「う〜お手洗いお手洗い」
今、お手洗いを目指して全力疾走しているわたしは、レンスター王家に嫁いだごく一般的なシアルフィ女子。強いて違うところを上げるとすれば夫のキュアンが大好きってとこかナ──名前はエスリン。
などというモノローグはさておき、レンスター王太子キュアンの妃であるエスリンは、流石に全力で走るような真似はせず、淑女の作法に則りあくまでも瀟洒にエバンス城の厠へと向かっていた。
「はあ。それにしても参っちゃうなぁ」
手早く用便を済ませ、手水にて手を洗いながらそう呟くエスリン。
この頃、彼女にはある悩みがあった。
「仲良すぎでしょ兄上と義姉様……」
目下の悩みは、晴れて夫婦となったシグルドとディアドラの事だ。
もちろん、エスリンは兄夫婦の結婚を我が事のように祝福していた。
ともすれば男やもめになりかねない程、女性の影も形もなかった兄シグルド。持ち込まれる縁談は全て断り、暇さえあれば剣を振っていた兄の姿は、エスリンでなくても心配の種となっていたであろう。
しかし、先のヴェルダン征伐にてディアドラと運命的な出会いを果たしたシグルド。そのまま電撃婚を果たし、エバンスにて幸せな結婚生活を営んでいる。
しかし、お互いに男女の契りを知らぬまま迎えた結婚生活。
勤勉な者が欲望に塗れた遊びを覚えたら歯止めが効かなくなるように、初夜を迎えてからのシグルドとディアドラは、互いの肉体の快楽に溺れる日々を過ごす事となる。
無論、政務に支障をきたす程ではない。というより、支障をきたす前にオイフェがなんとかしているというのが実情ではあったが、それでもシグルドとディアドラは城主とその妻としての責務をきちんと果たしてはいた。
とはいえ外聞が宜しくないのは確か。
というより、兄夫婦の春気に当てられて参ってしまったというのが本音だ。
夜半、小用で兄夫婦の寝室の前を通った時、漏れ聞こえる兄嫁のくぐもった嬌声を聞いてしまってからは、エスリンもまた下腹部に熱を帯び、悶々とした毎日を過ごしていた。
それを慰めてくれるはずの夫は、現在弟分を鍛えるのに一生懸命であり、疲れたと言って即寝入る始末である。
気合の入った下着で誘おうにも、直ぐに高いびきをかくキュアンに、エスリンはどうしようもない怒りと欲求不満に苛まれていた。
「全然気付いてくれないんだから……キュアンのバカ……」
エスリンの不満は、いつの間にか兄夫婦から夫へと向けられていた。
仕方なしに同じベッドに潜り込み、キュアンの匂いを嗅ぎながら自涜に耽る。シーツに薄っすらと自身の残滓を残すに至って、それが余計に怒りと虚しさを増長させていた。
こんなことをしてもキュアンはずっと寝ているなんて、あんまりだわ。
「ごきげんよう、エスリン」
「あら、エーディンじゃない」
自室に戻ると、親友であるユングヴィ公女エーディンが現れる。
そういえばお茶をする約束をしていたのだわと、エスリンは慌てて用意をしながら出迎える。無作法であるが、エスリンとは長い付き合いである為、エーディンはさして気にもせずお茶の準備を手伝っていた。
「ごめんね、ちょっと考え事をしてたから」
「いいのよ。貴女と私の仲じゃない」
ともあれ準備が整い、淑女二人は紅茶を一口飲む。
アルスター産の茶葉で淹れた紅茶は少し渋みが強かったが、これはキュアンの趣味だった。
「ねえ、聞いてよエーディン」
それから、エスリンは先程感じた不満をエーディンへとぶちまけた。もちろん性事情をあけすけに言う事は無いが、要約すればキュアンが構ってくれないの一言を、長々と恨み節めいた調子で続ける。
夫婦の不満を未婚女性にぶつけるのはいかがなものかしらんとエーディンは思うも、口に出さぬ優心が彼女にはあった。
「そうねぇ……」
ひとしきり愚痴を聞き終えると、エーディンはすっかり冷めてしまった紅茶を口に含み、やがて薄く微笑んだ。
「エスリン、私はね、男に抱かれるより男を抱く方が好きな女なの」
「は?」
いきなり場の空気が変わった。
突然の不意打ちにエスリンは戸惑うも、エーディンは構わず続ける。
「だから今ね、ミデェールの調教をしているところなの」
「急にどうした?」
「最後まで聞きなさい」
「アッハイ」
真顔で頷くエスリン。
それから、エーディンは滔々と、そして赤裸々に度し難い事を語り始めた。
ちなみにエーディンがユングヴィ騎士ミデェールと男女の仲となったのは、シグルド軍の者達では既に周知の事実だ。
婚姻はしていない。公には、ミデェールはユングヴィ公女公認第一愛人としての立場を与えられていた。
これはグランベルでは特に珍しい事ではなく、未亡人や独身の貴族女性が愛人を持つのはままある事で、大抵は御付武官がその地位を射止める事が多かった。
無論、そのような関係になるには当人達の恋愛感情がなければ成り立たない。
数年前にエーディンの御付武官となったミデェールは、そこはかとなく慕情を寄せていた公女が、実のところ自身にも恋慕の感情が向けれられていた事に気付いていた。もっとも、奥ゆかしい二人はそれ以上関係を進展させる事はなかった。
二人がお互いの感情を吐露させる切っ掛けとなったのは、ヴェルダンによるユングヴィ侵攻だったのは言うまでもない。
シグルドはもちろん、周囲は祝意を向けており、ヴェルダン新王となったジャムカも少々の残念さを滲ませながらもエーディンを祝福していた。もっとも、彼は国政の立て直しに奔走されていた為、とても恋愛にうつつを抜かす暇はなかったのだが。
そして、ヴェルトマー公子がひとり枕を濡らしたのも、言うまでもなかった。
「今ね、私の可愛いミデェールの全身を、それこそ爪先から髪の毛一本に至るまで全て……全てを性感帯にしているところなの。ミデェールがヨガり狂い泣いて懇願するのを見るのが私の悦び……フフ、アノ時の彼ってね、とっても可愛くて、まるで子犬みたいなの。だから、まずは彼のアヌスを拡ちょ」
「もう結構です」
流石に度し難すぎた。
エーディンが時折このような世界観に没入するのはエスリンにとって初めての事ではなかったが、それにしても急が過ぎる。
生々しいエーディンの語りに、エスリンはたまらずギブアップしていた。
「これからが本番なのに……まあ、つまり私が言いたいのはね」
おほんと居住まいを正し、エーディンは
「襲っちゃいなさい。四の五の言わずに」
「えぇ……」
身も蓋もないエーディンのアドバイス。しかし、有効であるのはエスリンも認めていた。
が、それをするのは難しい。
「出来るならとっくにやってるわよ……」
エスリンは何度かキュアンの寝台に潜り込み、甘い声を囁きながら夫の身体に四肢を絡ませては強引に性交を敢行しようとはしていた。
しかし、キュアンは「疲れているのだ」とまともに取り合わず、逆にエスリンを抱き枕のように拘束し、そのまま熟睡してしまう。エスリンはむにゃむにゃと抗議を上げるも、濃厚な伴侶の体臭に脳髄を焦がし、自身もまた気絶するように眠ってしまうのが通例だった。
「別に起きてる時にやらなくてもいいのよ」
そのようなエスリンに、エーディンは淡々と言葉を続けた。
「疲れて寝ている殿方のアレを元気にする方法はいくらでもあります。こないだミデェールにも試したけど、まず彼のアヌスに岩ゴボウ」
「もう結構です!」
結局、その日のレンスター王太子妃とユングヴィ公女のお茶会は、ろくでもないアドバイスだけを残して幕を閉じた。
とはいえ、エーディンが提示した戦術はともかく、戦略は有効であるのはエスリンも認めていた。
満足気に去るエーディンを見送りつつ、エスリンは顔を赤らめながらも何かを決心していたのだった。
「キュアン、起きてる?」
誰もが寝静まった夜。
レンスター王太子夫妻に充てがわれた寝室は僅かな燭台の明かりだけに照らされており、小暗い室内では探るようなエスリンの声が響いていた。
部屋にはそれなりに大きい寝台が二つ備え付けられている。共寝をしようと思えばひとつで十分な大きさの寝台だった。
おそるおそるキュアンが眠る寝台へ近付くエスリン。いつもの如く疲労したキュアンはさっさと寝てしまっており、返事の代わりにいびきをひとつ上げていた。
「寝てるわね……よ、よし……!」
夫の熟睡を確認すると、エスリンは慎重に寝台へ腰をかけた。ぎしりと軋む音が鳴るも、相変わらずキュアンは寝ている。
夫の寝顔──端正で、力強い勇士の顔が燭台の明かりで照らされており、シャツから覗くたくましい胸板も暖かな光に照らされていた。
やや陶然とした表情でそれを見つめるエスリン。
その装いはゆとりのあるネグリジェで、薄桃色の花柄刺繍が施されている。薄布の下には小ぶりな乳房に桜色の乳頭が隠れていた。
経産を経ても、エスリンはまるで少女のような肉体であったが、へそから下は男をしっかりと受け入れられるようにほどよい肉付きだった。
少女であり母親であるアンバランスな魅惑。それが、春気と共に醸し出されていた。
「し、失礼しま~す……」
羊毛で拵えられたキルトをめくり、もそもそと侵入せしめるエスリン。それに気付かぬまま、キュアンは惰眠をむさぼり続けていた。
常に戦いに身を置いていたレンスター槍騎士であるキュアンは、本来ならば針の落ちる音でも即座に起床し戦闘態勢に移行出来るよう訓練はされている。
だが、親友が仁徳良く治める至極安全な場所、更にこの世で一番気を許している相手と同室となれば、キュアンの警戒心も全く霧散しているのは仕方のないことかもしれない。
「スゥ……はああ♥」
やがて、エスリンはキュアンのまたぐらへ頭を突っ込むと、小さく息を吸い込んだ後、ゆっくり吐きながら夫の香りを堪能する。陶然とした表情を浮かべるも、やっている事は飼い犬が飼い主によく行うアレな光景だった。
もっとも、エスリンの頭の中では「夫を起こさないように優しく慰めてあげる自分」「妻として甲斐甲斐しくお世話をする自分」「そして疲れ果てた夫が目覚めると、そこには愛しい妻の扇情的な姿が……」などという都合の良い妄想が繰り広げられていた。
「んっ……ふぅ♥」
しばらく匂いを楽しんだあと、おもむろにエスリンは夫の下着に手をかける。そして慣れた手つきでずり下げていくと、キュアンの屹立した男根が現れた。
「わぁ……♥」
うっとりとした表情を浮かべるエスリン。闇に包まれたリネンの中ではその姿は見えないが、何度も受け入れて来た夫の分身。
目に見えずとも肌で感じ取る事ができた。
「すごく大きい……♥」
まだ触れてもいないのに、エスリンの下腹部は疼きを覚え、湿った体液でショーツを汚した。
疲れ魔羅というものなのか、キュアンの男根は主の意識が途絶えていても、強烈な存在感を示していた。
「ん……ちゅ……♥」
啄むように熱いものに口をつける。鼻孔を貫く夫の匂い。それは甘く切なく脳髄まで浸透していく。
もっと味わいたい。そう思った瞬間には、もう舌を這わせてしまっていた。
「れろぉ……♥」
鈴口から溢れる先走り汁を舐めとり、そのままカリ首から裏筋にかけてなぞっていく。
ビクビクと震える感覚を楽しみつつ、エスリンは舌を滑らせていった。
(いつもより大きいカモ……わたしとの赤ちゃんを作るためにこんなに大きくしてくれたのかな……♥)
愛する夫への奉仕を続けながら、エスリンは己の秘所へと手を伸ばした。そこは既に濡れており、軽く指先で触れるだけで水音が鳴った。
「あっ♥」
その淫猥な音色に煽られるかのように、エスリンはますます大胆になる。
まずは右手を陰唇へ沿わせると、ゆっくりと上下させる。くちゅりと粘つく音を響かせながら、次第に速度を上げていく。
左手では乳首をつまみ上げ、快楽を貪っていた。
「あ……♥ だめぇ……イっちゃう……♥」
リネンの中で、くぐもった甘い声が漏れる。やがてエスリンの手の動きが激しくなると、それに合わせて彼女の腰も浮き上がってきた。
「んっ♥ はぁ……んんっ♥」
びくんっと身体を跳ねさせ、エスリンは絶頂を迎えた。
だがそれで終わりではない。彼女はキュアンの剛直を握ると、再び上下運動を再開させた。
「しゅごい……♥ これ好きぃ♥」
快感に蕩けながらも、一心不乱に手を動かすエスリン。
やがてキュアンの男根も限界を迎えようとしていた。
「出る? 出していいよ……全部受け止めてあげるからね♥」
夫の子種を全て搾り取ろうと、エスリンはより激しく扱き上げる。同時に、自らの乳房を揉みしだき乳頭を強く摘んだ。
「イッて、キュアン♥ わたしも、イクッ♥ イグゥ♥♥」
キュアンの射精と、エスリンの二度目のオーガズムは同時だった。
熱い精液が、エスリンの手の中で、どくどくと噴き出る。
「ああ……いっぱい出てる♥」
夫の吐き出した欲望を一滴たりとも逃さぬよう、手の中に全て収める。それから、エスリンは手酌で夫の精液を口にした。
ゼリーのような濃い液体。喉に絡ませながら、取り憑かれたかのように嚥下していった。
「んっ……ぷぁ♥ 美味しかった♥」
満足げに微笑むと、キュアンの肉棒は再び硬度を取り戻しつつあった。
「もう元気になってる……♥」
妻の痴態を睡眠化でも認識しているのか。射精をしても尚、即座に勃起状態を取り戻すキュアン。
「まだ大丈夫よね……」
一度きりで終わるはずがない。エスリンの瞳が妖しく光る。
「今度は、こっちに……♥」
エスリンはもぞもぞと夫の身体を滑るように自身の身体で覆う。そのまま寝間着の裾を捲ると、自ら脚を広げ、ショーツ越しに秘裂を充てがった。
「ほら……わたしの、お……おまんこ……こんなに濡れてるんだよ?」
耳元で甘く囁くように言うと、キュアンは切なげな呻きを漏らす。
亀頭が触れた陰唇は、既に下着の機能を喪失させるほどに湿り気を帯びていた。
「んっ……♥」
ショーツを脱ぎ捨て、直接秘部を押し当てる。
エスリンの割れ目はヒクつき、熱く脈動するキュアンの怒張を今か今かと待ち望んでいた。
「挿れるね……♥」
キュアンの返事を待たずして、エスリンは腰を落としていく。
膣口にカリ首が触れ、その先端が侵入してくる感覚だけで、エスリンは軽く達してしまった。
「はぁ……♥ ああっ♥」
久方ぶりの夫の熱い温度。娘のアルテナが生まれてから、数える程しか身体を重ねて来なかった。
愛する夫との交わり。それを思い出しただけで、エスリンの子宮は疼きを増す。
「ふぅ……んっ♥」
最奥まで飲み込むと、エスリンは背筋を仰け反らせ、大きく息をつく。それだけでまた達してしまった。
歓喜と快楽。自責と背徳。眠る夫を犯すという、淑女としてあってはならぬ淫猥な行為。それが、幾度も押し寄せる波となって、エスリンの背筋を震わせていた。
(だめなのに……いけないことだってわかってるのに……どうしてやめられないかしら)
だがその罪悪感すらも興奮剤となる。愛する夫の子を宿したいという本能が、エスリンを駆り立てていく。
「動くね……♥」
腰を浮かし、落とす。それを繰り返すだけの単純な動作だが、エスリンは何度も絶頂を迎えた。
「ああっ♥ すごっ……気持ちいいっ♥」
愛液と先走り汁の混ざった淫靡な音が、寝間に響く。それはエスリンの聴覚までもを犯し、脳髄を溶かしていった。
「だめぇ♥ イクッ……イッちゃうよぉ♥」
一際強く腰を落とすと、エスリンの意識が弾ける。
「ああ、ダメ♥ キュアン、好きぃ♥」
夫の名を呼びながら絶頂を迎える。同時にキュアンの男根からも、二度目とは思えぬほどの濃い白濁が放たれ、エスリンの胎内を満たした。
「すごい……いっぱい……いっぱい出てるよ♥」
秘裂から溢れ出すほどの精液を感じ、エスリンは得も言われぬほどの幸福感に包まれた。
「もっと出していいよ……全部受け止めてあげる♥」
夫の子種を全て搾り取ろうと、エスリンは再び抽送を始めた。
「ああんっ♥ しゅごい♥」
まだ硬い。夫の分身は、妻の膣内で未だ剛直を保っていた。
再び訪れた灼熱の快感に、エスリンは身悶えた。
「んっ♥ はぁ♥ んんっ♥」
夫の肉棒を扱き上げながら、自らも腰を振る。その姿は、まるで娼婦のように妖艶で、それでいて母性に満ちていた。
「キュアン♥ キュアン♥ 大好き♥ ずっと、ずっと一緒にいるからね♥」
エスリンは夫に覆い被さるように身体を倒し、口づけをする。舌を差し入れ、唾液を流し込みながら、夫の肉棒を扱いた。
「んちゅ……んんっ……んぐっ♥」
唇を重ねながらも、抽送は止まらない。むしろ激しさを増している。
エスリンは夫の肉体を愛しつつも、貪るように求め続けた。
「ん……んむぅ!?」
不意に、眠っているはずの夫の舌が、エスリンの舌へ蛇のように絡んだ。
突然の出来事に驚いたが、すぐに理解した。
夫は起きているのだ。眠りについたままではあるが、妻が自身を犯す様を認識し、そして今まさに反撃に出たのだと。
「んっ♥ んんっ♥」
唾液を交換しながら、キュアンはエスリンの身体を抱き寄せる。密着し、ぎゅうと妻の肉体を抱きしめた。
「ぷはっ……」
唇を離すと、互いの口から糸を引いた唾液が垂れ落ちる。
陶然としつつ、エスリンは不審と愛情が混ざった視線を感じていた。
「エスリン……」
低く掠れた声だった。それは間違いなく夫のもので、その声で名を呼ばれるだけで、子宮が切なく疼いた。
「私も、君が好きだ……愛している」
そう言って、キュアンは優しくエスリンの髪を撫でる。
「ふぁ……♥」
多幸感と快感が混じった感情が、エスリンの背中を貫いた。
だが次の瞬間、エスリンはまるで局地的な地震が発生したと錯覚するほど、腰部に強烈な衝撃に襲われた。
「ひゃああっ♥」
膣内に収めたままのキュアンの男根が膨張し、妻を下から突き上げていた。子宮口を直接貫かれ、エスリンは悲鳴を上げるように喘いだ。
「だが、眠っている夫を襲うのは感心しないな……!」
「ひゃぅ♥ だ、だめぇ♥♥♥」
激しいピストン運動で責められ、エスリンは為す術もなく絶頂を迎えてしまう。それでもなお、キュアンの攻勢は収まらない。
「ああっ♥ ご、ごめんなさぃ♥ キュアン、ごめんなさぃぃぃ♥♥♥」
絶頂に達しても許して貰えず、エスリンは泣き叫ぶような謝罪の言葉を口にする。だが、そんな妻の声を聞いてか聞かずか、キュアンは更に激しく抽送を続けた。
「ひぐぅ♥ だめっ♥ み、みないでぇ♥♥」
快楽の涙と、恥辱の汗と、悦びの蜜。それらが混ざり合い、結合部から溢れ出す。
互いの汗に塗れ、夫婦の体液を吸ったシーツは見る影もないほど汚れていた。しかし、そんなことはもはやどうでもよかった。
ただひたすらに、愛する夫の責め苦を受け続ける。それが今の自分にできる唯一の贖罪であるかのように。
「キュアン♥ キュアンッ♥ ああ、だめぇ♥ もう、もう♥♥♥」
倒錯する感情、幾度も押し寄せたオーガズム。
永遠に続くかと思われたそれは、夫の男根が今日一番に膨らんだことで終わりを告げようとしていた。
「くぅっ……出すぞっ! エスリン!!」
そう言って、キュアンは思い切り腰を突き上げ、深く、深くエスリンの胎内に男根を突き入れた。
「 あぁ、キュアン♥ キュアンッッ♥♥♥」
泣き叫ぶエスリンの声が響くと、子宮口にめり込むほどの勢いで精液が注がれた。
夫の腕の中でのけぞりながら絶頂するエスリン。ひくひくと全身を引き攣らせるエスリンに合わせるように、キュアンの男根も蠕動を繰り返しながら精液を吐き出し続けていた。
「はぁ……はぁ……」
長い射精を終え、キュアンは荒い息を吐きながら、もう一度エスリンを、今度は優しく抱きしめた。
「……ぁぅ♥」
密着しつつ、震えながら夫の腕の中で余韻に包まれるエスリン。キュアンがゆっくりと自身の肉棒を抜き出すと、ずるりと音を立てて引き抜かれる感覚に、エスリンは呆けたような甘い声を上げた。
秘裂からは白濁した液体がどろりと流れ出し、シーツに染みを作る。
「愛しているよ、エスリン」
「……わたし……もぉ……♥」
耳元で囁かれる愛の言葉を耳にしながら、エスリンはようやく意識を失った。
翌朝。
結局、妻にここまでさせてしまったと恥じたキュアンは、弟分の面倒を見つつ毎夜義兄夫婦に負けぬほど励むようになった。
かえって腰痛などの身体的負荷に苛まれる事となったエスリンは、エーディンへ感謝と恨みがないまぜとなった感情を向けるようになったのは言うまでもない。
尚余談ではあるが、そう遠くない内に、レンスター王太子妃は二人目の命を授かる事となる。
キュアン「睡姦逆レはルールで禁止スよね」