乙女ゲームのR-18ルートに突入してしまった… 《もしかしたら あったかもしれない『はめふら』R-18ルート》 作:帆速やこぬ
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「あれも、これも、全部美味しい…!!」
「もう、カタリナ様ったら……。それでは試食になりませんよ」
困ったような、それでいて嬉しそうな顔で、マリアが笑う。
私が――というよりクラエス公爵家が――資金面を全面的にバックアップし、マリアの作るお菓子を提供する焼き菓子店を、二人で開く事になった。
つまり私がオーナーで、マリアが菓子職人のお店だ。
いい物件も確保でき、ピンクと水色と白を基調にした可愛い外観へ、改装も終わった。
店名はもちろん、『FORTUNE LOVER』!
オープンを1週間後に控え、今はメニューの調整中だ。
目の前のテーブルには、店頭に並べる予定の商品が並べられている。
「とりあえず、クッキーは10種類、マフィンはプレーンの他にナッツとチョコチップとドライフルーツとキャラメルの5種類、タルトはチーズクリーム&レモンジャム、ミルククリーム&ラム酒漬けレーズン、チョコレートムース&オレンジの蜂蜜漬けの3種類、という感じですが……」
「うん、クッキーとマフィンは少しずつバリエーションを増やしていくとして、タルトも土台さえ焼いておけばフィリングを変えるだけでいいでしょ。問題は――」
「目玉商品、ですよね」
「誰も食べた事がないようなもの?」
「あと1週間では少し難しいですね」
「それに持ち帰りやすさも考えなくちゃいけないからね」
マリアの希望でイートインスペースは作らず、テイクアウトオンリーという業態に決まったのだが、そうするとクリーム盛り盛りのケーキとか、パフェとかは難しい。
「……それにしても、ここまで来るのにあっという間でしたね」
あらかた整った店内を見回し、マリアがホッと息を吐いた。
「二人でたくさん相談して、あちこち物件を見に行ったり、どんなお店にするか決めたり、外観やらオーブンの位置とか厨房の内装を考えたり、包装用の小物を選んだり……ホント、大変だったね」
うーん、と伸びをして、マリアと笑い合う。
「でも嬉しいです。カタリナ様と二人で、こんな立派なお店を出せるなんて」
愛おしそうに厨房の作業台を撫でるマリアの手を取り、握る。
「ありがとう、マリア。私の思い付きに乗ってくれて」
「いいえ、わたしの方こそ、カタリナ様に誘っていただけて嬉しかったです」
「だってマリアのお菓子は、絶対にみんなを笑顔にできるもの!」
グッと拳を握って力強く言うと、マリアはにっこりと笑った。
「ありがとうございます」
ある日マリアが差し入れてくれたお菓子を口に運びながら、“こんなに美味しいお菓子、私だけが食べるのはもったいない!”と天啓のように閃いたのが菓子店開店だった。
――ま、学園祭で実績もあるしね
大繁盛間違いなしの未来を妄想して口元を緩めていると、ポンとマリアが両手を合わせた。
「では、旬の果物を使ったものなどは、どうでしょう?」
「あ、いいかも! 季節限定品!」
「今の時期ですと――苺でしょうか。今夜、少し考えてみます」
「今日は私も泊まって、一緒に考えるわ!」
「はい!」
店舗の2階がマリアの居住スペースになっていて、すでに何日か前に引っ越してきている。
これも“移動時間をなくして、その分の時間を仕入れや仕込みに使いたい”というマリアたっての希望だ。
「では先にお風呂と夕食を済ませてしまいましょう」
「う――――――ん……」
居間のテーブルで開店の宣伝ビラを考えて唸っていると、マリアが声を掛けた。
「カタリナ様、お風呂の準備ができましたので、どうぞ今日の疲れを洗い流してきてください」
「あ、うん。私は別に、マリアの後で構わないけど……」
「いえ、その間にわたしは夕食の準備をしてしまいますので」
「そう? じゃあ、お先にいただきます」
「はい。タオルと下着は脱衣所に用意してあります。わたしのもので恐縮ですが、洗濯はしてありますので……」
「ありがとう~。貸してもらうね」
いそいそとお風呂場に行くと、改装直後は殺風景だったそこは、今はリネン類が整然と並び、花が飾られ、マリアらしい清潔感と可愛さで溢れていた。
鼻歌を歌いながら服を脱いで、置いてあったカゴにポイポイと放り込んでいく。
ここに来る時はいつも商家の娘さん風の服装で、馬車も少し手前で降りて、歩いて来ている。
貴族が馬車を乗り付け頻繁に出入りして、開店前から店に変な印象を持たれたくないからだ。
――やっぱり、純粋にマリアのお菓子の美味しさで勝負したいもんね!
フンス、とひとり意気込んでいると、パタパタと足音がして扉の向こうからマリアが声を掛けた。
「カタリナ様ー、後でまとめて洗濯しますので、脱いだものはそのまま置いておいてください」
「え、あー、うん、分かったー」
つい返事をしてしまってから、いや、でも、友人に洗わせるのはだめだよね、と思い直す。
マリアは友人であってメイドではない。
対等の立場でいたい相手を、召使いのように扱いたくはない。
――自分の分は後でちゃんと自分で洗っとこっと
「――わあ、いい匂い!」
お風呂上がりの香を漂わせたカタリナ様が後ろから抱きつき、肩越しに顔を覗かせた。
「キャッ」
「あ、ごめんね、びっくりさせちゃった?」
「いえ、その……」
背中に押し付けられた胸の感触と、親しげに肩に置かれた手の温もりが嬉しくて、とは口が裂けても言えない。
「んんん~、美味しそうな匂い! ハンバーグ?」
「いえ、せっかくカタリナ様に春キャベツと新玉ねぎとトマトを頂いたので、今夜はトマトソースで煮込んだロールキャベツとオニオンスープです」
鍋にはロールキャベツが並び、たっぷりのソースに浸ってクツクツと煮込まれている。
「煮込んでいる間に、コールスローサラダも作ってしまいますね」
「何か、手伝おうか?」
「でしたら、テーブルにカトラリーを並べていただいてもよろしいですか?」
「任せて!」
楽しそうに食卓の準備を始めるカタリナ様に、思わず微笑む。
いつだって朗らかで明るいカタリナ様は、見ているだけで元気が出てきて、一緒にいれば楽しくなってしまう。
キャベツを千切りにしてから、酢と油と塩と胡椒にハーブを加えて手早く混ぜてドレッシングを作っていると、カタリナ様が振り返った。
「こっちはできたよ、マリア!」
「ありがとうございます。こちらもすぐにできますので、席に着いてお待ちください」
「はーい」
器に千切りキャベツとくし切りにしたトマトを盛り、ドレッシングを回しかける。
煮込み加減を確認する為に鍋の蓋を開けると、トマトの甘酸っぱい香りが広がった。途端に食卓に着いたカタリナ様のお腹がぐうう、と大きな音を立て、恥ずかしそうに笑う。
「あはは……。あ、サラダとスープ、運んじゃうね」
「お願いします」
グツグツとソースが煮立つ熱々のロールキャベツを皿に盛り付け、食卓の中央にパンを盛ったカゴを置いて、席に着く。
「とっても美味しそう!!」
「いただきましょう、カタリナ様。熱いので火傷しないよう気を付けてくださいね」
「うん、いっただっきまーす!」
カタリナ様はナイフを入れて肉汁の溢れ出したロールキャベツを頬張り、ハフハフと熱を逃がしながら目を輝かせた。
「んんん―っ、キャベツとろっとろ~、トマトソースも最っ高! すっごく美味しいよ、マリア! お菓子だけでなく料理も天才!!」
「そんな……ありがとうございます。でも美味しいのはきっと、カタリナ様が愛情込めて育てられた野菜のおかげです」
カタリナ様の言葉に照れながらも、嬉しくてつい顔が緩んでしまう。
自分でも一口食べてみて、予想以上の出来ばえに満足する。
――やっぱり好きな人が育てた野菜で、好きな人に喜んでもらいたいと思って調理すると、全然違うんだな……
大好きなカタリナ様が目の前で幸せそうに自分の料理を食べてくれる事が心の底から嬉しくて、少し涙が出そうになる。
「マリア? どうかした?」
「いえ、少し熱かっただけです。あ、カタリナ様。デザートにラム酒漬けレーズンの入ったミルクプリンもありますよ」
「わあ、楽しみ!」
「ねえ、マリア」
ミルクプリンを口に運びながら、カタリナ様が首を傾げた。
「本当によかったの? 人を雇わなくて」
「はい。できるだけ、わたしの手が回る範囲で済ませたいのです。味が落ちてしまってはいけませんから」
「そっか、真面目なマリアらしい。そうだね、人を雇うのは忙しくなったらその時に考えればいいよね」
うんうん、と頷くカタリナ様に、少し罪悪感を覚える。
――申し訳ありません、カタリナ様。嘘を吐いてしまいました……
本当は、カタリナ様と二人きりで過ごせる時間を誰にも邪魔されたくないだけで、そんなわたしの言葉を素直に信じてくれるカタリナ様を前に、チクリと胸が痛む。
「さ、後片付けをして、作戦会議の続き、しよ!」
いつの間にかデザートを食べ終わったカタリナ様が、皿を下げようとしていた。
「カ、カタリナ様!? わたしがやりますから!」
「えー? 一緒にやろうよお」
結局二人でキッチンに立ち、わたしが洗った皿をカタリナ様に拭いていただく。
「マリア、そんな風に気を遣わないで。私たち、友人で共同経営者で運命共同体なのだから!」
――運命、共同体……
その言葉の響きに、胸の奥に熱いものが込み上げてくる。
「……カタリナ様は、どうしてわたしに、こんなに良くしてくださるのですか…?」
そう、出会った時からカタリナ様は優しかった。
それは陰口や陰湿な行為が嫌いで、身分など気にしない、真っ直ぐで純粋な性格ゆえかと思っていたけれど。
屈託なく、カタリナ様が笑う。
「だって私たち、友達でしょ?」
「ですが――…」
何に引っかかっているのか自分でも分からず、言葉が出てこない。
カタリナ様はそんなわたしを見て、んー…と考える。
「……やっぱり、マリアが可愛いから、かな」
「え!? ――きゃあっ」
急に褒められ、思わず洗いかけの皿を取り落とす。
「大丈夫!?」
「はい……割れていないようです」
皿を確認してホッとしながら返事をすると、カタリナ様は真剣な表情でわたしの手を取る。
「違うよ、マリア。怪我はない?」
どんな小さな傷でも見逃さない、という目で手を確認する優しいカタリナ様に、胸がきゅうっと締め付けられる。
「……大丈夫、です」
「そう、よかった――ごめんね」
胸を撫で下ろしたカタリナ様が、なぜか謝った。
「私が変な事言ったから、びっくりさせちゃったよね」
「そんな! カタリナ様は悪くないです! 元はと言えば、わたしが変な事を聞いてしまったせいで――」
二人で顔を合わせ、やがてどちらともなく笑い合う。
カタリナ様は洗い終わった皿を取り上げた。
「……あのね、マリア。さっきの話の続きだけど―――マリアは本当に可愛くって綺麗で魅力的だから、女の私でもドキドキしちゃうんだよね。自然と視線が吸い寄せられるっていうか」
「……………」
頬が熱い。きっと今わたし、顔が赤い。
カタリナ様も照れくさいのか、手にした皿の同じところを何度も何度も拭いている。
「それで知り合ってからは、勉強や生徒会の活動をすっごく頑張っている姿とか、自分が大変な時でも私の勉強を見てくれたりとか、そういう優しくて芯があって頑張り屋なところも大好きになって。あと、やっぱり笑顔が可愛くて、あ、もちろん普通にしていても可愛いんだけど、笑うと花が咲いたみたいに可愛くて、この笑顔を守る為なら何でもできるって思えちゃうっていうか――」
こんな風に手放しに褒められてしまうと、恥ずかしくてカタリナ様をまともに見られない。
「あああの、カタリナ様! ありがとうございます! もう充分、分かりましたので――ええっと、わたし、お風呂入ってきますね!」
「え!? あ、うん……」
――行っちゃった……
ポツンとキッチンに残され、“まだまだマリアの素敵なところ、たくさん上げられるのに”とちょっと残念に思う。
――ちゃんと、マリアと出会えてよかったと思っている事、言いたかったな……
乙女ゲーム『FORTUNE LOVER』の主人公、マリア・キャンベル。
魔法学園で出会ったばかりの頃は警戒しなければいけない相手だったマリアも、知り合っていくにつれどんどん大好きになってしまった。真っ先に私が攻略されてしまったと言ってもいい。
容姿だけでなく、性格も素敵なマリアが攻略対象たちに愛されるのは当然で、攻略されてしまうのは時間の問題と思われたけれど、マリアは結局、誰も選ばなかった。
友情エンドを迎えた事で私の破滅エンドも回避できたけれど、その喜びが引いて冷静になったある日、ふと思った。
この世界が『FORTUNE LOVER』の世界である事は間違いない。
けれどシナリオは狂いまくっており、その原因は“私”――カタリナ・クラエスの行動の結果に他ならない。
疎遠であるはずのジオルドと親しく付き合い、キースが孤独を感じないよう構い倒し、メアリが恋に落ちるはずの大切なセリフをアランから奪い、ソフィアと仲良くなる事で関わるはずのないニコルとも交流が生まれた。
破滅エンド回避の為に必要だった行動に後悔はないけれど、その行動は相関図を書き換え、マリアは恋が進展しないどころか恋すらしていなかった。
結果として、私はマリアの幸せを奪ってしまったのかもしれないのだ。
もちろん可愛くて性格もいいマリアの事だから、これからいくらでも出会いはあると思うし、余計な事かもしれないけれど、私はマリアの幸せの為にできるだけの事をする責任があると思う。
なにより、大切で大好きな友人の為、私にできる事ならどんな事でもしてあげたい。
そのひとつとして、マリアのお菓子作りの才能を世に広める為に、焼き菓子店を提案したのだ。
マリアのお菓子は本当に美味しいから、必ずお店は繁盛する。安定して収入が得られるようになれば、それを元手にマリアはもっと色々やりたい事を自由に選択でき、世界が広がっていくはずだ。
初めは思い付きだったこの菓子店のアイデアも、“マリアの為にもなる”という免罪符で後押しされ、突然で少し強引な提案のはずなのにマリアは快く引き受けてくれた。
そして、そんな罪悪感を忘れかけてしまうくらい、今はもう“二人で作り上げる”事が楽しくて仕方がなくなっている。
私にできるせめてもの贖罪なのに楽しんでしまって申し訳ないけれど、それでも今はこの焼き菓子店が最高の状態でスタートできるよう、頑張るだけだった。
脱衣所に駆け込むように入り、扉を後ろ手で閉める。
――胸が――…
ドキンドキンと心臓が大きな音を立て、カタリナ様に聞こえてしまっていなかったか、心配になる。
カタリナ様の言葉が嬉し過ぎて、恥ずかしさで居たたまれず、逃げるようにキッチンを後にしてしまった。
壁の鏡に映る自分の顔を見て、真っ赤になった頬を両手で押さえる。
「~~~~~~っ!」
好きで好きで大好きなカタリナ様にあんなに褒められ、はっきりと好意を口にしてもらえて、幸せ過ぎて身体が熱い。
ぷるぷると頭を振り、服のボタンに手をかけた。
――早く……お風呂を済ませてカタリナ様のところへ戻らないと……
脱いだ服をカゴに入れようとした手が、止まる。
――これ……カタリナ様の――…
先に入ったカタリナ様の下着が置いてあるのは当然で、それも自分が“置いておいて欲しい”と言ったのだ。震える指で手を伸ばしかけ、ハッと後ろを振り返る。
人の気配のない事を確認してから、それを手に取った。その繊細な生地がカタリナ様の大切な部分を一日包んでいたのだと思うとそれだけで愛おしく、気付けば顔をうずめてしまっていた。
甘酸っぱい香りと、ほんの少し、汗の匂い。
――カタリナ様の匂い……
思い切り吸い込むと、愛する人の濃い香りがクラクラと酔うように思考を奪い、下半身がきゅんきゅんと痛いくらいに疼き出す。そっと下着越しに秘部を撫でつけると敏感になった身体がビクリと反応した。
――こんな――こんな事、いけないのに――
理性が囁くのに、指が止められない。
――駄目、こんなところで自慰なんて――今夜はカタリナ様もいるのに――…
いけないと思えば思うほど身体は昂り、カタリナ様の香りを深く吸い込みながら弄る事で、まるでカタリナ様から愛されているように錯覚してしまう。
脚に力が入らなくなり、ズルズルと壁にもたれたまま座り込んで下着を脱ぎ捨てる。
脚の間に指を突き立てると、くちゅくちゅと愛液が音を立てて絡まり、後から後から溢れ出した。
「カタリナ様……カタリナ様………大好きです、カタリナ様……」
指を引き抜き、たっぷりと愛液を纏った指でぬるぬると陰核を撫でつけると、ピクッ、ピクッ、と腰が勝手に動いてしまう。
「んっ――っ!!」
声を噛み殺し、カタリナ様の香りに包まれながら、オーガズムへと急速に昇り詰めていく。
――もう少し――あとちょっと――…!
「――マリアー、やっぱり私、自分の洗濯物は自分で洗うから――…」
おそらくわたしがお風呂場にいると思っていたのだろう、脱衣所の扉を開けて声を張り上げたカタリナ様が言葉を切り、床に座り込んだわたしに視線を落とした。
「「!!?」」
言い訳しようのない姿を最愛の人に見られてしまい、昂りは一瞬で消え失せる。
固まっていたカタリナ様は、ハッとしてから視線を逸らし、両手を振った。
「ごごごごごめん、マリア! 見てない! 何も見てないから!」
そう叫ぶと慌てて脱衣所を出て、扉を閉める。
――見られた! 見られた! 見られた! 見られた…!
ショックで思考が停止する。その場から立ち上がる事もできずにいると、カタリナ様は扉の外から声を掛けた。
「私、居間にいるね! マリアはゆっくりお風呂入って!」
「……………はい」
遠ざかる足音を聞きながら無意識に返事をし、ふらりとお風呂場に行く。
「…………………」
かけ湯をして湯船に沈み、しばらくしてから急に我に返った。
「~~~~~~ッ!!!」
――見られてしまった! カタリナ様に! あんな事をしている姿を…!
恥ずかしさで死んでしまいそうになりながら、自分の迂闊さを呪う。
これから、どうしよう……あんな姿を見せて、きっとカタリナ様は軽蔑するよね……もう顔も合わせてもらえないかも……
涙が溢れて湯船に音もなく落ちた。
自分の下着を嗅ぎながら自慰をされて、軽蔑どころか嫌悪されてもおかしくない。
このお店の事も白紙になってしまうかもしれない。もうわたしとは会ってくださらないかもしれない。一部から聖女様と呼ばれるほど優しいカタリナ様の事だから、もしかしたら今までと変わらずに接してくださるかもしれないけれど、それでも心は一歩引いてしまっているだろう。
屈託のないあの笑顔を向けてもらえる事はもうないのだと思うと、悲しくて涙が止まらなかった。
きっと今夜が、カタリナ様と過ごせる最後になる。
それなら、心からお慕いしていた事だけはちゃんと伝えたい。
――伝えたい、じゃない。伝えよう
そう決心した時、お風呂場の扉をノックする音がした。
「マリア……ちょっと入っていい?」
カタリナ様!?
「あの、ど、どうぞ」
カタリナ様が、なぜかタオルを身体に巻き付けただけの姿で入ってきた。
「カタリナ様!? その恰好は――いえ、それよりも、先程はお見苦しいものをお見せしてしまい、申し訳ありませんでした」
「それは、いいの! ノックもせずに入った私が悪いのだから! だから、その……」
顔を赤くしながらもじもじしていたカタリナ様が、置いてあった海綿に目を留め、取り上げる。
「さっきのお詫びに、背中、流してあげる!」
「――――んっ」
マリアの後ろに立ち、艶やかな肩を海綿で撫でると、マリアが声を漏らす。
「ごめん! 痛かった?」
「違います、ちょっとくすぐったくて……」
思いついた勢いに任せてお風呂場に乗り込んでしまったが、お互いになんと切り出したらいいか分からず、少し気まずい沈黙が落ちる。
「……ね、マリア」
「はい!」
そうでなくても緊張してピンと伸びたマリアの背筋が、更に伸びる。
「――“マリアは私の事が好き”って、自惚れてもいいのかな?」
「っ」
肩がビクッとした。
「大丈夫。どんな答えでも、このお店を開く事に変わりはないし、マリアを嫌いになったりしないから」
顔を見ない方が話しやすいかと思って聞いてみたけれど、マリアの背中は緊張したままだ。
さっきの光景は衝撃だったけれど、嬉しくもあった。
――清純を絵に描いたようなマリアが、私の下着であんな事――…
そう考えるだけで身体が火照って疼き、胸が高鳴ってしまう。
「さっきマリアが嗅いでたのって、私の下着だよね?」
「~~~~~」
聞き方が直球過ぎたか、両手で顔を覆ってしまったマリアに慌てて言い直す。
「怒ってる訳じゃないよ!? マリアが私にそんな感情を持っていたのが意外でびっくりしちゃっただけで、その……イヤではなかったから……」
「……え?」
マリアが驚いた顔で振り返った。
「カタリナ様はわたしの事を、気持ちが悪いとは思われないのですか?」
「あ、うん。ちょっと嬉しいって思ったって言ったら、私の方こそ気持ち悪いって思われちゃう?」
「いいえ、まさか!」
マリアは身体ごと向き直ると、頬を紅潮させる。
「構っていただけなくて寂しいと思う事はあっても、わたしがカタリナ様を嫌いになるなんて事は、天地がひっくり返ってもありません!!」
「ん、ありがと、マリア。私も同じ気持ちだよ」
「同じ……」
呟き、俯いたマリアはキッと顔を上げた。
「いいえ、同じのはずありません! カタリナ様は知らないのです。わたしがどんなにカタリナ様をお慕いしているのか、出会えた事をどれだけ感謝しているのか、こんなにも大切に想える人の傍にいられる事をどれだけ幸せだと感じているのか、わたしが――」
唇が微かに震え、瞳から涙がぽろぽろとこぼれる。
「――わたしがどんなに、カタリナ様を愛しているのか―――」
想いと一緒に溢れる涙を指ですくって拭い、繰り返す。
「同じ、だよ。私も、マリアが好き」
「カタリナ様のそれは友人としてで、わたしと同じでは――」
言いかけるマリアの唇を奪う。
重ねた唇をあむあむと優しく噛み、吸いながら離すと、マリアの唇がぷるんと揺れた。
驚きで目を見開いて固まっていたマリアが、カアッと真っ赤になる。
「カッ、カタリナ様!? 今の? 今のは――?」
「……友人は、こんなキスしないよね?」
一瞬息を飲んだマリアは、また俯いてしまう。
「あの……でも、恋人のキスは、もっと……」
「もっと?」
少しからかうように聞き返すと、マリアは潤んだ瞳で見上げた。
「もっと深く絡め合うキスだと……聞いています……」
すがるように上半身を預けて顔を近づけるマリアの頬を、両手で挟む。
「欲しがりなマリア、可愛い」
もう一度唇を重ねると、今度はマリアも応えるように唇と舌で受け止めた。
「……ん…………んぅ……」
――主人公は、漏れる吐息まで可愛い……舌も唾液も甘くて、溶けちゃいそう……
たっぷりとお互いの舌を貪り合ってから、とろけそうな瞳のマリアと見つめ合う。
「信じてくれた?」
こくん、とマリアが頷く。
「この続きは、マリアを洗ってからね」
「え? あ、はい……」
少し残念そうに頷くマリアの耳元に、そっと囁く。
「綺麗にしたらその後で、頭から足の先までマリアをぜーんぶ、食べさせて」
石鹸を手に取って泡立て、海綿を使わずに手の平で丁寧に洗っていく。
「マリアの肌、真っ白で綺麗……」
あっという間にマリアの背中と腕は泡だらけになった。
「前も洗って、いい?」
「え!? あの―――はい……」
一瞬慌てたマリアが、恥ずかしそうに頷いた。
後ろから抱き締めるように腕を絡め、そっと鎖骨から洗っていく。ゆっくりと乳房に手を下ろしていくとピクッと反応したけれど、マリアに嫌がる素振りはない。
円を描くように手を滑らせ、柔らかな曲線に合わせてくるくると乳房を洗う。
「ちょっと持ち上げるね」
手の平に乳房を乗せるように持ち上げ、脇から乳房の下にかけて優しく擦る。
「ふっ……ん…んっ――」
甘い溜め息を漏らすマリアに、焦らすように囁いた。
「ここは後で、ね」
白い泡の中にツンと勃つピンク色の突起には触れず、手をおへそ周りに滑らせる。
ゆっくりと下腹部へと下ろしていくと、ふっ、ふっ、と息を乱したマリアがその行く先を期待するようにジッと見守っていた。
「ね、マリア。脚を洗うから、湯舟の縁に座ってくれる?」
「え?………は、はい……」
マリアは素直に湯船に腰かける。
膝をくっつけて座るマリアの前にしゃがみ、そのまま太もも、ふくらはぎと洗っていく。
「少し、足を上げてね」
「そんな、カタリナ様に足を洗わせるなんて、できません!」
「いいの。私が洗ってあげたいのだし、お詫びって言ったでしょ?」
「ですが――」
たっぷりの泡で、マリアの片足を包む。
かかとや土踏まず、甲を手で擦り、足の指の間も指を入れてぬるぬるとよく洗う。
マリアが震えをこらえるように唇を噛んだ。
――ここも、マリアのイイところなんだ……
満足感を覚えながらもう片方の足も洗い、もう一度マリアに立ってもらってから、巻き付けていたタオルを外した。
「カタリナ様!?」
石鹸を自分の乳房に擦り付けると、マリアに正面から抱きつく。
「こっちは、敏感で繊細なところだから――優しく洗わないと」
ぬりゅ、ぬりゅ、と泡立った石鹸と肌に擦り付けた石鹸が合わさり、乳房とその芯を官能的な感触で刺激した。
「……もうすっごくコリコリ。身体を洗われて興奮しちゃった? それとも――期待してた?」
「両方、です……」
自分の乳房を持ち上げるようにすると、マリアも同じようにして、くりゅくりゅとお互いの乳首を擦り付け合う。
「んっ……はあっ………んんっ♡」
敏感になった乳首は軽くかするだけで背筋が痺れ、押し潰すように強く当てればお腹の奥を甘く疼かせる。
「どんどん硬くなるね……でも石鹸がぬるぬるするから、痛くないでしょ?」
「カタリナ、様……わたし、もう――これだけで達してしまいそうです――」
膝をそわそわと合わせながらマリアが涙目で見つめる。
「マリア、敏感で凄く可愛い――でも、もうちょっと我慢ね。まだ大事なところ、洗っていないから」
そう言いながら、石鹸をマリアのお尻に擦り付け、両手で揉みしだくように泡立てる。
「すべすべで……もちもち。胸とは違う感触で、こっちも好き」
「カタリナ様に気に入っていただけたのでしたら、わたしも嬉しいです……」
「そろそろ私も、我慢できないから――大切な部分を洗う前に、一度石鹸を流しちゃおっか」
全身の泡をお湯で洗い流すと、カタリナ様は満足そうに頷いた。
「マリア、お肌ピッカピカだね――じゃあ仕上げ。片脚を上げて、広げてもらえる?」
「は、い……」
湯船に片脚を上げると、カタリナ様が目の前にしゃがみ、じっくりと恥ずかしい部分を眺める。
「恥ずかしい?」
「い、いえ! カタリナ様が望まれるのでしたら、わたしはどんな事でもできます」
――カタリナ様に――見られてしまっている……
あんな事を言ってしまったけれど、自分から脚を広げ股間を晒す事が、思った以上にはしたない恰好で恥ずかしい。
「綺麗にしてあげるね」
くぱっ、と音を立てて広げられた秘部に、たっぷりの泡を乗せたカタリナ様の手が滑り込んだ。
ふかふかの泡と指先が優しく秘部を外側から中心へと洗っていく。
「すっごくぬるぬるしてるね……石鹸の泡だけじゃないみたい。それに熱くて――どんどん出てくる……」
――誰にも触られた事のないところを――カタリナ様に触れられている!
「あ……あっん………」
恥ずかしさと悦びで声が勝手に漏れ出てしまう。
愛撫と言っていいほど優しく念入りに擦られ、先程の自慰を絶頂寸前で止められた昂りを身体が思い出す。
「マリア、一番敏感なところもちゃんと洗わないと」
――一番、敏感――…
「さっきマリアが弄っていたところ、見せて?」
カァッと頬に血が上る。
「カタリナ様……先程は“何も見ていない”って仰っていたのに……」
「んー、ごめん。あまりに衝撃的な場面だったから目に焼き付いちゃって」
「そこは忘れて――記憶から消してください!」
「どうして?」
カタリナ様が不思議そうに首を傾げる。
「可愛いマリアのあんな淫らな姿、知っているのは私だけなのに? それに――」
耳元に顔を寄せたカタリナ様が、優しく耳を噛む。
「これからいっぱい二人で、もっといやらしい事するんだよ?」
「っ――!」
「私は、マリアの普段は秘めている欲望、見せない表情、隠している部分、ぜーんぶ見たいな」
淫らでいやらしい本当のわたしの姿を、愛する人が望んでくださっていると思うと、抗えるはずもない。
「ど、どうぞ、ご存分に――」
ドクン、ドクン、と鳴る心臓の音を聞きながら、被っている皮を持ち上げて自ら陰核を剥き出し見せつける行為に、今までになく興奮している自分に気付く。
「ふふ……思った通り、可愛い♡ マリアも見て」
促されて見下ろすと、赤く充血した突起が泡の中に見え隠れしていた。
「ほら、こんなに顔を出して――早く触れてほしいって震えてる」
カタリナ様は、泡立てた石鹼をそっと動かしながら押し洗い始める。
手は触れていないのに、密着する泡が押し付けられては引かれるだけで、敏感になった陰核はヒクヒクと反応してしまう。
やがて優しくお湯をかけて泡を洗い流したカタリナ様は、くすりと笑う。
「洗ったばかりなのに、もうトロトロ」
カタリナ様が触れようとした手を引っ込め、何か思いついたように悪戯っぽく微笑んだ。
「――ねえ、マリア」
「はい」
「見ていてあげるから、さっきの自慰の続き、して?」
「えぇ!?」
「マリアのエッチな姿が見たいな」
「あの、カタリナ様……“えっち”とは…?」
「エッチっていうのは、はしたなくて、淫らで、いやらしい事――ね、エッチなマリア、見せてくれるでしょ?」
「……あの…………はい……」
湯船の縁に腰かけたマリアが、自分の乳房を揉みしだいている。
やがてその手はツンと硬くなった乳首をクニクニとこね始め、甘い吐息を漏らす。
「んっ………ん♡」
――可愛いマリアが、私の前でひとりエッチしてる……
想像だにしなかった光景に、言い知れない背徳感でゾクゾクしてしまう。
さっき偶然見てしまった、マリアのひとりエッチ。
慌てて謝って居間に戻ってから何とか心を落ち着けようとしたが、目に焼き付いてしまったその光景がちらつき、心臓のドキドキは止まらなかった。
――あのマリアでも――主人公でも、ひとりエッチとかするんだ……
でもそれも当然なのかもしれない。
ここは乙女ゲームの世界ではあるけれど、恋愛の先にはいつか、結婚や出産というイベントがあるのだ。キスを交わせばその先の行為もあるし、興味だって性欲だって、当然あるだろう。
それでもよく知っている友人が自分の秘部を弄っている姿はやはり衝撃で、その淫らな姿に興奮してしまっていた。
顔を赤らめて、何かを嗅ぎながら悶える姿を思い返す度、こちらの身体まで熱くなってしまう。そしてふと気付いた。
――あれ? マリアが嗅いでたのって――…
「……………」
その事実に気が付いた瞬間、急に冷静になる。
服を脱ぎ捨てて脱衣所に向かい、タオルを巻き付けると私はお風呂場の扉をノックした。
「――マリア、ちょっと入っていい?」
理屈ではない。
直感で、マリアをひとりにしてはいけないと思った。
だってたぶん、マリアは私を欲望の対象にしてしまうくらい、好意を寄せてくれている。
その相手に、一番見られたくないはずの相手に、一番見られたくない姿を見られてしまったマリアは、きっと今、絶望に打ちひしがれている。
だから、女の子だってそういう気分になる時があると、恥ずかしがらなくてもいいのだと、言ってあげないと。
どうしたらいいのか具体的な事はなんにも考えていないけれど、その場の状況によって出たとこ勝負だった。
自ら乳房をまさぐり、息を乱す美少女を前に、私までポウッと身体が疼いてくる。
目を閉じていたマリアが、こちらを見た。
熱っぽい視線を受け止めていると、自然と手が自分の乳房に伸びてしまう。
触れられるのを待っていたかのような乳房は軽く手を這わせるだけで気持ちよく、乳首はまだ何もしていないのにビンビンに勃起していた。
マリアと見つめ合いながら、自分の乳房を愛撫する。
やがてマリアの片手が脚の間へと滑り込むと、柔らかな肉がぷちゅっと音を立てた。
「はあぁっ―――」
マリアの動きに合わせて秘部を弄りながら、脚を広げると、マリアも閉じていた膝を開いた。
お互いに見せつけるように、クチクチと音を立てて指を膣に突き立てる。
指を増やせば、同じようにマリアも指を増やす。
「カタリナ様……カタリナ様……」
「マリア……マリア……」
互いの視線で犯し合い、呼び合いながら、その瞳の中で昂る身体を慰める。
――あれ? 今、私の身体に触れているのは、マリア?
敏感な部分を愛撫し刺激しているのは自分の指のはずなのに、マリアの指のように錯覚しながら絶頂へと昇り詰める。
「カタリナ様! わたしっもう――っ」
口の端から唾液をこぼしながら、マリアがカクカクと腰を震わせた。
私も陰核をつまみ上げてシコシコと扱き、追いつく。
――イクっ――イクッ! マリアに見られながらイッちゃうぅッ!
「「はああぁぁぁ……っ!」」
タオルで身体を拭うと寝室へ行き、キスをしながらベッドに倒れ込む。
「……先程の自慰、カタリナ様と見つめ合っていたせいか、まるでカタリナ様にしていただいているみたいに気持ちよくて――幸せでした」
「ん、私も。それに乱れるマリア、すっごく可愛かった」
「わたしもカタリナ様の見た事のない表情が見られて、嬉しかったです」
――きっと、わたしに恥をかかせない為に、あんな風にしてくださったんだ……
その優しさにきゅうっと胸が痛くなる。
「でも今度はマリアに直に触れさせてね」
カタリナ様の指がゆっくりと膣に滑り込む。
――あ……カタリナ様の指、長くて――奥、届いちゃう……!
根元まで吸い込まれていくと、悦びで震えてしまう。
「っあ……♡」
「――入っちゃった、ね」
「はい……カタリナ様に弄られているのだと思うだけでこんなにも気持ちがいいのは、どうしてなのでしょう?」
「……!」
「カタリナ様?」
一瞬息を飲み、顔を赤らめたカタリナ様が少し照れたように答える。
「それはやっぱり――マリアが私を好きって思ってくれているから?」
「あ………」
きゅん、と胸が疼くと、カタリナ様は嬉しそうに笑った。
「今、マリアの中、きゅってした」
「い、言わないでください、カタリナ様……」
カタリナ様が指を増やして抽送し始めると、ぬち、ぐちゅ、と信じられないくらいいやらしい音が寝室に響く。
――誰にも触れられた事のない部分を、こんないやらしい音を立てて大好きな人に弄られてしまっている――
そう考えるだけでゾクゾクと下半身が痺れてくる。
「すっごいよ、マリア。どんどん溢れてきちゃう」
「き、気持ちいいです、カタリナ様っ! もっともっとカタリナ様の手で滅茶苦茶にしてください! 本当はエッチなわたしをもっと見て!」
「ああ、もうマリア、可愛過ぎ!」
カタリナ様は指を引き抜くと、二人向き合って秘部を重ね合わせた。
「マリア、こっちもいっぱいキス、しよ♡」
熱い秘肉が溢れる愛液でぬるぬると吸い付くように擦れるのが気持ちよくて、もっとカタリナ様を感じる為に腰に脚を回して引き寄せた。陰核が当たるよう、角度を調整する。
「あぁ、凄い! マリアのキス、すっごくエッチで気持ちいい!!」
仰け反って感じているカタリナ様が嬉しくて愛おしくて、重点的に陰核を潰し、下品に腰を振って擦り合わせる。
「カタリナ様っ! 愛しております、カタリナ様ぁ!」
ブルブルと身体の奥底から湧き上がってくるような快楽の波が、目にチカチカと星を瞬かせながらオーガズムへと導く。
――こんな凄いのっ、知らない! ―――知らない大きいのが! 来るッ!!
ビクンッと跳ね上がった腰が、ガクガクと痙攣して止まらない。
身体から力が抜けると同時に、股間から熱いものが飛沫のように飛び散り、顔にかかった。
「………?」
ハーハーと全力で走った後のような荒い息を吐いているカタリナ様を見ると、焦点の合わない目でピクピクと痙攣していて、その秘部から透明な液体が溢れて出している。
――これ、カタリナ様が吹いた、潮?
「温かい……」
呟くと、カタリナ様がこちらを見た。
「マ…リア……ごめんね、私、気持ちよ過ぎて潮吹いちゃった……」
――可愛い! 可愛い!! 可愛い!!!
あんなにわたしを“可愛い”と言っていたカタリナ様だけれど、むしろカタリナ様の方こそ可愛過ぎる!
力が抜けてベッドにクタリと預けた身体は快楽の余韻で痙攣し、秘部からは痙攣に合わせてまだ潮が小さくプシャッ、プシャッと噴き出している。顔は涙と唾液でぐちゃぐちゃだ。
――こんな姿を知っているのは、わたしだけなんだ……
聖女を汚した罪深さに、背徳感と悦びでゾクゾクと震えてしまう。
それと同時に生まれて初めて湧き上がる、強い独占欲。
――誰にも渡したくない。わたしだけのものにしたい――
そんな身の程をわきまえない欲望が頭をもたげたが、諦めと共に首を振った。
こんなにも甘い時を過ごせたのだ。今は、想いを伝えるだけで充分。
身体を起こすと、カタリナ様を真っ直ぐに見つめる。
「カタリナ様、心からお慕いして―――いいえ」
言いかけ、思い直す。もう好意を、曖昧な言葉で包み隠す必要もない。
「愛しています。わたしは世界中で一番、カタリナ様が好き。わたしの心も身体も何もかも、カタリナ様のもの。カタリナ様に、わたしの全てを捧げさせてください」
「……うん」
カタリナ様は起き上がると、わたしの手を取った。
「私も、ちゃんと言わせてね」
「マリア、私の――お嫁さんになって、くれる?」
マリアと洋菓子店を開く話は、R-18本編を書いてる時からアイデアとしてあって、でもあの世界観で”洋菓子店”は変か?と”焼き菓子店”にしました。
ウヒョー(≧▽≦)タベホウダイ!!
店名どうしようかと色々考えましたが、”FORTUNE LOVER”を思いついたら、それ一択でした。(;・∀・)ホカニ アリエン
メニューを考えるのも楽しかったです。
二人で見つめ合いながらひとりエッチするシーンがお気に入りです。