乙女ゲームのR-18ルートに突入してしまった… 《もしかしたら あったかもしれない『はめふら』R-18ルート》 作:帆速やこぬ
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魔法学園卒業と同時にジオルドとキース、マリアと四人だけの秘密の結婚式を挙げ、一緒に暮らし始めて数カ月が経とうとしていた。
四人の意見を取り入れ、二年生を過ごしている間に建てた屋敷は、母屋から三方向に伸びた通路で離れと繋がっている。私の私室は母屋にあるが、離れはそれぞれ、ジオルド、キース、マリアの寝室となっており、私は週ごとに順番に過ごしていた。
「――カタリナ様、そろそろお茶の時間ですので、畑仕事はその辺りで」
「分かったわ、アン。ありがとう」
新たな環境に変わるに当たり、嬉しい事があった。
ゲームの事や前回の事を事細かに書いたノートを読んだマリアが、ジオルドとキースに相談して密かにアンを探し、呼び戻してくれたのだ。
父親に言われるまま結婚したアンだったが、数年前に結婚相手は病気で亡くなり、未亡人となっていた。もともとそれほど裕福ではなく財産はすぐに底をつき、働きに出なければならないところに、ちょうど私の専属のメイドとして話が持ち込まれたらしい。
初めは断られたそうだが、アンの記憶ではいじめられて私を嫌っているはずのキースが熱心に説得してくれたおかげで、引き受けてくれる事になった。
再会時は緊張した様子だったアンも、今では前回のように頼りになる姉のような存在になりつつある。
――まあ最初は、私を見てだいぶ驚いていたけれど……
我儘放題だった子供の頃しか見ていないアンからすれば、当然だろう。
手早く着替えてテラスに向かうと、三人はもう席に着いていた。
「待たせてしまって、ごめんなさい!」
「いいえ。待ち遠しくはありましたが、待たされてはいませんよ、カタリナ」
ジオルドが華やかな笑顔で答えると、キースが冷たくあしらう。
「昼食の時に顔を合わせたばかりでしょう」
お父様の仕事を手伝うキースは、先週休日に仕事に出た為、今日はお休みを取っていた。
「君には愛しい妻をいつも見ていたいという、この気持ちが分からないのですか?」
「それは――分かりますけれど……」
言いながら赤くなったキースは、それでも言い募る。
「今日から一週間、義姉さ――カタリナは、僕のお嫁さんですよ? ジオルドさ――ジオルド」
呆れたようにジオルドが笑う。
「君、いつになったら僕たちの事をちゃんと呼べるようになるのですか?」
「し、仕方がないじゃないですか! 一応あなたはまだ王子だし! 義姉さんも呼び慣れてしまっているんですから!」
結局、特に本人に問題がある訳でも問題を起こした訳でもないジオルドが廃嫡されるのは難しく、今は公式には重い病を患っている事になっていて、療養中という名目でこの屋敷に引きこもっている。
そうやって徐々にフェードアウトしていき、いずれは完全に公務を離れる予定だった。
ただ、一日何もしないでいるのは退屈なのか、いつの間にかロマンス小説専門の出版社を立ち上げ、代理人を通してここで采配を揮っている。
王家側から、王子の妻が他に二人も伴侶を持っているというのはさすがに公にしづらいと言われてしまったが、三人とも同じように大切なのに、例え表面上でも愛人とか妾とか立場に違いをつけたくなかったので、表向きは四人で共同生活を送っているという事になっていた。
マリアはニコニコしながら釘を刺す。
「キース様。カタリナ様はわたしたち“三人の”、お嫁さんですよ?」
「あ、はい、その通りです」
背筋を伸ばすキースに反して、ジオルドは椅子の背にもたれ、脚を組んで寛ぐ。
「君の言う通りですよ、マリア」
三人のやりとりにちょっと苦笑してしまう。
キースも、表には出さないけれどジオルドも、マリアをちょっと怖がっているみたいだ。
まあ確かに、本気で怒ったマリアはとても怖そうだ。
「無理しないで、キース。呼びたいように呼べばいいのよ。私はキースが“義姉さん”って呼んでくれる響き、好きだし」
「ん、ありがとう、義姉さん」
キースは顔を寄せて、こっそりと耳元に囁く。
「名前を呼ぶのはベッドの上だけにしておくね」
キースの色っぽい囁きに耳が熱くなってしまいながら、マリアに向き直る。
「マリアも私の事、様付けしなくていいのよ?」
「そうですね、いつか自然に呼べる日がきたら、そうさせてもらいますね」
「楽しみにしているわ」
ジオルドがメイドに合図した。
「では、お茶にしましょうか」
この屋敷に暮らし始めてから、色々とルールが決められた。
食事はみんなで一緒に取る事。
昼間屋敷にいる時は、できるだけ母屋で過ごす事。
決めなければいけない事は必ずみんなに相談し、話し合う事。
そして、月曜日から日曜日までの一週間ごとに伴侶役を決めてローテーションし――もちろん、三人とも私のお嫁さんなのだけど――外出や用事は伴侶役が優先され、夜はその寝室を使用する事。
お茶会や舞踏会など社交界のエスコートは主にキースが代理として務めてくれていて、ごく稀にジオルドが具合のよくなさそうなメイクをして出席し、療養中ムーブをかましている。
ジオルドが仮病と知っているのはごく親しい人たちだけだけど、そういう人たちが時折内輪だけの小さな会を開いてくれて、そんな時はジオルドもメイクや変装する事なく楽しんでいた。
――ええっと……今週は確か――
夜、お風呂に入ってから離れに向かおうとして、どこに行くんだっけと首を捻る。付き添ってくれていたアンが見透かしたように教えてくれた。
「今週は、キース様です」
「凄いわ、アン! どうして分かったの!?」
表情は変わらないのに、どこかちょっぴり得意気だ。
「それと、こちらも忘れないでください」
アンが小さな鍵を差し出す。
「何の鍵?」
「キース様の鍵、です」
「あ……そうだったわね」
アンと別れ、キースの寝室のある離れに向かう。
離れには寝室以外に居間やお風呂などもそれぞれ作られていて、小さな屋敷と言ってもいい。
照明がほんのり照らす居間に入り、扉を閉じた途端、部屋で待っていたキースに強く抱き締められ、壁に押しつけられてキスされた。
「んっ♡ ……ふっ♡ ――んうっ♡」
唾液が顎を伝っていくのも構わず、たっぷりと舌を絡める。
「はっ――待っていたよ、義姉さん。待ち遠し過ぎて、気が変になりそうだった――」
息を乱したキースが我慢できずにねだる。
「ね、早く――シよ♡」
「うん♡」
キースはもどかしくパジャマを脱ぎ捨てると、私のパジャマも脱がせた。
「痛っ――あ…まずい」
急にキースが下半身を押さえて、しゃがみこんだ。
「どうしたの、キース?」
「義姉さん、早く――鍵……」
さっきまでの色っぽさと打って変わって、少し情けなさそうな表情と涙目のキースに、ちょっとゾクゾクしてしまう。
「待って、すぐ外すね」
床のパジャマのポケットを探り、さっきアンから受け取った小さな鍵を取り出す。
「手、どけて、キース」
キースがおずおずと押さえていた手を避けると、金属製の拘束具――貞操具で固定された男性器が露わになった。
睾丸の裏側にがっしりとしたリングで固定され、ゲージの中で勃ちかけた陰茎が苦しそうにパンパンになってしまっている。
小さな南京錠の鍵を外し、寝室から持ってきた潤滑剤をかけてゆっくりと引くと、なんとか抜き取る事ができた。
「よかったあ。キースのおっきいから、本気で勃ってたら抜けなくなっちゃってたかも」
「ありがとう、義姉さん」
半勃ちの陰茎にとろとろと潤滑剤が伝っていく。
「このまま、手でシてあげるね♡」
扱きながら亀頭を優しくこすると、キースは甘い喘ぎ声を上げた。
「はあっ♡ ――あぁっ♡ あっ♡ ――義姉さんの手――温かくって気持ちいいっ…!」
どうしてキースが貞操具なんて着けているかというと、先週、夜中にキースの寝室にメイドが忍び込み、裸で迫るという騒ぎがあったからだ。
以前からクラエス家に勤めてくれていたメイドで、ずっとキースに想いを寄せ、控えめにアピールしていたらしい。全く手を出す気配のないキースに想いが募り、とうとう強硬手段に出てしまったそうだ。
メイドは別の勤め先への紹介状と共に解雇され、私もキースが連れ込んだなんて全然疑っていないのに、キースは自分の身の潔白を証明したいと貞操具を着ける事にした。
いわゆる、射精管理だ。
鍵は私が預かる事になったけれど、絶対に失くしてはいけないものなので、アンに預かってもらっていた。
「ねえ、キース。これ、着けてて苦しくないの?」
「ん、苦しいって言うか、窮屈さは感じる。けど、錆びにくい金属だからトイレも入浴もこのままできるし、なにより僕が義姉さん以外に心を動かす事はないって証明したいんだ」
「私だってキースがそんな事しないって信じてるよ?」
恥ずかしそうに、けれど嬉しそうに、キースは言った。
「うん、でもね、義姉さんに拘束されて支配されている感じは意外と悪くないよ」
「あ、そうなんだ……」
――可愛い義弟が、ナニカに目覚めてしまいそうに――
「……義姉さん?」
「あ、ううん。なんでもないわ」
――うん、あまり深く考えるのはやめよう
気を取り直して、先っぽをぺろぺろと舌で擦りながら竿を扱く。
貞操具の影響か、いつもより敏感になっている気がする。
「――ああっ義姉さんっ! もう出るっ! 出――ぐッ――うッ!」
熱い飛沫が勢いよく顔にかかり、ドロリと伝った。いつもより、かなり早い。
「ご、ごめん……義姉――」
キースの唇に指を突き付ける。
「 “カタリナ”でしょ?」
冗談めかして言うと、キースは幸せそうに微笑んだ。
「……うん、カタリナ。続きはベッドで――」
寝室に行き、もつれるようにベッドに倒れ込むと後はもう、獣のように求められる。
貞操具で自慰もできなかったキースの性欲は止まるところを知らず、愛していると囁きながらあらゆる体位で私を貪った。
「待って、キース! もう無理! これ以上は無理だからぁ……!」
「夜はまだまだこれからだよ。2週間分いっぱい愛してあげるからね、カタリナ♡」
一晩中愛され、奥に注がれて、絶倫過ぎる旦那様がようやく満足したのは、空が白み始める頃だった。
「……カタリナ様? このところ毎朝顔色が優れないようですが、大丈夫ですか?」
「ん、ちょっと寝不足なだけだから大丈夫よ。心配してくれてありがとう、マリア」
覚悟していた通り、キースとの一週間は、毎晩ほとんど眠らせてもらえなかった。
今日は月曜日。今週はマリアがお嫁さんの週だ。
朝食の席で、キースがマリアに怒られている。
「キース様。カタリナ様と仲良くしたいお気持ちはとてもよく理解できますが、だからと言ってその最愛の人に無理をさせるのはどうなのでしょうか?」
「はい……すみません」
「ご自分のお気持ちをぶつけるばかりではなく、相手を思いやる事も大切なのでは?」
「はい、その通りです」
「ましてキース様は外にお仕事に出られているのです。毎晩寝不足では日中差し障るのではありませんか?」
「はい、その通りです」
「わたし、毎朝遠回しに注意しましたよね? そのお耳はカタリナ様のお言葉以外聞いてくださらないのですか?」
「はい、――いえ! そんな事はないです」
しゅん、とうなだれるキースを笑顔のままで怒るマリアをまあまあとなだめていると、横で笑いをこらえていたジオルドが思い出したように言った。
「そうだ、マリア。あなたに贈り物があるんでした」
「え? わたしに、ですか?」
カタリナ様への間違いでは? と言いたげにマリアが私を見てから、ジオルドを見る。
「ええ、君にです。2つあって、どちらかを選んでもらいたいので、後で僕の離れに来ていただけますか?」
「カタリナ様と一緒でもいいですか?」
マリアは決して、人目のない場所や部屋の中ではジオルドやキースと二人きりにはならない。
なんでなのか前に聞いてみたら、「要らぬ誤解を生まぬようにです」と言っていた。
「もちろん。むしろ二人で決めた方がいいでしょう」
「カタリナ様、お時間をいただいても……?」
「ええ、一緒に行きましょ!」
私が答えると、ようやくマリアは頷く。
「……分かりました。朝食の後、カタリナ様と参ります」
ジオルドの離れに行くと、応接間に大きな箱と布の掛けられた姿見が置いてあった。
「カタリナにとっての家族は、僕にとっても家族ですからね。差し出がましいかもしれませんが、君たちのこれからを改めて考えてみるのもいいかと思い、用意しました」
ジオルドが大きな箱を開けるよう促す。
マリアと顔を見合わせ、頷き合ってから箱を開くと、中には大小さまざまな箱が詰められていた。ひとつずつ開けてみる。
「なっ!?」
出てきたのは双頭ディルドやペニバンなど、女の子同士で楽しむ為の玩具だった。
「ジオルド!? なんですか、これ!」
ジオルドの意図が分からず、からかわれているのかと思ってしまう。
「……………」
マリアは真っ赤になりながらも、手にした玩具から目が離せないでいる。
「こちらは、“女性同士”で愛し合うのに使用する性具。そしてこっちは――」
ジオルドは芝居がかった手つきで姿見を差す。
「――全身を映す事で“性別を変える”事のできる魔法道具です」
ハッと顔を上げたマリアに、意外なほど優しい瞳でジオルドは言った。
「二人で話し合って―――そして、マリア。自分の心によく聞いて決めてください」
ジオルドは少し席を外すと言って、部屋を出ていく。
「今のどういう意味だったんだろうね、マリア?」
首を捻りながら振り返ると、マリアがソファにへたり込んでいた。
「マリア?」
姿見を見つめてボウッとしているマリアを呼ぶと、ハッとしてから困ったように笑う。
「……やはりジオルド様は凄いですね。周りをよく見ていらっしゃいます」
「?」
小さく溜め息を吐いたマリアが、顔を上げた。
「カタリナ様。わたしの話を聞いていただけますか?」
真剣な様子に、こちらも背筋を伸ばす。
「はい」
「四人で結婚して――カタリナ様とずっと一緒にいられる絆を得られて、わたしは本当に幸せでした。ですが最近、つい考えてしまうのです。“ジオルド様とキース様だけがカタリナ様と子供を持てるなんて不公平だ”と。そんな事分かりきっていた事ですし、全て承知の上で四人での結婚を提案したはずだったのに。
あの時はわたしも破滅フラグを回避する事を最優先に考えていましたし、同性なのだからそれが当然だと、結婚できるだけで幸せなのだと自分に言い聞かせていました。
けれど実際こうして四人での日々を送り、ジオルド様やキース様と夜を過ごされているカタリナ様を見ているうちに、わたしだってカタリナ様との子供が欲しい――そんな欲が生まれてしまったのです」
マリアの瞳に涙が溢れる。
「我儘だと頭では分かっています。こんなに毎日幸せなのに――」
「……………」
何と言ってあげればいいのか分からずにその肩を抱き寄せると、マリアは頬に涙が流れたまま恥ずかしそうに微笑んだ。
「ですが、ジオルド様には見透かされてしまいました」
マリアが時折寂しそうな顔をしていた理由に、ジオルドは気付いていた。
それでこんなプレゼントを用意したのだ。
「きっとジオルド様は苦しんでいたわたしに、女性のままカタリナ様を愛するか、男性になってカタリナ様と子を為すか、覚悟を決める機会をくださったのだと思います」
「マリア……」
マリアがそんなに真剣に悩んでいたなんて、知らなかった。
きちんと目を配り、フォローしてくれたジオルドに感謝しつつ、マリアの頬についた涙の跡を指で優しく拭う。
「気付いてあげられなくてごめんね、マリア。私はマリアが選んだ事なら、どちらを選んでもちゃんと受け止めるから」
「カタリナ様――…」
控えめに、ノックの音がした。
「――どうですか? 決まりましたか?」
ジオルドが顔を覗かせる。
マリアは迷うように何度も箱と姿見に視線を往復させ、やがて心を決めたように立ち上がり、ジオルドのところに歩いていった。
「ジオルド様。お耳をお借りしても?」
ジオルドが少し屈むと、マリアが顔を寄せてこしょこしょと何かを囁いている。
――あれ? 私に聞かせられない事なのかな?
「……っ!?」
マリアの耳打ちを聞いてジオルドは思わず口元を手で押さえると、顔を赤くした。
「それは―――本気ですか?」
「本気です」
マリアも耳まで赤くなりながら真剣な顔でジオルドを見つめる。
そわそわと落ち着きなく考え込んだジオルドは「そんな事……いやでも……」と迷っていたが、少しして頷いた。
「――分かりました。夜までにあなたの離れに運んでおきます」
ジオルドの離れを後にし、庭を散歩しながら我慢できずにマリアに聞いてみた。
「結局、マリアはどっちを選んだの?」
「あ……ええっと……」
頬を染めたマリアは口元に人差し指を立てて、上目遣いになる。
「夜になるまで内緒、です」
――か、可愛い~~~!
こんな茶目っ気たっぷりな表情が見られるようになったのも、結婚してからだ。
可愛いお嫁さんがもらえて私は幸せ者だなあ、と喜びを噛み締めていると、マリアが恥ずかしそうに指を絡めてきた。
「今夜は少し乱れてしまいそうです」
「うん、いっぱいシようね」
奥ゆかしくて控えめなマリアは、何も欲しがらないし、我儘も言わない。
私としてはもっとおねだりしてほしいし、自分のして欲しい事を言ってもいいと思うのに、いつも一歩引いて自分を二の次にしてしまう。
だから時折見せる小さな我儘やお願い事には全力で叶えてあげたい。
――とりあえず、今日の畑仕事は早めに切り上げて、たっぷりお昼寝しておこう……
「あれ?」
夕食後、みんなで食後のお茶やお酒をゆっくり楽しんでから、マリアと二人で寝室に向かう。
部屋には大きな箱と姿見の両方が置かれていた。それにベッドの傍には前までなかった衝立がある。
「ジオルドは“どちらか選んで”って言ってなかったっけ?」
「はい。少し我儘を言ってしまいました」
ジオルドも、マリアのお願いには弱いんだな。
「カタリナ様にも、お願いを叶えていただいてもよろしいですか?」
「もちろんよ! なんでも言って!」
「わたしの“初めて”を捧げさせてください」
「……へ?」
マリアの初めてはもうもらっているつもりだったので、聞き間違いかと思ってしまう。
「ええっと、マリア? 今までもたくさんエッチな事、してきたよね?」
「はい。わたしもずっとそれで満足でした。ですが今日、あの魔法道具の存在を知って、カタリナ様の男性器でわたしの初めてを奪ってほしいと思ってしまったのです」
「そ、そうなんだ」
てっきりマリアが魔法道具を使って男性になるものとばかり思っていたけれど、当然その選択肢もある事に気付かされる。
「ダメ……でしょうか……」
「だめじゃないよ! ちょっと驚いただけ!」
慌てて両手を振り、ふと思いつく。
「あれ? そうすると、私も“初めて”って事になるのかな?」
「そうなんです! わたしたち、初めて同士なんです! なんて素敵なのでしょう!」
珍しくはしゃいで嬉しそうな様子のマリアに、私も覚悟を決めた。
「ちゃんとマリアを気持ちよくしてあげられるか分からないけれど、優しくするからね」
「はい、カタリナ様♡」
その前にちょっと気になるので、さりげなく衝立の後ろを覗いてみる。――誰もいない。
「カタリナ様?」
不思議そうな顔のマリアに、えへへと笑ってみせる。
「なんか、誰かいるような気がして」
「必要のない時に姿見にうっかり映ってしまわないよう隠しておく為に、用意しました」
「あー、なるほど」
姿見には覆いの布が掛けられているけれど、さすが思慮深いマリア。慎重だ。
「使い方はジオルド様に伺ってありますので、とりあえずドレスを脱いでしまいましょうか」
――おお……これは……
魔法道具の姿見で男性の身体になり、乳房のない引き締まった胸板と、ないはずのモノが付いている違和感と物珍しさにまじまじと自分の身体を見下ろす。
「とってもかっこいいです! カタリナ様♡」
姿見に覆いを掛けたマリアが、うっとりと私を見つめる。
「そ、そう? ありがと」
畑仕事のおかげか、無駄のない、なかなかいい身体つきの気がする。声も低くなっているみたいだ。
「えっと、じゃあ――まずはお風呂、一緒に入る?」
マリアが目を輝かせた。
「はい!」
「んっ……♡」
石鹸を肌に滑らせると、マリアが甘い吐息を漏らす。
――いつもより感じてるみたい……?
後ろから抱き締めながら愛撫するように泡立てていく。
「カタリナ様の手――いつもより大きくて――少しゴツゴツしていて、興奮してしまいます♡」
ツンと硬く尖った乳首をクニクニと摘まむと、耐え切れないようにマリアが振り返ってキスをねだった。
器用なマリアはキスも上手で、舌を絡めるうちに下半身にズキリと痛みが走る。
「あ……カタリナ様の、当たって……♡」
勃起した私のモノをマリアがお尻のお肉で挟んで擦る。
――男の人のってこんな感じなんだ――
昂りが隠しようもなく露わにされる無防備さに戸惑いながらも、柔らかなマリアのお尻に挟まれる快感に抗いようがない。
「待って、マリア! そんなに擦られたら――!」
「え? あ!」
熱いものがせり上がってきた瞬間、振り返ったマリアに陰茎の根元をギュッと握られ、止められる。
「あグッ」
込み上げたものを無理矢理止められる苦しさに悶えていると、マリアは申し訳なさそうに謝った。
「すみません、カタリナ様。初めてはわたしの中で出してほしいです……」
「そ、そうだね。でも私もまだこの身体に慣れてなくって上手くコントロールできないから、あまり激しくされちゃうと我慢できないかも」
「では、あまり刺激し過ぎないようにお風呂を済ませて、ベッドへ参りましょうか」
「――マリア、は、早く♡ ――焦らさないで」
結局その後、身体を洗ってもらいながら射精しそうになる度に止められ、気が変になりそうになりながらマリアをベッドに押し倒す。
早く、早く、と口が勝手に急かしてしまう。
マリアは嬉しそうに微笑むと私に抱きつき、くるりと上下を入れ替えて起き上がった。
「カタリナ様はそのままで――わたしにさせてください」
「うん」
何度もお預けされた陰茎は、少しでも刺激されたら噴き出してしまいそうなほど昂っている。
「奥まで全部挿入するまで、出しちゃダメですからね」
「が、頑張る」
そそり勃つ陰茎に跨るようにマリアがかぶさり、先っぽをあてがった。
狭い穴を押し広げ、ゆっくりと挿入された瞬間、ツッと血が伝ってくる。
「んっ……ッ」
「大丈夫? 痛かったら無理しないで」
苦しそうに受け入れていくマリアが心配で声を掛けると、涙をこぼして震えながらも彼女は首を横に振った。
「いいえ、カタリナ様に与えていただけるのなら、それが例え痛みでも嬉しいんです」
そんな健気なマリアの為、必死に込み上げてくるものを我慢する。
――もう少しの我慢―――でも出したい、出したい、出したいっ…!
やがて陰茎の全体がきつく包み込まれ、マリアの奥に先っぽがコツリと当たる感触がした。
「あっ……カタリナ様が、奥まで――♡」
その言葉に、理性の欠片が性欲に吹き飛ばされる。
「も、もういい? 出していい?」
「んっ――いいですよ、カタリナ様。いっぱい出して、わたしの奥に届けてください♡」
我慢し過ぎて、止めていた筋肉を弛緩させた途端に射精が止まらなくなる。
「あーっ、あっ、あっ、んあっ♡」
――女の子のイキ方と全然違う!
ブルブルと腰が震え、固くて熱い液体が駆け上ってきて噴き出す。
腰から下が溶け出てしまうような快感に、ドク、ドク、と溢れ出すままにマリアの奥へと精液を流し込んだ。
「熱い――お腹の奥で、カタリナ様の欲望が弾けてる――…♡」
恍惚の表情で悦ぶマリアが可愛くて、衝動のままに再び上下を入れ替わってマリアを押し倒す。
「ごめん、マリア。マリアが堪らないの。私が動いていい?」
「はい、お好きなだけシてください♡」
「ありがと。次は一緒に気持ちよくなろうね」
「あの、カタリナ様」
「なあに?」
マリアが下腹部を撫でながら、微笑む。
「わたしに、カタリナ様との赤ちゃんをください♡」
そんな可愛いおねだりをされたら、男でなくても応えたくなってしまう。
「うん。一滴残らず、全部注ぐからね♡」
その後は、腰が抜けて動けなくなるまでマリアの奥を満たし、ベッドに倒れ込んでからもマリアに騎乗位で攻められ、本当に最後の一滴まで搾精された。
マリアと結ばれた翌日の朝、下半身の熱さで目が覚めた。
「ん……?」
寝ぼけ眼で布団を剥ぐと、マリアが私の男性器をしゃぶり回している。
「!!?」
夢!? 私まだ、寝ぼけてる!?
「マリア!? ななな何して――?」
マリアはちゅぽっと口を外した。
「おはようございます、カタリナ様♡」
至って常識的な挨拶をしたマリアは、うっとりとそそり勃つ陰茎を眺める。
「昨晩は部屋が薄暗くてよく見えませんでしたが、こんなにも逞しくて、情欲を煽る素敵な形をしていたのですね♡ ゾクゾクしてしまいます♡」
ぬるる、と舌全体を使って舐め上げられ、思わず恥ずかしい声が出てしまう。
「あぁっ…!」
私の可愛いマリアが、朝からこんないやらしい事――!!
昨晩、マリアの膣内を擦りまくった陰茎はまだジンジンと敏感で、ぬるぬると絶妙な舌遣いで嬲られて、あっという間に破裂寸前にされてしまった。
「ここ――ツルツルしていて、可愛い♡」
愛おしそうにパクリ、と咥えられた亀頭に舌を擦り付けられ、尿道に舌先を捻じ込まれる。
「あっ、マリアっ! 気持ちいっ――そこ、そんなにされたら――ッ」
込み上げてきた精液を、抗う間もなくマリアの口に吐き出してしまった。
「ぅぐっ、うぅーッ!」
寝起きで無理矢理射精させられ、乱れた息がなかなか整わない。
「………♡」
マリアは味を確かめるようにもぐもぐと口を動かしてから、コクリと精液を飲み下した。
「これがカタリナ様の味……♡」
口の端にこぼれた白濁液ぺろりと舐め取って、満足そうに微笑む。
「不思議な匂いですね……癖になってしまいそう♡」
陶然と微笑むマリアに、今夜も眠らせてもらえそうにない予感がした。
「あ……」
朝食が終わり、椅子から立ち上がったマリアがお腹を押さえて顔を赤らめる。
「どうかしましたか、マリア?」
「大丈夫? お腹でも痛い?」
「いえ、その……」
心配そうに見るジオルドとキースに言葉を濁しながら、私の耳元に顔を寄せて囁く。
「昨日カタリナ様に注いでいただいたのが、垂れてきてしまいました」
ちなみに朝の睦事の後、私は元の姿に戻っている。
「ええ? あんなに拭き取ったのに?」
「昨晩は12回も出されましたから」
「!!? ―――ゲホッ、ゴホッ」
会話が聞こえてしまったのか、ジオルドがお茶を吹き出した。
「急にどうしたんですか!?」
事情を知らないキースが、むせて咳き込むジオルドに驚く。
慌てて食堂を後にする私たちを見送りながら、ジオルドはポツリと言った。
「……キース、君、一晩の睦事で何回くらい達しますか?」
「え……最高で9回くらいですか……」
「へ、へえ……」
「そういうジオルド様は?」
「僕は―――僕もそのくらいです」
「なんで目を逸らすのですか」
extra story メアリ編で初出し、another story ラファエル編でも活躍したあの魔法道具が三度の登場です。
カタリナは”ジオルド”と呼べていますが、他二人はまだ呼べない様子。
another story/extra story では、四人で結婚というお互いの距離感が難しい状況で、絆を深めていく…というテーマでハードめのエッチをする話となります。
カタリナを取り合う三人が、どうやったら納得した共同生活を送れるか悩みました~。
曜日ごとに担当を変えようかとも考えましたが、なんか不公平になりそうなので、週ごとにローテーションです。
こんなに毎日愛されて、カタリナは大変 (。-∀-)
四人で結婚?アレとかコレとか、どうするの?…という点をなんとなくクリアしたつもりですが、色々謎のままですね…。
ですがいいのです。書きたいのは愛される(エッチな意味で)カタリナなので!
そしてアンが戻ってきました!
アンの結婚話が出た時に、悪役令嬢カタリナだったら引き止めないと思ったので本編で出番ありませんでしたが、全てを知っているマリアならきっとカタリナの気持ちを汲み取り、大切な人を一緒に大切にしてくれるかな~と。