※この作品はR-18です。

どうやら多重婚が認められるようです。   作:ナンダム

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猫です、よろしくお願いします。


幕間「レナズ・スイート・ホーム」

それは、あるなんてことない朝だった。

 

☆★☆

 

「おい、三玖起きろ、おーい。」

 

「…あ、おはようフータロー。」

 

朝目覚め、隣で寝ていた三玖も起こす。

少しボサッとした寝癖がある長い髪の毛を梳かしながら、はにかんだ笑顔を見せる。

 

こんなにも可愛くて美人さんだと言うのに、三玖は俺の腕に抱かれて眠っている。

出会った時から何も変わらない、あの頃に笑顔のままだ。

 

「フータロー、寝ぼけてるの?」

 

「ん?あ、いや、何でもない。」

 

少しだけ記憶のタイムスリップを敢行していたのだが、引き留められてしまった。

仕方がないので、三玖の顔を胸に抱き寄せ、そのまま二度寝を開始する。

 

「…フータロー、おっきくなってるよ。」

 

「あぁ、すまんすまん」

 

駄目だ。もう何年も彼女達の奥底にマグナムをトリガーしてきた歴戦の深夜兵団の一員の筈なのだが、欲の抑え込みだけは上手くいかない。

まったく、朝から発情なんて猿じゃあるまいし。

 

「あ、その…フータローがどうしてもって言うなら…スる?」

 

「喜んで。」

 

「キャッ」

 

その目線からは誰も逃れられない。

そうして己の欲望に負けた結果、夫婦の営みが始まるのであった。

 

☆★☆

 

三玖から俺のモノを引き抜き、汚れた三玖の体を優しく拭う。

トリガーされた弾が彼女から少しづつ垂れてきていて、余計に情欲を煽る。

やめろやめろ。流石にこれ以上はお互いの体が持たん。

 

「なんか、いつもより元気だったね。」

 

肩で息をしながら話す三玖。

心なしか、肌が先ほどよりツヤツヤしている。

 

「そうか…?」

 

「うん。フータロー、いつもより勢いが違った。いつもは、何か、こう…味わってるって言えばいいのかな?でも、今日は沢山動いてた。」

 

「なるほど…流石三玖だな。」

 

「そ、そうかな?」

 

「あぁそうだ。三玖はいつでも可愛いな。」

 

「もう、フータr」

 

 

「あんた達、いつまで寝てるのぉぉ!」

「のぉぉぉ!」

 

 

あまりに起きるのが遅かったため、二乃に怒られてしまった。

何故か未来も便乗してる。

 

「…起きるか。」

 

「うん。」

 

早々にベットから離れ、服を着てリビングに向かった。

 

☆★☆

 

「ねーねーお父さーん」

 

「ん、どうした?」

 

「何でさっきすっぽんぽんだったのー?」

 

「え?そ、それは…」

 

「ねぇ何でー?」

 

「…さ、さぁ未来ちゃん!私と一緒にお着換えをしましょう!」

 

「えー、ポンママはポンコツだから、服が爆発しちゃうかもしれないから、やだ」

 

「何で私がポンコツなんですか!それに、ポンコツだからって服は爆発しませんよ!?」

 

☆★☆

 

一花をテレビ局、五月を塾、未来を保育園へ送るミッションを終えた後、毎朝スマホに送られてくる武田からの意味不明なポエムを評価(大抵0点)しながら店兼家に戻る。

 

「お、帰ってきたわね。お帰りなさーい」

 

「おう。…って、なんだソイツ!?」

 

二乃の腕に抱えられていたのは、乃愛でも朝陽でも無く、見知らぬ猫だった。

 

「おい、乃愛たちはどこに…?ハッ、まさか、融合カードで…?」

 

「乃愛と朝陽を生贄に、猫ちゃんを特殊召喚!!…違う、そうじゃないわ。」

 

「あ、そう?」

 

「乃愛ちゃん達は奥で寝てるよ。」

 

そうか、それなら安心だ。

 

さて、猫について考えよう。

これは、ブサカワというヤツだろうか。

最近ドラマでたまに見かけるようになったが、俺はそもそもそこまで動物が好きじゃない。

まぁ、別に経済的に余裕が無いわけでも無いし?

この家の癒し担当になってくれるのなら吝かでも無いし?

どうしてもって言うなら?

飼ってあげなくもないけど?

そんな事を伝えようと、猫の方を見る。

 

「…にゃあ」

 

そこには、トロンと蕩けた表情の猫がいた。

鳴き声も嬉しそうだ。

 

「…二乃、夕飯の時に家族会議だ。取り敢えずケージ買ってこい。」

 

「任せなさい。通常の4倍のスピードで買ってくるわ!」

 

「惜しい、1多い!」

 

「えぇ!?」

 

どこが間違っているか分からない為、後ろ髪を引かれながらも二乃はペットショップへ足を進めた。

 

☆★☆

 

俺は猫だ。

名前はまだ無い。

 

昔からこの地で生きてきたが、その生活も終わりそうだ。

なにせ、縄張り争いに負けたのだから。

 

餌を探し、ひたすら地位奪還を虎視眈々と狙う。

プランは完璧だ。

アイツがいつも寝てる場所へ上から飛び降り、そのままズドンよ。

フッ…完璧すぎる。

 

その時はすぐに来た。

建物の屋根の下、日陰になるが暖かいという、野良猫なら誰しもあこがれる特等席だ。

 

さぁ、飛び降りるか。

と、ここである事に気が付く。

 

…高すぎて飛び降りれない。

 

しまった!その事も計算してここを縄張りにしていたんだった!

不味い、このままだと、ただ屋根から降りれなくて干からびたただのアホになる!

それだけは避ける!

 

☆★☆

 

三玖は買い出しに出かけようとした時、聞きなれない音を聞いた。

…鳴き声だ。それも猫。

 

「どこにいるの…?」

 

辺りを探してみるも、見つからない。

ふと上を見ると、そこには一匹の猫がいた。

 

「ありゃ、降りれなくなっちゃったのかな。…ちょっと待っててね。」

 

☆★☆

 

俺は猫だ。

名前候補は「レナ」、「ヌケ」、「ポンコ」だ。

どうやら後ろ二つの案は良くない意味らしい。

名前を付けていただくのはありがたいのだが、せめてまともな名前を付けてほしい。

 

「____」

 

「____!」

 

何を言っているのかは理解出来ないが、少なくと分かるのは俺の事を話しているであろう事だ。

 

ニンゲンの内の一人が、こちらを向いた。

朝に俺を抱き上げていた女によく似ていて、恐らく何か不味い事をしていそうな男にもどこか面影がある。

もしや、こやつらの子供であろうか。

繁殖など数回しかした事が無いが、もうその事を考える必要は無いだろう。

オババの話によると、ニンゲンに捕まると「キョセイ」という儀式を行われ、繁殖が出来なくなってしまうらしい。聞いた時は恐ろしいと思ったが、今はそれもアリだと思っている。

あれは確かにイイ物だが、言ってしまえばそこまでだからな。

 

それと、快感を求めて繁殖を行うのはニンゲンと「イルカ」という生き物だけだそうだ。

俺もそうはなりたくないものだな。全く、ニンゲンは愚かだ。

 

「_____、___。」

 

チビのニンゲンが、微笑んだ顔でこちらを見てくる。

…愚かなだけでは無いのかもな。




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