんてできると思ってなかった。いつも、二次元の世界に逃げ込んで妄想ばかりしていた。そんな僕に彼女ができた。
山本さんと出会ったのは中学の頃だった。クラスの中どころか学校でも一番かわいいんじゃないか、それくらい美少女で僕とは縁のない人間だと思っていた。
でも、転機があった。それは委員会をクラスで決めていたときの事だった。クラスからは男女1人ずつ各委員会に出さなければ行けないのだが僕と組むのをクラスの女子は皆嫌がっている。僕だってやりたくてやってる訳じゃない。他の人から押し付けられただけだ。でも嫌われていることが見せつけられたようで悲しかった。
先生に泣きついて変えて貰おう、そう思った矢先の事だった。
「私、図書委員に入ります。」
彼女がどうして一緒に委員会に入ってくれたのか分からなかった。それでも、他の女子が見せるような嫌な顔一つせずに僕と話してくれる。僕が彼女に恋をするのに時間はかからなかった。
今日は山本さんの家に初めて行く。今までは僕の家か、公園やちょっとしたお店くらいにしか行ったことがないため凄く緊張している。女の子の部屋に行くなんて初めてで未だに信じられないくらいだ。
山本さんとは初日でキスをしたけれどそれ以来そういうことは一切していない。最初は付き合えたことに興奮して思わずキスをしてしまったけど、後でネットで調べたら無理やりキスをするようなやり方は嫌われてしまうと見てから控えるようにしている。
嫌われたくないし彼女と恋人とはいえまだ学生だ。焦らなくても少しずつ仲良くしていけばいいと思っている。キスくらいはたまにしたいけれど、やっぱり相手のことも考えなければいけない。彼女とは高校を卒業しても一緒にいたいから、焦ってこの関係を終わらせたくなかった。何より彼女と一緒にいるだけで僕は楽しい。それだけで満足だった。
彼女の部屋に通される。今日は山本さんのお母さんは遅く帰ってくるようだ。少し遅くまで遊べるね、と彼女は言うが少し浮かない顔だ。何か悩みごとでもあるのかな?付き合っているんだから相談してくれると嬉しいな。聞いた方がいいんだろうか?でも踏み込んでいいのかと悩んでいると彼女から話しかけられる。
「鈴木くん…付き合ってもう1ヶ月経つね。」
「う、うん、時間がすぎるのを早く感じちゃうね…」
彼女は話しながら僕に近づいてきて、僕の手を優しくさすっている。今まで山本さんからこんな風に近づいてきたことがないため、少しの困惑とそれ以上の興奮が襲ってくる。あぁ、山本さんからは甘い匂いがして頭をくらくらさせる。
彼女の顔が僕に迫ってくる。彼女が何をしたいのか察した僕は目を瞑る。僕の2度目のキスは彼女からのキスだった。
前回は唇が触れるだけのキスだった。今回もそうなると思っていた。でも、僕の唇を抉じ開けるように彼女の舌が僕の中に侵入してくる。
「んっ」
僕たちは息継ぎを忘れたように唇を合わせる。最初は彼女の舌が僕の歯をなぞっていただけだったが、遠慮するようにゆっくりと僕の舌に絡みついくる。最初はビックリして避けようとしたけれど、彼女の舌が追いかけてくる。気づいたら僕の舌が積極的に絡みに行っていた。唇の端からは二人の混ざりあった唾液が垂れていく。顎から伝った唾液が僕のスカートから覗く足にかかる。
彼女は僕をベッドに押し倒して、スカートの中に手を伸ばす。僕のパンツの中でパンパンに膨れ上がっている肉棒を見つけた彼女は優しく手で扱いてくる。
「や、やまもとさん」
「痛かったら、教えて」
彼女はそう言うと、僕の亀頭のあたりを重点的に責めてくる。自分で何度もやってきたことのある行為なのに彼女に触れられるというだけですでに射精しそうだ。早漏だと思われたくない僕は我慢をする。
彼女を見ると真剣な顔で僕のものを凝視しながら扱いている。僕の視線に気づいたのか彼女と目が合うがすぐ視線を逸らされてキスをされる。
彼女も僕も服を着ているのにまるで裸で抱き合ってると錯覚してしまうくらい僕たちは密着している。キスと腰が抜けそうなほどの快楽に夢中になっていると、僕の太股にぬらぬらとした暖かい感覚が襲う。彼女が僕の太股を挟んで秘所を擦っているようだ。それに気づいた僕は我慢するという考えが吹き飛びそのまま精を吐き出してしまう。
「うぁっ、んっ、あぁ…」
あまりの快感に僕の口から情けない声が出てしまう。
「気持ち良かった?」
手のひらに吐き出されたものを見ていた彼女は不安そうな顔で僕の顔を覗き込んでくる。
「うん、すごかった…」
良かった…そう彼女は微笑んで下を向く。彼女がいじらしくて本当に愛しいという気持ちが湧いてくる。彼女とこんなことをするのは卒業してからだと思っていたので少し驚いたけれどそれ以上にこれで恋人だと強く実感できて僕は嬉しかった。
「まだ、おっきいね」
「えっ?」
僕のものを見ていた彼女はそう言うと、僕のものを咥えこむ。萎えかけていた肉棒は再び固さを取り戻してしまう。
「き、汚いよ」
「らいじょうぶあよ。ほら」
口に含みながら山本さんが喋るので再び快感が僕を襲う。彼女は綺麗になったと微笑みながら口を離す。彼女はベッドの脇から何か小さなものを取り出して、袋を破る。
「子供ができたら良くないから…ね?」
いくらそう言う経験がないと言ってもさすがに分かる。コンドームだった。今日はこれで終わりだと思っていたが、彼女はそう思っていなかったようだ。大切なものを扱うように彼女はコンドームを付けると、僕の上にまたがる。彼女がスカートを捲って僕のものにゆっくりと手を添えて割れ目に宛がう。彼女の薄い茂みはもうすでに濡れぼそっていた。初めて見る異性の性器に僕の視線は釘付けになってしまう。
彼女はゆっくりと腰を下ろして僕のものが彼女に包まれる。
「っつ!」
「うぁっ」
彼女の中は僕のものをぎゅうぎゅうと締め付けて思わず声が出てしまった。彼女の中は暖かくて、うねうねと僕のものを締め付けてくる。彼女が僕に覆い被さってくる。彼女の口が僕の横にきて熱い息づかいが耳元で響く。彼女は僕の上でゆっくりと前後に動いている。全然激しい動きじゃないのに締め付けが強いから手で扱いていた時以上の快感が僕を襲う。
「はぁっはぁっ、あっんっ」
彼女の荒い息づかいが僕の耳元で聞こえてくる。頭の中は快感と彼女の熱い吐息で埋め尽くされる。彼女が上だからか僕の股は既に彼女の愛液でベトベトだ。擦り付けるように彼女が動いているので、ぬちゃぬちゃと粘着質な音が部屋に響く。
「キスっ、キスをしてっそらくん!」
彼女が切羽詰まったように僕の下の名前を初めて呼ぶ。彼女の要望に応えるよう、顔を近づける。口づけをした瞬間、彼女の膣は今までにないくらい僕の肉棒を締め付ける。耐えられる訳のない僕は彼女の中に全て吐き出してしまう。
吐き出した僕のものは流石に2回目ということもあってすぐに力を失って彼女の膣圧に押されて出てきてしまう。部屋の中では二人の息づかいがずっと響いていた。