「ねえエルトシャン。貴方ラケシスの事が好きなの?」
ノディオン王国
ノディオン城
ノディオン城の城主夫妻の寝室は、垂直を強調したゴシック様式の調度品が並び、天蓋付きの寝台も獅子王の寝床に相応しい武骨な造りであった。
しかし、その持ち主であるノディオン王国国王エルトシャンは、妻であるノディオン王妃グラーニェが発したこの言葉を受け、凍りついたように固まっていた。
「……家族としてなら、もちろん。大切な妹だ。何故そのような事を聞く?」
寝台に腰をかけながらそう応えたエルトシャン。グラーニェは備え付けられた鏡台の前で髪を梳かしており、その表情はよく見えなかった。
「別に」
髪から手を離し、ゆっくりと振り向いたグラーニェの顔には笑みがあった。しかしその笑顔はどこかぎこちなく、まるで仮面のように張り付いているように見えた。
「……もう遅い。寝るとしよう」
エルトシャンは妻の顔から目を背け、何かから逃避するように寝台へと横たわる。
久方ぶりの共寝。しかし、エルトシャンはどうも妻の肉体を抱く気にはなれなかった。
先程の何気ないグラーニェの問いかけは、なんらやましいものは無い。
そう己に言い聞かせるも、妻が己の心、その最奥に潜む感情を見抜いているようで、落ち着かなかった。
「そうね」
グラーニェはそう言って横たえるエルトシャンの側に腰をかけた。
エルトシャンは顰みながら目を閉じており、ギシリと寝台が軋む音と衣擦れの音だけが聞こえる。
そして、少しして寝台が大きく揺れる感覚と共に、エルトシャンの上に柔らかい重みが加わった。
「久しぶりなんだし、もう少しお話しない?」
甘えたような声色で囁くグラーニェ。彼女はエルトシャンの首元に手を伸ばし、啄むように口づけをした。
「……あまり無理をするな」
グラーニェの瑞々しい唇を感じ、エルトシャンは少しばかり血が滾るのを自覚した。しかし、妻の栗色の髪をひとつ撫でると、自制を促すようにそう言った。
実際、夫婦がベッドを共にしたのは数年ぶりであった。その理由はもちろん、グラーニェの健康問題にあった。
長子アレスを出産した時、グラーニェは産後の肥立ちが悪く、一時は満足に起き上がれぬほど体調が悪化していた。ようやく快復しても、度々体調を崩しては床に臥せる日々を送る。
アレスの成長と比例するように、グラーニェの身体は次第に弱っていったのだ。そのような彼女をエルトシャンは気遣い、グラーニェの為に寝室を分け、決して情事を共にする事は無かった。
しかしここ数ヶ月で、グラーニェは以前の活力を取り戻しつつあった。
理由は言うまでもない。属州領からもたらされる秘伝の薬草──オイフェが融通してくれた妙薬により、グラーニェはレンスターで初めて出会った時と同じ、いやそれ以上に若々しい身体を取り戻していた。
元から上達者であった剣術も猛然と稽古をこなすようになり、その腕前はイーヴやエヴァなどクロスナイツの上級騎士達ですら不覚をとりかねないものとなっていた。
稽古で鍛えられたグラーニェの肉体。引き締まるところはしっかり締り、それでいて豊かなバストや柔い肌。
妻の健康的な性は、まったくもってエルトシャンの嗜好に合致していた。
今宵、陛下の御寝所へ伺いたく存じます。
夕餉の折、グラーニェから少々芝居がかった調子でそのように言われたエルトシャン。うんと頷いていたが、同席していたラケシスへ視線を向けると、ラケシスは一瞬だけ何かを耐えるように切ない表情を浮かべていた。
それを見て、エルトシャンは心の奥底に封印していた感情が、じわりと熱を帯びていくのを感じていた。
ラケシス。母は違えど、実の妹。
そのラケシスに家族の情愛ではない、男女の愛情を抱いていた事に気づいたのはいつだったろうか?
複雑な事情があり、エルトシャンが妹と初めて出会ったのは十七歳の時だった。ラケシスは十二歳。美しい蝶が舞う庭園で出会った少女は、一目見て自分のものにしたいと思うほどの魅力を持っていた。
だが同時に、エルトシャンはその気持ちを抑え込んだ。家族の情愛以上の感情を持たないよう、己の心を厳格に律し続けていた。
当然だろう。この世界の普遍的な価値観では、近親相姦などあってはならぬ事だったからだ。まして聖戦士の一族がそれを行うのは、かつてダーナに降臨した古代竜族が直々に戒めていた禁忌。
しかし、ラケシスが美しく成長するにつれ、その想いは重く、切なく募る一方。
そして、それはラケシスもまた同じだった。
エルトシャンがレンスター王累に連なる大貴族の娘──グラーニェと婚姻したのは、一種の逃避行動だったのかもしれない。
グラーニェがノディオンへ嫁いで直ぐにアレスを身籠ったのは、それだけエルトシャンがラケシスへの想いに苛まれていたからだろうか。
エルトシャンはグラーニェの事も愛していた。その活発な性格はとても好ましかったし、臥せがちになってからも気丈に振る舞うグラーニェが愛おしかった。
ラケシスに感じるような湿りのある感情ではなく、爽やかな風のような快活な愛。エルトシャンがグラーニェに想う気持ちは概ねそのようなものだった。
だからこそ、今。
ラケシスへの想いを見透かしているようなグラーニェの、その肉体を求める気分は湧かなかった。
獅子王は暗く湿った罪悪感に苛まれ、妻の身体を直視する事ができなかった。
「そうね。無理はしないわ」
そのようなエルトシャンへ、グラーニェは聖女のような微笑みを浮かべた。だが、その瞳は笑っていなかった。
「……おい」
エルトシャンの言葉を無視するように、グラーニェは絹で拵えた薄手のローブを脱いだ。この頃貴族女子の間で流行している上下の下着──黒いブラジャーと、黒いショーツが現れる。ショーツの下には黒色のガーターベルトを履いていた。
扇情的な妻の姿に、エルトシャンは思わず視線を向けてしまう。
「ん……」
グラーニェはゆっくりとした動作でブラのホックを外した。剣術の稽古はグラーニェの肉体をより健康的なものにしていた。ほどよく引き締まりくびれた腰。そして、形の良いバスト。着痩せする性質なのか、とても豊満な乳房を揺らしていた。
血色のよい桃色の乳輪。経産を経てから、乳輪は少し大きくなっているように見える。乳首は陥没していた。しかし、それは醜悪なものにはまったく見えず、ただグラーニェの快活で、淫靡な魅力を引き出すだけであった。
「もう、そんなにまじまじと見つめないでよ」
「……すまん」
グラーニェの艶めかしさに、エルトシャンはつい視線を逸らした。その仕草にグラーニェはくすりと笑うと、寝台の上を移動し、エルトシャンの下半身を覆う布へと手を伸ばした。
「グラーニェ、今日は」
「ねえエルト」
エルトシャンの言葉を遮るように、グラーニェは妖しく囁きかける。そして、彼女が夫をこのように呼ぶ時は、何か激しい感情を秘めている時だった。
グラーニェはエルトシャンの下腹部に手を伸ばし、優しく撫ぜながら言った。
「私、ラケシスの事は好きよ」
エルトシャンは下半身に甘い疼きを覚えつつ、妻の顔を見る。グラーニェは慈母のような表情でエルトシャンの目を見ていた。しかしその眼差しの奥には、情欲と、嫉妬の炎が灯っていた。
グラーニェはエルトシャンの陰茎を下履き越しに触ると、そのまま手を這わすように動かして刺激を与え始める。
「んっ……!」
妻の巧みな指使いに、エルトシャンは思わず声を上げてしまう。若い滾りは瞬く間に血が巡り、収まるべき孔を求めて屹立した。それに応じるように、グラーニェの手の動きは徐々に激しさを増していった。
「だから、あなたがラケシスを……妹じゃなくて女として愛していても構わないわ」
「何を……!?」
エルトシャンは驚愕と共にグラーニェを見た。グラーニェは口元に小さな弧を描き、慈愛と憎悪が混じった表情で夫の顔色を窺っていた。
「でもね」
「っ」
エルトシャンの喉が鳴る。グラーニェは下履きの中へ手を入れ、直接彼のものを握っていた。文字通り急所を握られ、エルトシャンは身動きが取れなくなる。
「これは私だけのものよ。エルトのこれは、私だけが知っていればいいの。誰にも渡さないわ……!」
「ぐっ……!」
グラーニェはエルトシャンのものを強く握って扱き上げる。エルトシャンはあまりに強い刺激に、全身を大きく震わせた。
「グラーニェ、やめ──!?」
制止の声を上げようとしたエルトシャンの口を、グラーニェは自分の唇で塞いだ。グラーニェの舌が、夫の口腔内に侵入する。グラーニェの唾液が、エルトシャンの体内へと流れ込んでいった。
「っ、グラーニェ!」
しかし、黒騎士ヘズル直系の肉体は臥所の上でも伊達ではない。エルトシャンはグラーニェの肩を掴み強引に引き剥がす事に成功する。肩を掴まれたグラーニェは、その痛みに顔をしかめた。
エルトシャンはそのままグラーニェをベッドに押さえつけた。荒くなった息を整えながら、グラーニェの双丘に視線を向ける。陥没していたはずの彼女の乳首が、いつの間にか固く尖っていた。
「エルト……」
組み伏せられたグラーニェは抵抗する事なく、むしろ誘うような目つきでエルトシャンを見上げた。エルトシャンはまるで操られているかのように、妻の乳房に手を伸ばした。
「あっ♥」
エルトシャンの武骨な手が、グラーニェの乳房を掴んだ。グラーニェの口から熱い吐息が漏れる。エルトシャンはグラーニェの乳房を揉みしだきながら、その先端に吸い付いた。
「あんっ! ああ、エルトぉ……♥」
グラーニェの喘ぎ声が大きくなる。エルトシャンはその豊満な胸を弄びつつ、もう片方の手でショーツの中に手を滑り込ませた。
「はぁ、はううっ♥」
陰毛を掻き分け、エルトシャンは秘裂をなぞるようにして指を這わせる。そこはすでに潤っており、指を動かす度にくちゅくちゅと湿った音が響いた。
「はぁ、はぅっ……んっ♥」
グラーニェは頬を紅潮させ、切なげな表情で夫の顔を見上げた。
「エルト、来てぇ……♥」
「……」
グラーニェの濡れた瞳。奥底には、変わらず複雑なものが浮かんでいた。
エルトシャンは愛撫する手を止め、自身のシャツに手を掛けた。そして一気に脱いでしまうと、鍛え抜かれた裸体が露わになる。
そのまま下履きも取り払うと、怒張した剛直がぶるりと震えて飛び出した。グラーネェはそれを見ると熱に侵されたような笑みを浮かべ、自分のショーツを脱いだ。
裸となったノディオン国王夫妻。その剥き身の姿は、貴人としての仮面を取り払った原始的な男女の姿。エルトシャンの獅子は雌を喰らうべく牙を剥く。そして、グラーニェは豹のように雄を捕食するべく腰を突き上げた。
「エルト……♥」
グラーニェは両手で秘裂を広げ、夫を受け入れる体勢を取った。エルトシャンは覆い被さるように妻を抱き締めると、猛々しい肉棒の先端で入り口に触れた。
「グラーニェ……」
「エルト……んっ♥」
エルトシャンはゆっくりと腰を押し進めていく。二人の接合部から、愛液と先走り汁が混ざり合った液体が溢れ出した。
「んっ、はぁ……あっ、ふあ……♥」
「ぐっ、う……!」
ずぷっ、ぬぷっと音を立てて、太く長い陰茎がグラーニェの胎内へと侵入していく。膣壁が押し広げられる感覚に、グラーニェは艶やかな声を上げた。一方エルトシャンは、愛する妻の中へ挿入するという行為によってもたらされる快感に、歯を食い縛って耐えていた。
やがて、エルトシャンのものは根元までグラーニェの中へ収まった。二人はそのまま動かず、互いの体温を肌で感じ合っていた。
「……っ」
しかし、それは長く続かない。エルトシャンは陰茎が馴染む前に動き出した。
「あっ、はぁんっ♥」
力強い抽挿が始まり、女体が激しく突き上げられる。貫かれる度に、グラーニェは甘い声を上げた。彼女は両腕を頭の後ろに組み、夫へ挑戦するようにその動きに合わせて腰を動かし始めた。
「はぁっ、あぁっ、いいっ、もっとぉ♥」
エルトシャンがグラーニェの腰を掴み、さらに激しく責め立てる。グラーニェの白い肢体は波打つように痙攣し、快楽の汗で濡れていった。エルトシャンの肉体も、その激しさに呼応するかのように汗を流している。
「はぁっ、ああ、エルト……♥」
「グラーニェ……!」
グラーニェが唇を求めてきたため、エルトシャンはそれを受け入れてキスをした。互いに舌を絡ませ合いながら激しい性交を続ける。結合部からは絶えず淫らな水音が響き、ベッドのシーツを濡らしていった。
「エルト、エルト、エルトぉ♥♥」
一際大きな嬌声を上げるグラーニェ。絶頂が近いのか、彼女の全身が大きく震え始めた。彼女の甘く甲高い嬌声は、まるで誰かに聞かせようとしてるかのようだった。そして、それはエルトシャンの獣欲を大いに煽った。
だが、エルトシャンはその獣欲に絡みつく糸のようなものを感じていた。グラーニェの肢体が、己の心にまでまとわりつくような、束縛的な感覚。
「くっ……!」
エルトシャンは得体の知れぬ感覚を振り払うように腰の動きを早めた。強く、容赦のない抽挿。肉と肉が打ち付け合う淫らな音が大きくなる。
ほどなくして、膣壁が蠕動を始め、それに呼応するように陰茎が大きく膨らみ始めた。
「あぁ、あっ、ああぁぁーーっっ♥♥♥」
そして、グラーニェは達した。
「っ、ぐぅぅ!!」
同時にエルトシャンも限界に達し、鈴口から多くの濃い精液を吐き出す。
「あ、熱いぃ……♥」
陰茎が脈動する度に注入される粘ついた精液。グラーニェはその熱さに身体を大きく震わせ、まるで捕らえた獲物を逃さない雌獅子のようにエルトシャンにしがみつき、爪を立てた。子宮口がひくひくと震え、夫の子種を一滴残らず搾り取ろうとしていた。
やがて射精が終わると、エルトシャンは逃れるように腰を引き、陰茎を引き抜いた。引き抜いた瞬間に、大量の白濁液が膣から溢れ出し、シーツに大きな染みを作る。
「はぁ、はぁ……」
しがみつくグラーニェを引き剥がし、ベッドの上で荒い息を吐くエルトシャン。視線の先には、同じく荒く吐息を漏らし横たわるグラーニェの姿があった。
「はぁ……♥」
グラーニェは肩で呼吸をしながら、蕩けた瞳でエルトシャンを見つめた。自身の汗が混じった、汗に濡れた夫の肉体。むせ返るような雄の匂いが、グラーニェの鼻腔を刺激する。
「ねぇ……エルト……♥」
グラーニェはそう囁くと、虚脱した身体を動かし、ベッドの上にうつ伏せとなった。それから、膝をゆっくりと立て、秘裂を見せつけるように脚を広げる。茂みの陰には、注ぎ込まれたばかりの精液がとろとろとこぼれ落ちていた。
「エルト……♥」
グラーニェは妖艶な笑みと共に夫の名を呟いた。体液で濡れた尻肉、そして濃い性臭を発する秘裂がエルトシャンを煽るように晒される。
「っ、……!」
エルトシャンは視線を逸らす事ができなかった。己の意思に反し、陰茎がまたも勃起し始める。鈴口はしずしずと透明の雫を垂らし、射精したばかりの陰嚢は新しい精子を作り出すためにぐつぐつと活性化していった。
エルトシャンは炎に誘われる蛾のようにグラーニェの背中に覆い被さった。ひくひくと蠢く肉襞へ亀頭を触れさせる。
「挿れてぇ……♥」
グラーニェは艶やかな声で誘い、腰を揺らめかせた。部屋の中に充満する淫気により、エルトシャンの理性のタガが外れようとしていた。
獅子王はただの
「っ、がああああ!!!」
「ひぎぃ──っっ♥♥♥」
欲望に突き動かされ、エルトシャンは一気に根元まで挿入した。再び訪れた圧迫感に、グラーニェは悲鳴にも似た声を上げる。だが、その声は歓喜と達成感に染まっていた。
「ぐっ、がぁ、ぐああ!!」
エルトシャンは激しい抽迭を開始した。太い陰茎が膣内を押し広げ、引き抜く時にはカリ首が膣壁を引っ掻く。グラーニェは狂おしいほどの快感に悶え、涙を流しながら喘いだ。
「ひっ、ぎっ、ひぃぃ♥♥♥」
狂ったように乱れるグラーニェ。だが、彼女の表情とは裏腹に、膣内はきゅうっと締まり、陰茎を離すまいと強く締め付けた。
エルトシャンは逃れるように両手を前に回し、豊満な乳房を掴んだ。柔らかさと弾力を兼ね備えた胸肉を思い切り揉みしだき、乳首を摘んで捻り上げる。
「ひぁっ♥ あっ、あぐぅ♥♥」
グラーニェは痛みと快楽の両方を受け獣のような声を上げた。膣壁がより一層強く収縮し陰茎を締め付ける。破裂音の如き肉音が響き渡り、二人の結合部からは愛液や精液が混ざったものが飛び散った。
「うぐぅ、ぐぅぅ!!」
エルトシャンは獣のような唸り声を上げ、グラーニェの身動きを封じるように抱きすくめた。そして、無我夢中で腰をぶつけ続ける。
「あぁ♥ すごぉ、おぉぉぉぉぉっっ♥♥♥」
グラーニェは絶叫しながら身をよじらせた。膣が更に締まる。陰茎が子宮口に何度もキスをする。視界が明滅するほどの激しい快感。身体がバラバラになってしまいそうな錯覚に陥る。
城下の職人が丹精を込めて拵えたベッドが悲鳴を上げている。壊れてしまいそうだ。いや、もう壊れかけているかもしれない。それほどまでに激しい蹂躙。
性行為が始まる前、妻の体調を慮っていたとは思えないほどのエルトシャンの獣性。そして、その状況へ誘導したグラーニェの湿った感情。
結果、生まれたのは、互いに涎を垂らし、汗を噴き出させ、髪を振り乱して貪り合う二頭の獣の姿だった。
「ふっ、ぐぅぅ!!」
エルトシャンはそのままグラーニェを抱えながら膝立ちとなり、背後から突くような体勢を取った。より鋭角的に子宮口を抉られ、グラーニェは背中を大きく仰け反らせる。
「はっ、はげしっ、いぃぃぃ♥♥♥」
逃げ場が無い杭打ち抽挿により、グラーニェは潮を漏らしながら喘ぐ。エルトシャンは妻の痴態を一切無視し、ただ己の獣欲に従い続けていた。
「ひぅっ──♥」
更に胎内を抉られるグラーニェ。気付けばエルトシャンはグラーニェの脚をガニ股に開くように持ち上げ、両腕を脇の下から差し入れるようにして羽交い締めにした。
「ふっ、ふっ……!」
頼りないベッドでは雌を満足に犯せないという本能に従ったのか、エルトシャンはグラーニェの肢体を上下に揺すりながら立ち上がり、ベッドから降りた。歩きながら妻を犯し続ける。
「おぐっ!? ごっ、おっ、おぐぅぅ♥♥♥」
重力とエルトシャンの腕力によって、グラーニェの身体はより深く陰茎を飲み込んでいく。内臓を圧迫されると、肛門から空気が押し出され、濁った声が漏れた。
「んぉ♥♥ おぉっ♥ おうぅぅぅ♥♥♥」
下品な音と共に無様な痴態を晒すグラーニェ。激しく飛散する愛液に混じり、尿道から黄ばんだ液体を撒き散らしていた。
下半身を妻の体液で濡らしたエルトシャンは、そのままグラーニェの身体を床に押し付けるようにして組み伏せる。
「はぁっ、はぁっ、がぁ!!」
エルトシャンは荒々しい呼吸を繰り返し腰を打ち付けた。グラーニェの膣は痙攣し続け、時折強く収縮したかと思うと、陰茎を搾り取るように吸い付いた。
「うぅ♥ ひぃ、ひぃぃ♥♥♥」
床に這いつくばりながら全身を痙攣させるグラーニェ。度重なる絶頂に意識を失いそうになるが、膣内の刺激がそれを許さない。彼女の膣は、夫の陰茎の形を覚えてしまうほどに、がっちりと絡み付いていた。
気付けば寝室の扉の前にまで来ていたようで、グラーニェは助けを求めるように扉を掻いた。だが、エルトシャンはグラーニェを押し潰すように体重をかけ、彼女の足掻きを封じた。絨毯に爪を立てながら、グラーニェは涙と涎を流して喘ぎ続けていた。
「あぐぅ♥ お、しま、い♥ も、もう、ゆ、てぇ♥♥♥」
グラーニェの哀願を無視し、エルトシャンは更に抽迭の速度を上げた。最早言葉にならない喘ぎしか発せなくなったグラーニェだったが、どこかこの獣の交尾のような激しい行為を望み、悦んでいるかのようだった。
「くっ、ぅ──!!」
エルトシャンが大きく腰を引き、ぎりぎりまで陰茎を引き抜いた。カリ首が露出し、鈴口が僅かに覗いている。
そして、次の瞬間、一気に膣奥目掛けて突き込んだ。
「おぉぉぉぉぉぉっっ♥♥♥♥♥」
グラーニェは絶叫し、身体を弓なりにしならせた。陰茎が子宮口にめり込み、亀頭が膣壁を削り上げる。そのあまりの衝撃に、グラーニェは再び失禁してしまった。
「があぁぁぁぁぁぁっっ!!!」
同時に、エルトシャンが咆哮を上げた。獅子が雌を征服するように、エルトシャンはグラーニェに覆い被さったまま大量の精を解き放った。
「かはっ──♥♥♥」
子宮口に密着した状態で放たれたため、子宮内に直接、大量の白濁が流し込まれた。その灼熱感にも似た快感に、グラーニェは息を詰まらせる。
「はっ、はっ……!」
エルトシャンは射精しながらも、更に子宮口をこじ開けようとするかのようにグリグリと腰を押し付けた。猫科の雄が確実に雌を受精させるように、脈動しながら射精する陰茎を埋没させていた。
「ひぃ──♥♥♥」
グラーニェは瞳を見開き、涙を零しながら悶えた。膣内から溢れ出た愛液や尿、そして精液が床に水溜まりを作っていく。
「ぐぅぅっ……!」
ひくりと陰茎が震え、最後の一滴が絞り出されると、ようやく長い射精が終わりを告げた。エルトシャンはそのまま潰れた蛙のように床を這いつくばるグラーニェへ、ぐったりともたれ掛かるように体重をかけた。
「ひゅ──♥」
完全に脱力したグラーニェの膣から、ずるりと陰茎が引き抜かれる。栓を失った秘裂からは、ごぽごぼと精液が流れ出していた。
グラーニェは暫くの間、虚ろな表情のまま、焦点の合わない視線を浮かべていたが、やがて糸が切れた人形のように失神した。
「……」
エルトシャンはグラーニェを守るように抱きしめた。目は正気を取り戻し、無体な性交を強要した罪を償うように妻を抱きしめていた。
「……すまなかった」
小さく呟き、グラーニェの体温を感じながらエルトシャンは目を瞑った。
その贖罪の声は、意識を失ったグラーニェに向けられていた。
だが、その声を聞いていた者は、自身に向けられた言葉だと錯覚していた。
「エルトにいさまぁ……」
扉の向こうで、か細い声を上げる、美しい金髪を備えた乙女の姿があった。
切なく、顔を赤らめたその表情。ネグリジェの下は汗に濡れ、ショーツは湿った股間に張り付いている。
そして、乙女の指は、自身の愛液で濡れていた。
愛してしまった兄の獣のような性交。それを聞きながら自涜に耽っていたラケシス。
背徳の愛に苛まれる兄妹の姿が、そこにあった。
オイフェ「違、わたしそんなつもりじゃ……」