法の書 ~超巨根になったらハーレムできた~ 作:OPRETER
「…はぁ、今日も今日とて疲れました、と」
俺はその日の仕事を終え、なんとか帰ってきた。
「………」
あれからまだ十数時間しか経っていない。だからかどうしてもあの感触を思い出してしまう。
だが、あれは彼女の意思のように見えて実は違う。
あれはある意味でレイプだ、正直、それは本意じゃない。
とはいえ、正直ド陰キャな俺がどうやって女性と出会うんだよ、というのもあるが…どうしたもんだか。
ピンポーンとチャイムが鳴った。
誰だよこんな時間に……とモニターを見ると、
「え?」
そこには、ひとりの女性が立っていた。
20代後半といった感じだろう。顔立ちはかなり整っている。
胸元は大きく開いていて谷間が見えているし、ミニスカートからはストッキングに包まれた長い脚が見える。
昨日と全く同じ光景。内倉礼奈だ。
「っ、まさか」
昨日の『法の書』の内容、『女性がやって来て自分とセックスしてくれる』がまだ適用されている?
「やべっ!」
あわててカバンから『法の書』を出して、あの一文を二重取り消し線で消す。これでキャンセルされたはずだ。
ドアモニターを見ようとすると、ピンポーンとまたチャイムが鳴る。
出るしかないか。
ガチャリとドアを開き、
「はい、どちらさま?」
そこにいたのは、やはり内倉礼奈だった。
「あ、あの……」
彼女はうつむき加減に言う。
「中に入ってもいいですか?」
「…どうして、ここに来たの?」
そう聞き返す。
「あの、その……わかんないです」
困ったように答える。そりゃそうだろな。
「でも、なぜかここに足が向いたんです。きっと、忘れちゃいけないけど忘れてしまった何かがあって、えと」
うまく言語化できないらしい。そりゃそうだ。
身体が覚えていたってことだろうか。
「…初対面、ですよね?」
「そのはず、ですけど…」
そう言って彼女はじっと俺を見る。
「でも、あなたを見ていると、なぜか、すごく安心するんです」
…ごめんね。
「わかった。どうぞ」
と、彼女を招き入れる。
リビングに通して、座らせる。
「あいにく自分が飲まないからお茶もコーヒーもなくてね。牛乳しかないんだがかまわないかな?」
「あ、はい、お構いなく」
コップにミルクをいれてテーブルへ。
彼女と自分の前に置いて、
「さて」
開いていた『法の書』の『彼女(内倉礼奈)はここであったことをすべて忘れる』の一文を、消す。
「!!」
びくん、と彼女は痙攣したように天井を見上げる。
「あ…あ…あ…あ…!」
今、彼女の脳裏には、昨日のめくるめく官能の記憶が渦巻いているのだろう。
あの人外の官能の記憶が。
「は…ぁ……」
がくん、と俯く。
「……忘れさせたんですね。なぜ?」
「…そりゃぁ、ある意味レイプだ。忘れたほうがいいだろう」
「ひどいですね。あなたなしてはいられない身体にしておいて」
「そこは片手落ちだったのは申し訳ない。いまからでも」
「ダメです。きっともう、魂に刻まれましたから」
うっとりとした表情で言う。
「これからも、よろしくお願いします」
「お願いしたいのはこっちだと思うんだが」
苦笑するしかない俺。
「そうですね。正直、私ひとりだと絶対、足りませんよね」
「うぐ」
二の句が継げない。
正直、コントロールできるとはいえ、超巨根&超絶倫となった俺が、本当の意味で満足することはないだろう。
「じゃあ、早速」
と彼女は上着を脱ごうとしたが、
「ちょっと待ってくれ」
「え?」
「場所を準備するから」
「場所?」
「ああ」
仕事中の空き時間にいろいろ考えていた。
今の俺のペニスは最大が人の座高に匹敵する1メートルだ。こんなシロモノをこの部屋で出すには狭すぎる。
かといって、ホテルなどに行くには金がいくらあっても足りはしない。
ならば、『法の書』で部屋を作ればいい。
あまりにも『改変』が大規模だと取り消されるかもしれないが、ならばこの『世界』から外れた『世界』を作ればある程度緩和されるのではないか?と考えたのだ。
『法の書』に書いていく。
『「箱庭」を作る。
別の空間に世界をつくる。
マインクラフトのような世界。
MOBは出ないが、マイクラのように組み換えられる。
こちら側からは、どこかの扉に鍵を差し込んで開くことで往き来できる。帰るときは入った場所からでる。
扉の先は洋館の前に出る。周囲はビーチのある海岸。
洋館に入るとロビーがあり、T字型の階段。
上って右側がベッドルーム。天井まで3mほどあって、部屋の中央に5人は寝れそうな巨大ベッド。部屋はさらに広い。
右側1階は風呂場。銭湯なみの湯船に常に湯が張られている。
自分が持つマスターキーはどこに置いておいても、必要な時に自分の手にもどる。
女性たちに渡すサブキーは洋館内で作れる。こちらも一度渡したら必要なときに手にもどる』
「…こんなもん、かな」
ポケットに手をいれる、と、
「あった」
その手の内に鍵があった。
その鍵と『法の書』を手にもって、
「さて、行こうか」
彼女に手を差し出す。
「はい」
彼女は俺の手をとって立ち上がる。
リビングの扉を一度閉めて、鍵を差し込む。
…鍵穴などないのに、染み込むように鍵が入る。
「いける」
鍵をひねるとカチリと音がした。鍵を抜いてドアを開けてその中へ…