※この作品はR-18です。

緑谷と耳郎   作:NORI

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昔書いた小説を投稿します。来月末には2話目を投稿します。


染まる想い

 「くっ!ヤバッ…!」

 「ぬふふふ。大人しく諦めて下さい」

 

 男に強引に組み敷かれる少女は、気の強そうな三白眼で己を押さえつける男を睨みつけた。

 

 『個性』と呼ばれる超人能力を一部を除いて、誰もが当たり前にもつこの社会。

 しかし人間がいくら発達した能力を持とうとも、人間のもつ愚かさ、醜さは変わらないらしく。己がもつ力を持て余し、暴走し犯罪行為に手を染めるものも多い。

 その名も『敵《ヴィラン》』。

 ヴィランたちは、常に罪なき人々に牙を向け自らの毒牙にかけようとしている。

 

 しかし、人の形が変わらないのは、必ずしも愚かさや醜さだけではない。

 ヴィランという犯罪者がいるならば、その逆。つまりヴィランたちを倒し、人々を守る英雄がいる。

 法的に認められた公的職務。

 その名は『ヒーロー』。

 まさにヴィランの対局に位置する者たちなのだ。

 

 そして、そのヒーローがいるならば、それになるための学術機関も当然存在する。

 その名も『国立雄英高等学校』。

 雄英では、プロのヒーローになるために学生たちが、日々切磋琢磨を繰り返している。

 しかし、その学生の一人、『耳郎響音』は今現在、薄暗い建設現場で己が倒すべきヴィランに組み敷かれていた。

 

 そもそもこうなった原因は、たまの休日の日曜日、ライバルでもあり、友でもある同級生たち数人とショッピングに出かけていた折、ショッピングモールにて、50名ほどのヴィランの集団が出現。

 

 その場で破壊行為を行ったため、急遽ショッピングモール内にいる民間人の救助、及びプロヒーローが現場に来るまでのヴィランたちの対処を行っていた。

 しかし、その時に背後から近づく男のヴィランに響音は気づかず、襲われ妙な薬を嗅がされ眠ってしまった。

 気が付いた時には、すでにこの場所に来ており、男に組み敷かれていたというわけだ。

 

 「うぅっ離せ!このぉ!」

 「ぬふんふふ。無駄、無駄、無駄ですよ。私の個性『脱力』。相手に触れ続けている限り、全身の力が脱力してしまう個性です。貴方はどれだけ暴れても力が入らないですよ~。このまま私と楽しいことしましょうねぇ」

 「ふざけんな!」

 

 響音は何とか抵抗しようとするも、男の言う通り力が全く入らない。彼女の自慢の個性、耳たぶがプラグとなった『イヤホンジャック』も思うように、動かせない。

 

 明らかに不利な状況下、しかし響音もさすがはヒーローの卵。恐怖こそあれど、その感情に負けようとせず何とか身をよじり、抵抗の意思を見せる。

 

 《落ち着け。こんなピンチ、何度も経験してきた。もう少し、もう少し頑張れば、きっとみんなが来てくれる。それまでの間だけ、耐え抜けばいい》

 「おやおやぁ?随分と余裕そうな顔ですねぇ?でも、こいつを見てもそれが言えるでしょうか?」

 

 男が片手で、ズボンを下げるのを見た時、何をするのか咄嗟に悟った響音は目をそらすが…。

 

 《何で?何で身体が熱くなんの!?しかも、アソコがキュンキュンしている!?》

 

 途端に響音の体温が上昇し、汗をかき、頬は紅潮している。おまけに下腹部まで、うずきだしていた。 

 

 「ぬふぬふ。驚きました?実は私、個性がもう一個あるんです。その名も『発情』。文字のとおり触れた相手を強制的に発情させてしまうんです。性行為を行い終わるまで、一切性欲は止まりません。あ、ちなみにこの個性、『脱力』と違って、触れるのをやめても、欲情し続けるので悪しからず」

 

 男は汚い笑みを浮かべ、喜々として彼女にそのことを伝えてきた。

 その言葉を聞くと同時に、自らの意思とは反して、男の下半身を見てしまった。

 

 「あっ…!あぁっ…!!」

 

 彼女の両目がそそり立つ男の分身を捉えた途端、彼女は全てを理解した。

 これまで幾度となくヴィランに襲われ、そのピンチを切り抜けれてきた響音。

 彼女自身も気づかぬうちに、心の奥底に、僅かに『何があっても切り抜けれる』という勘違いと自信に対する自惚れが生じてしまっていた。

 そんな自惚れが起きたのは、皮肉にも『今までどんなピンチも切り抜けられてしまったから』。

 

 これまでも、何かあっても切り抜けれてきたという事実が彼女自身の心に、自惚れの感情を芽生えさせてしまったのだ。

 しかし、その自惚れがあったからこそ、絶望的な状況下でも、彼女は涙一つ見せることなく冷静に対処していたが、ここに来て、自身の自惚れを自覚すると同時に、一気にその感情が崩れ去った。

 

 分かってしまった。

 もう打つ手がないと。

 最初から、ゲームは詰みだったのだ。

 

 《あ、ウチ、終わった》

 

 すとんと、納得したかのように、響音は悟った。

 

 「あ、そうそう。これはついでに言っとくんですがね。あの最初に貴方たちを襲撃したあいつら、別に私仲間とかじゃないんですよ。たまたまそこに居合わせたってだけで。私よくこうするのが趣味なんですがね。今日は良い感じの娘がいるかな~ってぶらついていたら、偶然そこに雄英体育祭で活躍していた貴方たちがいたんですよ~。いやぁ、あの時は驚いたな~」

 

 耳郎は迫りくる恐怖に顔が青ざめ、身体を震わせていたが、身体が個性の作用で股の間がやや濡れてきていた。

 

 《はぁ、はぁ、したい。こいつのをウチの中に。っダメ!何考えてんだウチは!?…あぁ、でも、クソ!》

 

 情けなさ、怒り、恐怖、羞恥心、絶望、そして今まで生きてきた中での、最高潮の欲情、濁流のように心の内で暴れまわる感情に、響音は自然と涙を流した。

 

 「…っ!あぁ!!良いですねぇ!その表情!!とっても良いですねぇ!!!こういう時が一番生きているって気がしますよぉ!私!」

 

 気色悪い笑みを浮かべながら、男は片手で響音のズボンを下着事はぎ取った。

 男の前にさらけ出される秘所。湧き出る愛液に、ささやかな陰毛はべったりと張り付き、割れ目からは雌のフェロモンを漂わせていた。

 響音は必死になって足を閉じて隠そうとするが、如何せん『脱力』のせいで簡単にこじ開けられる。

 

 「イ、イヤぁ!イヤだぁ!やめろぉ!!」

 

 大粒の涙をこぼしながら、逃げ出そうとする響音。しかし、動くのは心ばかりで身体の方はいくらか身をよじれるぐらい。

 

 そして信じられない事に、自身の感情とは相反し、秘所の入り口はひくひくと動き、中から発情のサインの愛液が泉のように、湧き出続けていた。

 

 「イヤ、イヤ、何で、何でこんな…?」

 

 もうそこにはヒーローの卵などいなかった。いたのは、泣きじゃくり身体を震わせる年相応の少女だけだった。

 

 「ぬふぬふ、貴方の方は準備万端のようですねぇ。では、時間も惜しいのでさっさと始めちゃいましょうか」

 

 男は左手で響音の肩を押さえつけ、右手でそそり立つ分身を持ち、響音の秘所に狙いを定めた。

 

 「あぁっ…!や、やめて…やめて」

 

 響音は首を横に振り、抵抗の意思を見せるも、男がそれを承諾するはずもなく、彼女の膣口に自らのそれをあてがおうとしていた。

 

 「ぬふふふふ、私を受け入れてくれるだなんて嬉しいですよ。一緒に気持ちよ~くなりましょうねぇ」

 

 別に受け入れた訳ではない。個性によって響音の身体が、無理やり反応させられているだけにすぎない。

 

 しかし。

 

 《あぁっ!ヤバい!悔しい、すごく悔しいけど、ウチ・・・ウチめっちゃこいつとエッチしたい!!こいつのを膣内に入れてほしい!!…ダメ!ダメ!絶対ダメだ!ウチは、ウチはヒーローだ!!ヒーローはヴィランに、屈したりなんかしない!!…でも、でもこいつのを、入れたられたら、ウチは…多分…》

 

この先にある未来を想像してか、響音の瞳からは生気が消えかかっていた。

 

 「ぬふっ。ゆっくり楽しみましょうねぇ。どうせここには誰も来れません。ヒーローたちは、もちろん。貴方のお友達も、あの数のヴィラン相手では、貴方の救出に来るなんて不可能でしょうし…では、そろそろ」

 

 男が響音の方に覆いかぶさり、正常位の体制をとった。

 響音は固く目をつぶった。それが彼女が唯一出来る精一杯の抵抗だった。

 

 《こんなやつに、ウチの、初めて奪われるなんて…初めては、好きな人とって決めてたのになぁ》

 

 絶望の暗黒が彼女を黒く染め上げようとした、その瞬間。

 

 「やぁ、めぇろぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!」

 

 電光石化の如く、飛び出してきた緑色の閃光が、男を遥か後方へと飛ばした。

 閃光の正体は、響音のクラスメイト、緑谷出久だった。

 緑色のもじゃもじゃ頭、楕円形の瞳の奥には、強い怒りの意思が宿り、身体全身から緑色の雷光を放っている。

 しかし、彼のティーシャツのあちこちがボロボロだったり、彼自身もどこかダメージの残るような姿となっている。

 ここまで来るのに、相当な無茶をしてきた証だった。

 

 「やった。身体が…動ける!」

 

 男が手を離した事により、個性が解除され自由の身となった響音。

 

 「緑谷!あんた、何でここに!?」

 「あの時ね、僕も同じショッピングモールにいたんだよ。そしたら、耳郎さんが連れ去られていくのが、見えてさ、襲ってくるヴィラン達を何とか鎮静化して、ここまで急いで来たんだよ」

 

 慌てて、取られた下着とズボンを履く響音の質問に、着替え中の彼女を気遣い、彼女の方を見ることなく、出久は答えた。

 実は出久、この日は響音たちとは、完全に別の用事で同じショッピングモールに来店していたのだ。

 当然、お互いにスケジュールを合わせていない完全な偶然である。

 

 下を履き終え、出久の隣に並び立つ響音に出久は、頭を下げてきた。

 

 「ごめん、来るのが遅くなって!もう少し早く来ていれば…!」

 「いやいや、十分早かったし。ていうか、ありがとね、こんなボロボロになってまで来てくれて」

 

 出久とそんなやりとりを繰り広げていると、自分の下腹部の疼きが収まっていくのを響音は感じた。

 

 《良かった、もう、これで変な気持ちにならずにすむ》

 

 響音が安心していると、倒れたはずの男が起き上がった。

 

 「いってぇっ…!ガキがぁ!俺の邪魔をすんじゃねぇよ!!」

 

 男は出久の拳に当たる瞬間、奇跡的な条件反射で個性を使い、出久の攻撃力を一瞬だけ無力化したのだ。

 そのおかげで、多少のダメージはあっても起き上がる事が出来た。

 

「っ!まだ動けるのか!?耳郎さん、ここは僕に任せて。下がってて」

 

 出久は耳郎を守るように、彼女の前に出たが彼女はそれを良しとせず、再び出久の隣に並びたった。

 

 「いや、助けられっぱなしってロックじゃないじゃん。ウチも一緒に戦うよ」

 「耳郎さん…!」

 

 男にレイプ寸前までされといて、お姫様のように助けられた挙句、何も反撃なしというのは、響音のヒーローとしてのプライドが許さなかった。

 

 「…分かった。でも無茶だけはしないで」

 「いや、あんたには言われたくないわ」

 

 少し迷うかのような思案した出久だが、響音と共に戦う決意をした。

 響音もイヤホンジャックも、獲物を見つけた蛇のように狙いを定めた。

 

 「クソガキどもがぁ!男の方はぶっ殺して!女は今度こそ犯してやらぁ!!」

 

 本性を現した男に、寄り添うように並び立つ、二人のヒーローも構えた。

 

 「耳郎さん!あいつの個性、どんなのか知っている?」

 「あいつの個性は二つ、触れた相手を脱力させるのと…あ、あと、もう一個の方は触れた相手を…その…」

 「え、何?もう一個の方は何?」

 「…だぁあああ!もう良いでしょ!とにかく、あいつに触れられければ良いんだからさぁ!」

 「えぇっ!?ま、まぁそうだけど、でも急にどうしたの!?耳郎さん!!」

 「う、うるさい!と、とにかくあいつ、やっつけるよ!」

 

 純情な響音は、発情の二文字はさすがに恥ずかしくて言えなかった。

 

 「無視してんじゃねぇぞ!!テメェらぁ!!」

 

 ついに我慢の限界が来た男は、二人に向かって駆け出した。

 

 「近距離攻撃はまずい!遠距離で行くよ!『イヤホン=ジャック』!」

 「OK!『デク』!」

 

 二人は互いのヒーローネームを呼びあい、男へと向かっていった。

 

 結論から言えば、二人は男に勝利することが出来た。

 と言っても無事ではない。

 

 「痛っつ!痛い!耳郎さん、もう少し優しく!」

 「コラ、動くな。ちゃんと出来ないじゃん」

 

 出久は響音から手当をされており、出久のこめかみの傷口に響音が消毒をしていた。

 

 数分前。

 二人に追い詰められた男は激高し、隠し持っていた拳銃を取りだし、響音に向けて二発放った。それに気づいた出久は響音を庇い、こめかみと左腕の上腕部に軽傷を負ってしまった。貫通はせず、文字通りのかすり傷だったのが幸いだった。

 

 その後、二人の連携により、男を無力化、捕縛することに成功。駆けつけてきたヒーローと警察に男の身柄を引き渡した。

 クラスメイトたち数人も遅れてやってきて、その内の一人『八百万百』が自身の個性『創造』を使用。

 

 救急箱セットを作り出し、出久の手当をしようとしたが、それを響音が「代わりにやる」と申し出た。「自分がやるから休んでいてほしい」と、彼女を気遣う百だったが、「どうしても自分でもやりたいんだ」と百に再度言ってきた。

 響音の事が心配ではあったが、彼女の強い要望により、自身の役目を譲ることにした。

 

 そして、響音は今現在、百により譲られた手当の処置を出久に施していた。

 

 「まったく、あんたも馬鹿なんだから。な~にが「無茶をしないで」だ。自分が無茶して怪我してどうすんだよ。助けてくれたのは感謝しているけど、危うく死ぬかもしれなかったんだよ?」

 「うぅっ。面目ない。でも、「耳郎さんが危ない」って思ったら自然と身体が動いちゃって」

 

 申し訳なさそうに語る出久の顔を見た途端、響音は自身の胸が、締め付けられるような感覚がした。

 

 「…それは、「ウチ」だから、助けたの?」

 「…へ?」

 

 まるで、世界が止まるような感覚を二人は共有していた。

 響音の心臓が、うるさくドクン、ドクンとなっている。

 

 「芦戸や、麗日、他の女子でも同じことをした?」

 

 答えは決まっている。

 必ず助ける。

 元来、彼、緑谷出久は『自己犠牲精神』の塊のような人間だ。例え、何があったとしても自らを犠牲にしても、人を救う。故に、そこに優先順位など存在しない。

 決して『耳郎響音』だから、助けた訳ではないのだ。

 

 それを、響音も分かっていた。

 「君だから、救った」何故だかそう言ってほしかった。

 ヒーローとして、そんな独占的な考え方はタブーだ。

 だが、ヒーローではなく一人の女として、彼を独占したかったし、されたかった。

 

 《ウチ、ウチ何で、こんな事言っているんだろう。それに、さっきも別にヤオモモに任せておいてもよかったはずなのに…。何で、何で緑谷の近くにいたいって思ったんだろう》

 

 初めて出会った感情に、戸惑い、自問自答を続ける響音。

 

 すると…。

 

 「耳郎さん、大丈夫?顔赤いよ?熱あるんじゃない?」

 

 出久が心配そうに、響音の顔を覗き込んできた。

 響音は立って、彼を座らせ治療していたため、必然的に彼女を見上げるようになってしまった。さっきまで、敵を睨みつけたその瞳は、本来の優しい楕円形に戻り、彼女を優しく見つめている。

 

 その瞳の奥に映る、自分の赤くなった顔を見た響音は、布地に水がしみこむかのように、じんわりと自分の感情を理解した。

 

 《…嘘みたいだな。ピンチの時に心が折れそうになった時に、助けられた相手に惚れちゃうなんて…。まるで、おとぎ話じゃん。まさか、ウチがこんなベタな展開で、恋におちるなんてね。ウチってチョロすぎかな?…あぁ、ヤバい。さっきまで緑谷の事、なんとも思ってもなかったのに。今、めっちゃ好きになっている》

 

 見つめあう、二人の若き男女。

 出久当人は、まさか自分に恋慕の想いを向けられているとは知らず、子犬のように響音を見上げている。

 その顔を見ながら、自身の感情に驚きと戸惑いを隠せずに、されどどこか嬉しそうにしている響音。

 

 《まぁ、でもこの感情には、後々でゆっくりと向き合っていけばいいか》

 

 そう結論づけ、「ごめん、やっぱ何でもない」と彼に言い、治療を再開する。

 

 しかし。

 

 ドクンッ!!

 

 突如として、先ほどとは明らかに違う高鳴り方をする心臓。

 それと同時に、響音の頭に幻のように浮かび上がる映像。

 自身が生まれたままの姿となり、同じ姿となった出久の上に跨り、腰を振り、快感をこらえきれず、はしたなく喘いでいる。

 

 その映像を幻視した響音自身の、下腹部が再び疼き始めていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




耳郎ちゃんってエロくね?
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