「ふふ、よろしくお願いします」
「ほ、ほんと!?」
(まさか成功するなんて・・・!)
「こ、こんな僕だけどよろしくお願いします」
「ええ。・・・あなたは告白もはっきりと伝えるのね?」
「うん・・・。でも、僕は本気だよ?」
「ふふ。もちろん分かっているわ。私だって好きじゃない人に
その・・・、いきなりキスしたりなんて・・・。」
頬を赤らめて言う霧切さん。
(あまりに急で自覚してなかったけど、僕霧切さんとキスしたんだよな・・・)
思い出すと恥かしい・・・。でも・・・。
「霧切さん、その良かったらだけど・・・。もう一度しても・・・いいかな?」
僕の言葉にさっきよりもさらに頬が赤くなった。
そして、無言でコクリと首を縦に振った。
「そ、それじゃあ・・・」
僕は彼女の背中に恐る恐る手を回して、ギュッと抱きしめた。
そうすると霧切さんもそっと腕を僕の背中に腕をまわしてくれた。
お互いの気持ちを伝えるような、そんなハグだ。
そしてそっと彼女の唇に距離を詰めた。
「ん・・・。」
さっきのキスより分かりやすく。
僕とは全然違う女の子の柔らかい唇が。
霧切さんの温もりが。
触れた唇から伝わってくる。
「ちゅっ・・・。ん・・・」
触れて。少し離れて。また近づいて。
バクバクと鳴り響く僕の心臓。
キスしてる霧切さんに聞こえそうな位大きく感じる。
「・・・苗木君、好きよ。あなたのことがたまらなく好きなの」
顔を離した彼女がまっすぐと伝える。
「うん、僕もだよ・・・」
照れ隠しでもう一度彼女を抱きしめる。
(暖かい・・・それに・・・)
突然の殺し合いの学園生活。
監視され続ける日々。
次々と亡くなっていく仲間たち。
安否が分からない家族。そして外の世界・・・。
極限の状況下で今まで凍っていた意識が、
彼女のぬくもりでゆっくりと溶かされていく。
「・・・っん。ぐすっ・・・。」
「苗木君・・・?」
僕は何故か泣いてしまった。
何に対する涙かはわからないけど・・・。
色んな気持ちがぐちゃぐちゃになって、ただ彼女の胸で涙を流した。
「と、突然ごめん・・・。ぐすっ・・・」
そう言っても涙は止まらない。
そんな僕を霧切さんはぎゅっと抱き返してくれた。
「・・・大丈夫よ。」
霧切さんはゆっくりと背中をさすってくれた。
それが何よりも安心できて。
少しの間彼女の胸で泣いていた。
「「・・・。」」
泣きつかれてもしばらくの間、何も言わず霧切さんはさすっていてくれた。
(・・・さすがに恥かしくなってきた・・・)
「あ、ありがとう、霧切さん。」
そう言って彼女からそっと離れる。
「もういいのかしら?」
僕の顔を見て笑う霧切さん。
「恥かしいところを見せちゃったね・・・」
「そんなことないわ。とても可愛いい姿と思ったわ」
「そ、それが恥かしいんだって!」
「ふふ。ムキになる苗木君も可愛いわ」
からかう霧切さんはすごく楽しそうだ。
あんなに泣いてしまった僕は言い返す言葉がなかった。
「苗木君。・・・今日は一緒に寝てもいいかしら?」
霧切さんの突然の提案。
(それって・・・つまり・・・)
男女が夜を二人で過ごすということ。ましてや付き合い始めとはいえ恋人同士が。
(僕だってその意味位は分かる・・・)
「・・・うん、僕も一緒に寝たかったんだ・・・。」