Arcadeからサーヴァントが出てきた件について 作:ボルメテウスさん
オルレアン城門前。
障害物がほとんどない大きな広場がある南部エリア、砦跡のブロック塀が迷路のように点在する中央エリア、中央のブロック塀から続くように樹木が点在する北部エリア、南部ほどではないが開けた小広場となっている東エリアで主に構成されている。
フィールドに降り立つと同時に、今回、一緒に戦ってくれるランサーアルトリアはそのまま周りを見渡す。
「すみません、今回、このような事に巻き込んでしまい」
「別に気にするなよ」
まさか、俺自身もいきなりサーヴァントから勝負を挑まれるとは思わなかった。
数分前にいきなりぎょろ目が特徴的なジル・ド・レェに勝負を仕掛けられた時にはびびったけど、丁度ランサーアルトリアと一緒に戦ってみたので、まさに渡りに船だった。
「さて、敵はどこに」
俺はゆっくりとマップを見ていると同時に、ジル・ド・レェがこちらに既に狙っているのに気づく。
「アルトリア」
「えぇ」
瞬時に俺はレバーを動かすと共にランサーアルトリアは馬を走らせる。
同時にジル・ド・レェは海魔を二体射出していく。
ランサーアルトリアの特徴でもある全サーヴァントの中でも一際速い事もあって、その攻撃を簡単に避ける事ができた。
「まだまだですよ!!」
しかし、それでもジル・ド・レェはさらに海魔を次々と放っていく。「
くっ……キリがないな」
「ですが、この程度ならば問題ありません!」
そう言いながら、ランサーアルトリアは手綱を引いてさらに加速させていく。
確かに彼女の言う通りだ。このままではジリ貧になってしまう。
何よりも、曲がる際に旋回を必要とする事を向こうは十分に知っている事もあり、徐々に壁際まで追い詰められていく。
「キャスターの狙いはおそらく」
「宝具で一気に勝負をつけること」
それと共に追い詰められると同時だった。
「───深淵を覗きなさい。救いは深みにこそ有るものです」
「っ」
聞こえてきたジル・ド・レェの言葉と共にランサーアルトリアの動きが止まった。
あれはまさまスキル。
このタイミングでかっ!
「───我が審美によりその真なる姿を知れ」
同時にスキルを重ねていき、ついには宝具を発動させる準備をしていた。
「この距離では、間に合わない!!」
それと同時にジル・ド・レェは宝具を発動させた。
「───フハハハハハ!! アーッハハハハハハハハ!!」
その言葉と共にビル並みの超巨大海魔を召喚し、そのままランサーアルトリアを押し潰した。
「決まりましたねぇ」
「いいや、まだだ!!」
ジル・ド・レェの言葉を遮るように、宝具の発動が終えると同時にランサーアルトリアは走り出した。
「なっ」
突然の事で驚きを隠せない様子のジル・ド・レェに対して、馬ごと飛び掛かりながら槍を叩きつける。
「ぐあぁ!!」
その一撃を受けて、倒れるが、さらに追い打ちをかけるように、槍を×字に振り回し、馬の体当たり、槍を縦に回転させて攻撃。
最後には三連続突きから、上段叩きつける。
それによって、ジル・ド・レェは吹き飛ばされる。
「そんな……なぜ……」
その光景を見て、ジル・ド・レェは眼を見開いていた。
「確かに当たれば強力かもしれない。
だが、どうやら一撃で倒すには僅かにダメージが足りなかったようだな」
それと同時に吹き飛ばされたジル・ド・レェに狙い、こちらも宝具を発動させる。
「───突き立て、喰らえ! 十三の牙!最果てにて輝ける槍!!」
その瞬間、ランサーアルトリアの手にあった石突部分から光が伸びて行き、それが槍全体へと伸びていく。
そして、槍全体に伸びた光が一気に放出され、一直線に伸びる。
次の瞬間、凄まじい衝撃音と暴風が辺りを襲い始める。
その狙いの先はジル・ド・レェがいる場所であり、彼のいた場所は巨大なクレーターができていた。
静寂が訪れる中、俺は静かに構えを解く。
先ほどの一撃によって、ジル・ド・レェの姿は見えなくなっていた。
それと同時に俺達が勝った事に確信し、ゆっくりと息を整える。
「ふぅ、勝てたか」
ゆっくりと機体から離れると
『素晴らしい戦でしたねぇ!』
「うわぁ、ジル・ド・レェ!?」
俺の前には先程まで戦っていたジル・ド・レェがギョロ眼で見ていた。
『初めはサーヴァントを奪う最低なマスターかと思いましたが、どうやら彼女とは深い絆で結ばれているようで、安心しましたよ』
「そっそれはどうも」
だから、対戦前から結構睨んでいたんだな、この人は。
「はいはい、ジルちゃん。
ストップストップ!」
『なんですか、伊左治?』
そうしていると、ジル・ド・レェのマスターである伊左治さんが呆れたように止めた。
「もう戦いは終わったんですから、それ以上はダメですよ」
『むぅ、私としては、もう少し語りたい所ですが、仕方ありませんね』
そう言いながら、ゆっくりと消えていった。
「それじゃ、私ももう行くね、まったねぇ!!」
そう言いながら、伊左治さんもまた、その場から去って行った。
それと共にランサーアルトリアがこちらに来ていた。
「悪かったな、いきなり一緒に戦って貰って」
『いいえ、私自身もあなたと戦ってみたかったので』
「ははは、ありがとう。
けど、良かったのか、その元のマスターの所に戻らなくても?」
『マスターには、私はおそらくもう必要ないでしょう』
そう言うランサーアルトリアは少し悲しげだった。
その様子を見て、どう声をかけるべきか、少し迷ったが
「少し話してみたらどうだ?
もしかしたら、何か変わるかもしれないし」
『それは、あなたは良いのですか?』
ランサーアルトリアの言葉に、一瞬だけ考える。
確かに彼女と一緒に戦う事は楽しかった。
だが、それでもやはり、彼女が元居た場所に戻れる事が一番だろう。
「サーヴァントがマスターを決めれない。
だけど、この場合は嫌な選択肢だけど、俺とあいつ、どちらと一緒にいたいのか、アルトリア自身で決めて欲しいんだ」
『……わかりました。
では、その、しばらくですが、元のマスターの元に行かせて貰います』
「気をつけろよ」
それだけを言い残し、彼女はあいつの元へと向かって行った。