Arcadeからサーヴァントが出てきた件について 作:ボルメテウスさん
その日、俺はFGOアーケードを行う準備を行っていた。
「にしても、今日のピックアップのサーヴァントは一体なんだ?」
そう言いながら、俺はそのピックアップに出ているサーヴァントについて疑問に思いながら呟く。
これまでFateシリーズを多く見てきたが、「両儀式」というのは知らない。
そう疑問に思いながらも、なぜか惹かれながら、ゆっくりと俺はガチャを回し始める。
いつものガチャの光景を見つめていると、ふと背中から、何か視線を感じる。
後ろを振り返れば、そこには一人の女性が立っていた。長い黒髪に整った顔立ち、そして着ているのは白い着物に赤い帯という格好だった。
「あー……えっと、もしかして、両儀式?」
俺は目の前にいる彼女に声を掛ける。
先程のピックアップで召喚される可能性は考えていたが、まさか実際に召喚できるとは思わなかった。
彼女は少し驚いた表情を見せながらも、笑みを浮かべる。
『───セイバーのサーヴァント、両儀式。召喚に応じ参上いたしました。……ふふ、これでいいのかしら? 異色にも程があるでしょうけど、よろしくねマスター?』
その言葉と共に差し出された手を握り返す。
これが俺と彼女との出会いだった。
『それにしても、これがサーヴァントなのね?
なんだか、とても不思議な気分ね』
そんな風に話す彼女の声を聞きながら、俺はこれからの事を考えるのであった。
「えっと、それじゃ、一応説明するけど、これはFGOアーケードと言って」
『えぇ、十分に。
サーヴァントと共に戦うゲームという事も。
けど、不思議ね、まさか私がこうやって戦えるなんてね』
そう言いながら式と話していると
「驚いた、まさか俺以外にサーヴァントを召喚した人を見掛けるとは」
それと共に、俺に話しかけたのは男だった。
その後ろにはジャンヌ・ダルクがおり、おそらくは彼のサーヴァントだろ。
「俺は保村 聖将だ。
さっそくで悪いが、対戦してくれないか?」
「良いぜ」
その言葉と同時に、俺達は機体に座る。それと同時に、対戦が開始される。
降り立ったフィールドは、月夜の雪原。
その名の通り、見渡す限り雪で覆われている。
「雪景色ね」
その光景を見つめた式は何かを懐かしく思うのか、空を見上げながら呟く。
「雪が懐かしいのか?」
俺は思わず気になって、話しかける。
未だに対戦相手が目の前に現れないという事もあり、一緒に戦ってくれる式を少しでも知る為に。
「えぇ、昔少しね。
そう考えると、初めて戦うにはぴったりかもしれないけど」
式はその言葉と共に微笑む。それはどこか寂しそうな笑顔だった。
俺の知らない彼女の過去がそこにあるのだろうか?
「……そっか。
じゃあ、相手も現れたようだしな」
それに合わせるように式もまた、どこからか取り出した刀を構え、ゆっくりと構える。
同時に見えたのは、相手のマスターである保村が召喚したサーヴァントであるジャンヌ・ダルク。
その手には彼女よりも遙かに大きな旗を持っており、ゆっくりとそれを構える。
「向こうは準備ができているようね、それじゃ」
その言葉と共に式は動き出し、その手に持つ刀をジャンヌ・ダルクに向けて、一閃切り裂く。
同時に響渡るのは金属音であり、式の手に持つ刀をジャンヌ・ダルクは旗を手に受け止めていた。
どうやら向こうもやる気らしい。
「ふふっ、力が制限されている。
これは、本当に、楽しいね」
その言葉と共に再び式は縦・横と十字に刀を振るい、その度に響く剣戟の音。
だが、それをジャンヌ・ダルクはまるで舞っているかのように華麗に身をかわしていく。
それはまさに戦いというよりも、演武に近いだろう。
そして、そのまま彼女は手にしていた旗を大きく振りかざす。
それによって、式は後ろに大きく飛び退く。
それと同時に今まで立っていた場所に叩きつけられる大きな旗。
叩きつけられた場所は大きく陥没しており、それだけでも威力が高い事がわかる。
そんな一撃を放ったにも関わらず、ジャンヌ・ダルクは息一つ乱していない。
逆に、攻撃を防がれてしまった式の方を見てみれば、服こそ破れていないものの、大きく肩で呼吸をしている。
「大丈夫か?」
「えぇ、むしろ楽しいわ。この感覚、久々だもの」
そう言いながらも、式はまた刀を構える。
その姿からは先程までの疲労の色は見えない。
どうやら体力の方も問題はないようだ。
それと同時に見えたのは、ジャンヌが既に宝具を発動させる準備だった。
「ならば、式。
付き合ってくれるか?」
「えぇ、良いわよ。
その代わり」
その言葉と同時にジャンヌの宝具は発動される。
「主の御業をここに
我が旗よ、我が同胞を守りたまえ! リュミノジテ・エテルネッル!」
その言葉と共に掲げられたのは、彼女が持つ巨大な旗。
それが月夜の下で大きく広げられた瞬間、辺り一面を包み込む光の結界が現れる。
これによって、万全の防御体制を取る事ができ、体制を取り直す事ができる。
本来ならばな
「───直死。両儀の狭間に消えなさい」
それに合わせるように、式の宝具もまた発動した。
その瞳は普段の黒から鮮やかな青に変わり、振るわれた刃は光すらも切り裂き、彼女の前に立ち塞がった全ての障害を切り伏せていく。
それはまさに閃光。
同時にジャンヌの身に纏っていた光の結界は切り裂かれ、崩れ落ちていった。
同時に響き渡るのは大きな轟音と衝撃によって吹き飛ばされる雪原の上に立つ俺達二人の姿。
「……凄いな」
俺は思わず呟いた。
ジャンヌ・ダルクと保村 聖将。
この二人は弱くない、むしろこれまで戦った誰よりも強かっただろう。
だが、おそらく俺自身も気づかなかったが、おそらく両儀式との相性は想像以上に良かった。
『ふふっ、楽しかったわ、サーヴァントと戦うのって、結構面白いのね』
そう言いながら、俺の横には霊体化した式がいた。
「満足できたのか?」
「えぇ、久しぶりに体が軽くなった気がする。
ありがとうマスター」
その言葉と共に、式は微笑む。
その表情はとても無邪気なものだったが、同時にどこか寂しげな感じがした。
「…………」
俺はそれを見ながら、何も言わずに式の手を握る。
『どうかしましたか?』
「いいじゃないか、別に」
『そうですか?』
そう言って、式は俺の手を握り返してくる。
「これからもよろしく頼むぞ、式」
『えぇ、こちらこそ』
それは二人の約束だった。