お待たせしました。
今回は後半戦……つまりは本番突入です。
作者も半ば理性を吹っ飛ばして書きました。
お見苦しい出来かもしれませんがどうかよろしくお願いします。
笛吹荘一階の台所では沙夜の身に起きている異変など知る由もない永春が夕食を作り終えて、彼女の部屋に運ぼうと準備をしていた。
「沙夜さん、風邪とかこじらせないといいけどな」
脳裏に蘇る気だるげにしていた沙夜を心配しつつ戸棚から茶碗を取り出そうとしていた時だった。上から何やら大きな物音が響いた。物を落としたにしては大きすぎるまるで人が倒れたような異様な音だ。
「なんだいまの……沙夜さん?」
妙な胸騒ぎを覚えた永春は杞憂であって欲しいと思いながら階段を駆け上がって様子を見に行った。すると不自然に扉が開けっ放しになっている沙夜の部屋では当の本人が苦しそうに蹲って荒い呼吸を繰り返していた。
「えい……しゅん、くん」
「沙夜さん!? どうしたの! 大丈夫!? どこが苦しいところか言える?」
酔ったように顔を紅潮させて、まるで雨に濡れた捨て犬のように弱った仕草で自分の名前を呼ぶ沙夜に永春は血相を変えて駆け寄った。
「ごめんなさい。どうも体調が悪化して、布団を敷いて休もうと思ったのですが立ち眩みを起こしてしまって」
「そっか……待ってて、いま代わりに敷くから。少し休んで良くならないようなら光姫さんに連絡して病院行こう」
沙夜から理由を聞くや否や永春は彼女の体をそっと壁に預けると大急ぎで布団を敷いて横になって休める用意を整えた。それが自らまな板の上にあがる鯉のような行為だとも知らずに。
「ごめんなさい」
「謝らないでよ。いまはゆっくり休んで……飲み物とお粥か何か用意するよ」
背中の方から聞こえるいまにも泣き出しそうな、どこか熱っぽい沙夜の声に永春は心底心配した優しい口調で返した。それが却って情欲に支配される沙夜の良心にチクリと痛みを与えたが淫らな快感を欲する衝動は最早止められない。
何も知らずにせっせと自分たちの閨を用意してくれている永春の姿に満足げに口角を緩めた彼女は静かに立ち上がる。
「ごめんなさい、永春くん。そう言う意味で言ったんじゃないんです」
「え……――!?」
淡雪のような白い指が後ろから自分を突然に抱きしめてきたことに気付いた時には永春は沙夜に布団の上に押し倒されていた。
※
「永春くんが悪いんですよ? 私、これでも必死で我慢していたのに……そんなに優しくしてくれるから、もう抑えられるわけないじゃないですか」
永春には自分の身に何が起きたのか分からなかった。
ただ気が付けば、あの日のように紫水晶のような瞳が黒髪の隙間から自分を上から見つめている。かつてと異なるのはその澄んだ瞳がいまはとても色っぽく爛々としていた。
「沙夜さん? あの、体調悪かったんじゃ……もう平気なの? あと、手首押さえるのやめてもらえると……ちょっと痛いんだけど」
「フゥー……フゥー……嫌なら押し退ければいいじゃないですか? 永春くんも男の子なんですし。それともそんな風に可愛いことを言って私のことを煽ってるんですか?」
「……っ!?」
体調不良を訴えていた沙夜が元気そうにしていることにも驚いたが何よりも明らかに何時もとおかしい彼女が自分を布団に組み伏せて両手首を押さえつけている現状に困惑するしかなかった。
すると不安を抑えながら声をかける永春に沙夜は拗ねた幼子のように面白くなさそうに呟いたと思えば唐突に色街の女と見間違えるような艶やかな表情で彼の首筋をじゅるりと舐めた。
「優しくて、眩しい永春くん……だけど、ずっと試さなかっただけで力ではこんなにもか弱かったんですね」
「な、なにを……んっ!」
「ちゅぷっ……んむっ」
一抹の恐怖心で敏感になっていたところに施された恋人の舌による愛撫に永春の体は跳ね上がった。しかし、馬乗りになって跨っている沙夜にすぐに力で押さえつけられる。
彼の反応に悦んでエサを目の前にした肉食獣のように口角を吊り上げた沙夜は今度は迷わずその唇を貪った。いつかの朝に交わした初々しいファーストキスのそれとは程遠い濃密な口吸いだ。
夜の静けさに染められた部屋の中で発情した獣のような大きく荒い呼吸音を響かせて、永春との口づけを堪能する。
「ま、待って……んあっ、沙夜さん落ち着い……て」
「うるさいですね。私との接吻はお気に召しませんか」
「そんなわけないけど! なんか変だよ、いまの沙夜さん!?」
一挙手一投足に色気を感じさせる沙夜の突然の戯れに永春は悶々とした火照りと、身の毛もよだつ悪寒を同時に感じながら懸命に抵抗して彼女を落ち着かせようとした。
しかし、そんな敵いっこない相手に健気に頑張る小動物的な愛くるしさがいまの沙夜の性的衝動をこれでもかと煽っていることを彼は知らない。
「昼間の化神退治のときに何かあったんじゃないの? 光姫さんに相談すればなにか……痛ッ!?」
「っぷぁ……こんなときに沙夜以外の女の人の名前を言うような悪い永春くんにはお仕置きです」
懸命に説得を試みる永春であったが何気なく放った言葉の一つに沙夜は露骨に機嫌を悪くして、再び彼の首筋に深く顔を埋めた。瞬間、永春に快感を孕んだ痛みが走った。
「くす……しるし、つけちゃいました♡」
「う……ぁぅ」
噛みつかれていた。
甘噛みだなんて可愛らしいものではない。歯型が残るぐらいにしっかりと沙夜は永春の身体を噛んでいた。
そして、得意げに微笑む沙夜を見上げて永春は無意識に生唾を飲み込んでいた。
初めて見る官能的な彼女とそんな沙夜にまるで所有物のように特別な印をつけられたことにあろうことか昂る物を感じていた。
更に恥ずかしながら、そんな愛撫で永春の愚息も否応なしに雄としてのスイッチが入ってしまっていた。ズボンの下から空気を読まずに自己主張を強めている逸物にどうか彼女が気付かないでいてくれと祈るばかりであったが……しかし、現実は非情である。
「これ、なんですか永春くん? さっきから私のお尻をぐいぐいと押し上げてきていたのですが?」
「うう……その、ごめん」
「謝らなくてもいいですよ。安心しました永春くんもちゃんと男の子だったんですねって」
「うあ――!?」
蠱惑的な笑みを浮かべながら沙夜は弄ぶような手つきで永春の股間をまさぐってみせた。
あまりの衝撃的な光景と痺れるような快感に永春は情けない声を上げてしまう。だが、同時にここまであからさまな沙夜の豹変に永春は彼女が何らかの影響で異変が生じていると確信ができた。
「こんな機会は滅多にありませんからね。これから二人でたっぷりとエッチなことしましょうよ? 私にどんなことをしてもいいんですよ?」
「……沙夜さん」
「最初に言っておきますが、永春くんがお利口さんなことを言ってもやめませんからね。ほら、沙夜の全部……ちゃんと見てください」
情緒も風情も感じられない露骨な誘惑と共に沙夜は浴衣の帯を解いて、惜しげもなく自分の裸を晒した。しゅるりと白い陶磁のような瑞々しい肌から浴衣が滑り落ちると艶めかしい桜色の乳首を勃起させた豊満な乳房がたわわに揺れた。興奮して赤く火照った下腹部の生肌と濡れ羽色をした陰部の茂みも露わになる。
「くす。永春くんのおちんちん、またビクンって跳ねました♡」
「だって……沙夜さんの裸、すごく綺麗で……そのエロいから」
「じゃあ、もう他に理由はいらないですよね。永春くんは何もしなくていいですよ……私が勝手に全部しますので」
抵抗しなければいけないのに、この異常な状態にある彼女を何とかしなければいけないのに永春は沙夜の幽かな雰囲気とは真逆な扇情的な裸体に釘付けになっていた。一方で沙夜は気恥ずかしそうにしながらも自分から目が離せないといった様子の永春に満足すると器用に彼の男根をズボンの外へと解放した。
「あは♡ 熱い……私の手が火傷してしまいそうですよ、永春くん」
「ま、待って! 沙夜さん、それはダメだって」
逞しく脈打ち、まるで炎で熱した鉄の杭のような永春の男根を愛おしそうに数回しごいて馴染ませると沙夜はすっかり濡れそぼった愛液塗れの自分の膣口へとあてがった。
「いやです♡ んっ、んんん!!」
慌てて制止する永春の声などお構いなしに沙夜は愛しい人の肉棒を一気に自分の蕩けた秘部へと挿入した。ずぶずぶと自分の奥底へと突き刺さる雄々しい逸物の感触に沙夜は無意識に大きく仰け反った。
「ひああああっ♡ すっご……すごいですよ、永春くんのおちんちん! 沙夜の大切な場所まで届いてます♡」
「ぐうぅ……あぁ」
大きな嬌声を上げて、沙夜は弾けるような快楽に身を震わせる。
二人の接合部からは破瓜の証としてじわりと赤い血が滲む。彼女の処女膜はここにあっけなく破れた。
セックス。本来なら最大限の愛情表現の一つ。性交を行っているという証明を見せつけられて――沙夜の処女をこんな形を散らせてしまった事実に永春は堪らず顔を曇らせた。だが、そんな後悔の感情をすぐに自慰では得られない桁違いの快感が押し流そうとしてくる。
「あぁ♡ ひうぅっ♡ あん♡」
永春の腰の上で沙夜はセックス中毒者のように一心不乱に腰を振って快楽に溺れる。
貪るような単調な上下運動を、時には切羽詰まった様子で腰を卑猥にくねらせて、まるで永春のことを生きた性玩具にしているような一方的なセックスで淫蕩に耽った。
「うあ……ホント、沙夜さんやめてっ。これ、すぐに射精ちゃうから……!!」
「ください♡ 私の奥にたっぷりと注いでくださいよ、永春くんの精液♡ 遠慮なんてしないで、ほら♡」
何度も小刻みに震えながら発情した雌の声を出して腰を振る沙夜の性技に永春はあっという間に追い込まれ、歯を食いしばって射精を堪えようとする。だが、化神の媚薬に蝕まれたいまの沙夜には獣のような性欲の前には歯が立たない。
無理やり両手を取られて、強制的に彼女の豊かな乳房を揉みしだく。しっとりと火照った張りのある乳肉に沈む指の感触は言葉に出来ない心地の良さだ。
男根と手から伝わる意識が飛びそうになるほどの快感に永春の忍耐は脆くも崩れた。
「ごめっ……射精る!!」
「おっ♡ ふうぅ……っ♡ 永春くんの精子きましたぁ♡」
沙夜の蕩けるような膣肉に包まれた永春の肉棒は間欠泉のような勢いで白濁を解き放った。
同時に膣口がぎゅうっと痛いほど強く逸物を締めつけて残り汁を搾り取ろうとする。そう、永春の射精を受け止めて沙夜もまた絶頂したのだ。
「まだですよ……もっと、もっとください」
初めてのセックスと絶頂をまるで作業のようにあっけなく済ませてしまった二人。
永春はやりきれない虚しさを噛みしめたが沙夜の方は未だ鎮火しない情欲に突き動かされるままに再び腰を振り始めた。
「永春くんは何も気にしなくていいんです! これは全部、私が求めてやったこと……うぅ……だから、何も考えないで気持ち良くなっていればいいんです!!」
「沙夜さん……ぐうぅ」
勢いが衰える気配もなく、色狂いの娼婦のように沙夜はセックスに没頭してふしだらな言動をみせる。イったばかりの愚息に容赦なく加えられる快感に悶える永春だったが自分の頬に降ってきた汗とは違う熱い雫にハッとする。誘惑や情欲に流されるのを耐え忍んで最愛の彼女を見れば彼女は泣いていた。
淫らに喘ぎ、顔を艶やかに紅潮させながら悲痛な涙を流していた。
瑞々しい肢体を快楽に悶えさせながら不甲斐なく媚薬の前に屈してしまったこと、世界で一番大切な永春をこんな風に巻き込んでしまった自分に悔恨の涙を流していた。
その姿に永春の中で骨抜きにされたと思われた根性と献身が燃え上がっていく。
沙夜を泣かせたまま放ってはおけないと。
「そんなの……ボクは……いやだ」
「ちゅっ……ん!?」
ずっと騎乗位で好き放題にされていたところを永春は意地で起き上ると対面座位のような格好で沙夜を優しく抱きしめると自分から愛情いっぱいに口づけを交わした。
触れたら壊れてしまうような硝子細工を扱うよう優しく、それでいて情熱的に彼女のことを抱きしめながら、慈しむように舌を交わらせて接吻をすると沙夜の様子が少しずつ変わっていった。
「永春くん……私は……なんてことを」
「何も言わないで。苦しかったね、大丈夫だよ。ボクが絶対になんとかするから」
迷子の幼子のように表情を曇らせる沙夜のことを優しく宥めつつ、永春はゆっくりと自分から腰を揺らす。
「くぅん……あっ……ひゃんっ、あっ……♡」
「痛くない? なるべく優しくするつもりだけど……どこまで有言実行できるか分かんないから」
「永春くん……このまま♡ もっと、してください♡」
滾りを保った肉棒が丹念に力強く、淫蜜で洪水となった沙夜の秘部をほじくる。
けれど、そこには愛情があった。慈しみがあった。
彼女に心から気持ち良くなってもらいたいという永春の真心がゆっくりと沙夜を蝕んでいた歪な淫欲を浄化していくような交わりだった。
「あは……すごく気持ちいです」
「ボクも、やばい。沙夜さんエロすぎ」
「ひゃい? そんな……私ばっかりじゃ、永春くんの……その、おちんちんだって、太くて逞しくて……あふぅう♡」
さっきまでの倒錯的な交わりが嘘のように二人は満ち足りた表情で深く肌を重ねて情交に耽る。仕切り直しとばかりに、いまこの瞬間にようやく沙夜と永春の初体験が始まったとばかりに。
「あむ、ん……ちゅっ……んぅっ……」
「ふぅ……ぷぁ……ぁむ……ちゅぅ」
仲睦ましく接吻を交わしながら、徐々に永春の肉棒を出し入れするペースが速まっていく。沙夜もまた全身を刺激するあたたかで優しい快楽に無上の喜びを感じながら胸を押し付け、瑞々しい手足を深く彼の体に絡ませる。
「沙夜さん……イくよ?」
「はい♡ 一緒にイきたいです。永春くん……きてください♡」
何度も何度も愛おしそうに口づけを交わして、お互いにぎゅっと抱き合い、そして再び永春の逸物から燃え滾るマグマのような白濁が吐精される。
「あ、ああ……ふわぁあああ♡ 熱いのいっぱいでてます♡」
沙夜の幸せそうな嬌声を聞きながら二人は今度こそ満ち足りた絶頂を迎えることができた。
「ハア……ハァ……ふぇ? 永春くん?」
幸福感に溺れるような虚ろな瞳で呆けていると沙夜は自分の中で尚も永春の肉柱が脈打つ感触に上擦った声を上げてしまう。何が何だかという顔できょとんとしていると彼女の肢体は最初とはあべこべに丁寧に布団に仰向けで横たえられた。
「突拍子もない理由かもだけど、こういうときは満足するまでヤれば治るって気がするからさ……頑張るよ」
未だ媚薬が抜けきらず、ふやけた意識の中で永春の決意を聞かされた沙夜は意味をちゃんと理解しないまま本能で彼を求めるままに、こくこくと頷いた。そうして、二人だけの性夜はより深まっていく。
※
夜も深まった時間帯にパン!パン!と肌をうち付け合う艶音が響く。
二人の体液でぐっしょりと湿った布団の上で沙夜と永春は正常位で激しく確かめ合う。
濡れ髪を乱れさせて永春に抱かれる沙夜は蕩けた顔で彼の成すがままにされ、汗だくの双乳をだらしなく躍動させている。
「んぉおお♡ あぁ、ふうぅぅ……永春くんすごい♡」
「沙夜さんのおっぱい、ホントすご……やわらか!」
「あ、んぁああ♡ もっと、ちから入れてもへーきですよ♡」
豊満な乳肉を好き放題に捏ね繰り回されて、充血してコリコリと勃った乳首を念入りに愛撫され、沙夜は激しく体を揺さぶって永春を求める。そんな彼女の可愛い姿に永春もまたタイミングを合わせて力強いピストンを行いまだまだ萎えを知らない剛直を何度も沙夜の深いところに突き刺す。
やがて、永春はこの夜何度目かの射精を沙夜の子宮の奥にぶちまけた。
それでも、セックスというには激しすぎる雄と雌の愛交は終わらない。
人魚の呪いからくる不死の副産物なのか永春の精力は限界知らずの如くだったのだ。
「ひ、あぁうぅ♡ ふ、深いぃぃっ♡」
あるときは四つん這いではしたなく突き出した桃尻を振り振りと誘惑する沙夜を後ろから獣の交尾のように激しく犯した。張りのある尻肉を撫でたり、ぴしゃりとはたくと色欲で頭がいっぱいになったような喘ぎ声で沙夜は鳴き、嗜虐心からチラつく薄桃色の菊門を指でなぞってやると彼女の膣口は男根を食い千切ってしまうかのような勢いで絞めつけてきて、沙夜には甘楽を、永春には禁断すれすれの悦びを与えた。
「あぁふうぅぅ♡ やら、やらぁ♡ ひぎっ、んひぃ♡」
「この体勢……すっげ。えぐい……あ、そうだ」
後背位を楽しんだ後は抜かずの後背座位へと流れ込み、二人はこれまでとはまた別物の快感によがり狂った。既に二人の頭の中に沙夜の媚薬の解毒という最初の目的はどこかへ吹き飛び、ずっとお預けを食らってきたこともあってただ只管に愛情のままに性欲を発散させるようなセックスに耽っていた。
「沙夜さん……ちょっと向き変えるよ」
「あ、んぅ? なっ……やぁあ! こ、これはダメです永春くん。こんなのはずかしいっ」
後ろから沙夜を抱きながら、がむしゃらに彼女を求めて愛していた永春はふと悪戯心を芽生えさせると繋がる自分たちを沙夜の部屋に置かれた姿見に写してセックスを続行した。
それまで色欲に流されて、だらしなく永春からの愛を堪能し、負けないぐらいに彼を愛していた沙夜だったが鏡に写し出された自分の痴態にぞくりと震えて慌てふためいた。
「た、たんまです永春くん! あ……くぅん♡ これは恥ずかしすぎておかしくなってしまいます! 向き変えてください♡」
「えー沙夜さんすごく綺麗だよ? ボクはもっとみてたい」
「う、嬉しいですけど……あひゃん♡ 羞恥心で死んでしまいます!」
「いまさら?」
「恥も痴態も全部お見せしましたけど、それでも無理ですぅ」
もう天井だと思っていた沙夜の火照りが更に激しさを増す。
肌を重ねる二人がこのまま融け合って一つになってしまうような彼女の熱い体温を愛おしく感じながらサディスティックな衝動のままに沙夜を可愛がる永春。
完全に攻守逆転して、すっかり彼に主導権を握られた沙夜は首と一緒に豊乳をブンブンと横に振って愛しい彼氏の過激な愛し方を取りやめるように懇願した。
「じゃあ、最後に一つだけみたいものを見たらやめるから、それでもいい?」
「なんでもいいので早くしてくださぁい」
「ありがと。それじゃあ、お言葉に甘えて」
「へ……?」
許しを得た永春はしっかりと沙夜を抱きしめ支えながら、空いた片手で長く伸びた彼女の前髪を横に流すと目元を露わにしてしまった。
姿見にはいつも隠れている水晶のように澄んだ紫瞳がくっきりと現れた正真正銘の沙夜の素顔が写し出されていた。
「こうしてちゃんと見るのは初めてだけど、やっぱり……本当に綺麗だよ沙夜さん。うん、綺麗だ」
「あ……ふわぁああああ♡」
何が起きたのか理解できずにフリーズしていた沙夜の情緒がゆっくりと回復して、羞恥心が洪水となって押し寄せた。それは同時に未知の快感となって肢体をも愛撫する。
文字通りありのままの自分を不意打ちで見られてしまった事実に沙夜は全身が性感帯になったように理性が色欲で塗り潰されてしまうような快感に襲われた。
「ぐうっ……沙夜さん、まんこの締めつけ、これやばい」
「はうっ♡ 知りません……ぜ、全部みられた責任とってもらいますからね♡ ふにゃああ♡」
「もちろんだよ。そのためにちょっとイジワルしちゃったから……愛してる沙夜さん」
「ふーっ♡ ふぅーっ♡ 沙夜だって、永春くんのことぉ……もっと愛してますもん」
こうして、数え切れない愛と白濁と絶頂を捧げ合いながら二人は夜が白け始めるまで貪るような交わりを何時までも続けていた。
※
「ふー……その、すごかったね。体、平気?」
「は、はい。その、本当に今回はご迷惑をおかけしてすみませんでした」
「もう、沙夜さんったら……それは言わない約束でしょ」
朝日が昇り、一日が始まりを告げる頃に初めての性行為を堪能しきった二人は体液で全身べとべとになった体を清めるために二人仲好く肩を寄せ合って湯船に浸かっていた。
数え切れない貪欲なセックスを行い媚薬の影響がすっかり消えた沙夜はつい先ほどまでの自分の淫蕩な乱れっぷりを思い出して、羞恥心で悶えっぱなしの有様だ。そんな彼女を永春は後片付けの疲労もあって少し眠たげに苦笑して窘める。
「それにボクとしてはありがたかったというかラッキーだったというかさ」
「永春くん?」
「だ、だってだよ! 正直なところ沙夜さんが笛吹荘で一緒に暮らし出すようになってずっと理性との戦いだったんだよ? そうでなくても、沙夜さん可愛いしスタイルいいのに肝心の本人が無自覚で気軽にボクにくっついてきてくれるもんだからさ……結構生殺しだったからね!?」
もうなにも隠し合う必要はないからか、突然始まった永春のカミングアウトに沙夜はきょとんとして固まってしまった。
「もちろん沙夜さんの中に出しちゃった責任は絶対に取るし、今回みたいなことがなかったら卒業まで意地でも耐える気でいたけどさ! 正直、昨夜沙夜さんとエッチできて本当にホントに嬉しかったし、幸せ者だよ! なにコイツ気持ちわるって引かれるかもしれないけど、沙夜さんの裸すっごい綺麗だったし、おっぱいはボクこれ夢見てるのかなってぐらい柔らかくて最高だったし……その、あれだよ」
「は、はあ」
「沙夜さんははしたないことしちゃったって、気に病んでるかもだけど……ボクは全然気にしてないよっていうのと、沙夜さんが嫌じゃなかったらこれからも愛のあるエッチとか沢山したいですってことですよ、はい」
猛然とヒートアップして、包み隠さず思いの丈をぶちまけた永春は言い終えた後になって自分がとんでもないことを言ってしまったと燃え尽きたように気まずそうに項垂れた。
沙夜はしばらく驚きと困惑で静かに固まっていたがゆっくりと自分なりに永春の言葉のあちこちに秘められた想いを確認すると満ち足りた笑みを浮かべて、そっと彼を抱きしめた。
「うまく言葉にできませんが……昨夜のことも色んな意味で私たちらしくて、良かったと私は思います。御伽装士としての私はまだまだ未熟でそこは猛省ですが、永春くんに愛してもらえた一時は沙夜も夢のように気持ち良かったです」
「沙夜さん……」
「その、私だってそういうことに興味はありますし……またやってみたいなとは思ってもいますし。ですから、そのぅ」
「うん。ボクたちらしく……これからもやっていこう。たくさん迷って間違えてもボクは沙夜さんが隣にいてくれれば大体何でもやれそうだから」
「はい。沙夜もそう思います」
気恥ずかしさをごまかしながら、二人は自分たちの関係を再確認すると嬉しそうにより密に肌を寄せ合う。
大家や同居人の大人たちが帰ってくる前にやらなければならないことは山ほどあるがいまは――最愛のこの人とこうして
ここまでお読みいただきありがとうございました。
慣れない物は書くんじゃないという気持ちが正直なところと、新しいことにチャレンジして楽しかった気持ち半分です(汗)
もしも時間と興が乗ったら、別の濡れ話も書くかもしれませんが一応はこれで一巻の終わりとなります。
これからもよろしくお願いします。