「もちろん!どうぞ」
「それじゃあ、お邪魔します」
どうしたんだろ・・・
と、思っている内に霧切さんは僕のベッドに座った。
まず目が向いたのは彼女の服装。
いつものおしゃれな制服ではなくパジャマ姿なのだ。
薄い紫の上下に手袋をしている。
普段三編みなのに今日はしていない。サラサラな髪の毛を
見るともしかしてお風呂上りなんじゃあ・・・
「苗木君も横に座ってくれる?」
「う、うん」
彼女の隣に座った。
ちょっと近づいたら肩が触れそうだ・・・!
隣に座ったけど霧切さんは黙ったままだ。
よく考えたら夜に自分の部屋に霧切さんがいるのは、
すごい状況だ。
(何だか緊張してきたぞ・・・)
僕は自分から話を振ることにした。
「殺し合いが終わったから何だかホッとするね」
「そうね。でも気を緩めすぎるのも危険よ。
黒幕の話を聞く限り外も安全とは言えないのだから」
人類史上最大最悪の絶望的事件。そのせいで
外の世界が滅茶苦茶になっているらしい。
正直こんな目にあっても信じたくないけど。
「霧切さんは外の世界が本当に大変だと思う?
僕はいまいち実感が湧かなくてさ」
「私も認めたくないけど本当だと思うわ。
殺し合いの場を作って電波ジャック。おまけに私達の
記憶すら操られているのよ?」
彼女はポケットから日記を取り出す。
最後の捜索の時に見つけた物だ。
記憶がないけど、僕達は既に入学から2年が経過していてるらしい。
「そうだよね・・・。でも、まだ戦っている人達もいるらしいし・・・何より皆となら乗り越えられる気がするんだ!根拠とかはないけど・・・」
クスリと笑う霧切さん。
「貴方は本当に前向きなのね」
「ははは・・・。それだけが取り柄だからね」
その後も二人で談笑を交えた。
これからのことや、好きな物。
殺し合いが終わり心がすっごく楽になったからか、話が弾んだ。
笑う彼女の顔は本当に美人だ。
(最初の頃なんて無言だったのに・・・!)
こうやって仲良く話ができるだけでもうれしい。
そして緊張もほぐれてきた頃・・・。
「・・・苗木君。最後の学級裁判の時、私は貴方を一度見捨ててしまった。本当にごめんなさい」
突然の謝罪。彼女の顔には哀愁が見えた。
「な、あれは違うよ!そもそも黒幕が仕組んだものだし・・・。霧切さんは悪くないよ!」
僕が否定しても彼女は首を横に振る。
「貴方を見捨てたという事実に違いはないわ。」
どうやら霧切さんは相当気にしているみたいだ。
でも、僕からしたらもう済んだことだし・・・。
そんな彼女を見るのがつらくて・・・。
「霧切さんは何度も僕達を助けてくれたじゃないか!
学級裁判の時も、黒幕が僕を殺しに来た時も・・・。
今こうしてここにいられるのも霧切さんのお陰だよ!
だからそんな顔しないでよ。それに・・・」
「・・・それに?」
もう今しかない。思い切って言うんだ・・・!
自分の気持ちを!
「僕は・・・霧切さんのことが好きなんだ。
だからもう自分を責めないで。僕は全然気にしてないからさ!」
言った。言ってしまった・・・!
沈黙が流れる。
怖くて顔を向けられない・・・。
何の反応もないし・・・!
「き、霧切さん・・・?」
僕は恐る恐る彼女の方へ顔を向けると。
・・・白い肌を真っ赤にしている霧切さんがいた。
「な、苗木君・・・」
「ち、違うんだ霧切さん!いや、違わないけど・・・」
やってしまった・・・。
途端にとんでもないぐらいの恥ずかしさがやってきた。
その場の空気に当てられてあんな告白をしてしまうなんて・・・!
「えと、その・・・」
霧切さんが軽く咳払いをして
「・・・苗木君。今の言葉はその、れ、恋愛感情を含んだ言葉として受け取っていいのかしら?」
何だか普段よりモジモジ喋る霧切さん。
(滅茶苦茶可愛い・・・!)
「う、うん。もちろん僕なんかが霧切さんと釣り合うと思ってないよ!
ごめんね!急にこんなこと・・・」
あたふたしている僕の顔にそっと彼女の左手が触れる。
「霧切さん・・・?」
「そんなこと言わないで苗木君。分からないかもしれないけど・・・。
とてもうれしいわ。」
そして時間にして数秒。でも確かに・・・。
「~~~~っっ!!」
霧切さんの唇が僕のものと触れ合った。
本当に軽くだけど・・・。
また少しの間沈黙が流れる。
普段より心臓の音が大きく聞こえる。
「その・・・私は初めてだったのだけど・・・。苗木君は?」
「う、うん。初めてだったよ・・・」
そう答えると色っぽく笑う霧切さん。
「・・・うれしい。」
その笑顔は世界で一番かわいいんじゃないだろうか。
ここまできたらもう覚悟を決めるしかない。
僕は色香漂う彼女の手を握った。
「霧切さん・・・。良ければ、僕と付き合ってくれませんか?」