フェラから始まる異世界召喚。巨根とエロチートでヤリまくります。 作:白田まろん
イルムドへの旅 1
王都ライナヘムを
初日に立ち寄ったヨルンという街で、およそ百五十キロ先にあるネルイット男爵領に、六日間の予定で物資を運ぶ商隊に出会った。ネルイット男爵領は最初の旅で俺も通った領地である。
つまりイルムドに向かう方角にあるということだ。
商隊はアロナードという商会のもので、隊長はスミルバッハさん、番頭の一人だそうだ。
そのスミルバッハさんに馬車に乗せてもらえるよう交渉すると、三人で金貨三枚だと言われた。日本円換算だと約三十万円である。
決して高額を吹っかけられたわけではなく、商隊の規模からすれば妥当か、むしろ良心的と言える額だった。
何故なら大型の荷馬車十台からなる大商隊で、かなりの人数の護衛も付き添っているからだ。この規模の商隊を襲う命知らずな野盗はまずいない。
だから安全面も考慮すれば、金貨三枚は安いと言っても過言ではなかった。しかも荷馬車に詰め込まれるわけではなく、きちんと客車を用意してくれるというからありがたい。
なお、百五十キロの道程を六日かけて進むのは、途中の街や村にも寄るからだそうだ。
徒歩より日数がかかるように思えるが、六日も歩き続けるのは女の子二人の体力では無理というもの。だからこの距離を馬車に乗って稼げるのは本当にありがたかった。
ところが何事もなく進んだ二日目と異なり、その日は午後から急に降り出した雨が激しくなったため、止むのを待つしかなくなったというわけである。
「少し先に野営に適した場所がありました!」
馬車の外で護衛隊の人が叫んでいる声が聞こえた。
大声なのは雨音のせいだろう。
報告している相手は、おそらくスミルバッハさんのはずだ。
それからほどなくして、俺たちの乗る馬車にも声をかけてきた。報告していたのと同じ人の声だと思う。
小窓を開けると、直立不動の姿勢で敬礼までしてくれた。さすがは王都に名の知れた大商会、アロナードの護衛隊だ。彼らは俺たちをしっかりと客人として扱っている。
商会によっては客を客とも思わない横柄なところもあるからな。
「お客様、申し訳ありません!」
「どうしました?」
「この雨で進行が難しくなったため、先にある広場で野営することになるかも知れません」
「分かりました。報告感謝します」
「はっ! それでは失礼致します!」
ちょうど昼を過ぎたくらいの時分だったため、すでに今朝までいた街に戻るのは不可能。もっともこの大雨では、そもそも進むのも戻るのも難しいから野営と言っているのだ。
雨がすぐに止めば出発するのだろうが、この大降りではおそらく今日はもう無理だろう。
「寒いか?」
「少し……でも大丈夫です」
ローラとエレインが、商隊が用意してくれた毛布にくるまって震えていた。客車と言ってもそこは馬車だ。暖房設備などあるわけがないので、車内も外気温と同じなのである。
「二人とも傍においで」
「「はい」」
三人で固まって毛布にくるまれば、少しは暖かく感じられる。魔法で車内の気温を上げるのは造作もないが、あまり快適過ぎても思い出に残らなくなってしまう。
それよりも寒い中、こうして三人で寄せ合って温もりを感じた方が、後になって思い出せるというものだ。
「あの時は寒かったですね」
「でも三人でくるまった毛布の中はポカポカでした」
という具合に、である。
しばらくすると馬車は、野営地として利用する広場に入ったようだ。十台の荷馬車は街道から逸れると車輪が
馬たちは雨除けになりそうな大きな木に繋がれ、
また、移動中の食事は頼めば商隊が売ってくれる。ただしそれなりに高いし、冷めててあまり美味いとは言えない。
ということで、せっかく食材を持っているのだから、ローラとエレインに料理を作ってもらうことにした。
まずは俺が外に出て、錬金術で小屋を造る。商隊のテントからは見えない場所にしたが、別に見られても構わない。土魔法が使えれば出来ないこともないからだ。
小屋の材料は広場の周りにある森の木を使った。わざわざ木こりの真似をしなくても、これも魔法ですぐに伐採加工出来る。ここを出発する時はバラして
ついでに三人で並んでもゆったり寝られる大きめのベッドと、それほど大きくないが風呂も造った。
さらに暖炉代わりにも使える簡易キッチン。これなら寒い馬車の中で、震えながら夜を明かす必要もない。
小屋が出来たので二人を呼ぶと嬉しそうに駆け寄ってきた。ひとまずまだキッチンに火を入れてないので、部屋は魔法で暖かくしておいたのだ。
「暖かいです」
「この小屋も空間収納から取り出したんですか?」
「あ、いや、これは今造った」
「「ええーっ!!!」」
「さ、キッチンで何か作ってくれるかな。腹減ったし」
「そ、そうですね。何を作ろっか」
ローラがエレインに意見を求めている。
「うーん、お肉もお野菜もあったから、スープなんてどうかな? ちょっと煮込めばすぐに食べられるし」
「ミナト様、お肉とお野菜のスープでよろしいですか?」
「いいね! それで頼む」
「「はい!」」
付け合わせはパンだよね、やっぱり。
「うおっ! 何だこれぇっ!」
それからしばらくしてスープのいい匂いが漂い始めた頃、小屋の外から声が聞こえた。どうやら護衛隊が見回りに来たらしい。
俺が小屋の戸を開けて顔を出すと、さらに驚いたように二人の男性が
「ミナトさんでしたか」
「驚かせてすみません」
「いえいえ、ところでこれは?」
「馬車の中だとうちの女の子たちが寒がりましてね。魔法でちょいちょいと造りました」
「魔法……すごいですね!」
彼らはベックとドラド。見回りがてら、御用聞きに来たとのことだった。
「とりあえず今のところ欲しいものはありません」
「そうですか。ところで何やらいい匂いがしますね」
「ああ、肉と野菜のスープを作ってくれてるんですよ」
「す、スープ!?」
羨ましそうな顔をしてもやらないぞ。どうしても食いたいなら金払え。
「あのぉ……少し分けて頂くわけには……」
「あははは。人数分しか作ってませんので」
「「ですよね~」」
「ま、どうしてもと言われるのでしたら夕食の時は可能かも知れません」
「ほ、本当ですか!?」
「ただし、私たちは客として商隊に代金を支払ってます。ですからそちらも温かい物を食べたいなら、まずは料金の交渉に商会の方を寄越して下さい」
「商会の……スミルバッハ隊長でよろしいでしょうか」
「ええ。構いません。それと食材はそちらでご用意願います。さすがにあれだけの人数を
「わ、分かりましたぁ!」
そう叫ぶと、二人は慌てて走り去っていった。そんなに美味そうな匂いだったのかな。
うん、確かに美味そうな匂いだ。さすがはローラとエレインである。
そして俺たちが食事を終えて少しした頃、スミルバッハさんが小屋を訪れるのだった。
寒い中のあったかスープは、それだけでご馳走なのです(*^_^*)