Arcadeからサーヴァントが出てきた件について 作:ボルメテウスさん
「それにしても、ようやく本戦が始まるのか」
そう言いながら、俺はその日は指定されたゲームセンターへと向かった。
以前からプロトマーリンから言われた大会がいよいよ始まると言う事で、少し緊張しながら、その場所へと向かっていた。
「なんだよ、マイブラザーでも緊張しているのか?」
「緊張というよりも、このチームで本当に良いのかと思ってな」
「それは、酷くないか?」
そう言いながら、俺は今回のチームを組む事になった二人を見つめる。
「何よりも、このチーム名が」
俺達が組む事で自動的に決定したそのチーム名『K・R・F』
一見、お洒落に見えるこのチームだが、その意味はKは屑、Rはロリコン、Fは腐女子。
つまり俺達の性癖がそのままチーム名になっている。
「それにしても、俺達の対戦相手はどこに」
「へぇ、貴方達が今回の対戦相手ね」
アイドル顔負けの容姿を誇る迷惑系JKコスプレイヤー三姉妹。
しかも、コスプレイヤーなのか、マリー、エリザーベート、出雲阿国の格好をしていた。
「なんだ、あの再現度の低さは!!」
それに対して、怒りを隠せなかったのは東堂だった。
「何を怒っているの、あなたは」
「あぁ、出雲のコスプレに対してだな。
こいつロリコンだから」
「あぁ、確かに」
俺がそう言っていると、白銀は納得するように呟く。
「何を言っているのか分からないけど、最初の一回戦。
生配信で華々しく勝たせて貰うわよ」
「まぁ、別に良いけどな。
今日は一回戦というのもあるけど、とりあえず頼むぜ、武蔵ちゃん」
『了解!
にしても、あの三人、見た目は良いけど、性格が悪そうねぇ』
「それには同感だ。
とりあえず、行くぞ」
その言葉と共に、俺達はそのまま機体にカードを読み込ませる。
「それで、マスター。
この相手にはどう戦うつもり」
そう言いながら、俺に話しかけてくる武蔵ちゃんの声を聞きながら、画面を見る。
現在、俺達のチーム構成としては、まさに火力特化というべき俺のサーヴァントである宮本武蔵。
リロード性能が高く、隙の少ない遠距離攻撃が得意なクロエ。
そして、攻守と共に優れているジャック・ド・モレーによる3人が揃っている。
対する相手のマスターは3人共、同じサーヴァントであるワルキューレを召喚しているが、これがなかなかに厄介だ。
空中戦を得意とし、宝具連射、スター増産、回避・ダメージカットと、攻防共に隙が無く、何よりも連携が俺達を遙かに超えている。
だからこそ、そんな簡単に攻め込む事ができない。
「さて、どうするか」
そんな考えを行っていると、相手のワルキューレが攻撃を仕掛けてきた。
「武蔵ちゃん」
「分かっているよ」
俺は武蔵ちゃんに叫びながら、同時にレバーを操作する。
レバーを動かす事で、迫り来るワルキューレの攻撃に対して、両手に持った刀で迫り来る光の槍を受け流している。
しかし、正面から襲い掛かる光の槍に対しては受け流す事しかできず、防戦一方となっている。
一方の武蔵ちゃんの方も、同じように2本の刀を使い、ワルキューレからの攻撃を捌いているのだが、こちらはまだ余裕がありそうだ。
だが、このままではジリ貧なのは目に見えていた。
なんとか打開策を見つけなければならない。
「武蔵のマスター殿!」
「っ」
聞こえた声と共に見ると、後ろから襲い掛かってきた光の槍の攻撃をジャック・ド・モレーが盾を構えて、攻撃を受け止める。
それによって、少しだけ体勢が崩れた瞬間を狙って、ワルキューレが武蔵ちゃんに向かって、追撃を仕掛ける。
それを見ていた俺は、咄嵯に手元にあったボタンを操作した。
すると、今まで操作していたレバーとは別に、もう1つのレバーが動き出した。
そのレバーの動きに合わせて、武蔵ちゃんの腰に装着されていた鞘が外れると、そのまま空中へと飛んでいく。
しかし、その武蔵ちゃんに対して、別のワルキューレが攻撃を仕掛けてくる。
「おっと、そうはさせないよ」
同時に聞こえてきた声と共にクロエが放った矢がワルキューレに向かって飛来し、それに気を取られた隙を突いて、武蔵ちゃんが懐に入り込んで一閃を放つ。
それによって、さらに体勢を崩したワルキューレに対して、今度はジャック・ド・モレーが大剣を振り下ろす。
それにより、ようやく一体を倒す事ができたものの、状況は芳しくない。
こちらには決定打がなく、向こうにもまだ余裕があるように見える。
「一カ所に集まりましたね」
「っ」
聞こえてきた声と共にワルキューレ達が宙に飛ぶ。
「同位体、顕現開始。 同期開始。 真名解放……『終末幻想・少女降臨』!!」
それと共にワルキューレ達が一時的に大量に召喚すると共に、その手に持った槍を武蔵ちゃん達三人に向けていた。それと同時に放たれたのは巨大な光の柱であり、それは真っ直ぐに武蔵ちゃん達を飲み込んでいた。
光が収まった後に残ったのは地面に落下して倒れている武蔵ちゃん達の姿だった。
確かにこのままでは危険だ。
だが
「同時にその距離は」「私達の距離」
その言葉と共に、正面に残りのワルキューレの姿に構え、宝具を発動させる。
「「っ」」
それに反応し、すぐにその場から離れようとするワルキューレ達だったが、それを遮るようにジャック・ド・モレーとクロエが立ち塞がり、妨害を行う。
そして、その間に武蔵ちゃん達は立ち上がると同時に、一気にワルキューレ達に目を向ける。
「南無、天満大自在天神。仁王倶利伽羅小天衝!」
武蔵ちゃんのその言葉と共に、彼女の背後に巨大な阿修羅が現れ、その4つの腕は剣を手に持つ。
そのまま阿修羅はワルキューレ達に向けて、剣を振るう。
それと同時に、ワルキューレ達の周囲に展開された結界によって、攻撃を防ぐ。
しかし、それでもなお勢いを止めずに突き進み、ついにワルキューレ達の張った結界を破壊する。
そして、同時に武蔵ちゃんはその手に持った刀を構える。
それと共に阿修羅が刀に吸い込まれ、巨大な光の刀となる。
「ゆくぞ、剣轟抜刀!伊舎那大天象!」
その叫びと共に、武蔵ちゃんの刀をそのまま振り下ろした。
逃げ道を完全に防がれたワルキューレ達はその一撃を避ける事もできずに直撃する。
しかし、それで終わりではない。
そのまま地面まで叩きつけた後、光の刀はそのまま上空へと飛び上がる。
その衝撃でワルキューレ達は大きく吹き飛ばされ、空に舞っていた。
光はそのままワルキューレ達を飲み込み、こちらの勝利を決定的にさせた。
「そんな、馬鹿な」
「よっしゃぁ、勝ったぜ!!」
その言葉と共に機体から出てきた武蔵ちゃんにハイタッチをする。
「まさか、私達が一回戦で負けるなんて」
「というよりも、そもそもこの大会自体、分からない事ばかりだからな。
けど、まぁ、とりあえずは今後も勝ち続ける必要はあるけどな」