※この作品はR-18です。

乙女ゲームのR-18ルートに突入してしまった… 《もしかしたら あったかもしれない『はめふら』R-18ルート》   作:帆速やこぬ

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不思議な迷宮に迷い込んでしまった… 《逆ハーレム編/後編》

「…………ん……」

 

気付くと目の前にはキースの背中があった。

「……あれ? キース……?」

ジオルドの姿がないって事は、満足してくれたって事なのかな…?

「うん………」

なぜかキースがバツの悪そうな顔をして、向こうを向いて座っている。

どうしてこちらを向かないんだろう? それになんだか様子がおかしい。

「どうしたの、キース?」

「あの……あのね、義姉さん……」

視線を泳がせながら、キースは言い淀んだ。

「その………今、ジオルド様にしていた事……」

――していた事?

「……僕にも、してくれる?」

キースが恥ずかしそうにこちらを向くと、ズボンの前はパンパンに張っていた。

「!」

「さっき義姉さんが潮を吹いて乱れる姿を見てから、治まらないんだ……」

「苦しいの?」

「苦しい……うん、凄く苦しいよ……義姉さんが僕以外の男に愛されて悦んでる姿を見せられて、本当に、気が狂いそう……だから義姉さん、僕のこれ、いっぱい愛して楽にしてくれる?」

余裕のなさそうな義弟の様子に、早くしてあげなくちゃという思いに駆られる。

「……分かったわ、キース。私に任せて」

 

もどかしそうに身に着けているものを脱ぎ捨てたキースは、両手を恋人繋ぎにしてキスをした。舌を絡ませながら片手を下ろして繋いだ手を離すと、そのまま燃えてしまいそうに熱い陰茎を握らされる。

――あ……夢で見た通り、凄く太くて大きい………

手の中の硬くて熱い感触に、キースのものだと分かっていてもドキドキしてしまう――いやむしろ、このドキドキは義弟だから?

義弟の陰茎を握りながらキスするなんていやらしい事をしている自分に、背徳感でゾクゾクしてしまう。

キースは自分のペースを教えるように、私の手に手を重ねて握り、動かし始めた。

「ああっ義姉さんの手っ…温かくて凄く気持ちいい……っ!」

やがてキースは手を離して、私に委ねる。扱く度に先っぽから溢れる先走りのニチュニチュといやらしい音と、乱れた息遣いから、もうキースの限界が近いのが分かった。

「ごめん、義姉さんっ……もう…出るっ……うっくぅっ!」

熱い精液が飛び散り、お腹にかかる。握った手にもドロリと伝った。

「……キース…少しは楽になった?」

ハーハーと荒い息を吐きながら、真っ赤な顔をしたキースが頷いた。

「うん、義姉さんにしてもらうの、凄く気持ちいいよ………ね、今度は口で、してくれる?」

 

 

「――義姉さん! 出すよ! ちゃんと口で受け止めて!」

「ぁん、キースっ……もう飲めないよう…!」

何度も何度も口の中に精液を注がれ、その度にキースは飲んでとねだった。まるでジオルドと張り合っているかのように、キースは私の口に射精する事にこだわった。

太くて全部は咥えられない陰茎が一層張り詰めて噴き出す精液は凄く濃くて、飲み込んでもドロドロと喉に纏わりつく。

「―――んんん――っ!!」

飲み込むタイミングが合わず、気管の変なところに入ってしまい、激しく咳き込んだ。

「大丈夫!? 義姉さん!」

心配させたくなくてなんとか咳を治めると、キースを見上げる。

「キース……まだ、苦しい? 少しは楽になった?」

目元の涙を拭いながら聞くと、キースは我に返ったように私を抱き締めた。

「ごめん! ごめんね、義姉さん。違うんだ――苦しかったのは僕の問題で、それを義姉さんにぶつけるのは間違っているって頭では分かっているのに……。なのに僕は義姉さんの優しさに甘えて、乱暴にして……本当、最低だ――…」

「キース……」

「僕ではない相手でも義姉さんは気持ちよさそうで、その気持ちよさを飴玉なんていう見える形で見せつけられる事に、どうしようもなく苛立って――でもそれはただの八つ当たりなんだ。本当に僕は……なんて子供なんだろう………こんなんじゃ、義姉さんに選んでもらえないどころか、嫌われちゃうよね……」

悲しそうに微笑みながら、キースは私の口元を拭う。

――あ、どうしよう……キースが落ち込んじゃってる……

キースの様子が変なのもイライラしてしまうのも、きっとこの異常な状況のせいなのだから、キースが落ち込む必要なんてないのに。

子供の頃からよくそうしていたように、うつむくキースを抱き締める。

「大丈夫。何があったって、私がキースを嫌いになる事なんて、絶対にないから。私の方こそごめんなさい。キースの気持ちを気遣ってあげられなくて……」

「義姉さんは何も悪くないよ!」

キースは絶対に離さないとでも言うように私を強く抱き締めた。

「好きだ! 大好きだよ、義姉さん! 一生大切にするって約束する! 一生、僕が守る! だから僕の事だけ見つめて!!」

何も纏わないまましっかりと抱き合うと、お互いの体温と鼓動を直に感じて、ひとつになった感じがする。

――キース……いつの間にこんなに大人に――男の人になっちゃったんだろう?

ずっと一緒にいたはずなのに、びっくりだな……。

 

 

 

「―――っ!」

夢から覚めたように、ハッと気付くとアランが目の前にいた。

身体には、抱き合っていたキースの温もりがまだ残っている。

――あれ? さっきまでお腹いっぱいだったのに……

キースがたくさん口に注いでくれた精液でお腹がたぽたぽだったはずなのに、いつの間にか満腹感はなくなっている。

「? ――?」

……まあいっか。こんな不思議空間なのだから、よく分からない事が起きてもおかしくない。

それに、気が付く直前にアルくんたちに“一度、みんなのを抜いて、楽にしてあげて”と言われたのを覚えている。だから、次はアランのを………。

「えっと……」

なんと言えばいいか分からないまま切り出すと、アランが横目でこちらをちらりと見て、手の平を見せて制止した。

「いや、分かっている。あの夢魔たちから聞いている。その……あー…一度、昂りを鎮めてもらえと」

アランが耳まで赤くなっている。

「でも……口はまずいよな……」

きっと、メアリを気にしているんだ……。アランのそういう真面目なところは好感が持てる。

「じゃあ……手で、しますか…?」

「っ! お、おう……仕方がないな……」

 

目の前でされるのは照れくさいというアランの背中に回り、後ろから手を伸ばす。

そっとズボンの上から触れると、服の上からでも分かるほどドクドクと脈打っていた。

脱がせる為に、アランの背中に頬をつけ、腰に両腕を回す。

アランの鼓動がドキリと音を立てたような気がするのは、気のせいかな?

「――見えなくてやりづらいだろ。俺が外すから……」

ベルトを外して前を開ける音がし、アランがハッと息を吐いた。

「いいぞ」

見えないので勘で伸ばした手をアランが取り、自分のものを握らせる。

ゆっくりと動かし始めると、すでに硬く勃起した陰茎の感触が手の中でどんどん熱を帯び、すぐに熱い液体が手を濡らし始めた。

「アラン様……気持ちいい、ですか? 上手く、できていますか?」

「く……お前…手つき、いやらし過ぎだろ――凄い……気持ちいい」

顔は見えないけれど、フッ、フッと乱れた息遣いと硬くて熱い手の感触で、アランが興奮しているのが分かる。

――そろそろ、速めた方がいいかな?

動かすスピードを速めながら反対側の手で先っぽを弄ると、アランが慌てたように声を上げた。

「ま、待て、カタリナ! そんなにしたら――ッ」

手の中の感触が、一層張り詰めてせり上がる。

「ぅあぁっ――ぅぐっ!」

先っぽを弄っていた手の平に熱い液体がビュルルッと噴き付けられ、ドロドロとした粘液が指に絡まり、ゆっくりと伝っていく。

全力で走った後のように乱れた息のアランが振り返った。

「はっ…はぁっ…っ………凄い――よかったぞ……」

ポンと頭を撫でる。

「ありがとうな。もう大丈夫だから」

「え? あ、でも……」

アランのものは、まだまだ昂りが治まらずに勃ち上がったままだ。

 

『――それは公平じゃないなあ』

 

見上げると、アルくんたちが困ったように首を振っていた。

『それなら、こんなのはどう?』

指を鳴らすと、途端に手にドロリと纏わりついた精液から甘い香りが立つ。

『お姉さんの好きな“甘くて美味しい”だよ』

リューくんの囁きが、頭の中で直接響くみたいに聞こえる。

――甘くて、美味しい……?

「本当……甘くて…いい匂い……」

香りに誘われ思わず手の平を舐めてみると、とろりと甘い。

「お、おい…! カタリナ!」

――美味しい…!

指から手の平、腕にまでトロトロと伝った精液を舐め取っていると、アランが手首を掴んだ。

「お前……それ、は……」

「甘くてとっても美味しいですよ、アラン様!」

笑ってみせると、ビクリと陰茎が震え、アランが痛そうに顔を歪めた。

「あ……ここにも……」

手首を掴んだ時に付いたアランの指の精液を見つけ、手を取る。

「私が綺麗にして差し上げますね」

指をちゅっと吸うと、アランは指を引こうとした。

「こんな――こんな事、駄目だろ!」

「れも……まら、ろこってまふはら」

「何言ってるのか分からんぞ!」

そう言いながらもアランは結局そのまま、指をしゃぶらせてくれる。

 

『お姉さん、満足した?』

『まだ満足できないよね?』

 

――満足…?

正直に言うと、全然もの足りない。もっともっと欲しい。

 

『ほら、お姉さん……“そこ”にたくさん美味しいの、あるよ』

 

――本当だ。甘い香りがする……

アランからする香りを辿り、“そこ”を見つけ出す。

――ここに、美味しいのが………

「カタリナ!? やめっ――」

アランが何か言った気がするが、よく聞こえない。

ビクビクと震える“そこ”に顔を近づけ、つるんとした先っぽから溢れる白い液体を舐め取る。

――美味しい!

何かな? これ……練乳かな? それとも生クリーム?

――もっと……

ここの出っ張りとかピンと張った筋のところとかをぺろぺろすると、もっといっぱい出てくる気がする……

――もっともっと……

あ、なんかすっごくビクビクが強くなってきた。美味しいの、いっぱい出てきそう……

 

「ね、アラン様……もっと……美味しいの、ください」

 

「っ――!」

アランは顔を手で覆い、深く息を吐いた。

「――いやらし過ぎて、頭がおかしくなりそうだ」

 

――あ、こうすればこぼさずに全部、口で受け止められるかも……

口を大きく開けて、甘い液体の出てくる穴を口に含んで、強く吸ってみる。

「あぁあああッ!」

アランが喘ぎ、強引に口から引き抜いた。

「ぁん……アラン様…?」

「ま、待て、カタリナ! 待ってくれ。けじめだけ、つけさせてくれないか?」

「けじめ?」

「せめて、俺の方からやらせたんだという体裁を整えさせてくれ」

アランは顔を真っ赤にしながら両肩を掴む。

「カタリナ――俺のを、しゃぶってくれる、か?」

 

 

 

――立ち眩みの時のような視界が狭まる感じが解け、フッと身体が楽になる。

何をしていたんだっけ…? なんだか顎が疲れたような……。

「………!!」

――そうだ……私、アランのものをいっぱいしゃぶって……

アルくんたちに何かされて、はしたなくアランにねだり、襲うように自分からしゃぶりついた。アランの喘ぐ声が、まだ耳の奥に残っている。

思い出し、恥ずかしさで悶絶していると、後ろから優しく落ち着いた声が掛かる。

「………カタリナ?」

ニコル!?

 

確かにアルくんたちに、“一度、みんなのを抜いてあげて”と言われたけれど、我に返ってしまってから立ち直れていない。

 

「ニ、ニコル様……ちょっとだけ深呼吸してもいいですか?」

「もちろん。カタリナのペースで構わない」

大きく吸って――…ゆっくり吐いて――…。

3回繰り返してから、そっと振り返る。

「お待たせして申し訳ありません」

「いや、いいよ。こういう事は、焦っても仕方がない」

ふと、ニコルの下半身が目に入った。ズボンの前がグッと張ってしまっている。

「ニコル様……ニコル様のも、苦しそう……」

「あ、いや、これは…!」

慌てて隠そうとするニコルがなんだか可愛い。恥ずかしそうなニコルと目が合うと、二人で吹き出す。

「……今さら隠しても仕方ないか。俺の方こそ恥ずかしいな。年上なのだし俺がリードしなければならないのに……」

「いいえ、私はもうたくさん気持ちよくしてもらったのですから、今度は私に……させてください」

 

脱がせてほしいというニコルのシャツのボタンに指をかける。

魔性の魅力溢れるニコルは、シャツの胸元がはだけただけで破壊力が凄い。

なんだか頭がぐわんぐわんしながら、なんとか一枚一枚脱がせていく。

お互いに照れながら最後の下着を下すと、狭いところで窮屈そうだったニコルの男性器が解放された。

――あ、やっぱり見た事がある気がする……

ジオルド、キース、ニコルそれぞれに感じた既視感に、“私が見たの、もしかして予知夢だったのかも”などと考えていると、ニコルがベッドの縁に腰かけた。

「クリューソスとアルギュロス。ここに柔らかい敷物を敷いてくれないか」

『こーんな感じで、どう?』

ニコルの足元にふわりと現れたふかふかの敷物に屈み、その綺麗な顔に似合わない猛々しいものにそっと手を伸ばす。

――熱くて硬い感触を嬉しいと感じてしまう私は、もう立派な変態なのだろうな……

陰茎を扱く手はあっという間に溢れ出した透明の液体で濡れ、いやらしい音を立てる。

「――ニコル様……気持ちいいですか?」

「いいよ、カタリナ……本当に上手だ……ちょっと妬けてしまうくらいに、ね」

「焼ける? ……ああ、凄く熱くなっているって意味ですか」

「いや……うん、そうだね……」

ニコルはフウと息を吐くと、恥ずかしそうに言った。

「あー…カタリナ……俺にも口で、してもらえないだろうか?」

「……はい……」

大きく口を開けて頬張ると、上目遣いでニコルの様子を確認する。

「……ひもひいい、れふは?」

「はぁぁっ……そ、そう…いいよ、カタリナ」

乱れた息に混じる気持ちよさそうなニコルの声と、普段は見せない表情に、なんだかこちらまで身体が熱くなってしまう。もっともっと気持ちよくさせたくて、大きな出っ張りに舌を引っかけて舐め回しながら、強く先っぽを吸う。

「あぁぁっ! そこはっ…!」

ニコルの喘ぎに気をよくして、いっぱい刺激してみる。

「いいよ! カタリナっ! そんなにされたら、もう――…」

クッとニコルが食いしばった瞬間、一際膨れ上がった陰茎から精液が勢いよく噴き出した。

「んむっ! んんん――っ!」

濃いニコルの匂いで、頭がボーッとする。

「っ――はぁっ――はぁっ――」

荒い息で喘ぐニコルのものは、やっぱり一回出したくらいでは治まらなかった。

それでもニコルは陰茎を口から抜くと、唇の端から溢れた精液を指で優しく拭った。

「……綺麗な唇を汚してしまってすまない」

「嬉しいです、ニコル様を気持ちよくできて。だから、“汚した”なんて仰らないでください……」

「カタリナ、そんな風に言われたら、抑えが利かなくなってしまう――」

言いかけたニコルに両手を伸ばして頬に触れ、微笑んでみせる。

「我慢しないで。ニコル様のして欲しい事、私にさせてください」

「っ――! ……ありがとう、カタリナ……」

ニコルは私をギュッと抱き締めてから、私をベッドに仰向けに寝かせ、ベッドの端から頭を落とさせた。

「クリューソスとアルギュロス。ベッドの高さを高くしてもらえないだろうか」

『夢魔遣いが荒いなあ』

そう言いながらもリューくんはニコルの望み通りにしてくれる。

『どう?』

「ああ、ぴったりだ。ありがとう――カタリナ…このまま咥えてくれるか?」

――この体勢って……

ニコルの男性器と私の口が同じ高さで、口から喉が一直線になる――つまり喉まで入れられちゃう!?

夢の中でシた時は息ができないし、えずいてしまいそうになって、凄く苦しかった気がする。だけど我慢しないでと言ったのは自分だ。頑張らないと。

できるだけ大きく口を開けると、ニコルの陰茎を根元まで押し込んだ。

「んんっ!」

「はっ……ああぁっくっ…!」

――あれ、思ったより苦しくないかも……?

自然と喉が開く体勢なのか、意外とすんなり喉の奥にまで入ってくる。

えずきそうになる度に飲み込むようにして息を継ぐと、ごくんと喉が動くのが気持ちいいらしくニコルが喘いだ。

「信じられないくらい――気持ちいいよ!……まるでカタリナの中に吸い込まれていくみたいだ……もっともっと、飲み込んで……!」

普段の姿からは想像もできないほど乱れたニコルの様子に、苦しさを通り越して興奮してしまう。

やがて、喉の中の感触なのに、更にメキメキと硬く張りつめてきたのが分かった。

――ニコル、イキそうなんだ……

「カタリナっ――もう――ッ!」

喉の奥に直接、たっぷりと濃い精液が噴き出す。

「んんん――ッ」

ズポッと音を立てて陰茎を引き抜かれた途端、激しく咳き込んでしまう。

「すまない、カタリナ!……大丈夫か?」

咳き込む私の背中を優しくさすりながら、ニコルはすまない、と何度も謝った。

「……ニ、コル様?」

「俺は……たぶん意地になっていたんだ。ジオルドやアラン、キースよりももっと強い印象を残したいと、無理をさせた……自分だけ気持ちよくなって、カタリナに苦しい思いをさせて――本当にすまない……」

「大丈夫です、ニコル様。ニコル様が気持ちよくなってくだされば、私は嬉しいのですから」

ニコルは優しく頭を撫でながら微笑むと、手を取って指を絡める。

「カタリナ――俺はいつも、君のその明るさと優しさに救われているよ……」

そう言うとニコルは手の甲にキスをして、ふわりと微笑んだ。

「――心から愛している、カタリナ」

 

 

 

ニコルの魔性の微笑みで卒倒していた意識が戻ると、ジオルドの顔が目の前にあった。

ジオルドはどこか寂しそうに微笑んでいる。

「本当に君は……」

溜め息と共に言いかけ、おもむろに私を抱き締めた。

 

「君は誰と結ばれても愛され、愛し、幸せになれるのでしょう。だけど、君を誰よりも愛していて世界一幸せにできるのはこの僕ですからね。それだけは忘れないでください」

 

優しくベッドに押し倒され、ジオルドが覆い被さった。

「あ、あの……」

さっきあんなに出したはずの陰茎はビクン、ビクンと震えながら反り返り、欲望を剝き出しにしている。

年頃の男女がベッドで裸で、お互いを愛撫し、すでに何度も絶頂させ合っていて、当然こうなると分かりきっていたのに、現実にこうしてジオルドに圧し掛かられると反射的に“怖い”と感じてしまう。

「ジオルド様――」

ジオルドは人差し指を立て、微笑む口元に当てた。

「シッ――もう何も言わないで……僕を受け入れて……」

額にそっと口づけをすると、囁く。

「愛していますよ、カタリナ」

 

 

「っ――はっ…―――ん……」

――ジオルドの、が……入って、くる――…

媚薬の効果なのか、痛みはない。それでも、広げられた脚の間にゆっくりと沈み込むようにジオルドに身体を貫かれ、繋がり、身体の内側から犯される感覚に震える。

自分のものではない熱さに身体を支配され、もう後戻りできないのだと思い知りながら、求められ満たされているという幸福感も確かにあった。

「――カタリナ、苦しいようなら僕に掴まって……」

「……………ん………」

「少し、力を抜けますか?」

「……やってみます」

異物を挿入されている違和感に、どうしても身体に力が入ってしまう。

「ごめんなさい……ジオルド様が気持ちよくなれないですよね……」

驚いた顔をしたジオルドが、ふっと気が緩んだように笑った。

「いいえ、カタリナ。むしろ、僕だけ気持ちよくてすみません。それに――」

「?」

「本当の事を言うと、僕も全然余裕がないんです。君の中でキツく包み込まれて、気を抜いたらすぐに果ててしまいそうで……なにより、愛する君と繋がる事ができた悦びでどうにかなってしまいそうで……だから、君が謝る必要なんてないんですよ。慣れるまで動きませんから、少しこのままでいましょう」

そう言うとジオルドは親指をペロッと舐め、その指で陰核を撫で始めた。

「はぅ!? ……ジ、ジオルド様…!?」

唾液で濡れた指でぷりぷりと陰核を弄られ、思わず腰が浮いてしまう。

「どうですか? こうしていると気が紛れませんか?」

「あっ…ぁ………あぁぁっ」

「ふふ……よさそうですね……奥から熱い愛液がどんどん溢れてきているのが分かります……中もうねって……そろそろ動いても大丈夫そうですか、カタリナ?」

「は、い……」

ジオルドが軽く腰を引き、押し込む。

初めはゆっくりだったそれは次第に速度と強さを増し、打ち付ける度に音を立てた。

――ああ、どうしよう……気持ちよくて溶けちゃいそう……!

熱くて硬い肉棒に膣の中を擦られ、えぐられ、掻き回されて、初めてのはずなのに気持ちよくて、ジオルドの熱で溶かされているかのように愛液が溢れてくる。

「――…っ………はっ………んぅっ――っ……」

「うくっ! 凄い締め付け……君も感じてくれているのですね、カタリナ!」

みんなが見ているのだと思うと、恥ずかしくてどうしても声を押し殺してしまう。気持ちがいいのに素直に受け入れる事ができない。

ジオルドが私の片脚を持ち上げ、抱え上げる。角度と挿入が変わり、中の気持ちいい場所に先っぽが当たった。

「ああっぁんっ!」

思わず声が漏れてしまい、慌てて口を押える。

「カタリナ……もしかして、声、我慢していますか?」

「あ……えっと……はい………」

「分かりますよ。僕も、みんな見ていると思うと、ちょっと、ね……でも――」

ジオルドは嗜虐的な笑みを浮かべた。

「だからこそ、そのタガが外れてしまうほど乱れさせたいので、少し激しくしますね」

 

 

「んあああぁぁぁぁっ! 激しっ、激し過ぎます! ジオルド様ぁ!」

「いいですよ、カタリナ、その乱れぶり……僕との交わりがどんなに気持ちがいいのかを皆に見せつけましょう」

パンパンと激しく打ち付ける音に愛液の絡むブチュブチュという音が混じる。

中でどんどん硬く、大きくなっていくのが分かる。

――ジオルドもすっごく興奮してるんだ……

そう思うと余計に子宮がきゅんきゅんと疼いてしまう。

「ねえ、カタリナ……どのくらい気持ちいいか、言葉にしてもらえませんか?」

「……言葉?」

「どんな風に気持ちがいいのか、僕に教えてください」

「ええ!?」

「君の口から、淫らな言葉を聞かせて」

乱れた息遣いで腰を打ち付けながら、美しい王子様がねだる。

――そ、そんな恥ずかしい事――…

「ふふ…今、中がギュッてしましたね……淫らな言葉を思い浮かべて、感じてしまいましたか?」

「っ――!」

ジオルドのいやらしい微笑みにゾクゾクと背筋に甘い疼きが走り、気付けばはしたない言葉が口から出ていた。

「ジオルド様のっ、熱くてっ! 硬くてっ! 奥まで気持ちいいです! 溶けちゃう――身体の奥から溶けちゃうぅ!!」

ジオルドは上気した顔に満足そうな笑みを浮かべると、もう片方の脚も抱え上げた。

「あぁっ! これ、だめぇ! 奥まできちゃうの! ジオルド様のが、子宮にキスしちゃうの!」

「僕も感じますよ。突く度に君の奥が吸い付いてくるのが分かります!」

「ぁんんっ――気持ちよ過ぎておかしくなるっ! ジオルド様! 私、おかしくなっちゃう!!」

「ええ、乱れる君が可愛過ぎて、僕もおかしくなりそうです!」

自分がどんな格好で何を口走っているのかも分からずに、ただジオルドに与えられる快楽に溺れて喘ぐ。

「愛してる! 愛しています、カタリナ…ッ」

愛していると何度も囁く美貌の王子様に自分も知らない身体の奥まで貪られているという事実に、めまいに似た倒錯を感じてしまう。

「ああッ! もう、イックッ! イクッ! イッちゃうぅッ!!」

ガクガクとはしたなく腰を浮かせて痙攣し、膣がジオルドの陰茎を更に奥へと引き込もうと締まる。

「カタリナ!? そんなに締め上げられたら、抜けな――ぅくッ!」

ジオルドが大きく喘いだ瞬間、膣の奥で弾けるように熱いものが流し込まれ、溢れるのを感じた。

――熱い、の……いっぱい……出てる……

不思議と後悔はない。むしろ嬉しいとさえ感じてしまっている。

――愛されて欲望を受け入れる事が、こんなにも気持ちがいいなんて……

とろけるような快楽の余韻で全身から力が抜け、ベッドに身を預けてしまう。

「すみません、カタリナ。中に……」

申し訳なさそうなジオルドに、ふるふると首を横に振ってみせる。

「ジオルド様……本当に溶けてしまいそうに、気持ちよかったです……それに、ジオルド様に愛してもらえて、凄く嬉しかったです」

「――カタリナ!」

ジオルドは私の上半身を起こすと、強く抱き締めた。

「本当に君を愛していますよ、カタリナ。こんな形で叶う事になったのは残念ですが、君と繋がる事ができて、僕は今、とても幸せです」

見た事がないほど優しいジオルドの微笑みに、思わずドキンと心臓が音を立てる。

 

「もちろん婚約者として、ちゃんと責任は取りますから安心してください。例えこの後、誰に何をされても決して君を責めるような事はしません。それも引っくるめて、君の全てを受け止める覚悟は出来ています」

 

 

 

まばたきをした一瞬の後、もうジオルドの姿はなくなっていた。

「……キース?」

目の前にはつらそうな表情のキースがいて、よく見ると少し目が赤い。

「どうしたの、キース? 目にゴミが入った? 痛むの?」

「……大丈夫だよ、義姉さん。心配しないで」

キースは乱暴に目元を擦ると、パッと笑ってみせた。

――あ、これ、このままにしちゃいけないやつだ……

「キース!」

ペチンとキースの両頬を挟んで、しっかりと目を合わせる。

「本当の事言って! 子供の頃からずっと一緒にいるんだから、キースが無理して笑っている事くらい分かっちゃうんだからね。私はお姉ちゃんなんだから」

「……うん……義姉さん、ありがと………ちょっとだけギュってしても、いい?」

「ん」

キースの背中に腕を回して抱き締めると、キースもすがるように抱き締め返して首筋に顔をうずめた。ゆっくりと深呼吸する。

「――こうなるって心のどこかで分かっていたはずなのに、現実に、それも目の前で義姉さんを奪われるのは、想像以上につらかった……胸がえぐられるように痛くて、何もできない自分をただ呪って――でも、さっきみたいに義姉さんを乱暴に扱ったり、傷つけたりしたくなかったから、無理して笑ってみせたのだけど……かえって心配させちゃって、ごめんね」

義弟の優しい言葉に、頭を撫でてあげる。

「ちょっ…義姉さん!?」

「そんな優しいキースが、大好きよ」

キースはちょっとハッとしてから、寂しそうに笑った。

「……ずっと、子供のままでいられたらよかったのにね」

「え?」

「でも――もう僕たちは子供じゃない。そしてこの先、義姉さんは必ず誰かを選ばなければいけない時が来るんだ」

「キース……」

フウッと息を吐いたキースは、切り替えるように頭を振ると身体を離した。

「……ねえ、義姉さん……僕のお願い、聞いてくれる?」

「うん、もちろん」

「僕――義姉さんに襲われたい」

「!?」

は? え? “襲う”?

「な、何を言っているの、キース!?」

待て待て。これはきっと、何かの比喩で――

「義姉さんから、してほしい。うんと淫らに、義姉さんに貪られたい」

「ええっと――」

「ね、いいでしょ? ……僕のお願い、聞いてくれるでしょ?」

 

 

「……こんな感じ……?」

仰向けに横たわるキースに四つん這いになって跨り、身体の位置を調整する。

「ん……いいよ、そのまま……僕を入れて……」

――そういえば私、キースの手を使ってひとりエッチする夢を見たんだったな……

これはその延長だと思えば、恥ずかしくなんて―――いやいや、無理だって!

涙目で訴える。

「キース……やっぱり恥ずかしくて無理だよう……」

義弟に跨って、こんなはしたない格好で自分で動くなんて、絶対無理!!

「それに、キースの……大きいし……」

それを聞いたキースが、少し嬉しそうに笑う。

「……じゃあ、僕の言う通りにやってみて」

「う、うん……」

「まず、義姉さんの秘部を、僕のものに擦り付けながら、腰を動かしてみて」

「こ、こう……?」

下半身を前後に動かし、硬くなったキースの陰茎の裏側に秘部全体を擦り付けると、反発するように反り返る陰茎が押し返してきて愛液をたっぷりと纏う。

「初めはゆっくりでいいから……」

ぬるぬると滑る硬い肉棒の感触に、どんどん身体が昂っていくのが分かる。

「ねえキース……これも結構、恥ずかしいのだけど……」

――それにキースの――義弟のものに自分で擦り付けているのだと思うと、ゾクゾクしちゃう……

「義姉さんが恥ずかしがりながらも快楽に抗えないのが、いいんだよ」

「キースのエッチ!」

「えっち? ……って何?」

「やらしいって事!」

「えー、でも男はみんないやらしい――エッチだと思うよ?」

「そんな事は――…」

「特に、好きな人としたい、あんな事やこんな事は、みんな妄想しているよ」

「そう…なの? キースも?」

「え!? あ……うん……義姉さんとしたい事なら今までたくさん妄想してきたし、その中でもこうして義姉さんが上に乗ってリードしてくれるのが、したかった事の中で一番いやらしい事、かな」

「……うん、いやらしくて、すっごく恥ずかしい……」

「嫌だった?」

「う……うん……」

「そんな事言って、本当は義姉さんもたまらなくなっているんじゃない? だって、ほら――僕のに擦り付けながら、こんなに濡らして……音、いやらし過ぎでしょ。それにちゃんと気付いているよ……少しずつ体勢を変えて、敏感で気持ちいいところに当たるようにしてる事」

「……!」

「本当にエッチなのは、義姉さんの方じゃない?」

恥ずかしさでカアッと頬に血が上り、耳まで熱くなる。

「キースは……いやらしい姉は、嫌い…?」

キースは微笑んだ。

「まさか。そんないやらしい義姉さんも、大好きだよ……だから、二人でいっぱい気持ちよくなろ?」

 

 

「……焦らなくて大丈夫だから……無理しないで、ゆっくり腰を落として……」

陰茎の根元を支えながら、先っぽをあてがう。

「んっ……」

なるべく力を入れないようにしながら挿入していくと、メリメリと押し広げるような圧迫感で膣がいっぱいになる。

「はぁぁっ……」

キースがしっかりと腰を支えてくれていても、倒れ込みそうになってしまう。

「……大丈夫? 義姉さん」

「ごめんね、キース……ちょっとだけ待ってね、もうちょっと、このままで……」

「僕の事はいいから。そのまま僕に、身体を預けて」

「でも、重くない?」

「全然! もう子供の頃とは違うんだよ。義姉さんなんて軽々持ち上げられるから!」

二人で顔を見合わせて、吹き出す。

キースに抱きつき胸に頬をくっつけると、鼓動が早鐘を打っているのが分かる。

――キースもすっごくドキドキしてるんだ……

私だけじゃないと分かって、少し安心した。

「――なんか、幸せだな……こんな風に義姉さんと繋がって、義姉さんをこの胸に抱き締めて……ずっとこんな日が来る事を夢見ていたんだ――…まあ、ちょっと……いや、かなり思っていたのとは違うけど」

「そうだね……キースとこんな事になるなんて、思ってもみなかった」

「……ね、義姉さん……キス、して?」

「ん……」

両手をベッドについて身体を起こすと、髪を耳にかけてキースの顔に屈み込む。

キースは愛おしそうに両手を伸ばして頬を掴むと、私を引き寄せて唇を重ねた。

「…………ん………んっ………」

じっくりと舌を絡ませ、貪り合う。

「……上も下も、義姉さんと繋がっちゃったね」

ちょうど同じ事を考えていたけれど、言葉にされるとなんだかとても恥ずかしくて、キースの頬をつねる。

「ええ!? 何!? 僕、変な事言った!?」

「言ってないけど、言った」

「何それ」

困った顔のキースと顔を見合わせ、また吹き出す。

「義姉さん……そろそろ動けそう?」

「うん……」

上半身を起こすと、キースが両手を恋人繋ぎして支えてくれる。

「上下に動くのが恥ずかしいなら、前後に腰を振ってみて……」

――こんな感じ……かな?

言われた通り、腰を前後に揺らすと、みっちりと奥深くまで挿入された硬い肉棒が思いもかけない場所に当たる。

「――……んッ」

エッチの時に動くのって、抜いたり挿したりだけじゃないんだ……。

でもこれ、キースは気持ちいいのかな?

「……ぁっ……いいよ…義姉さん」

「本当に? この動き方、合ってる?」

「大丈夫……それにこういうのって正解とかないんじゃないかな。二人で気持ちよくなれる体位とか趣味嗜好を少しずつ擦り合わせていくのが、いいんじゃない?」

「そっか……そうだよね……じゃあキースはもっとこんな風に動いてとかある?」

「そうだな……もっといやらしく腰をくねらせてみて……?」

肩の位置はそのままに、おへそから恥骨を突き出すように動かしてみる。

「どう? キース」

「ふふ……やらしい腰つき……僕の為にそんなに腰を使って……それだけでゾクゾクしちゃうね……」

キースの息が乱れて、私の中でキースのビクビクが大きくなってきた。

――キース、本当に気持ちいいんだ……

嬉しくて、ギュウッと締め付けながら動いてみると、キースの硬さを改めて感じてしまう。

「っうぁっ…義姉さん!」

――こんな―…硬くて太いのに貫かれて……義弟に跨って…自分で腰振っちゃって――…

客観的に見た自分の姿を想像した瞬間、微かな理性が吹き飛び、いやらしさと気持ちよさに仰け反る。それに気付いたキースが提案した。

「義姉さん、その恰好のまま、手を僕の太ももに置いて身体を反らしてみて」

「……ぁんっ! これ、中の気持ちいいとこに、当たる…!」

恥ずかしさも忘れ、腰が勝手に気持ちいいところを刺激する為に上下に動いてしまう。

「さっきまであんなに恥ずかしがっていたのに、自分から動いて………それにそんなに仰け反って、胸を突き出して……いやらしくてすっごくいいよ!」

柔らかなベッドで弾むようにキースの陰茎を貪ると、肌と肌を打ち付ける音に愛液が混ざる、いやらしい音が響く。

「――義姉さん、僕の咥えるの、そんなに気に入った?」

「ぅん! キースの太いのっゴリゴリ擦れるの気持ちいいの! 奥にズンズンって当たるの!」

はしたない事を口走っていると分かっているのに、腰を止められない。もう完全におかしくなってしまっている。

「っ――凄い! 僕、義姉さんに貪られてるっ!」

「キースも気持ちいい? ね、気持ちいい?」

「うん! 最高に気持ちいいよ、義姉さん!……でも乳房、揺らし過ぎじゃない? いやらしくて気が変になりそう」

「止まらない! 止まらないの! 気持ちよくて、もうっ、イッちゃうっ! イック! イクッ!!」

「っ!? 駄目! 義姉さん、離れてッ!!」

キースの陰茎を奥まで咥えたまま絶頂の痙攣で思い切り締めつけてしまうと、キースも耐えられずに一緒に絶頂を迎える。お腹の奥に熱いものが弾けた。

「あ……あー……義姉さんの奥が、僕の……ゴクッ、ゴクッて――飲んでる……」

 

 

 

「え? ……あ………アラン、様……」

絶頂後の甘い痺れにボーッとしていると、いつの間に入れ替わったのか、アランが背中を向けて胡坐をかいていた。耳が赤い。

「アラン様?」

声を掛けるとビクリとしてからそっと振り返りかけたが、視線が泳ぎ、目を合わせようとしない。

気持ちは分かる。

子供の頃から木登りや魚釣りをして遊んでいた幼馴染みが、双子の兄や友人を相手にこんなにエッチな事を自分の見ている前でしているのだから。それにアランにはメアリという婚約者がいる。

「アラン様…本当に、無理をしなくても大丈夫ですから……」

「いや……そうじゃない。お前がみんなに、その……愛されている姿を見ていて、俺ももう理性が保てそうにない……というか、ついさっきもお前に口淫させてしまった訳だが……」

「アラン様……」

「正直に言うと、俺はお前と、その……したいと思ってしまっている。この腕の中でお前を滅茶苦茶にしたいなんて考えてしまっている――俺には、メアリがいるのに」

アランが自嘲気味に笑った。

「最低だろ?」

「そんな、最低だなんて……」

アランはきっと、この異常な状況で強要されてエッチな事をしているという事実を踏まえずに、婚約者としての誠意との間で板挟みになってしまっている。根が真面目なのだ。

上半身を起こしジオルドのマントを胸元に巻きつけると、声を上げた。

「アラン様!」

急に呼ばれ、驚いて振り向いたアランの顔を両手で押さえる。

「な!?」

「普段はぶっきらぼうで、口が悪くて、がさつでも、アラン様が本当は優しくて、心が真っ直ぐな事を私は知っています。それはメアリだってちゃんと知っているはずです。それに、もしも逆の立場だったとしたら、アラン様は友人を助けようとしたメアリを責めますか?」

「……いや。メアリを責めたりはしないと思う」

「それならメアリだって絶対にアラン様を責めたりはしませんわ」

「そう…だな……。むしろ何もしなかったら怒られそうだ」

二人で顔を見合わせて、吹き出す。

「……軽蔑、しないんだな、お前は」

「だってアラン様は、悪い事なんてひとつもしていないのですから」

自信満々で胸を張ると、アランはクシャリと笑う。

「――それにしても、“ぶっきらぼうで口が悪くてがさつ”は言い過ぎじゃないか?」

「ええ? これでも控え目に言ったつもりですよ?」

わざと大げさに驚いて見せると、鼻の頭を擦りながらアランが照れくさそうに呟いた。

「だが……そうか。“優しくて真っ直ぐ”、か……。そう思ってくれているんだったら、俺は誠意を見せなくちゃいけないんだろうな。お前に対しても、メアリに対しても」

「アラン様……」

「――要は、子供ができるような事をせずに、お前を気持ちよくさせればいいんだろ?」

そう言うとアランは私をヒョイと抱え上げて、四つん這いのポーズにした。

「ひぁ!? アラン様っ!? ま、待って!」

「すまん……もう待てそうにない」

アランはお尻の肉をしっかりと掴むと、アナルに舌を捻じ込んだ。

「はあぁぁぁぁっ…!」

――アランに――幼馴染みの王子に――お尻の穴を中まで舐め回されちゃってる……!

さっきたっぷりとアランに弄られ絶頂したのをお尻の穴が覚えていて、悦ぶようにヒクヒクしてしまう。

「……初めから、心のどこかでこんな予感があったのかもしれない」

「ふぇ?」

「いや、なんでもない……それよりもカタリナ、慣らしはもう必要ないよな? そろそろ――いくぞ」

力を抜けと促すように陰茎の先っぽをあてがうと、ゆっくりと沈めていく。

「ひぅっ!……かっ…はぁっ………」

ズプププと音を立ててゆっくりと挿入されたアランの陰茎は、さっきまで指で広げられていたせいか思っていたよりは苦しくない。

それでも硬い肉棒を捻じ込まれ、初めての熱さと太さに背筋がゾクゾクする。

――指と全然違う…!

「あ………んぅっ……………」

剥き出しにされた欲望にイケナイ穴を貫かれ、背徳感で腰が抜けそうになってしまう。

「……カタリナ、もしかして……軽く絶頂したか?」

「は…はい……」

「入れただけなのに? お前本当に……感じやすいのな」

恥ずかしくて返事ができないでいると、アランは背中に覆い被さるようになって両手をベッドについた。少し荒い息遣いが首筋にかかる。

「……心配するな、初めはゆっくりやるから」

言葉の通り、アランは様子を見るようにゆっくりと、引き抜いては押し込んだ。

「あっ………はぁっ……あんっ…」

手と膝をついた無防備なポーズで恥ずかしい部分をさらけ出し、お尻の穴を幼馴染みの王子に後ろから責められる。

引き抜かれる度に身体の芯を抜かれてしまうような感覚にぞわぞわと神経を刺激され、一気に貫かれ犯される感覚に身悶える。

こんな事に使う穴では決してないのに、いや、だからこその強烈な背徳感を伴う快楽に、気付けば髪を振り乱してよがってしまっていた。

「ああっ、凄い! いいのっ! 凄いのっアラン様っ…! アラン様ぁっ!」

「お前、乱れ過ぎだろ……」

そう言いながらも呆れたというよりは嬉しそうだ。

「そんなにイイなら、激しくするぞ」

今までの抽送は慣らす為でしかなかったと思い知らせるように、アランは私の腰をしっかりと掴んで激しく突き上げ、打ち付け始めた。

「あああぁっ! 深い! 深いぃっ! アラン様が奥までっ!!」

思わずシーツをギュウっと握りしめてしまう。

「ッはっ…! 中、凄いうねって――締め付けるッ!」

めまいがするほどの強烈な快感にオーガズムへとどんどん押し上げられ、肌を打ち付けるパンッパンッと乾いた音が辺りに響く。

「……打ち付ける度に尻の肉が波打って、いやらしいな」

――もう……無理……

高まる快楽に耐え切れず、腕の力が抜けて上半身をぺたりとベッドについてしまう。

「大丈夫か、カタリナ?」

「――ア、アラン様……」

「ん?」

「アラン様も、ちゃんと……気持ちいいですか?」

「ああ、正直言うと、気持ちよ過ぎて……俺もそろそろ限界だ」

アランは腰を掴んでいた手を離し、片手をベッドについて支えながら、もう片方の手を恥骨へと回した。

「!? やあぁぁ! 今そこはっ、だめぇ!」

触れられてもいないのにビキビキに勃起した陰核をグリグリと指先で潰され、目の前に星が飛ぶ。

「アラン様ッ! ――ひっうッ! ああぁぁぁッ!!」

「俺も――…ッ、ぅくっ…!」

アランは最奥に届かせようとでもするように、じっくりと奥へ精液を流し込んだ。

身体の奥を犯される感覚にブルルっと震え、ベッドに倒れ込む。

やがてアランはゆっくりと身体を離すと、突っ伏してしまった私の耳元にそっと囁いた。

いつもの声色とは違う、低く甘い声。

「お前とするのがこんなにイイなんてな……本当に信じられないくらいよかった。それに――」

まだ息が整わず絶頂の余韻でボーッとする私に、少し照れくさそうに続ける。

「――感じている時のお前、かなり――可愛かったぞ」

 

 

 

アランから言われた“可愛い”という言葉と与えられた快楽に芯からとろけていると、優しく髪を撫でられた。

ゆっくり瞼を開くと、ニコルが微笑んでいるのが目に入る。

「あ……え? ニコル様!? もしかして私、寝ちゃってました?」

「いいよ、カタリナ。眠いようなら少し眠るといい……立て続けに絶頂させられたんだ、疲れただろう」

「いえ、大丈夫です! 少しウトウトしたら元気になりました」

「そう、か? それなら……」

ふっと笑ったニコルが両腕を広げた。

「……おいで」

「はい……」

吸い寄せられるようにその腕の中へ身を委ね、ニコルの太ももに跨り、肩に手を置く。

――やっぱり、ニコルの瞳は本当に綺麗……

見つめ合うとクラクラしてきて、気付けばニコルに上半身を預けるように首に抱きついていた。ニコルが心配そうに囁く。

「――カタリナ? ……やはり少し休むか?」

「違うんです。ニコル様が素敵過ぎるから、見つめられるとクラクラしてしまって」

「……本当の事を言えば、俺の方こそ困らされているのだが」

「え!? 私何か、ニコル様を困らせる事を!?」

思わず身体を離してしまうと、ニコルは私の頬にそっと手を添わせた。

「見ていると目が離せなくなる。会えない時は会いたくてたまらないし、カタリナの事ばかり考えてしまう。別の男と話しているのを見ると引き離したくなるし、独り占めできたらどんなにいいかと願ってしまう……」

「ニコル様……」

「だから今、この腕に独り占めできて本当に嬉しいよ」

幸せそうに微笑むニコルを見ると、嬉しいような照れくさいようなふわふわとした気持ちが湧き上がって、ポウッとしてしまう。

「カタリナ――…」

名前を呼ばれただけだったけれど、ニコルが何を望んでいるのかははっきりと分かった。

すでに硬くそそり勃った陰茎はビクビクと脈打っている。それをそっと握って固定し、ゆっくりと挿入していった。硬く反り返った肉棒は長くて、どんどん奥へと分け入っていく。

「……っん……ふっ…………ッんぅ!?」

深く腰を落とすと先っぽが子宮口にグリッと当たり、反射的に少し腰を浮かしてしまう。

さっきジオルドとキースにたくさん突かれたせいで奥が疼いていて、当たっただけで甘イキした。

「カタリナ? もしかして今、奥に嵌った?」

ニコルはフルフルと震えながら頷く私を受けとめると、ギュッと抱き締めた。

「それならそのまま腰を落として、脚を俺の身体に巻き付けるみたいにしてみて」

「あ、えっと……」

ニコルの希望通りにすると、深いところにしっかり当たる事になる。

「ニ、ニコル様のが……気持ちいいところに当たってしまって……」

「俺と気持ちよくなるのは、嫌か?」

「そんな事はないです! でも、さっきちょっと当たっただけで気持ちよくて……あれを続けたらすぐにおかしくなってしまいそうで……」

「ああ、そうか」

ニコルは何かに気付いたような顔をすると、微笑んだ。

「――つまりカタリナは、俺と長く繋がっていたいと思ってくれているんだ?」

「え!? あの、えっと……?」

そういう事……なのかな?

「でも、カタリナ。女性が奥で得るオーガズムはとても深くて、かなり気持ちがいいらしいけれど」

ゾク、と快楽への期待が背筋に走る。

「俺はカタリナに最高に気持ちよくなってもらいたい。愛する人に最高のオーガズムを与えたい――駄目だろうか?」

「……ずるいです、ニコル様……そんな風に言われたらいやだなんて言えません」

「そうだね……ね、カタリナ……キス、してくれる?」

こくりと頷きニコルの唇に顔を寄せると、ニコルの両腕が背中と腰に回り、グイッと引き寄せる。

合わせた唇から差し込まれた舌が絡まり、お互いを味わいながら、乱れる吐息の合間にニコルが囁いた。

「……お願いがあるんだが……今この場では、俺を名前で呼んでくれないだろうか?」

「ニコル様?」

ニコルは人差し指で私の唇を押える。

「違う………“ニコル”」

「でも敬称もなしでなんて……」

「今だけ……このベッドの上だけでいいから」

魔性の瞳にどこか捨てられた子犬みたいな雰囲気を合わせて見つめられては、頷かない訳にいかない。

「脚、巻き付けて……カタリナの一番深いところ、感じさせて」

甘く響くニコルの言葉に、まるで魔法にかけられてしまったように素直に従ってしまう。

「んんっ………」

――やっぱり、気持ちいいところに絶妙に当たっちゃう!

脚をニコルの腰に回すと一層身体が引き寄せられて密着し、奥深くにニコルを感じる。

子宮口に嵌り込む感触に、身体の芯が甘く痺れていく。

「あぁ……あっ……ん……」

ゾクゾクが止まらない。

ニコルはぴったりと身体を密着させたまま、軽く揺すり上げるように私の奥を刺激し始める。

――あ、これ…やばい――…

子宮口をじっくりと突かれる度に身体の奥底からゆっくりと、だけど確実に湧き上がってくる、深い快感。

「やっ……これ気持ちよ過ぎて怖い…! ニコル! ニコルぅ!」

頭の中から首筋を伝って身体全体に痺れと震えが起こり、チカッチカッと目の奥に星が飛び始める。

「ああっ普通のと違うの! ゾクゾクが止まらなくて――身体の凄く深いところから気持ちいいのが――くるの!」

「いいよ――本当に可愛いよ、カタリナ……こんなに乱れて……」

大きな快感の波に襲われ、ニコルに強くしがみ付く。

「ああーっ! きちゃう! きちゃうっ! ニコルッ――イクッ! イクッ! イッちゃうぅッ!!」

溢れる涙で視界がぼやけ、自分がどんな言葉を叫んでいるのかよく分からないまま、深い絶頂に耐え切れずに思いっきりお腹に力を込めて、ニコルの陰茎を締め上げてしまう。

「うぐッ―…くッ! 搾り――取られッ――!」

ニコルも私を強く抱き締めた。

身体の奥底で熱さが弾け、ゆっくりと広がっていく。

――ニコルの……流し込まれちゃってる……

欲望に貫かれ、熱いもので満たされる感覚に悦びを感じている自分に、気付いてしまう。

身体がふわふわとして、今までの絶頂とは格段に違う長くて深い快感に飲み込まれて、たゆたう。カクカクと小さな痙攣が断続的に身体を震わせ、奥深くまで咥え込んだ膣はニコルを離そうとしない。

「――カタリナ? 大丈夫か?」

「……ごめん…なさい、ニコル様……」

「ん?」

「体に力が入らなくて……動け……ません……」

「いいよ、もう少し……このままでいよう」

互いの荒い息が治まるのを待ちながら、ニコルが時折苦しそうに息を乱す。

――もしかして、私が重くてツライのかな!?

「ニコル様? もしかして私、重いですか?」

「全然重くないが……なぜ?」

「ニコル様がなんだか苦しそうなので……」

「――ああ」

フウ、とまた息を吐きながらニコルは微笑むと、甘く囁く。

「カタリナは本当に……奥まで可愛いな……オーガズムの後だというのに、先っぽに吸い付いて離してくれないんだから」

「ふぇ…?」

長くて深い絶頂できゅんきゅんと疼く子宮口が、ニコルの先っぽを刺激してしまっているらしい。

「あの……抜きますか?」

「いいや。むしろ愛されている感じがして凄くイイし、相性がいい証拠なのだから、抜いてしまうのはもったいないな。それにせっかく愛する人と繋がれたんだ。もう少し余韻を楽しみたい。もちろんカタリナが嫌でなければ、だが」

挿入されている違和感はあるのに、それ以上に満たされている幸福感の方が強い。

ニコルのものがまだまだ熱く、硬く、欲望に震えているのを感じて、身体がもっと欲しいと疼いてきている。

みんなが見ている、自分からねだるような事はしてはいけないと思えば思うほど、身体が言う事を聞いてくれない。

「私も――もっとこうしていたい、です……」

「ではもう一度――」

ニコルが私にしか聞こえないよう声を潜めた。

「――カタリナの好きな、奥を責めようか」

その言葉にきゅん、と子宮が敏感に反応する。

ちらりと上を見上げてから、ニコルがホッとしたように息を吐いた。

「ニコル様?」

「いや……夢魔たちに止められるかと思ったけれど、続けてもいいみたいだ……たぶん、かなり大きいのができたんだと思う」

「大きいの?」

少し誇らしげに微笑んだニコルが、頬に唇を寄せた。

「いいよ。カタリナは何も気にせず、ただ気持ちよくなってくれればいいから」

 

 

「あっんっ、ニコルっ――またっ……きちゃうぅ!」

「カタ…リナっ、カタリナっ…!」

ニコルの先っぽが子宮口に優しく当たり続け、その刺激を悦ぶように膣はうねり痙攣する。

「あ…あ……飲み込まれる――こんなに吸い付いて、いやらしく絡みついて……奥へ奥へと導いて……可愛いよ、カタリナ……本当に凄く可愛い!」

「っあ――あぁっ――……」

頭が真っ白になり、視界が揺れる。

さっきからずっと絶頂から降りてこられない。

――何回イッたんだろう…?

イッたままイキ続け、数える事もできないほど頭が痺れ、ニコルから与えられる快楽を悦んで受け入れ、ゾクゾクと身体は震え続けている。

「そんなにいい? ――こんなに唾液こぼして」

そう言ってニコルは喉元まで垂れた唾液を舐め取る。

激しくされている訳ではないのに立て続けに襲う深い絶頂に、何も考えられない。身体の芯を麻痺させる甘い疼きに、ただ支配される。

「ニコル――私っ、もう――…」

そこまで言いかけて、プツリと意識が途切れた。

 

 

――私、どうして――

遠くなる意識の中、思う。

 

――悪役令嬢の私がどうして――攻略対象全員とエッチしちゃってるんだろう……?

 

 

「――ッ!」

ハッと目を開くと、四人が心配そうに覗き込んでいた。

「大丈夫ですか、カタリナ?」

ジオルドが、掛けてあったマントの胸元を直してくれる。

「義姉さん、平気?」

キースがそっと手を取り、握る。

「カタリナ、身体はつらくないか?」

アランが気遣ってくれる。

「すまない、カタリナ……無理をさせてしまった」

ニコルが申し訳なさそうに謝る。

「? ……私、もしかして気を失っていました?」

「ほんの5分ほどだが……本当に申し訳ない。また、無理をさせてしまった」

「いいえ、ニコル様。私がお願いしたのですから……」

「だが……」

身体を起こそうとするとジオルドがスッと手を貸してくれながらも、心配そうに言う。

「カタリナ、立て続けに――絶頂したのです。少し休んだ方がいいのでは?」

キースが、ジオルドと私の間にグイッと割って入った。

「ジオルド様、あまり義姉さんに近づかないでください!」

「どうして君が――いえ、皆がいるのです? 今は僕の順番のはずですが?」

その言葉に改めて四人を見回す。

なんだか久しぶりに全員揃った気がする。

――それはともかく……

みんなして裸の為、目のやり場に困ってしまう。それにエッチな事をそれぞれみんなの目の前でしてしまったのだ。

恥ずかしさで目を伏せ、なるべく周りをみないようにしていると、アルくんたちの声が降ってきた。

 

『お姉さんとお兄さんたちが頑張ってくれたおかげで、だいぶ溜まったよ』

『頑張ったというより欲望に忠実に振舞ったという方が正しくない?』

『まあ、そうだね。だいぶ楽しんでもらえたみたいだしね』

『だから、そろそろ趣向を変える事にするね』

 

『『五人で思う存分、愛し合うといいよ』』

 

「なっ…!?」

「そんな事、できるはず――」

 

『あれぇ? また振り出し?』

『もうできるでしょ?』

『ここまでくるのに、狂おしいほどの嫉妬も――』

『独占欲も――』

『反発も――』

『葛藤も――』

『全部乗り越えてきたはずだよ』

『何度もね』

 

『『できるはずだよ』』

 

アルくんとリューくんの瞳が、怪しく光る。

『それと“これ”は、僕たちからの贈り物』

リューくんが指を鳴らすと、四人が一斉にベッドの上で崩れ落ちた。

 

「な……ん?」

「くっ…!」

「か…はっ……」

「これ、は……」

 

「みんな! どうしたの!?」

何が起こったのか分からずにオロオロしていると、クスクスとアルくんたちが笑っている。

「アルくん! リューくん! みんなに何をしたの!?」

『だからぁ、“贈り物”だよ』

『お姉さんをたくさん悦ばせてあげる為の、ね』

「――まさか、媚薬!?』

『違う違う』

『知らない方がいいと思うけど』

『どうしても知りたいなら、お兄さんたちの下半身を見てみるといいかもね』

下半身……?

思わずみんなのそこへ視線を落としてしまう。いっぱい出した事で落ち着いていたはずの男性器が、ガチガチに硬くなり、反り返り、ビクビクと脈打ちながら膨れ上がっている。

「―――っ!?」

 

『あ、分かった?』

『さっきお姉さんが抜いてあげた精液をね、戻してあげたんだ』

『これで、たくさん楽しめるね』

『全部出しきるまで、お兄さんたちはお姉さんを悦ばし続けてくれるよ』

 

息を乱して身悶え、なんとかこらえようとしている四人を目の前に、どうしていいのか分からないでいると、アルくんとリューくんが両耳で囁く。

 

『――お姉さんがシてあげればいいんだよ』

「私……が?」

『そう。だってあれはお姉さんへの欲望なんだから』

「私へ、の――…?」

『あんな事になっているのは、全部お姉さんの責任だよ?』

「責任……」

『ほら、お兄さんたち凄く苦しそう……早く楽にしてあげないと』

「早く……楽に――…」

 

――そうだ……みんな私を楽にする為に、さっきまでいっぱいしてくれたんだもの。今度は私がなんとかしないと……!

 

「大丈夫! 今度は私が、みんなを楽にしてあげますね」

 

「ッ………カタリナ?」

一番近くにいたジオルドの陰茎を握り、ゆっくりと扱き始める。

「!?」

ジオルドは驚いて身を引こうとしたが、離さずに動かし続ける。

「カタリナ、手を離して! 本当に今は――抑えられないッ!」

大きく喘いだジオルドの陰茎から、勢いよく精液が噴き出す。

熱い液体がドロリとお腹にかかり、伝っていく。

「ジオルド様、どうですか? 少しは楽になりました?」

「は、はい……ありがとう…ございます、カタリナ……」

荒い息を吐きながらも少しは楽になった様子のジオルドだけれど、それでもまだ下半身のそれは硬く反り返って全然治まる気配はない。

――どうしよう…このままジオルドが楽になるまで続けた方がいいのかな……でもみんなにもしてあげないと……

迷っていると、横から苦しそうなキースが身体を寄せた。

「――ね、義姉さんっ、僕も――」

「うん、待ってねキース。今、楽にしてあげるからね」

キースの陰茎を優しく握り、上下に動かす。

「ッはあぁっ…!」

と、反対の手をニコルが取り、自分のものを握らせた。

「カタリナ、俺も――いいだろうか?」

「え!? あ、も、もちろんです」

二人とも、きっともう我慢できそうにないんだ。だけど人前で自慰をするのはやっぱり抵抗あるだろうし。

私じゃ、あまり気持ちよくできないかもしれないけれど、頑張ってみよう。

両側をキースとニコルに挟まれるように、両手を動かす。

――りょ、両手でするって難しい…!

どうしても片方に気を取られると、もう片方がおろそかになってしまう。

扱く度に立てるいやらしい音と、耐え切れずに漏れるキースとニコルの喘ぎが両側から聞こえ、だんだん恥ずかしくなってしまう。

――アルくんたちに言われて始めてしまったけれど、これって凄くいやらしいな……?

でも始めてしまった以上、もう止める事はできない。

「……カタリナ、俺も――…」

「アラン様!?」

背中から両肩に手を置いたアランが、お尻の間に陰茎を擦り付けてきた。硬い肉棒の感触が、お尻に押し付けられる。

「動かしてもいいか?」

「え? あ、はい……」

アランはお尻の肉を掴むと、挟むようにして扱き始める。

「――義姉さん、もう――…!」

ブルブルッとキースが震えたと思った瞬間、手元から熱い飛沫が飛び散った。

「ッ――っはぁっ……はぁっ……」

手を離そうとすると、大きく息を乱したままキースが手を押える。

「っ待って、義姉さん……そのまま――握っていて………」

「すまないカタリナ……こっち、も……っ! くっ」

ニコルが苦しそうに一瞬息を詰めると、精液が勢いよく噴き出した。

ビクビクと震える陰茎の先から溢れる精液が、握った両手に伝ってくる。

出したばかりなのにまだまだ硬くて、萎える様子は全然ない。とりあえず乞われるままに両手で二人のものを握っていると、背後でアランの息遣いが荒く乱れた。

「あ、ぅくッ――…うっ」

背中に熱い液体がかかり、伝っていくのを感じる。

ここからどうしようと考えていると、苦しそうな顔をしたジオルドが正面に立つ。

「ジオルド、様……?」

「カタリナ――…」

ジオルドが硬く膨れ上がった陰茎を口元に持ってくる。

 

「一度出したくらいでは、治まらないのです……今度は口でしてもらえませんか?」

「義姉さんの手で、もっと……して?」

「全然治まらない……もう少し続けてもいいか?」

「カタリナ……このまま続けてもらえないだろうか?」

「ええ? あの――えっと……」

 

 

「んむっ――んうっ――…」

ジオルドのものを口に咥え、キースとニコルのものを両手で扱き、アランからはお尻に擦り付けられている。それぞれに息を荒げ、時折漏れる短い喘ぎと熱い吐息の間に求めるように熱っぽく繰り返される自分の名前にひどく違和感を覚える。

――何、この状況…!?

自分から“楽にしてあげる”と言ってしまった以上後にも引けず、求められるまま受け入れしかなかったが、四人の欲望を目の当たりにし、性欲を向けられる事に戸惑いと同時に心のどこかで悦びを感じてしまっている自分にも気付いていた。

先程から何度かオーガズムに達しているみんなは、その度に私に精液を浴びせ、満足そうに微笑んだ。欲望の象徴を向けられ囲まれながら、この後、どうなってしまうのか、私でも何となく分かってしまう。

 

 

意外な事に、均衡を最初に破ったのはアランだった。

「すまん、カタリナ――もう我慢できそうに、ない」

そう言うとアランは腰を掴み、お尻にあてがった陰茎をアナルに一気に挿入した。

「――あぁぁっ!? アラン様っ!?」

反動でキースとニコルのものを離してしまう。

「な!? アラン!?」

慌てたようにジオルドが声を上げてから、キッと顔を上げた。

「あなたがそうくるのでしたら――」

「ジオルド様!?」

「お、おい!」

アランごとグイッとジオルドに押し倒され、アランの上に仰向けに乗っかる形で折り重なる。

反射的にアランが私の腰を両手で支えたが、ジオルドが更に上に圧し掛かり、膝の裏に手を入れて脚を広げる。

――まさか、これって…!?

「え? やっ――! む、無理です、ジオルド様ぁっ!」

「おい、待て、ジオルド! こいつに2本同時なんて無理だろ!」

制止の声を無視して、ジオルドは容赦なく硬い陰茎を突き立てた。

「うッ………く、はっ……あ、ぁ」

物凄い圧迫感。グリグリと押し込まれていく感触に耐え切れず、シーツを掴んで仰け反る。

――こんなのっ……凄過ぎるっ……!

お尻だけでもおかしくなりそうなのに膣の奥まで貫かれ、あまりの刺激に上手く喘ぐ事ができずに、ただパクパクと息を吐く。

同時にアランも苦しそうに喘いだ。

「きっつっ――」

「す…凄いですね……アランがいるせいで、さっきとは段違いに、キツい――!」

 

――私、双子の王子に前と後ろから犯されちゃってる……!

 

美貌の王子たちの熱い欲望を受け入れ悦んでいる自分に気が付いてしまった瞬間、強い背徳感がゾクゾクと身体を震わせ突然オーガズムを迎えてしまう。

「ヒぁッ…! んクッんんッ――ッ!」

自分でも止めようのない痙攣で思い切り締めつけ、二人が大きく喘いだ。

「「ッ! ちぎりとられる――!!」」

 

同時に膣とアナルに射精した後も、二人は欲望のままに私を貪った。

「ジオルド様っ! アラン様っ! これ以上は無理! ――無理です!」

上になったジオルドが激しい腰遣いで突き上げる。

そしてその勢いに持っていかれないよう、アランがしっかりと腰を掴んで押さえつけている。

「それは嘘ですね、カタリナ……だって君の身体は、ほら――こんなに悦んでいますよ……熱い愛液を溢れさせて、突いても引いてもギュッと包み込んで………僕たちのものを飲み込もうとしている――…」

「本当はもっと欲しくてたまらないんだろ? 中が“もっともっと奥に欲しい”って、うねっているぞ」

こんな淫らで、いやらしくて、ふしだらで、不誠実な行為を、幼馴染みたちとしている事が信じられない。

身体の奥底から湧き上がる甘い快楽に、ゾクゾクと震えが止まらない。

「ああ、また“イキそう”なんですね、カタリナ?」

「よし、合わせるぞ」

ジオルドとアランが息ぴったりに責め立て、私を貪り喰う。二人の荒い息と喘ぎを聞きながら頭の奥に光が閃いた。

「だめ! おかしくなるっ! 本当に、もう! だめぇぇぇっ!!」

 

 

 

義姉さんが王子たちに上下から挟まれ抱き締められるように愛されている姿に、気付かぬうちに爪が食い込むほど強く手を握り締めていた。

夢魔たちに作られていた障壁のようなものは、もうない。

繋がった三人を力尽くで引き離そうと思えば、できない事はない。

なのに、身体が動かない。

目の前で愛する人が自分以外の男に嬲られているというのに、できなかった。

心はやめろと叫んでいるのに、身体が動かせない。

理由は、自分でも分かっている。分かりたくなかったのに、理解してしまった。

 

皆それぞれに本気で義姉さんを――カタリナを愛している事を思い知ってしまったからだ。

 

今までだってずっとジオルド様やアラン様、ニコル様の気持ちは知っていた。だけど自分が義姉さんを想う気持ちが一番強いと、義姉さんをよく知り、一番ふさわしいのは僕なのだと、信じて疑わなかった。

でもこのおかしな迷宮でこんな事になって、三人のふと漏らす気持ちも言葉も愛し方も、やり場のない嫉妬心で愛する人を乱暴に扱ってしまい後悔してしまうところまで、僕と何も変わらない事を知ってしまった。

 

皆、自分以外の男に嫉妬し、ただ自分だけを見てほしくて、愛する人を悦ばせようとテクニックを駆使し、時に貪り、彼女の優しさと身体に溺れた。

きっと一番なんてない。それぞれに強く、深く、真剣に義姉さんを愛している。大切に思っている。

 

比べる事のできない気持ちに優劣をつける事などできず、けれど絶対に譲る事も引き下がる事もできずに、心と身体がバラバラに引き裂かれそうだった。

 

 

「……キース」

ジオルド様とアラン様に愛される義姉さんを歯噛みしながら見守っていると、ニコル様が声を掛けてきた。

「なんですか、ニコル様?」

「次は俺たちであれをしよう」

「義姉さんを“二人で”という事ですか?」

「ああ」

――嫌だ

反射的にそう思ったが、もう義姉さんは自分以外の三人に汚されてしまっている。

そして僕の真剣に愛したそれだって、他の三人から見れば許しがたい行為なのだ。

返事ができずにいる僕に、ニコル様が言った。

「キース、今は自分の気持ちは考えるな。カタリナを悦ばせる事だけ考えろ」

「ですが――…」

「気持ちは分かる。だがこれは、期待と望みを最悪の形で叶えられた悪い夢だ。いいか、夢なんだ」

「悪い、夢………」

「そうだ」

顔を両手で覆い、無理矢理息を深く吸い込む。ゆっくりと息を吐ききってから出した声はかすれていた。

「……どちらが、どちらを?」

「俺はさっき、たっぷりさせてもらったから、次は後ろを」

「では僕が前を」

 

 

 

「――ま、待ってキース! ちょっとだけ――ちょっとでいいから…!」

「駄目だよ、義姉さん……あんなに見せつけられて――…もう一秒だって待てないよ」

ついさっきまでジオルドとアランに両方の穴を塞がれ、二人が満足するまで激しく突かれていた。すでに陰茎は抜かれているのにまだ痙攣が止まらない。なのにキースは、休ませてくれずに一気に私を貫いた。

「やぁっ!? あぁぁぁっ!」

――やっぱりキースの、太い…!

「義姉さんの中、凄い……うねって……ずっとビクンビクンしてる……ジオルド様たちに前と後ろから責められてそんなに感じちゃった?」

ようやく解放されたと思ったところに再び捻じ込まれ、さっきまでとは違う形と大きさに、膣が戸惑うように絡みつく。

「あ……義姉さんの中、だんだん馴染んできた……」

「そろそろ俺もいいか?」

「ええ、ニコル様――義姉さん、大丈夫だよね?」

「え? ……え?」

背後に回ったニコルが、私とキースを押し倒すと背中に覆い被さった。そのままお尻に陰茎をあてがう気配だけで、もうピクピクとお尻の穴が反応してしまう。

――うそ、今度はキースとニコル!?

「カタリナ、次は俺たちで、ジオルドとアランよりも感じさせるから」

 

 

「――ニコル様がきたら、凄く狭くなったね、義姉さん……ねえ、前にされるのと後ろにされるの、どっちが好き?」

熱っぽく囁くキースが、いやらしく微笑む。

「あぁ! そんな――そんなの、分かんない…!」

「じゃあ僕とニコル様、どっちが気持ちいい? ジオルド様たちにされたのとでは?」

「わ、分かんないっ! 分かんないよお……!!」

キースに奥深くまで嵌められたまま、四つん這いになった格好でお尻の穴をニコルに貫かれている。

最初はゆっくりだった抽送は、今はもう激しく突き上げ、えぐっていた。

「ニコル様が突く度に乳房が揺れて……この格好、凄くいやらしいね」

「アナルってこんなにも背徳的で、いやらしいんだな……でもカタリナの身体なら、どんな部分でも愛せるよ」

「ああっ! 深いぃ!……激し、激し過ぎますっ、ニコル様ぁ!」

「僕は動いてないのに、ニコル様が動くと中でカリが擦れて……まるで僕がニコル様と擦りつけ合っているみたいで、ちょっと倒錯してしまいそう」

「キース……そんな、いやらしい事……言わないで!」

「こんなにギュっと締め付けて……カタリナは、前だけじゃなく、こっちも可愛いな……。本当に、奥の奥まで愛してあげたくなってしまう」

「ニコル様までっ!?」

キースが乳房を弄びながら乳首をクニクニとこねくり回し始める。

「義姉さん、どう? 義弟と幼馴染みに、前と後ろを塞がれるのは?」

「聞くまでもないかな? 下の口はもうこんなに、愛されて嬉しいと言っているのだから」

キースとニコルに淫らな言葉を囁かれ、荒く乱れた息遣いと漏れる喘ぎを目の前と首筋で聞きながら、気が変になってしまいそうなほど大きな快楽の波に押し上げられ、飲み込まれていく。

「あっ、あぁぁっ! イクッ…! イッちゃう! イックぅぅッ!!」

 

「もう義姉さんってば、こんなに乱れて………本当に可愛いね」

「まだまだ感じさせてあげるよ、カタリナ」

 

キースとニコルに繰り返し貪られ、何度も何度も身体の一番深いところで二人の欲望が弾けるのを感じながら、私はまた意識を失ってしまった――…。

 

 

 

「ん…………」

――あれ……私……

一瞬自分がどこにいるのか、何をしていたかが思い出せずにぼんやりしている私を、ジオルドとアラン、キースとニコルが覗き込んだ。

 

「気がつきましたか、カタリナ?」

「よかった、義姉さん」

「おい、大丈夫か?」

「カタリナ、苦しかったり痛かったりするところは、ないか?」

 

「あ、いえ……」

言いながらも下腹部に違和感を――ジンジンと疼くのを感じる。

――そうだ私、みんなで――五人でエッチな事をする夢を見ていたんだ……

「……え?」

――んんん!? なんでみんな、裸!?

目が覚めた時は寝ぼけていて気付かなかったけれど、心配そうに取り囲む幼馴染みたちはみんな裸だった。

――夢じゃ、なかった!

ようやく何をしていたのか、何をされていたのかを思い出し、恥ずかしさに両手で顔を隠す。

 

 

初めはひとりずつ順番にキスから始まった行為は、互いに見せつけ合うようにエスカレートしていき、愛していると囁かれながら、口にも、子宮にも、お尻にまで精液を注がれ、流し込まれてしまった。

四人それぞれに愛してくれる熱を、受け入れてしまった。

――しかもついさっきまで、私、前と後ろ同時にされて――!

「――は、恥ずかしいので、見ないでください……」

「恥ずかしがらなくてもいいんですよ、カタリナ」

「そうだよ。義姉さんが抜いてくれなかったら、僕たちどうなっていたか」

「それよりも、欲望に負けて無理をさせて悪かった」

「おかげでとても楽になった。ありがとう、カタリナ」

「みんな……」

 

四人を見回し、それからアルくんたちを振り仰ぐ。

みんなの気遣いは嬉しいが、実際問題、ここから出る為にはリューくんの持っているあの瓶をいっぱいにしなくちゃいけない。

――まだ足りない……

あと少しだけれど、瓶の上側にはまだ空きがある。

「……どうしたら、あの瓶を埋められるでしょうか?」

「!?」

驚いた表情の四人が、顔を赤らめながら見つめる。

あれ? なんか変な事、言った?

「カタリナ、それは、その……… “フリ”ですか?」

「え?」

「義姉さん。あの瓶をいっぱいにするには、えっと……エッチな事をしないといけないんだよ?」

「お前が“どうしたら”なんて言い出したら」

「それはもう、誘っているのと同じ事になる」

顔に血が上り、耳まで熱くなる。

「私、そんなつもりじゃ………」

ただ口からぽろっと出ただけなのに。

 

「分かっていますよ、そんなつもりで言ったのではないですよね?」

「それでも、僕たちは――しないといけない」

「無事に皆でここから出る為に」

「カタリナにばかり負担をかけて、すまない」

 

――ああ……そうだ………

みんなで、ここを出るんだ。

それでも、これからする事をただの作業にはしたくない。

だから、ちゃんと言おう。

「みんな――」

四人の視線を受けながら、優しく頼もしい幼馴染みたちに心からの気持ちを伝える。

 

「――大好き」

 

 

「はぁああぁぁぁっ…!」

瓶にキャンディが落ちる度、四人は代わる代わる私を愛してくれた。

 

「いきますよ、カタリナ! 全部受けとめて……!」

 

饗宴はいつまでも終わる事なく、求められ、貫かれ、快楽を貪り、貪られる。

 

「義姉さん、奥まで全部、僕で満たしてあげる…っ」

 

身体中の穴という穴を塞がれ、奥に精液を注ぎ込まれ、四人の欲望にただ溺れる。

 

「ほら、いくぞ、カタリナ――こっちの穴でも全部飲み干してくれよ」

 

次々と、休む間もなく与えられ続ける絶頂から降りられないまま、重ねられる享楽に耽る。

 

「さあ、注ぐよ……二人でひとつに溶け合おう、カタリナ」

 

甘く痺れる身体が芯から快楽に染められ、何もかもが――破滅フラグの事すらどうでもよくなってしまう。

仲の良い幼馴染みにはもう戻れないと知りながら、欲望を受け入れる自分を止められない。

ジオルドがそんな私の気持ちを見透かすように、微笑んだ。

 

「言ったでしょう? 君に何があっても、誰に何をされようとも、君への愛が揺らぐ事はないし、責任を持つと。そしてそれは――まぁあまりライバルの肩を持ちたくはないのですが――皆一緒ですよ」

 

 

と、パチパチと拍手の音が響いた。

アルくんとリューくんがにこやかに笑いながら両手を打ち、傍に浮いた大きな瓶にはぎっしりと色とりどりのキャンディが詰まっていた。

 

『――いい雰囲気のところ、邪魔しちゃって悪いけど』

『目標達成だよー』

 

「本当に!? 帰れるの?」

「もちろん。そういう契約だったでしょう?」

――よかった………

力が抜けてへたり込み、みんなも気が抜けたような顔でアルくんたちを見上げている。

 

『これだけあれば、かなり長く楽しめるかなあ』

『僕たちの為に、ありがとう』

そう言うと、二人は優雅にお辞儀をしてみせる。

『まあ僕たちの為というよりは、お姉さんの為だろうけどね』

『もっと言えば途中から目的がすり替わっていたし』

『“お姉さんを悦ばせる”という目的はすり替わってないと思うよ。ただ、それを達成する為の過程を、お兄さんたちが最大限に楽しんでたってだけで』

忍び笑いをするアルくんたちの姿が、急にぼやける。

 

「…あれ……?」

 

目がおかしくなっちゃったのかとジオルドを見ると、なんだか身体が薄っすらと透けている気がする。

「――ジオルド様!?」

ジオルドが驚いたように自分の身体を見下して、こちらに手を伸ばした。

「カタリナ!」

だがその手を取る前に、ジオルドはかき消すようにいなくなってしまった。

「!?」

「義姉さん!」

「カタリナ!」

振り向くと三人の身体も透け始めている。

「キース! アラン様! ニコル様!」

三人も、スウッと目の前で消えてしまう。

 

『――時間だね。契約が為ったから、僕たちの魔術も解け始めてる』

『大丈夫、お兄さんたちは向こうの世界に戻っただけだから』

ほんの少し、アルくんとリューくんの笑顔に寂しそうな影が差す。

 

不思議な迷宮に誘い込み、色々な冒険と、幼馴染みたちと交わる事を強要させた張本人。

なのに、もうお別れなのだと思うと寂しいと感じてしまう。

「アルくん! リューくん! また、会えるよね?」

二人は答えず、曖昧に微笑んだまま、ふわりと私のところへ降りてきた。

 

『――お姉さんにはかなり無理をさせちゃったね』

『ごめんね』

「その事はもういいよ。二人に必要だったのでしょう?」

『それはもちろん』

『これは、僕たちからお礼のしるし』

そう言うと、アルくんとリューくんは両頬にキスをしてくれる。

唇が離れても、頬に優しい温もりとくすぐったさが残った。

 

「私の方こそ、ここに迷い込んだ時はびっくりしたし、エッチな事をさせられたのは大変だったけれど、でも最初の方の冒険は楽しかったよ。だから、ありがとう」

 

アルくんとリューくんの頬にチュッとキスすると、二人は呆気に取られたようにポカンとした。

 

『………お礼を言われたのなんて、初めてかも………』

『うん……そうだね………』

 

不意に周囲が揺らぐと、足元がぐらついた。

「きゃあっ……!?」

ベッドも、壁や床も、崩れていくように音もなくゆっくりと消えていく。

手を見ると、私も透け始めていた。

 

『お別れだよ』

『さようなら、お姉さん』

 

アルくんがさりげなく私のお腹を撫でてから、離れた。リューくんは何か言いたそうにしたけれど、結局何も言わなかった。

「アルくん! リューくん!」

私が落ちていっているのか、アルくんたちがどんどん上に昇っているのか分からないけれど、ゆっくりと、だけど確実に二人の姿が遠のいていく。

アルくんが何か言った。

『向こうに戻ってもほとんど時間は経っていないから安心してね』

 

「何? なんて? 聞こえないよ、アルくん!」

 

『ああ、もう聞こえないか――…』

「アルくん! リューくん!」

声はもう届かない。

それでもお別れの挨拶に、手を振る。

一生懸命に手を振り、二人の姿が見えなくなるまで別れを惜しむ気持ちを精一杯、示す。

やがて眠りに落ちるように身体が闇に沈み、私の意識も遠のいていった――…。

 

 

 

『……アルギュロス、どうしてあんな事したのさ?』

『えー? 何の事?』

『とぼけちゃって。お姉さんの――』

『んん~…気まぐれ?』

『……まあ、いいけど』

アルギュロスは瓶にそっと手を置いて、呟いた。

『――ただ僕は、お姉さんには悲しい思いをして欲しくないって思っただけさ』

 

 

 

 

「――カタリナ、どうかしましたか?」

ハッと気付くと、私は生徒会室の扉の前にいた。

みんなはすでに部屋の中にいて、入り口に立っている私を不思議そうに見ている。

「あ……いえ、なんでもありません」

いつもと変わらない生徒会室。いつも通りの幼馴染みたち。

――扉をくぐる瞬間、ふと誰かに呼ばれた気がした。

 

「……アルくん?」

 

扉を振り返る。――けれどそこには誰もおらず、たった今歩いてきたはずの廊下が見えるだけだ。

傍にいたジオルドが不思議そうに訊ねる。

「アルくんとは、誰ですか?」

「え……?」

自分でも驚いて、無意識に頬を指で触れる。

知らない名前なのに、その名前を思い出そうとするとキュッと胸が締め付けられるような寂しさが湧き起こって、疼く。

「………誰でしょう? 私にも分かりません。なぜだか、口から出てきたんです」

言いながら、扉を閉める。

部屋の中では、キースが首を傾げながらポケットを探っていた。

「変だな……どこで落としたんだろう?」

「何を失くしたのですか?」

キースに声を掛けるジオルドに目をやり、唇に血が滲んでいる事に気が付く。

「ジオルド様、口の端、どうかされたんですか?」

そっと唇に触れ、痛みに顔をしかめながらジオルドは首を傾げた。

 

「いいえ? ……いつ噛んでしまったのでしょう? 記憶にありませんが――」

 

 

 

 

 




逆ハーレム編はどうしようか色々悩みましたが、逆ハーレム状態にするには第三者から強制されるシチュでしか成り立たないと思い、こういう展開のお話になりました。
五人で共有する為にライバルを受け入れる心情にしなければならないのに、お互いに嫉妬してなかなか進みまず、思った以上に長くなってしまいました。
お付き合いいただき、ありがとうございました!ヾ(≧▽≦)ノ
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