※この作品はR-18です。

熱で溶けて   作:モスコミュール

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劇的ビフォー/アフター(草百)

◆劇的ビフォー

 

「中途半端な格好してんね」

「中途半端?」

 

ばったりリビングで夜中に遭遇した百は、ジャージの上着だけ身に纏って、そのまま冷蔵庫を漁っていたのだ。世間的に正常な男性にとっては目の毒で、それは丹月も例外ではない。

 

「どこがだ」

「自覚ないってことある?」

「減るものではないだろう別に」

 

0cm。

 

「それに、今更お前に見られたところで……んっ」

 

10秒。20秒。

ドンと、丹月の胸板が押される。うるんだ瞳の婚約者が、肩で息をしている。

 

「……急すぎる」

「誘われてるのかなって……んうっ」

 

丹月の両の肩に置かれた手が、一気に引かれて再度0cm。今度は百から。

二人の間で、百の乳房がふにゃりとつぶれる。

 

「んっ…………んちゅ……ちゅぱ……ふうううっ」

 

舌がこじ開けて侵入してくる。負けじと、絡め返した。

冷蔵庫の機械音に、水音が混ざる。

「も、やめ……ふっ……は……んうっ…………ぷはっ」

 

ようやく、終わる。息が荒い。

 

「どっち?」

「そっち」

急かすようにギイと音を立てて扉が開いて、バタンと閉じた。

 

◆劇的アフター

 

「狭い」

「分かってたことでしょ」

「あまり頻繁にするべきものではないということはよく分かるな。しかし本当に──玲の言う通りだな」

「…………思うんですけど」

「なんだ」

「女性ってその辺、割りと赤裸々に共有するよね」

「男だって似たようなものだろう」

「いや……なんつうかこう、ジャンルが違うというか」

「ジャンル?」

「俺達のはファンタジーというか、共通の妄想つーか」

「具体的に言え」

「AVとかそういう創作物について語り合うのとは、モノが違うなあ、と」

「……こちらからすれば、そんなもんを互いに共有しあうな、とも思うが」

「よし、この話題は終わりにしましょう」

「続けても良いぞ?」

「止めてください、多分に俺の方が立場が弱くなります」

「元からお前の立場はそこまで強くな……いやなんでもない」

「シンプルな暴言止めてください」

「んっ…………」

「一暴言に対して、ささやかな逆襲」

「草餅め…………」

「ひぁっ………………」

 

「…………本当に不毛なので止めましょう」

「…………そうだな、さすがに虫刺され跡が多くなりすぎる」

「じゃあ意図的に話の腰骨を折ろうと思うんですけど」

「意図的に折られてやる」

「ケ○リンってあるじゃないですか」

「ケ○リン…………?」

「え、嘘通じない? 銭湯とかに置いてある洗面器に書いてあったやつ、見たこと無いですか?」

「そもそも、銭湯に行くことがあまりなかった」

「文化の違い……」

「まあ、ケ○リンは解熱鎮痛薬の事だが」

「知ってるじゃん!」

「実物を見たことはないが」

「余計になんで知ってるのさ」

「常識だろう」

「どこの世界の常識なんですか。……うわあ、お湯の量半分になってる」

「二人で同じ浴槽に浸かるものじゃないな」

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