(28)平蔵
『アッ…アッ…アッ…アッ…』
部屋に近づくと、小刻みに喘ぐ幼い声が聞こえてきた。
その声は…
『よしよし、良いぞ、香織、その調子だ。おまえも筋が良い、なかなか良い。』
濁声に励まされるや、一段と軽快に、心地よさ気になる。
『アーンッ…アッ…アッ…アッ…アーーーンッ…』
またか…
恒彦は軽く眉を顰めると、部屋の前に正座し…
『刑部にござんす。』
中に向かって、ムッツリと声をかけた。
『おーっ、ツネ公か。かまわん、入れ入れ…』
濁声が返事を返した後も、喘ぎは止まるどころか、一段と高くなる。
『アンッ!アンッ!アンッ!』
『どうだ?心地よいか?此処も心地良いか?』
『はい、とっても…アンッ…アンッ…アンッ…』
『もっと、責めて欲しいか?』
『はいっ!お願い…します…もっと…もっと…もっと…』
『よしよし、それで良い、それで良い。そうやって、身も心も快楽に委ねるのじゃ。』
『アンッ!アンッ!アンッ!アーーーーーーーンッ!!!!』
恒彦は、一瞬、襖に伸ばしかけた手を止める。
『どうした、ツネ公?早う入らぬか。』
『宜しいので?』
『構わんと言っておろう。』
恒彦が尚も躊躇しつつも、思い切って襖を開けると…
『アーーーーーンッ!アッ!アッ!アッ!もっと!もっと!もっと!アーーーーーーーンッ!』
真正面を向いた十一歳の全裸の少女…香織が、後ろから微かに膨らみを帯びた乳房と股間の
『よーしっ、よしよし、良い子じゃ、良い子じゃ。良いぞ、良いぞ、うまいぞ。』
中肉中背の白髪混じりの男が、後ろから調子付かせるように言うと、腰から頸にかけて、背骨に沿って丹念に舐めてゆく。
歳の頃は、既に六十を過ぎていると言うが…
未だ闊達としていて、見た目には四十代にも見える…
周囲では、香織と同じく、三人の少女達が、やはり全裸になり、平蔵と少女の姿に見入りながら、
『鈴子、美雪、花子…おまえ達もな、
『はい!』
『はい!』
『はい!』
十一の鈴子と美雪、十二になったばかりの花子は、平蔵に言われるままに、自らの胸と股間を弄り出した。
『アンッ…アンッ…アンッ…』
『アーッ…アーッ…アーッ…』
『アッ…アッ…アッ…アッ…』
少女達は、あるかなしかの乳房を揉み、乳首を摘み、発芽の兆しもない
鈴子はうずくまるように身を丸め…
美雪は香織同様に起こした
花子は仰向け大股開きにした腰を激しく上下させ…
それぞれの反応を示しながら、憚る事のない声を上げていった。
『そうじゃ、そうじゃ、みんな、その調子じゃ。』
平蔵は、少女達を一巡して、白髪混じりのやや太めな眉の目を細めると…
『では、香織…そろそろ、行くぞ。』
言いながら、十分に潤った
『はい、平蔵様…』
『哲で良い。哲人のテッちゃん…俺は主水のバカと違って頭が良くてな、みんなからそう呼ばれてる…教えたろう?』
平蔵が片目を瞑って言うと…
『はい、テッちゃん。』
香織も気をほぐしたように笑みを返した。
『そうだ、肩の力を抜いて、
平蔵は言いながら、ゆっくりと膨張した穂柱を、香織の
『アッ…アッ…アッ…アッ…』
一瞬…
香織は、それまでと打って変わって顔を顰め、歯を食いしばる。
『大丈夫…少しの辛抱…少しの辛抱…』
平蔵は、まるで初めてのおぼこをあやすような声をかけながら、慎重に奥まで入れて行き…
ゆっくりと
七つの時から、数多の男達に掻き回されてきたと言うが…
やはり、十一は十一、中はまだ狭く小さい。
『アッ…アッ…アッ…』
香織は尚も顔を顰め、歯を食いしばり続けるが…
平蔵が優しく頭を撫でながら、慎重に…しかし、慣れた調子で腰を動かすにつれ…
『アンッ…アンッ…アンッ…』
香織の顔も声も次第にほぐれてゆき…
やがて…
『アーーーーーンッ!アッ!アッ!アッ!アーーーーンッ!』
前にも増して、心地よさげな喘ぎをあげだし、自分から腰を動かし出した。
『よーーーーしっ!!!その調子じゃ、その調子じゃーーーーーっ!!!』
平蔵もまた、香織の声に合わせて、腰の動きを軽やかに早めてゆく。
併せて…
『アッ!アッ!アッ!アッ!』
『アーッ…アーッ…アーッ…』
『アッ…アッ…アッ…アッ…』
周りの少女達も、声も
やがて…
『アーーーーーン!!!!!』
『アーーーーーン!!!!!』
『アーーーーーン!!!!!』
『アーーーーーン!!!!!』
少女達が、ひときわ大きな声を一斉にあげると同時に、時が止まる…
次の刹那…
平蔵が穂柱を奥まで挿れて留めた香織の参道から、白濁したものが大量に溢れ出してきた。
『さあ、この後はどうするか、わかっておるな。』
『はい、平蔵様。』
『違うだろ?』
『アッ!テッちゃん…』
『そうじゃ、そうじゃ、良い子じゃ良い子じゃ。』
平蔵が、存分に白穂を放った穂柱を引き抜きながら言うと、香織はまたニッコリ笑い、胡座をかく平蔵の股ぐらに顔を埋めた。
『よしよし、先端を舌先でチロチロ擽りながらな、しっかり空になるまで、吸い込むんじゃぞ。』
平蔵は優しく香織の頭を撫でながら、漸く恒彦の方に目を向けた。
周囲では、正気に帰った他の少女達が、また、まだ余韻の残る股間を弄りながら、香織のする事をジッと見つめている。
『
一斉昇竜か…』
恒彦がボソッと言うと…
『
厳密に言えば、房道の作法だ。』
『作法?』
『そうだ。我ら
命や心を繋ぐ嗜みは、食事、茶飲み、
『だから、幼いものにも平然とそれを行い、見せつける…』
『当然だろう。小さい時から、箸の使い方や椀の持ち方を見せて教える。全く同じ事だ。』
平蔵の言葉に、恒彦が一層、眉を顰めると…
『何だ、おめえも主水のバカと同じ顔するんだな。』
『中村の主水…』
『そうだ。あのバカ、
馬鹿言っちゃいけねえ。
食うのも
当たり前の事を当たり前だと教えてやるのに、
それを、主水の馬鹿は…』
『まあ、おめえが主水に惚れ狂ってるのはよくわかったが…』
『おいおい、何だと?』
『だから、軽信が名無しとか言う奴に惚れ狂ってるように、おめえさんは、中村の主水に…』
『バカ言っちゃーいけねー!何で、俺が…』
平蔵は叫び立ち上がりかけると…
『痛てっ!』
思わず声を上げて、股間に手を回した。
香織の小さな口いっぱいに頬張っていた穂柱に、歯が当たったのである。
『もっ!申し訳ありません!』
それまで、満面の笑みで平蔵の穂柱をしゃぶり舐め回していた香織が、瞬時に凍りつく。
七つの頃から、ほんの少しでも歯を立てれば、凄惨な仕置きが待っていた記憶が蘇ったのだ。
しかし…
『おっ!すまんすまん、急に動いた俺が悪かった。』
『申し訳ありません…申し訳ありません…』
シクシク泣き出す香織に…
『大丈夫だ。俺はもう痛くねぇ。それより、おまえの舌使い、なかなかなもんだ。ほれ、見い、こんなにまた勃ってきおったわ。』
平蔵が優しく頭を撫でて言うと…
『まあ、本当。』
香織もまた、クスクス笑い出した。
『さあ、もう一舐めしておくれ。後でまた、しようなー。』
『はい、平蔵…いいえ、テッちゃん!』
平蔵が満面の笑みで何度も頷きながら香織の頭を撫でてやると…
『わっ!酷い!次は、私って約束でしょ!』
『ううん!私よ!』
『違うわ!私ったら、私よ!』
鈴子と美雪と花子が、一斉に平蔵に飛びつき、本当に噛みつき、つねり出した。
『わっ!痛ぇ!わかった!わかった!次はおめえ達だ!誰からとかではなく、一度にまとめて相手してやる!だから…だから…』
平蔵が忽ち悲鳴をあげ出すと…
『後じゃダメ!今してっ!今すぐしてっ!』
『でないと、テッちゃんの穂柱、本当に噛み切っちゃう!
『それっ!』
鈴子が平蔵を押し倒して唇を吸い、美雪は毛の生えた乳首の辺りを舐め回して、花子が思い切り穂柱を咥えて軽く歯を立てると…
『よしよし!それじゃあ、今からまとめて相手してやる!まとめて相手してやるぞ!』
平蔵も片端から小さな乳首を舐め、乳房を揉み、発芽のない
『すまん!こんな事情だ、もう少しだけ…
もう少しだけ、待ってくれ…』
恒彦は溜息混じりに首を振りながら立ち上がると…
少し離れた布団から、ニコニコ笑ってこちらを見つめる十三になったばかりと言う少女…
若芽と目が合った。
若芽は、忽ち頬を赤くして俯きだす。
『若芽、あの子達は、無事に送り届けてやったぞ。』
恒彦が言うと…
『ありがとう、ございます。』
若芽は、俯いたまま、細い声で礼を言った。
『みんな、最後までおめぇと一緒に行きたがっていた。俺も、おめえも…他の青兎達も行かせてやりたかった。本当に、よかったのか?これで…』
『はい。あの子達は、既に死んだものとされてる子達…いなくなったところで誰も気にも止めません。でも、私達は…』
『おめえには、家族がいねえと聞いたが?おめえが抜けたからって…責を問われる
恒彦が言うと…
『でも、あの子達には、みんな家族がおります。』
若芽は、平蔵と戯れ、ケラケラ笑う少女達に、愛しげな眼差しを向けた。
『あの子達って…どうぜ、試しが終われば、バラバラに
『それでも、縁あってここまで共に来た姉妹達…
ずっと、自分一人丸裸にされて、好奇の目線に晒されて、ボロボロになるまで弄ばれて…
やっとできた姉妹達ですもの…』
『だから、最後まで側にいてぇと…
その後、何十年、これまで以上の地獄を見ると知っていて、それでも、ほんの少しの間でも…』
『私の大切な妹達ですから…』
若芽がそう言って口を閉ざすと、恒彦もしばし押し黙った後…
『何か、欲しいものはねえのか?』
『欲しい…もの?』
『そうだ。食いてぇものでも、着てぇ着物でも…
言いかけると、若芽は答える代わりに、堪えきれなくなったように、恒彦の胸に顔を埋めた。
『おまえ…』
見れば、ハラハラと涙を溢れさせ、
佳奈…
恒彦は、一瞬、口にしかけたその名を飲み込むと、若芽の小さな肩をそっと抱きしめてやった。
『眠ったようだな。』
半刻ほど過ぎた頃…
恒彦が振り向くと、褌もつけぬ平蔵が、寝巻きを一枚だけ引っ掛けるように羽織りながら、後ろに立っていた。
『終わったのか?』
『見ての通りだ。』
平蔵が軽く顎をしゃくって見せると、少女達は、全裸のまま大の字になって、寝息を立てていた。
見れば皆、
『あいつらも、七日後には試しを受けて、それぞれの
それまでに、少しでも
死ぬまで、痛くて苦しいままでは、余りに哀れだからな。』
『死ぬまで痛い苦しいは哀れ…
同じ事を言い、同じ理由から、主水は一切、手をつけず、ひたすら飯事やお手玉の相手をしてやっていたな…先に送られた十人に…』
『あいつは、やっぱりバカな奴だ…みんな、あいつを慕い、抱かれるのが一番嬉しかったろうに…隠里の奥方様同様にな…』
『隠里…俺がいつもおめぇに預けていた、
恒彦が言いかけると、平蔵は答える代わりに軽く口元を引き攣らせた。
『ところで…今度の
『もっと、確実な引き取り手を見つけた。』
『軽信か?』
『朧衆が山でどれほどのもんかは知らねぇ。
所詮は、
だが、軽信に預ければ…』
『おめえ、楽園って場所に行った事があるのか?』
『楽園どころか…
恒彦が怪訝そうに聞き返すと、平蔵はまた、難しい顔をして押し黙った。
『テツ…おめぇも、軽信は気に入らねえか。俺も十分不愉快な女だがな…』
『俺は、基本、抱かねえうちは、その女を評価しねえ。女は抱いてみなけりゃわからねえ。まして、顔も見た事のねぇ女とあってはな…ただ…』
『ただ?』
『若がたいそう、嫌っておられる。』
『名無しか?みてぇだな。軽信は相当惚れ込んでいるようだが、まるで相手にされず、拗ねてる感じだ。』
『それと…主水の奴が…』
『また、主水か…こっちは、相当、惚れあってるな。あいつも、滅多に開かぬ口から出てくるのは、おめえの名ばかりだ。』
『ケッ!あいつが、俺の剣の腕に嫉妬してるのは確かだが…俺は、あいつがでぇ嫌ぇよ。』
『なら、何故、軽信の話であいつの名が出る。』
『でぇ嫌ぇだが、俺はあいつを信じてる。あいつの見立て…あいつの言葉を…
それで、あいつは言ってやがった。』
『今に、俺が泣きを見ると…』
『そうだ。特に、あいつに子供達を預けるのだけはやめた方が良い。若にも、いつも申し上げておったのだがな…
おめえも若も、何だかんだ言って人が良い。近づく相手にすぐ心を許してしまうところがある。生理的に受け付けなくてもな…』
『あの子達…
恒彦が眉を吊り上げ、横目で睨み据えるように言うと…
『おめえが、いつか泣きを見る。死ぬまで、自分を許せなくなる…そう言ってるんだ。』
平蔵は、何処か寂しげな目で恒彦を見つめながら、嘆息して言った。