※この作品はR-18です。

熱で溶けて   作:モスコミュール

13 / 17
羞恥ゲーム

 売り言葉に買い言葉。きっかけなんて、そんなものでしかなかった。

 

「そもそも、これまでも私はこうして外出してきたんだ。今まで、なんの問題も起きていないんだから、これからもそうだ」

「これからは、わからないんじゃないかなあ」

「では、やってやろうじゃないか」 

「やめとこ?」

「ジャージの下が、下着であってもバレることはないと、証明してみせよう。お前が言い出したことだ」

「俺はなんも言ってないですよ!?外出するんだからジャージの上に上着くらい羽織れとは言ったけども!?」

 

 そうして、互いに引けなくなったせいだ、と百は考える。引けなくなったのそっちだけだよ、という男の意見は無視をした。

 

 

 そして、今。

 とりあえず、これが終わったら丹月を、確実にぶちのめそうと、百は決意していた。

 なぜなら。

 

(ひけなくなって…………下着すら…………つけていない…………!)

 

 それもこれも、あの男のせいである。間違いない。あの男のせいだ。

 恥じらいからか、怒りからか、ぎりっと歯を食いしばりながら、百はレジに並ぶ。購入するものは、エナジードリンク缶2本と──コンドーム。

 別に。

 購入するものに対して。

 思うところはない。ないったら、ない。相手が全力で止めてた気もしなくはないが、気のせいだ。

 

「──しゃいませ。──で」

「ああ、袋は必要ない」

 

 いつの間にか順番が来ていて、悟られないように店員とのやりとりをしていた。ゆえに、うっかりとやらかしたことに気づいた。

 

(………!?)

 

 袋、いるんじゃないか。

 なにせ、モノがモノである。つまり、どう思われるかを想像すると────。

 

(だめだ)

 

 恥じらうな。その方が、いろいろ恥ずかしい。堂々としていれば、そう、なにも問題はない。気取られてはいけない。

 

「お支払いは?」

 

 幸い、というべきか。店員は、淡々とレジ作業を機械的にこなしている。

 

「タッチ決済で」

 

 バーコードを見せるだけの簡単なこと。いつもこなしている行動だ。

 けれど、妙に、自分の衣服の下のことも、意識してしまっていて、そのせいか動きがぎこちなくなってしまっている。

 

(普通に……普通に…………)

 

 だから。普段はそんなこと無いのに。

 少し、腕が自身の胸元に触れてしまって。

 

「んっ……!〜〜〜〜〜〜〜っ」

 

 しまった。

 

 そこからのことは覚えていない。ひたすら早足で店を出て、百のことを待っていた男に罵声を浴びせて。

 

 なんか帰宅後めっちゃくちゃ盛り上がった。

 

◆

 

 

 

 

「買ったんじゃないんですよ……」

「は?」

「学生の頃に、ノリで、お互いの誕生日にこういうのを贈るっていうのが、流行ってた時があってですね。男子校出身のやつが、そういうノリを持ち込んだんですけど」

「アホ」

「おっしゃる通りです。ところで、百さん」

「変なコトを言ったら、どうなるかわかるな?」

「ぼちぼち、もろもろキレてて……コンビニに」

「死ね」

 

 

 めちゃくちゃ盛り上がっ(略)

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。