Arcadeからサーヴァントが出てきた件について 作:ボルメテウスさん
「今後のFGOアーケードの為にも、そろそろ特訓したいけど」
『・・・・』
俺は後ろにいるジャンヌ・オルタに話しかけるが、その様子は不機嫌そうだった。
『何よ?』
「いや、特訓したいんだけどさぁ」
『あーもう!うるさいわね!』
「うおっ!?いきなり怒鳴るなよ!?びっくりするだろ!!」
俺の言葉に対して、ジャンヌ・オルタは大声で叫ぶ。
『別に私なんて、必要ないでしょ。
他にもサーヴァントがいるのだから』
「いや、いるけど。
ジャンヌ・オルタも一緒に戦ってみたいんだ」
『はっ?どうして私がそんな事をする必要があるのよ?』
「いやだって、お前とこれまで一緒に戦った事ないし」
『別に良いでしょ。
私の事なんて。それに、どうせ私はマスターにとっては都合の良い道具なのだから』
それと共にジャンヌ・オルタが思い出したのは、以前のマスターだった。
元々恋人のような関係だったらしいが、そのマスターはどういう訳かスワッピングを提案した。
それに対して、初めは反対していたが、マスターはその意見を聞く事なく差し出したのが俺だった。
その事もあって、以降はジャンヌ・オルタはあまり自分を大切にする事はなかった。
このままではまずいと思ったのだ。
「とにかく、今日は付き合ってもらうぞ!」
『ちょっ!?離しなさいよ!!』
俺はジャンヌ・オルタの手を引いて、そのままFGOアーケードのある機体へと向かった。
「えっと、今日の対戦相手は」
『まったく、なんで私が』
文句を言いながらも、ジャンヌ・オルタは俺の隣にいる。
『ちょっと』
「どうした?」
『なんか、あそこにとんでもない子供がいるわよ?』
「子供?」
ジャンヌ・オルタの言葉が気になり、見てみると、ランドセルを背負っている男の子がいた。
「小学生か?
もしかして」
そう疑問に思っていると、男の子の横にはサーヴァントがいた。
「あの、もしかしてサーヴァント持ちですか?」
「まぁな。
君は」
「はい!東西南北 光眞と言います」
いや、そんな名前が普通にあるか!?
俺は思わず声が出そうになるが、なんとか押し留まる。
『へぇ、名前まで同じとは偶然ね』
「ん?何か言ったか?」
『何でもないわよ』
今度こそ聞こえないように小声で呟くと、ジャンヌ・オルタは何事も無かったかのように答える。
「それで、そっちのサーヴァントは」
『僕はアレキサンダーだ。
いやぁ、しかし、こうやって対戦できるのは結構面白そうだねぇ』
「はい!よろしくお願いします!」
「おぉ、よろしく、頼むぞ」
『ふんっ』
そのまま、俺達は機体に行くと共に起動させる。
それと共に展開されたフィールドは魔霧都市。
霧に包まれたロンドンが舞台。
その霧に紛れて、遠方の敵がマーカーが無いと把握し辛くなっている。
メインストリート部分は道が広く、周囲を見渡しやすい。
道の脇には射線を遮る街灯が設置されているが、幅が狭く身を隠すのは難しい。
難易度は高いが、射線を見極めれば必中射撃を遮るのにも、一応使える。
また、間隔は狭いのでターゲット集中を切るのには使いやすい。
路地裏は道が狭く、混戦になりやすい。
この狭さが色々な面でネックとなっており、回避する方向を誤ると壁に引っかかり、攻撃を避けれずにそのまま喰らう事もある。
また、射撃攻撃も別の敵に命中し、カットしたい相手に届かないという事が多々発生する。
特に北側にある裏路地エリアにおいて、メインストリートと並行して伸びる路地は、建物に沿って緩やかなカーブ状になっているので、射線も通りにくいと色々と辛い。
「ふんっ」
そのフィールドに立ったジャンヌ・オルタは未だに機嫌を直さず、不貞腐れていた。
「ジャンヌ・オルタ、油断するなよ」
「分かっているわよ」
その言葉と共に、ジャンヌ・オルタは腰にある2本の刀に手を伸ばしながら、周りを警戒する。
「とりあえず、警戒はっ、危ない!!」
「っ!」
俺はすぐにレバーを動かすと共にジャンヌ・オルタはその場で避ける。
それと共に現れたのは巨大な黒馬に乗ったアレキサンダーが襲い掛かる。
「いきなり襲い掛かってくるのねぇ!!」
同時にジャンヌ・オルタはすぐに刀で斜めに斬り裂く。
だが、アレキサンダーはそれに対抗するように腰にある剣を振り上げて、それを受け止める。
「いやぁ、奇襲には失敗したみたいだけど、まだまだ終わっていないよ!!」
アレキサンダーはそのまま剣を横に振り払うと同時に、雷を放つ。
だが、ジャンヌ・オルタはそれを見切り、バックステップしながら雷を避ける。
それと同時にアレキサンダーの雷によるダメージが入ったのか、HPゲージが減少する。
それを見たジャンヌ・オルタは一気に駆け出すと共に、アレキサンダーに向かって攻撃を仕掛ける。
「はぁあああっ!!!」
「おっと」
アレキサンダーは向かってくるジャンヌ・オルタに対して、ブケファラスを走らせて、突撃する。
だが、ジャンヌ・オルタはその動きを予測していたのか、ブケファラスの鼻先を足場にして飛び上がる。
そして、空中からアレキサンダーに向けて雷を放ち、ダメージを与える。
「くぅっ」
「それじゃ、少し本気を出させて貰うよ!!」
その言葉と共にアレキサンダーは雄叫びをあげる。
「さぁ、行くよ!!『神の祝福』」
アレキサンダーの言葉と共に、彼の身体が神々しい光に包まれる。
同時にアレキサンダーの姿が大きく変わる。
大柄で筋骨隆々の姿をした男へと変わり、雷気を纏った二匹の牛にに牽かれる戦車に乗る。
「サーヴァント自体が変わるなんてっ」
「さぁ行くぞ!!」
姿を変えたアレキサンダーは神威の車輪を操り、攻撃を開始する。
神威の車輪による突進、雷によるダメージ、攻撃に伴う雷撃によるダメージと厄介極まりない。
しかも、それだけではない。
アレキサンダーはブケファラスの手綱を操作して、ブケファラスを急発進させ、その勢いのまま、体当たりを仕掛けてくる。
「ぐっ」
俺はレバーを動かして、何とか直撃を回避する。だが、それでも完全に避けきれず、ダメージを受けてしまう。
「どうだ?僕の宝具は」
「……まぁまぁね」
「そうか」
ジャンヌ・オルタの言葉にアレキサンダーは苦笑を浮かべるが、すぐに真剣な表情になる。
「でも、このままだとジリ貧なのは変わらないよね。だったら、そろそろ本気で行こうかな?」
アレキサンダーは神威の車輪の速度を上げる。
「まぁ、所詮、ここまでね。
私なんて」
そう、ジャンヌ・オルタは自虐めいた笑みを浮かべる。
「おい、ジャンヌ・オルタ」
「何よ、マスター」
「お前は十分強いよ。
だから、自信を持て」
「さぁね。
そんな自信なんて、出る訳ないでしょ。
元マスターに簡単に捨てられる私なんて」
「だったら、俺を信じろ」
「はぁ、何を言っているの」
ジャンヌ・オルタは呆れたような視線を向ける。だが、俺は気にせず、言葉を続ける。
「俺が信じるお前を信じろ!!だから、お前の凄い所を俺に見せてくれ!!」
「……全く、本当にマスターって奴はこれなんだから。
いいわよ、見せてあげるわよ!!」
ジャンヌ・オルタはやる気を出したのか、刀を鞘に収めると構えを取る。
それを見たアレキサンダーは目を細める。
「へぇ、ようやく本気を出したようだね。
だけど、今頃遅いよ!!」
アレキサンダーはブケファラスを加速させると、神威の車輪をジャンヌ・オルタに向ける。
そして、そのまま突っ込んでいく。
「ふっ、それはどうかしら?」
ジャンヌ・オルタはその場でジャンプし、その攻撃を避け、大きく後ろに下がる。
だが、アレキサンダーの攻撃はそれで終わる事はない。
ブケファラスが方向転換すると再びジャンヌ・オルタに向かって突撃する。
「けど、方向転換のスピードが遅すぎるわよ!!」
「しまった!!」
それと同時にジャンヌ・オルタは既に宝具を発動する準備を終えていた。
「───炎は獣に、竜は我が手に! 楔を破壊し、命の鎖を引き千切れ!フェルカーモルト・フォイアドラッヘ』
煉獄の焔を左手に収束させ、黒く揺らめく紫炎の火球を生成。その火球から三尾の黒竜を象った火焔を発射し、アレキサンダーに喰らわせる。
「ぐあああっ!?」
「まだまだ、こんなものじゃないわよ!!」
さらに、ジャンヌ・オルタは右手に握っていたトドメに黒竜に捕らえられたアレキサンダーを、竜ごと一閃して叩き斬る。
「うああぁぁぁっ!?」
その一撃でアレキサンダーはそのまま消えた。
「やったな、ジャンヌ・オルタ!」
「ふんっ、まぁ私が本気になれば、あんなもんよ」
ジャンヌ・オルタは鼻を鳴らしながら言う。
「それにしても、あのアレキサンダー相手によく勝てたな」
「当たり前よ。
私は負けず嫌いなのよ。
相手が誰であろうと絶対に勝つまで諦めないんだから」
「そうか、これからもよろしく頼むぞ。
ジャンヌ・オルタ」
「はいはい、マスターこそ、私に愛想を尽かさないでよね」
そう言ってジャンヌ・オルタと笑い合う。