法の書 ~超巨根になったらハーレムできた~ 作:OPRETER
「寒くなったなぁ…」
数時間後、俺は最寄り駅の改札前にいた。腕時計を見ると、午後6時24分を指している。
外は既に暗くなり、空からは白いものがちらつき始めている。
ちなみに、俺の服装は、履き古したジーンズにポロシャツ、それに本来はスキー用のヤッケだ。
…デートに行く服装じゃない?俺もそう思うよ。
でもさー、朝起きたらもう礼奈いなくてさ、メモが残っててさ、
『普段どおりの、いつもの格好で来てください。絶対着飾らないこと!!』
とか書かれてたらさぁ…いいのかホントに?!と思いつつ、あえていつもので来ましたよ。
「さすがに早いですね。お待たせしました」
声をかけられ振り向くと、そこには私服姿の礼奈がいた。
黒いミニスカートに黒タイツ、上は白ブラウスの上に少し厚手のジャケットを羽織っている。
うわー、めちゃかわいいじゃん!!
「………………」
二の句が告げすに黙っていると、
「あ、ひょっとしてメイク濃すぎてわかりません?なるべく薄くしたつもりなんてすけど」
「い、いや、そうじゃないよ礼奈。マジ可愛すぎて絶句しただけ」
全く、なんでこんな可愛い娘の人生を狂わせちまったんだろうな俺…
「ありがとうございます」
ふわりとした笑顔を浮かべたあと、彼女はこう続けた。
「それでは行きましょうか、ご主人様♡」
「お、おう」
でもどこいくの?俺は知らないよ?まさかこのまま高級レストランとかいうんじゃないだろうね? そんなことを考えていると、玲奈は普通に改札の中へ。おっと、遅れちゃならねぇ。
十数分後、俺たちは電車で3駅ほど動いた繁華街にある、ファミレスにいた。
「まさかこうくるとは」
「高っかいレストランとか緊張して疲れるだけじゃないですか。それならこういう気どらないところでゆっくりだらーっと一緒にいたいな、と思って」
「できた娘だよ…」
もっかい言うけど、なんでこんな娘の人生狂わせちゃったんだろ俺…
「うちの近くじゃなく、ここにしたのは近所の目を避けるためか」
うちの近くにもファミレスはある。
「……正解です……」
うつむく礼奈。
「堂々とするべき、とも思うんですが」
「いや正解だろ。俺みたいなオッサンが礼奈みたいな美人侍らせたと知れたら何言われるか」
「まぁ別に陰でなにか言われようともかまわないんですが」
「直接言ってくるやつはいるわな。しかもそういうやつに限って粘着質だ。とどめに礼奈は美人だからモテただろ?」
「そうでもないですよ?私程度ならごろごろいますし」
それは謙遜っていわないかい?
「おまたせしましたー」
と料理が届く。
「…あれ、礼奈先輩?」
え。
「え」
ウェイトレスさんを見る俺と礼奈。
「うそ、明菜…」
マジか、ここで知り合いエンカウント?!
「あ、やっぱり礼奈先輩。奇遇ですねー!」
元気いっぱいに答える後輩ちゃん。
茶髪で元気いっぱいな雰囲気の娘だ。スタイルのいい身体をウェイトレスの制服に包んでいる。
「えっと、この子は三谷明菜。大学の後輩で、今はOLやってるはず、なんですが」
と礼奈が説明するが、
「あ、会社このあいだクビになりまして。バイト中なんです」
とあっけらかんという。
「ちょっと待って、クビってどういうこと?!」
さすがに礼奈がそこに突っ込む。
「なんのことはない派遣切りですよ。珍しくないじゃないですか」
「ああ、まぁ、そりゃ珍しいことじゃないが」
とあいづちをうつ俺。俺も派遣の身だしな。
「それで次の仕事を探しつつ、ここに短期バイトで」
まぁ、筋は通る。通るがしかし、
「しかし、まさか礼奈先輩がお客さんとして会うとは。しかも…」
…見てるよ。俺のほうを…やべぇ…
「デート中とは…でも歳がだいぶ離れてる気がしますけど、お二人はどういったご関係で?」
その言葉にビクッとする俺と礼奈。
「ちょっ、何言ってんの明菜!」
慌てて止めようとする礼奈だが、
「だって礼奈先輩が男の人と二人で歩いてるとこなんて初めて見たし。それにこんなオジサンと一緒だっていうんだからますます不思議で」
と平然と返す。そして今度は俺の方を向いて、
「なんかこのおじさん、すっごくイケてる感じがするんだけど私の思い違いかな。礼奈先輩の恋人とかじゃなくて?」
と聞いてくる。
「違うわよ!ただちょっと色々と縁があって知り合ったというか、今日はその縁でたまたま会っただけ」
「ふーん、そうなんだ。でも礼奈先輩って意外に年上の人が好みだったんですね。私てっきり若い子のほうが好きだと思ってたのに。あ、別にいいんですよ?私は気にしてませんから。礼奈先輩がどんな趣味を持っててもちゃんと受け止めますから」
「だからそういうことじゃないってば!!」
やべぇなコレ。収集つかないぞ。えーとえーとどうする、って、そうだ!
「あのさ、そろそろ仕事にもどらないとまずいんじゃないかい?」
はっ、と言い争っていた二人が一瞬止まる。
「そ、そうよ!ちゃんと仕事しなさいよ!ほらほら!」
「はいはい。じゃぁ、あとでゆっくり聞かせてくださいね~」
といって明菜ちゃんは厨房に戻っていった。
「はぁ~~~~」
テーブルに突っ伏す礼奈。
「すみません…まさかこんなことになるとは。だから地元は避けたのに~~!」
「まぁ仕方ないな。不可抗力だよ…問題はどう説得するか…」
「…思い切って、ご主人さまの虜にしちゃうのがいちばんいいかもしれませんね」
…ありだな。
「悪くはないな」
「もともと、私一人だとご主人さまを満足させきれませんでしたから。誰かを連れてこようとは思っていたんです」
「悪い娘だ」
「どうするのがいいでしょうかねぇ…私の場合は参考にならないし…」
うーんと胸の下で腕を組んで考える礼奈。
「いちどご主人さまのを目の前にすればあとはらくちんだとは思いますけど」
「それに至るまでをどうするかなんだよなぁ…とりあえず、食べながら考えるか」
料理が来てまだ食べてないよ!
「……それもそうですね」