Arcadeからサーヴァントが出てきた件について 作:ボルメテウスさん
「さて、今日はどうするか」
そう言いながら、俺は手元にある100円を見つめながら言う。
本日はこれ以上行う事はない事もあり、俺は何時ものように帰りに軽くFate/GrandOrderArcadeを行う事を考えていた。
『いやぁ、マスターと一緒に遊べるのは、いつも思うけど、楽しみだねぇ』
「まぁな。
それにしても、対戦相手は今日はいるのかなぁ?」
最近は対戦相手が見つからない事もあって、少し俺は不満気味だ。
「NPC相手ばかりは嫌だからな。
対戦相手はって」
俺はそう悩んでいると、近くで倒れている少年と黒の外套を纏った青年がいた。
「えっえぇ、どういう状況!?」
俺は思わず叫んでいるが、その声に気づいたのか、こちらを見る。
『そこにいるのはサーヴァントか。
という事は私の姿も見えるという訳だな』
青年はこちらに気づいたのか、俺達の方へと眼を向ける。
『ほぉ、そっちの君はサーヴァントだったのか』
青年は感心したように呟く。
そして、倒れていた少年はゆっくりと起き上がる。
「はぁはぁ」
「そこの奴は大丈夫なのか?」
『あぁ、いつもの事だ。
彼は本当に病院から抜け出して、わざわざここで遊ぼうとしていたのだからね』
そう言いながらサーヴァントは呆れたように言う。
「あーけーどでぇ、遊ばないとぉ」
「アーケード?
もしかして、FGOか?」
「っあぁ!」
俺の言葉を聞いて、少年は立ち上がる。
「俺は御厨 療だ!
こっちは相棒のシャルルだ」
先程までの死にそうな表情から一変して、嬉しそうに自己紹介を始める。
「とりあえず、さっさとやるとするか。
本当に死ぬ前にな」
『そう言いながら、マスターも結構笑っているよね』
「当たり前だろうが。
せっかく相手が見つかればやるしかあるまい」
『それは同感だよ』
俺達はそう話しながら、Fate/GrandOrderArcadeの方へと向かい、そのままゲームは開始される。
オルレアン街中。
横に長く、窪みのある楕円形といったフィールドであり、中央部が大きな広場となっているのが特徴。
広めながらも狭い道が多い構造だったが、今回は通路も含めて幅広い箇所が多くなっており、射線を遮る障害物が少ないのも特徴である。
「そういう意味では、アサシン向きかもしれないね」
そう言いながら、マーリンは街の中にある角に身を隠しながら言う。
「さて、どう攻め込むべきか」
そう言いながら、俺とマーリンは呟いていると共に
「来る」「っ」
何かの直感と共に俺はレバーを操作すると共にマーリンはその場を避ける。
同時にマーリンに襲い掛かってきた斬撃。
見ると、そこには黒の外套を纏った青年であり、その手には身の丈はあるだろう剣で攻撃を仕掛けてきたシャルルだった。
「やはり来ましたか……ですが!」
「くそ、こいつ速いぞ」
今まで以上に素早く動き回るシャルルの攻撃をかわし続けるマーリン。
しかし、シャルルの動きについていけていないのか攻撃を当てる事が出来ないでいた。
「それにしても、この速度は何だ?アサシンのクラススキルの気配遮断を使ったとしても速すぎる」
確かに、シャルルの動きは異常ともいえる速度であった。
まるで瞬間移動しているかのような速さでマーリンを攻撃してくる。
「しかも、あの剣……」
よく見ればシャルルが持つ黒い剣は異様な形をしていた。刀身が長く、湾曲しており、鍔元に奇妙な突起物が付いていた。
あれでは、下手したら自分の腕を切り落としてしまうのではないかと思う程の長さだった。
しかし、シャルルはその異常な長さの剣を振り回しマーリンへと攻撃をしてくる。
それも、恐ろしく速く、そして鋭い一撃で、普通の人間ならば一瞬で斬り殺されてしまいそうな勢いがあった。
そんな攻撃を避け続けているマーリンも大概ではあるが……。
だが、このままでは拉致があかないと思ったのか、マーリンはそのまま杖からピンク色の十字型の波紋を出して攻撃を行う。
すると、シャルルは回避行動を取り、そのまま壁際まで後退する。
だが、それでもシャルルの表情に変化はなく、ただ淡々とマーリンを見つめていた。
「狙いは一体」
俺は疑問に思いつつ、シャルルの動きを見つめる。
シャルルを操るマスターである御厨 療の狙いは何か。
それを探るためにも。
「もしかして」
先程から攻撃を仕掛けてくるが、その攻撃は雑というよりもダメージを与えるのが目的ではないように見えない。
空振りの攻撃は多く、回避や防御など、なるべくダメージを受けないような動きに見える。
「まさか、あいつの目的はっ」
だとすれば納得できる。
クラス相性でも俺達の方が有利な以上、奴らが狙うのは
「宝具っ」
それならば納得ができる。
シャルルの『死は明日への希望なり』は単体宝具であり、敵単体に超強力な攻撃&低確率で即死&防御ダウン。
この場合重要なのは即死攻撃であり、それはNPを溜めれば、溜める程にその威力は増していく。
これまでの行動は全てがそれに該当するならば、このままでは危険だ。
「だけど、それはそれで燃えてきたぜ」
その一つを武器にして、戦う。
御厨 療とシャルルの二人に戦うのに、俺は自然と笑みを浮かべる。
「行くぞ、マーリン」『まったく、血の気が多いマスターだね』
その言葉と共にマーリンは周囲に翼が付いた弾を浮かべ、シャルルに突進する。
対するシャルルはマーリンに向けて黒い刃を振るうと、刃から斬撃が放たれる。
それをマーリンは飛んで避けると、シャルルはその場で一回転し、今度は上から下へ、マーリンに向かって黒い刃を振り下ろす。
それをマーリンは再び飛んでかわす。
だが、その瞬間、シャルルの身体が光り始める。
「しまっ」
その言葉と共にシャルルの宝具は一瞬で発動し、黒い手がマーリンを掴む。
『刑を執行する。死は明日への希望なり』
その言葉と共にマーリンの首元にはギロチンが落とされ、そのままマーリンの命を奪う。
「勝った……のか?」
呆気なく倒してしまった事に違和感を感じる。
「いいや、まだだよ」
だが、そこにはダメージを受けながらも、確かに立っていたマーリンがいた。
「即死は免れたか。
だけど」
「あぁ」
互いに僅かなダメージだけで決着が着く。
最初に攻撃を与えた者が勝つ。
そんなシンプルな戦いだからこそ、俺達は勝利を掴み取ることができる。
シャルルはその手にある剣が真っ直ぐとマーリンに向けて振り下ろそうとする。
それに対して、マーリンは手にある杖からピンク色の十字型の波紋を出して攻撃する。
一瞬、それが同時に放たれる。
その攻撃によって、どちらが先に当てたのか。
それがついに画面に映し出される。
「どうやら私の勝ちのようだな」
マーリンは笑みを浮かび、シャルルが膝をつく。
そして、その手に持っていた黒い刃が砕け散った。
『YOU WIN』
それが画面に映し出されると共に、俺は椅子に座り込む。
「なんとか勝てた」
「お疲れ様、よく頑張ったじゃないか」
「そっちも」
お互いに健闘を讃え合い、ゲームから戻ってきたマーリンとハイタッチをする。
「いやぁ、まさか負けるとは思わなかったぜ」
そう言って、御厨がそのままこちらに向かってくる。
『さて、それでは病院に行こうか、マスター』
それと共にシャルルはそのまま御厨は手を掴む。
「えぇ、もうちょっと、がはぁ」
だが、すぐに吐血し、床に倒れこむ。
「ちょっ、大丈夫なのか!?」
「いやー、やっぱり無理があったみたいだな」
その顔色は悪く、今にも死にそうな表情をしていた。
「とりあえず、病院まで連れて行くよ」
俺は呆れながら、ゆっくりと持ち上げて、そのまま病院へと連れて行く事にした。