※この作品はR-18です。

逆行オイフェ(スケベ版)   作:範馬勇太郎

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第43.5話『アルヴィス×アイーダ』

 

 夜伽を命じられたアイーダは、主君であるアルヴィスの寝室へ向かう前に身支度を整えていた。

 騎士服を脱ぎ、身体の隅々まで丁寧に洗い清めていく。自身の燃えるような赤髪にも香油を塗り込み、臥所へ赴く準備をする。

 それから、ある大事な下準備を入念に行った。

 

「……」

 

 身だしなみが整ったところで、アイーダは鏡で己の裸身を確かめた。

 普段から訓練に励んでいるせいか、無駄な贅肉は一切ない引き締まった肉体だ。乳房や臀部といった女性的な部分は見事なもので、男なら誰もが視線を奪われることだろう。切れ味の鋭い目元も、彼女の怜悧な美しさに拍車をかけていた。

 

「アルヴィス様……」

 

 ふと、アイーダは切なげに主君の名を呟いた。

 もう何度も繰り返されて来たアルヴィスとの情事。アイーダは逢瀬を重ねる度、忠誠心と恋慕の間に苛まれていた。

 この呪いにも似た想いは、アルヴィスと初めて出会った時に萌芽し──アルヴィスに女を教え、自身が男を知った時から、アイーダの心に重たい根を広げ続けていた。

 初めて出会った時、アルヴィスは母親──シギュンに手を引かれ、気恥ずかしそうにアイーダを見つめていた。

 この時のアルヴィス様は五歳で、私は十歳だったかしら。そう思い返すアイーダ。あの頃は、アルヴィスも良く笑う、年相応の無垢な少年だった。

 

 シギュンが失踪し、父ヴィクトルが憤死してから、アルヴィスの心から笑顔が消えた。

 しかし、それでもあの頃はまだ異母弟アゼルの母親がいた。彼女と共に、アルヴィスの心を慰めていた日々を過ごしていたアイーダ。

 失った母親の代わりを求めるように、アルヴィスはアゼルの母とアイーダへ、遠慮がちではあるが子供らしく甘えを見せていた。

 

 アルヴィス様。私のかわいいアルヴィス様。

 

 アイーダはともすれば姉のような感情をアルヴィスへ抱いていた。アルヴィスも、アイーダを姉と想って慕っていたのかもしれない。

 

 そのような二人の関係に、二度の転機が訪れる。

 一度目は、アルヴィスが十五歳になった時だった。

 他の公爵家はどのような風習があるのかは知らぬが、ヴェルトマー家では当主の息子が十五歳になった時、重臣の娘に夜の相手をさせる習わしがあった。

 その相手に選ばれたのが、当時二十歳となったばかりのアイーダだった。

 

「……」

 

 アイーダはその日のことを鮮明に覚えている。

 緊張した面持ちで寝室を訪れたアイーダ。迎えたアルヴィスは、自身の紅い髪のように頬を染めていた。

 ぎこちなく寝台の上に座るアルヴィスを見て、アイーダは胸の奥底から愛しさを覚えた。同時に、この方の初めてを素晴らしい思い出にしてあげたいという、献身的な想いが湧き上がっていた。

 

 成長途上の陰茎をそっと口に含み、優しく舐め上げる。びくりと腰を引くアルヴィスだが、すぐにアイーダの口淫を受け入れていた。

 それから、アルヴィスを優しくベッドに誘い、戸惑う少年の男を自身の蜜壺へ収めた。

 アイーダも初めての性交だったが、破瓜の血は流れなかった。女官から性交のあれこれを教わった際、アルヴィスへ余計な恐怖心を与えないよう、張形を以て事前に練習していたからだ。

 

 アルヴィスの初体験は素晴らしかったようだ。彼は行為が終わると、そのまま安らかな寝息を立て、アイーダの腕の中で眠りに落ちていた。

 その後も、アルヴィスの性的好奇心に従い、何度も身体を重ねて来た。

 

 初めて臥所を共にしてから二年後。もうひとつの決定的な転機が訪れる。

 それは、アルヴィスが十七歳、アイーダが二十ニ歳になった時だった。

 

 アゼルの母の死。

 もうひとりの母と慕った女性の死は、アルヴィスをひどく憔悴させた。

 心の支えとなっていたものが消え、アルヴィスは荒んだ表情を見せるようになった。元々繊細な所があったアルヴィスは、周囲の慰めをまったく顧みず、一人沈鬱な様子でいることが多くなった。

 

 そして、ある晩のこと。

 アイーダはいつものようにアルヴィスの部屋へと向かい、彼に奉仕を始めようとした。

 しかし、アルヴィスは突然激情に駆られたように、アイーダを強引に犯し始めた。戸惑うアイーダに構わず、獣欲をぶつけるように激しく責め立てた。

 

 アイーダは抵抗をしなかった。ただ、アルヴィスを受け入れ、慰めるように彼を抱きしめた。

 唯一抵抗したのは、アルヴィスがアイーダの膣内へ射精をしようと、抽送の速度を上げた時だ。

 慌てて制止するアイーダ。しかし、アルヴィスはその叫びを無視し、そのまま絶頂を迎え、彼女の中へ精液を放った。

 夜伽役に課せられた最大の戒め。それは、吐き出された精は、必ず胎外へ出さねばならないということ。

 後継者問題を複雑にしないよう定められたそれを、アイーダはもちろん、アルヴィスも忠実に守っていた。

 しかし、この時のアルヴィスは、一切の躊躇もなく、アイーダの中に子種を撒いたのだ。

 

 どうして、とはアイーダは思わなかった。

 ただ盲目的に悲しみに苛まれるアルヴィスを受け入れていた。

 

 この一件以降、アルヴィスはアイーダを遠ざけた。一切の甘えが消えたアルヴィスの命にアイーダは唯々諾々と従った。切ない想いが過るが、アイーダはそれを決して表に出さなかった。

 

 アイーダが感情を露わにしたのは、自身の妊娠に気付いた時だった。

 堕胎を決断しようとした。しかし、父や親友の必死な説得により、彼女は産むことを決意した。

 生まれた赤子は、両親の赤髪を受け継いでいた。

 サイアスと名付けられた子を、始めはただの母親として愛した。成長するにつれ幼かったアルヴィスの面影を見せるサイアスを、深い愛情をもって育て上げた。

 幸せな母と子の時間。

 

 しかしそれは、サイアスにファラの聖痕が発現した事で終わりを告げた。

 

「……」

 

 物思いから覚めたアイーダ。窓の外には夜の帳が落ち、空に月が出ていた。これ以上、主君を待たせるわけにはいかなかった。

 薄手のローブだけを身に着け、足早に主の寝室へ向かう。その表情は、何か辛いものを堪えるように歪んでいた。

 数年前、アイーダに出仕を命じ、自身の副官として重用し始めたアルヴィス。久方ぶりに出会ったアルヴィスに、かつての情は感じられなかった。

 再び夜伽を命じられ、臥所を共にしても、アルヴィスはあの時のような甘えや激情は一切見せなかった。

 ただ機械的に己の性欲をアイーダで解消する。行為が終わった後の睦言は、表に出せぬ謀略を命じる時間と変わり果てていた。

 

 だが、それでも、アイーダは。

 

「アルヴィス様。アイーダです」

 

 切ない想いを抑えながら、アイーダはアルヴィスの寝室の前に立った。扉の向こうから返事はない。アイーダは意を決し、ゆっくりとドアノブに手をかける。

 鍵はかかっていなかった。

 

「失礼します」

 

 抑揚のない声で告げると、アイーダは室内へ入った。

 部屋の中は薄暗い燭台の明かりで照らされ、寝台の上で横になっているアルヴィスの影だけが見えた。

 静かに寝台へ近づくと、ガウンを羽織ったアルヴィスの姿があった。

 

「遅いぞ」

 

 アイーダを一顧だにせず、冷たく言い放つアルヴィス。申し訳ありませんと頭を下げたアイーダは、努めて感情を表に出さないように注意しながら、アルヴィスの傍まで近づいた。

 

「脱げ」

 

 アルヴィスがそう言うと、アイーダははい、と答え、ローブを脱いだ。

 一糸纏わぬ姿を晒すアイーダ。彼女の肢体は、経産を経ても尚、美術品のように美しかった。

 それから、アルヴィスは上体を起こし、寝台の縁へ座る。

 一礼したアイーダは膝立ちとなり、アルヴィスの下腹部へと顔を近づけた。

 

「……」

 

 布の隙間から現れた陰茎は、既に固く勃起していた。

 アイーダは目を伏せ、そっと舌を出す。そのまま亀頭を舐め上げる。

 ぴくりと反応を示すアルヴィス。アイーダは鈴口を丹念に刺激した後、大きく口を開き、一気に男根を口に含んだ。

 

「ん……ふぅ……っ!」

 

 熱い吐息と共に、アイーダは唇で竿を擦り上げていく。唾液を絡めて肉棒を濡らしていき、時折強く吸い付いていく。

 裏筋にキスを落とし、陰嚢に手を添え優しく揉みほぐしていく。そのまま弄びつつ、もう片方の手で根元を扱き始める。

 

「く……!」

 

 アルヴィスが僅かに声を漏らした。アイーダは一度口から陰茎を引き抜くと、自身の乳房でアルヴィスのモノを挟み、上下に動かす。弾力のある胸の感触に、アルヴィスの陰茎は一層硬くなり、アイーダの鼻先を押し返した。

 

「んぅ」

 

 アイーダは小さく喘ぐと、再び陰茎を咥えた。先端から滲む先走りを味わうように飲み込んでいき、乳房と口中を使って射精を促した。

 

「っ!」

 

 アルヴィスの身体が震える。同時に、アイーダの喉奥へ白濁液が放たれた。

 

「ん──っ」

 

 アイーダは躊躇なく精液を飲み込む。そして尿道に残った精液を丁寧に吸い取り、口元や胸元に残った透明な露を指先で拭った。

 アイーダが顔を上げる。精飲後の気怠さを感じさせぬ、凛とした表情でアルヴィスを見つめた。

 

「お疲れ様でございました」

 

 淡々と告げられた言葉に、アルヴィスは無言で返す。

 

「失礼します」

 

 それから、アイーダはアルヴィスのガウンへ手をかけた。丁寧な手付きでそれを脱がすと、アルヴィスの肉体が露わになる。

 騎士らしく鍛え上げられた筋肉質な上半身。無駄な脂肪が一切ないその裸体。記憶に残るあの青々しい身体とは違う、雄々しく成長したアルヴィスの肉体。

 しかし、その美しさは変わらない。

 

「あ……」

 

 思わず、アイーダの口から小さな呟きが出る。

 愛おしさが不覚にも溢れる。かつて睦み合った少年と同じ存在でありながら、その内面は全く違う存在になった主君。だがそれでも、アイーダにとっては愛しい人に変わりはなかった。

 

「アルヴィス様……」

 

 熱を帯びた声でアルヴィスの名を呼ぶと、アイーダは恭しく主君の身体へしなだれかかった。

 

「アイーダ」

 

 しかし、返って来たのは冷たい声だった。

 

「……失礼しました」

 

 アイーダは僅かに口元を噛みしめると、静かにアルヴィスから離れる。それから、ベッドの上で四つん這いとなり、主へ尻を向けた。

 

「どうぞ」

 

 溢れる感情を抑えながら告げたアイーダ。アルヴィスは何も言わず、アイーダの後孔へと触れる。

 

「んっ」

 

 敏感に反応してしまうアイーダ。そのまま、アルヴィスはアイーダの肛門へ指をねじ挿れた。

 

「んぅ……!」

 

 腸壁を弄られる感覚に、アイーダは嬌声を必死で抑えた。同時に、粗相をしないよう、アイーダは括約筋に力を込める。

 身支度をした時、特製の下剤を服用し、幾度も排便をしてから水差しで腸内を洗浄していたアイーダ。故に、アイーダの直腸は綺麗なものだったが、それでもアルヴィスを汚してしまわないか不安であった。

 

「んぁ!?」

 

 不意に、アルヴィスの指先がアイーダの前立腺に触れた。アイーダの身体が震える上がる。だが、アイーダはどうにか耐えた。

 

「ん……アルヴィス様……どうか……」

 

 アイーダが振り返り、そう懇願する。アルヴィスは無言で自身の屹立した陰茎を取り出し、アイーダの縦に割れた肛門へとあてがった。

 

「は……ん……!」

 

 みちりと、ゆっくりと入ってくるアルヴィスの男根。大きく太い圧迫感に、アイーダは喘いだ。

 全て挿入されたところで動きを止めるアルヴィス。アイーダは一息ついてから、そっと自分の下腹部を撫でた。

 

「んぅ……!」

 

 僅かな刺激でさえ感じてしまい、アイーダの頬は紅潮していく。同時に、凄まじい寂寥感に苛まれた。

 夜伽を再開してから、アルヴィスはアイーダへ精を注ぎ込んでいた。しかし、それは膣にではない。情交を再開してから、アルヴィスの肉棒は、一度もアイーダの膣内へ挿れられる事はなかった。

 変わらず、そして変わり果てた関係。

 それが、アイーダの心を蝕んでいた。

 

「ん……んぅ」

 

 アイーダが腰を動かし始める。それに合わせて、アルヴィスもピストン運動を開始した。

 

「あっ! んっ、んっ!」

 

 アイーダの声が高くなっていく。それに呼応するように、アルヴィスの動きが激しさを増していった。アイーダの尻肉へ爪を立て、乱暴な抽送を繰り返す。愛撫は無い。ただ性処理を行う為だけの行為。

 

「んっ、んぅっ!」

 

 しかし、それでもアイーダには十分な快楽となっていた。心は満たされなくとも、肛虐を繰り返す内に、彼女の肉体はどうしようもなく淫らに変化していた。

 その証拠に、アイーダは腸壁を抉られる度に、秘裂からとめどなく蜜を溢れさせ、シーツの上に大きな染みを作っていた。

 

「んぁっ、アルヴィ、ス様、っ!!」

 

 背筋を引き攣らせ、射精したかのように愛液を噴出させたアイーダ。絶頂し、痙攣しながら這いつくばる彼女を無視して、アルヴィスは抽送を続ける。アイーダの腰を乱暴に掴み、道具のように扱った。

 

「ひっ、ぃ、あ──っ!」

 

 連続して襲うオーガズムの波。脳髄まで蕩けそうな快美感が、何度もアイーダを襲う。

 だが、そのような状態でも、彼女は懸命に尻穴に力を入れてアルヴィスの陰茎を締め付けた。

 ただ、愛する主君に満足してもらう為だけに。

 

「っ、出すぞ……!」

 

 そう言ったアルヴィスは、アイーダの両腕を掴み、強引に身体を引き起こすと、思い切り腰を打ち付けた。

 

「あぁ──っ!!」

 

 アイーダの身体が大きく仰反る。深く、深く埋没したアルヴィスの怒張が、びくびくと蠕動を始める。

 

「ぐっ!」

 

 短く叫んだアルヴィスは、最奥部へ亀頭を押し付けると、そこで大量の白濁を吐き出した。

 

「あおぉ……おっ……!」

 

 アルヴィスの子種を注がれながら、アイーダは獣のような声を上げた。パクパクと口を開閉し、全身を震わせながら、アルヴィスの精子を一滴残らず受け止めていく。

 

「っ」

 

 長い吐精を終え、ようやくアルヴィスが陰茎を引き抜いた。栓を失ったアイーダの肛門からは、どろりとアルヴィスの放った子種が零れ出た。

 

「はーっ……はーっ……はーっ……!」

 

 荒い呼吸を繰り返しながら、アイーダはうつ伏せとなって全身を弛緩させていた。緩んだ肛門からひっきりなしに液体が流れ、同調するように膣口から潮水を垂れ流していた。

 

「……」

 

 そのような状態のアイーダを、アルヴィスは黙って見下ろしていた。肩で息をしながら、冷たい眼差しを向けていた。

 もし、アイーダがこの時のアルヴィスの瞳を見ていたら。

 その奥底──冷たい感情の奥底から、僅かに、ほんの小さな火が灯っていたのを、気付けたのかもしれない。

 

「はぁっ……はぁっ……」

 

 しかし、激しい情交を終えたばかりのアイーダにそのような余裕は無かった。ただ虚しさと愛しさが混ざった感情を抱きつつ、アイーダは濡れた肉体を横たわらせ、哀しい営みの余韻に浸り続けていた。

 快楽で流した涙は乾き。新たに零れた涙は、彼女の身体に纏わりついた切ない想いを洗い流すようにシーツへと吸い込まれていった。

 

「アイーダ」

 

 しばらくして、アルヴィスはアイーダの名を呼んだ。アイーダは消耗した肉体に鞭を打ち、主の求めに応じた。

 

「失礼……します……」

 

 膝を二つに折り、僅かに股を開くように座るアルヴィスへ、這うように近付くアイーダ。そして、腸液と精液で濡れた陰茎を口に含んだ。

 丹念に舌を絡め、こびりついた液体を舐め取っていく。

 

「んぅ……ちゅぷっ……」

 

 アイーダが頭を動かす度に、形の良い乳房が揺れ動く。アルヴィスはそれを無機質な瞳で眺めていた。

 

「んむ……じゅぽっ」

 

 丁寧に陰茎の清掃を続けるアイーダ。まだ熱く脈打つそれを愛おしげに頬張り、尿道に残った精子を飲み込んでいく。

 

「んふぅ……」

 

 全て飲み込み終えると、アイーダはアルヴィスの陰嚢にも舌を這わせた。それから、下腹部や内股の汚れも舌で掬い取って綺麗にしていく。

 

「ん……」

 

 そうしていると、アルヴィスの男根は再び硬く屹立し始めた。アイーダは心の内側から喜悦のようなものが湧き起こるも、伺うような言葉を向ける。

 

「まだ、なさいますか?」

 

 少々の期待を孕ませた声で尋ねるアイーダ。だが、その問いに対する答えは無く、代わりにアルヴィスは立ち上がった。

 

「あっ……」

 

 それを見たアイーダの顔に落胆の色が浮かぶ。しかし、直後に髪を掴まれて顔を上げさせられた事で、表情に困惑の彩が加わった。

 

「あぐっ!?」

 

 無理矢理に顔を持ち上げられて、アイーダが苦悶の声を上げる。だが、アルヴィスはそのような彼女を意に留める事も無く、そのままベッドの上へと放り投げた。

 

「っ!」

 

 再度、うつ伏せに倒れるアイーダ。

 

「ひぅっ!?」

 

 直後、臀部に鋭い痛みが走る。平手で打たれたのだ。

 

「くぅっ! んぅっ!!」

 

 二度、三度と尻肉を叩かれながら、アイーダは主の暴力に耐える。肉を打つ甲高い音が鳴り響き、柔肌には紅い痕が増えていく。何度も、何度も強い打擲が、アイーダの尻肉へ刻み込まれた。

 

「ひぃっ!!」

 

 一際強く叩き付けられた瞬間、アイーダは大きく仰け反った。

 

「くっ……うっ……!」

 

 じんわりとした痺れがアイーダの下腹から脳天まで伝わってくる。同時に、秘裂からは新たな蜜が滲み出て来た。

 被虐的な快感に打ち震えるアイーダだったが、そこでアルヴィスの動きは止まった。彼の手が離れた後でも、アイーダは尻を突き出した格好のまま動けずにいた。

 

「はぁ……はぁ……!」

 

 荒い呼吸を繰り返すアイーダ。秘裂から愛液を噴き出し、赤く腫らした尻を小刻みに震わせている。尻穴もヒクつき、まるで次の刺激を期待しているようだった。

 そのような彼女の姿を、やはり無言で見下ろすアルヴィス。

 

「……っ!」

 

 やがて、アルヴィスは怒張した肉棒をアイーダの肛門に押し当てると、一気に挿入した。

 

「ぎぃっ!!!」

 

 その衝撃だけで、アイーダは絶頂を迎えた。シーツを握り締め、ビクビクと痙攣する。うねるように直腸が収縮し、アルヴィスの剛直へ激しく絡みついた。

 

「くっ……!」

 

 思わず声を漏らすアルヴィス。その反応にアイーダは喜びを覚えつつも、腰を動かされてしまえば、もう何も考えられなくなった。

 

「ひっ!! はぁっ!! んぅっ!!!」

 

 尻肉を穿つ音が響き、激しい抽送が行われる。内蔵が押し潰される程の勢いで突かれる度、アイーダは声を上げて乱れ狂った。

 

「はぁっ、はぅ、あはぁっ!!」

 

 アイーダの全身から汗が吹き出す。膣内からも愛液が分泌され、結合部付近を常に卑猥な水音で奏でていた。

 

「ぐぅっ!!」

 

 唐突に、アルヴィスは射精した。

 

「ああーーっ!!」

 

 腸内に大量の精液が流れ込んでくる感覚に、アイーダは歓喜と絶望が入り混じったような絶叫を上げた。

 

「あ……あ……うぅ……」

 

 虚ろな目で虚空を見つめつつ、アイーダは体内を満たす熱い液体を感じていた。ポンプのように脈動しては、粘ついた精液を送り続けるアルヴィスの男根。愛液に混じり、小水がアイーダの秘裂から垂れ流されていた。

 

「うぁ……!」

 

 突伏しながら、アイーダは三度目の涙を流した。

 粗相をした羞恥からではない。

 とうとう抑えられなくなった、哀しさからだ。

 たくさん、たくさん注いでくれた。でも、これがもし私の子宮に注がれていたら。

 そのような切なく、哀しい想いが、アイーダの心を苛んでいた。

 

「っ」

 

 アルヴィスは最後にぶるりと身体を震わせると、小便を切るように尿道に残った精液を出した。

 文字通り便所のように扱われても、アイーダは倒錯した快楽で全身の孔から体液を流し続けていた。

 

 

「……申し訳ありません、アルヴィス様」

 

 アイーダが言葉を発せられるようになるまで数刻の時を要した。

 快楽と哀しみに押し潰されたアイーダを放置していたアルヴィスは、その謝罪の言葉を聞いてようやく彼女の方へと視線を向けた。

 

「寒いな」

 

 そう呟いたアルヴィス。様々な液体で濡れたシーツの上に身体を横たわらせていた。

 

「すぐに替えを」

「いや、このままで良い」

 

 しかし、アルヴィスは汚れた寝具を気にもせず、そのままアイーダの身体を抱き寄せた。

 

「温めろ」

「……はい」

 

 アイーダはその言葉に従い、アルヴィスの上に身体を重ねた。肉の布団で主人を包み込むかのように、優しく抱き締める。

 アイーダの灼熱の体温。そして、汗や愛液、精液や腸液、そして小便で汚れた肉の感触。アルヴィスは複雑な臭いを放つアイーダを、まったく嫌がる様子もなく受け入れていた。

 

「……」

 

 アイーダは湧き起こる幸福に耐えるように口を固く結びながら、その胸板へと頬を寄せて目を閉じた。

 

(私は……)

 

 この人を、心からお慕いしている。

 アルヴィスの胸に抱かれ、アイーダは改めて自分の気持ちを再確認する。

 アルヴィスの事を思うだけで、倒錯的な幸せを感じられる。

 

 彼のためなら何でもできる。

 彼のために命を投げ出せる。

 

 それが、私にとって最高の悦びなのだから。

 

 

 

 

 

 

 




サイアス「えぇ……」(ドン引き)
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