「ミデェール、お待たせ」
湯浴みを終えたユングヴィ公女エーディンは、臥所にて緊張した面持ちで待つ騎士ミデェールへと歩み寄った。
「あ、いえ……」
寝台に座るミデェールは慌てて立ち上がろうとするも、エーディンはそれを制して隣りへ腰を下ろす。ローブ状に拵えられた白絹のネグリジェ姿のエーディンからは石鹸と花の香りが漂い、ミデェールは思わず顔を背けてしまう。無論、その頬は朱を差してた。
「ふふ……」
初心な様子のミデェールに微笑みを浮かべるエーディン。
しかし、その笑みは慈愛だけではなく、嗜虐的な艶やかさも含まれていた。
「ねえミデェール。どうして私から目を逸らすの?」
「ひ、姫様……!」
耳元で囁くように訊ねるエーディンの声音。揶揄するような響きと共に、生暖かい息が、ミデェールの耳朶を撫でた。
「こっちを見て? 私の可愛いミデェール……」
エーディンの嫋やかな手が伸び、ミデェールの首筋に触れる。そのまま肩へと撫でるように手が滑ると、ミデェールはビクリと身を震わせた。
「ミデェール……」
「っ……!」
熱を帯びた声。そして、甘い吐息。
それがミデェールの理性を溶かしていく。
「ああ、姫様……」
陶酔するかのようにうっとりとした表情で見つめてくる姫君に対し、若き騎士もまた瞳に情欲の色を滲ませていた。
そのままゆっくりと、触れるように唇を重ねる二人。
「んむぅ……ちゅ……」
程なくして、互いの舌先が口中に侵入し、絡み合いながら湿った音を響かせる。それはまるで、口内で奏でられる淫靡な音楽のようだった。
「んふぁ……あぁ……!」
二人の唇の間を繋ぐ唾液の糸が切れる頃には、ミデェールは上気した表情で切なげに喘ぐ。
己の唇を蠱惑げに舐めたエーディンは、その様子を満足気に見つめていた。
ユングヴィの姫と騎士がこのような関係になったのは、シグルド軍がヴェルダン王国を征伐して間もない頃であった。
拐かされたエーディンが無事に生還を果たしても尚、己の不備を詫び続けたミデェール。
その痛ましい様子は幾日も続き、エーディンは慰める感情と共に、ある歪な感情も想起させていった。
(なんて可愛らしいのかしら)
その想いの正体は嗜虐心。
端正な顔立ちの将来有望な若き騎士が、己の前だと小動物のような、怯えと畏れを見せるその様。加虐心を刺激されたエーディンは、いつしかミデェールを愛玩の対象としていった。
『大事な話があります。今宵、私の部屋に来てください』
エーディンが自室へミデェールを呼び出したのは、シグルドとディアドラの婚姻が行われてから数日後だった。
何やら重大な用件と構えたミデェールは、ことさら悲壮感を漂わせながらエーディンの部屋へ入る。
そして、強引に童貞を奪われた。
戸惑い、制止し続け、許しを乞うミデェールを、残酷に犯したエーディン。
エーディンもまた生娘であったのだが、この乙女は交合の知識は十二分に備えていた。無論、貴族淑女の嗜みの範疇であるのだが、それにつけても手際の良い性交。
これは、本人に淫奔な才があったのだろうとしか言えなかった。
腕力では到底かなわないはずのミデェールの、その細く締まった肉体の弱点を瞬く間に見出し、的確に責め上げることで抵抗の意志を奪ったエーディン。
そうして完全に屈服させたミデェールを、エーディンは思う存分に貪り、蹂躙したのである。
もっとも、このような爛れた主従関係は、主と従のそれぞれ男女の違いはあれど、ユグドラル貴族社会ではとりたてて珍しい事ではなかった。
こうしてユングヴィ公女公認第一愛人となったミデェールは、エーディンの求めに応じるまま、夜伽の騎士となったのであった。
「今日はどうしようかしら……どうしてほしい?」
エーディンはミデェールへしなだれかかり、蠱惑的な瞳を向けそう言った。
その肢体は乙女として成熟しており、男好きのするものとなっていた。普段の装いでは中々気付かれていないのだが、バストの大きさもシグルド陣営では一位二位を争う程であり、健常な男子であればその豊かな肉体の虜にならぬ者はいないであろう。
「姫様……お戯れを……」
ミデェールはそう言って視線を逸らした。
しかし、腕に感じる艶めかしい感触からは逃れられず、無意識のうちに頬を染める。
「そう言って、本当は期待しているんでしょう?」
エーディンは妖しく微笑み、ミデェールの股間へと手を伸ばした。
「貴方のココは正直だもの」
「あっ……」
ズボン越しにもはっきりとわかる隆起。それをエーディンの手が優しく撫でると、ミデェールは切なげに吐息を漏らす。
「ねえミデェール……私の可愛いミデェール……私だけの騎士さん……」
エーディンはその手を止めず、そのままベルトの金具を外していく。
「ひ、姫様……!」
「大丈夫よ……私に任せて……」
ミデェールの声音には恐怖ではなく、むしろ悦びが含まれていた。
それに気付いたエーディンは、口元を綻ばせ、下履きを脱がした。そして、露わになった肉棒を見つめると、ゆっくりと舌なめずりした。
細く締まった腹筋の上に、雄々しく勃起した男根。
エーディンはそれを愛おし気に眺め、やがてゆっくりと顔を近づけていく。
「姫様、いけません……!」
「んふぅ……」
エーディンの唇が亀頭を包み込むと、ミデェールはビクリと身体を震わせた。
そのままエーディンの唇が竿を這い回り、唾液で濡らす。同時に右手は陰嚢を柔らかく揉むように弄んでいた。
「はぁっ……ああ、姫様、姫様……」
ミデェールの呼吸が荒くなる。
エーディンは一度口を離すと、今度は裏筋からカリ首にかけて丁寧に舐め上げていった。
「れろぉ……」
たっぷりと時間をかけて、エーディンはミデェールの肉棒を自身の唾液で汚した。
そのまま肌を密着させるように隣へもたれかかると、彼の肉棒を上下にしごき始める。
「うう、く、あ、あ……!」
「ほら、我慢しないでいいのよ……出しなさい……」
徐々にストロークを早め、エーディンはミデェールの耳元へ囁くようにそう言った。
淫靡な声が耳朶を打つ度、鈴口から透明の液体が溢れ出し、陰茎はびくびくと脈動する。
「うあっ!」
程なくして、ミデェールは腰を浮かせながら呆気なく果てた。
「んっ……♥」
鈴口から勢いよく飛び出した精液が、エーディンの顔へとかかる。射精後の敏感な肉棒を愛しげに撫でながら、舌でそれを舐め取っていた。
「も、申し訳ありません、姫様」
主君の顔面に垂れる己の白濁を見て、ミデェールは慌てて謝罪の言葉を口にした。
「ミデェール、脱ぎなさい」
しかし、エーディンはその言葉を無視し、逆に命令するようにそう言った。
「っ、は、はい……」
有無を言わさぬその口調に、ミデェールは逆らうことができない。
言われるままに身につけていた上衣を脱ぐと、筋張った肉体を露わにした。
「お尻をこっちに向けて」
「……はい」
「もっと突き出して」
「は、はいっ……」
ミデェールはベッドの上四つんばいになりと、エーディンの方へ臀部を向け、更に高く突き上げた。
羞恥で頬を染めるミデェール。菊は、綺麗な縦筋が浮かび上がっていた。
エーディンはそれを見て満足そうに微笑むと、無駄な贅肉が一切削ぎ落とされた臀部へ手を添える。
「ふふ、相変わらず綺麗なおしりね」
「お戯れを……!」
つうと尻肉へ細い指が触れ、なぞるように撫でられる。
その感覚に、ミデェールは思わず身を捩らせた。
「ここも、こんなに……!」
エーディンはそう言うと、肛門の割れ目にそって人指し指と中指を這わせると、そのまま二本とも一気に中へ挿入した。
「ひぅ!?」
容赦なく襲いかかる異物感に、ミデェールは悲鳴を上げる。
しかし、エーディンは構わず奥まで差し入れると、腸内を掻き回すように動かし始めた。
「う、ああ、ひ、姫様、お、お許し下さい……!」
「ふふふ……貴方のおまんこ、いつも私の指を食べたがっているわ……」
「ああっ! そんな、こと……!」
エーディンは妖艶な笑みを浮かべ、激しく手を動かし続けた。
すると、次第にミデェールの声音が変わっていく。
「あっ、あっ、ひ、ひめさまぁ……!」
「可愛いわ、ミデェール……」
「はぁ……あ、あ、あ……!」
エーディンの美しい手が、己の排泄器官を犯しているという事実。それは、ミデェールにとって背徳であり、そして躾けられた甘美だった。
その感情に呼応するように、萎えた男根がたちまち硬さを取り戻し、小水のように透明な雫を漏らし続ける。
「ひ、姫様……もう……!」
激しい責めに、ミデェールは腰を落とし、許しを乞うように哭いた。
がくがくと体躯を揺らしながら這いつくばり、こみ上げる射精感を必死に耐え忍ぶ。
もう数度、エーディンが前立腺を撫でるだけで、ミデェールは暴発してしまうだろう。
「だめよ」
「うあっ!?」
しかし、エーディンは空いた片方の手で、ミデェールの亀頭をきつく握り締めた。
ミデェールは喘ぎながら、精液の代わりに先走り汁をしずしずと漏らし続け、シーツに染みを作っていった。
「まだ早いわ……もう少し我慢なさい……」
エーディンはそう言ってから、唐突に指を引き抜く。
「あぁっ!」
「ふふふ……」
腸液に塗れた自身の指。それをゆっくりと口元へ運ぶと、エーディンは淫靡な表情で舐め取った。
品の無い音を立てて舐め取る様子に、ミデェールは呻くような声を上げる。
「姫様……いけません……」
「ミデェール。こっちを向いて?」
「えっ、んぐっ」
突然、口中に指を入れられる。
己の体液、そして主君の唾液が混じった細い指。
「んっ……ん、んっ」
エーディンの指を乳飲み子のように吸いながら、ミデェールは蕩けた目で彼女を見つめた。
「いい顔ね……可愛いわ……」
「ん、ちゅぷ、れろぉ……姫様……姫様……」
ともすると聖母のような穏やかな笑みを浮かべるエーディン。
しかし、営まれている行為は、到底そのような神聖さを感じさせるものではなく、怯懦に塗れたものだった。
しばらく指を吸わせていたエーディンは、やがてゆっくりとミデェールをベッドの上へ寝かせる。
そのまま、身につけていたネグリジェも脱ぐと、一糸纏わぬ姿となった。
「姫様……」
目の前に現れたエーディンの裸体に、ミデェールは思わず息を飲んだ。
透き通るような白い肌。その肢体は美しく、まるで芸術品のようであった。
整った形の豊満な乳房に備わる乳頭は、艶を帯びながら固く突起しており、彼女が終始性的興奮を覚えていた証拠でもあった。
そして、茂みに隠された女の秘裂。
ミデェールと同じように、透明の雫が、一本の糸を引いて垂れ落ちていた。
「ミデェール……」
「姫様……」
エーディンはゆっくりとミデェールに跨る。
亀頭へ徐々に近づく艶めかしい温度を感じ、ミデェールの陰茎は血管が浮き出るほど固く屹立していった。
「ん……」
エーディンは慈愛の眼差しでミデェールを見つめると、彼の先端へ自身の陰唇を押し当てる。
そして、そのまま体重をかけて挿入した。
「あっ──♥」
硬い肉棒が膣内へと侵入する感覚に、エーディンはしめやかな嬌声を上げた。
「うぁぁ!」
一方のミデェールは、待ち焦がれていたエーディンの肉壷に迎え入れられ、歓喜に打ち震えるように大きく喘いだ。
エーディンはそんな彼の様子を愛おしそうに見下ろすと、そっと頬に手を添えて言った。
「ふふ……ミデェール、気持ち良いかしら……?」
「は、はい、とても……!」
「そう……嬉しいわ……」
ミデェールの言葉に、エーディンは満足げに微笑む。それから、ゆっくりと腰を動かし始めた。
「ああっ! 姫様……!」
「あっ、あぁっ! ミデェール、あぁっ!」
エーディンの口からは絶えず甘い吐息が漏れ、その表情には喜悦の色が浮かぶ。
彼女の女陰からは止めどなく蜜が溢れ出し、それが潤滑油となって二人の結合をより深いものにしていた。
「うぁっ! 姫様っ! 姫様っ!!」
「ミデェール、ミデェールっ!」
二人は互いに名前を呼び合いながら、激しく腰を打ち付け合う。
臀部と腰が打ち付けられる度に、互いの性器が擦れ合って淫猥な水音を響かせた。
ミデェールの腰はエーディンの細腕によって固定されており、激しい動きでさえも容易に制御されていた。
「あっ、あっ、姫様、もう……もう……!」
たまらず射精の予兆を訴えるミデェール。だが、エーディンは彼の懇願を無視して、より一層強く奥まで押し込んだ。
「あぁっ!」
亀頭が子宮口をノックし、ミデェールは身体を大きく仰け反らせる。
「だめよ、まだ」
「あ、ひ、姫様……っ」
愛しき姫の命に、必死に従うユングヴィの弓騎士。こみ上げる射精感を必死で抑えるも、エーディンは変わらず煽るように膣壁を蠢かせた。
「はぁ……♥ ミデェールは、本当に可愛いわね」
エーディンはそう言うと、ミデェールの首筋に舌を這わせた。
同時に両手で胸板をまさぐり、固く尖った乳首を指先で弄ぶ。
「くぅっ……!」
敏感な箇所を同時に責め立てられ、ミデェールは歯を食い縛って耐える。
エーディンはそのような彼の反応を楽しむように、妖艶な笑みを浮かべながら、乳首への刺激を強めた。
「あぁ……姫様……いけません……!」
「ふふ……可愛いわ……もっと虐めてあげたくなる……!」
エーディンは上気した顔をミデェールの耳元へ寄せた。
蠱惑げに微笑むも、その肉体には快楽による汗がそこかしこに流れ、呼吸も少々荒い。
そして、結合部は愛液をとめどなく溢れさえており、彼女の限界も近い事を如実に表していた。
「ミデェール、一緒にイキましょう?」
そういって、恋人のように指を絡めながら、両の手を合わせる。
ミデェールは頬を染めながら、おずおずと同意を返した。
「は、はい……姫様……」
エーディンは返事を聞くや否や、それまでとは打って変わって、一気に膣内を締め付けた。
「うぁっ!」
膣圧の急激な変化に耐え切れず、ミデェールは思わず声を上げる。
エーディンは、再び腰の動きを激しくさせた。
「あ、あ、姫様、姫様!」
「んっ、あ、あぁっ! ミデェール、ミデェールっ!」
二人は互いの名前を呼びながら、共に絶頂へと昇り詰めていく。
そして、その時が訪れた。
「姫様、出ます! あっ、あああっ!!」
「出して、全部、中にぃっ♥」
エーディンの言葉と同時に、彼女の膣内へどくりと熱い奔流が注がれる。
「あ、うあ──!」
「あっ──♥」
びく、びくと、熱い脈動。そして、白濁とした精が吐き出される感覚。
エーディンは静かに、そして深い艶美の声を上げた。
ミデェールもまた、膣内射精の充足感と疲労感で大きく喘いでいた。
「はぁ……はぁ……はぁ……」
「ふふ……ミデェール……」
エーディンはミデェールへもたれかかりながら、満足げな表情で彼の頬に触れる。
ミデェールはまだ虚ろな表情で、エーディンを見つめていた。
「あぁ……姫様……また、中に……」
そして、許しを乞うようにそう言ったミデェール。
膣内への射精。本来、貴人とその愛人が行う性行為では、男女の立場の違いに関わらず、決して許されるものではなかった。
男性側は必ず体外へ射精をしなければならず、女性側もそれに協力しなければならない。
しかし、エーディンとミデェールはその禁忌を犯していた。
理由は、単純だった。
彼らが、深く愛し合っていたから。
ただそれだけだった。
「いいのよ。貴方は気にしないで」
エーディンはそう言って、慈愛の眼差しでミデェールの頭を撫でる。
そのまま胸元へ彼の頭を引き寄せ、慈しむように抱きしめた。
「姫様……」
「大丈夫、何も心配する事はないわ」
「ですが……」
言いよどむミデェールに、エーディンは抱きしめる力を強めた。
「心配しなくても良いの。これで良いのよ……」
「は、はい……姫様……」
ミデェールは、まるで幼子のような声でエーディンに甘える。
そのまま心地よい体温に包まれ、微睡むように目を瞑った。
「……これで、良いのよ」
エーディンはもう一度呟き、優しくミデェールの髪を撫で続けていた。
レスター「で、俺が生まれたってワケ」
ラナ「ヒュ〜……!」