熱で溶けて 作:モスコミュール
右手を上下に動かすと、否応なく刺激が俺の性器へと伝わる。
「~~~~~~!」
「…………………」
まじまじと見られている。玲さんに。
他人に、見せるべきではない行為。だけど、それを愛おしい人に見られていると思えば、確かに興奮もしていて。
「ふ…ぅぅう゛!う」
「ぁ………………」
体が熱くて。
徐々に迫ってくる快感と。
見られているという罪悪感と。
頭のなかがぐちゃぐちゃになって。
どうしてこうなったのか。
誰が悪いかといえば、俺が悪い。
世の男性にとっての問題事項のひとつ。日頃の性処理。
俺も、それほど性欲が強い方ではない、とは思っているんだが(同期で自慢してくる奴らはレベルがおかしい)、それでもやはり男だったようで。
恋人と一緒に暮らしているとはいえ、相手の負担もあるし、そんな毎日毎日セックスするわけにもいかない。
ということで、適当な動画を使って、万一にも音漏れをしないようにヘッドセットもつけて。
今にして思えばそれが悪かった。
『楽、郎君……?』
同棲相手が、自室に入ってくることにも気づけなかった。
ビリビリと、体に電気が走るような感覚。もうすぐイく。
だんだんと頭が真っ白になって。
そのときに、あろうことか玲さんが、
「ふうー」
と俺の怒張したそれに息を吹き掛けてきた。
「くぅぅぅぅぅぅっ!あぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」
何を、と問い詰める間もなく。頭の中がバチバチバチと弾ける。そして、ビュルルルと勢いよく、行き場を間違えた白い液体が大概に排出された。
いわゆる自慰中は、全身に力が入っているようで、吐精を終えてすぐは倦怠感に襲われる。いわゆる賢者タイムというやつなのだろう。頭のなかは限りなく真っ白に近い。普段ならこの後に、掃除をしたりということになるのだが、今日は、
「んぁ……う…………れい、さん……? くぅ……あ」
ぱくりと。俺のペニスが咥えられてしまう。
「なに……ぁ……ぅう」
ジュプジュプと水音。先ほど、出したばかりなのに。
恋人の舌で絡めとられて。
「れいさ………、や……ば…………くぁ……うぅぅぅう…………ぇ」
もう一度込み上げてきたものを、寸止めされてしまい、我ながら情けない声が出る。
「らくろうくん」
そこにいたのは、熱っぽい瞳をした恋人で。
彼女は、自らの手でショーツを下ろしてそして、俺にまたがる。
「昂って、しまいました」
再び張りつめたそれが、彼女の恥部に押し当てられる。
「わるいのは、らくろうくん、ですよね。わたしが、いるのに。 いってくれれば。 ですから、どうにかしてください。 せきにん、とってください、ね?」
◆
困った。
恋人が、シーツを顔からどけてくれない。
「玲さーん。 れいさーーん」
「…………………あああ…………しんで……おわび……!」
「死なれたら困るかなあ。 責任、とりきれてないし」
「わ、わすれてください!」
無理、だろうなあ。絶対に。