ワタシメイレイスイコウスルヨ(遠い目)
番外編「中野家のお風呂での一幕」
五月はイライラしていた。
…遅い。遅すぎる。
私もお風呂入りたいのに、何20分も入ってるんですか!
そもそも、よく人の家のお風呂でそこまでリラックスできますね!
これは、もう文句を言いに行くべきですね!
もう裸も見た仲ですし、恥じらいもありません!
五月は風呂場へ通じる部屋、脱衣所のドアを開ける。
そこで、五月は信じられない物を見た。
_三玖の下着!?
こ、これはどういう事なのでしょう!
ま、まさか三玖もストッパーが外れて…?
だとしたら、私はなんて悪い子なのでしょう!
一時の欲求に身を任せ、私達五つ子の秩序を乱して…。
これは、私が責任を取るべきです!
五月は迷わず服を脱ぎ、風呂場へと突撃する。
「ハレンチな事は、止めなさーい!」
☆★☆
「フータロー、背中洗って?」
「任せろ。綺麗すぎて翼が生えてくるくらいピカピカに磨いてやる。」
「鏡じゃないんだよ?」
「おいおい、こいつ冗談が通じないぞ。」
俺たちは結局、互いを同時に洗うことになった。
最初からこれでよかったのだが、いい思いをできたのも事実なので黙っておこう。
「…フータローはさ。」
「ん、どうした?」
「私がお料理の学校行くって聞いて、どう思った?」
「え?そんなのもちろん、応援するに決まってるが…」
「それ、ほんとの気持ち?」
「…確かに俺としては、大学に行って欲しかった気持ちも無いわけではない。だが、最初は奥手だったお前が、こんな風に自分の気持ちを表してくれている事が、一番嬉しいんだ。」
「…フータロー。」
その時、扉が勢いよく開けられ、そこにいたのは裸の五月だった。
「ハレンチな事は、止めなさーい!」
「…前言撤回。五月の方がムードを壊す才能があるよ。」
「えぇ!?」
「確かに、認めざるを得ないな。」
「得ませんよ!何の話ですか!不名誉にも程があります!」
「好きだ(イケボ)。」
「ひゃい!」
少し黙っててほしかったので、耳元にスッと近づき囁く。
照れた五月は、顔を真っ赤にしてその場にうずくまる。
「凄い、フータローがもう五月の扱いに慣れている…。」
「よし、再開するぞ。」
「はーい。」
「ちょ、ちょっと待ってください!」
正気を取り戻した五月は、すぐさま立ち上がって言う。
「ん?何だよ。俺は今から解放された性欲に従って、三玖の胸を洗うんだ。邪魔すんな。」
そうだ。もう疲れたんだ。
別にこれくらいのご褒美があったっていいじゃないか。
え、五つ子達とそんな事出来る方がご褒美?聞こえないなぁ。
「上杉君ってそんなキャラでしたっけ?」
「new上杉なんだよ。」
「なるほど…ってそうはなりませんよ!」
「あーあーきーこーえーなーいー」
「この人、いつから話題をはぐらかすようになったんですか!?」
「いつも元凶は五月にあるよね。」
「そんな、三玖まで!」
☆★☆
「ほら、五月も洗うぞ…」
「…ぐすっ、ふえぇぇぇん。三玖が、私の事を否定するなんてぇ…」
「どう考えても理由はお前にあるからな。」
「うん。…でも、感謝はしてるから。」
「本当ですか!…えへへ。お母さんをやってきて良かったです!」
「喜ぶのこんな細かい事でいいのか…?」
「いいんです!」
さっきから五月が結構情緒不安定だが、気にしないでおこう。
「よし、入るぞ。」
俺たちは互いの体を洗い終えると、3人仲良く風呂に入る。
「…ふぅ。やっぱり風呂はいいなぁ。日々の穢れが洗い流されるようだ。」
「それって、私達が穢れって事?」
「半分正解で、半分違うな。」
「半分は正解なんだ…」
三玖の目が潤んでくる。
「待て、待て待て待て!違う!今のは言葉の綾だから!」
「上杉君、酷いです…。」
「悪かった!穢れっていうのは、日々の疲れの事を言ってたんだ!」
「私達と会うのは疲れる?」
ヤバい、三玖にヤンデレ気質が宿っている。
大方一花の影響だろう。
「そうじゃない。」
「良かったぁ…。私達のせいでまたフータローの成績が悪くなったらどうしようと思って。」
「…心配してくれてたんだな。」
「うん。フータローは、もう私達の彼氏だから。」
いや、本当は一人しか選ぶつもりは無かったんだぞ?
でもな?こんなに健気に尽くしてくれてるのにさ?
断るのも違うじゃん?
じゃん?
ジャン・キル〇〇タインです!
「…フータロー、どうしたの?」
「あぁ、すまん。」
「巨人でも見たような顔していましたよ。」
「何故分かった…」
「んもぅ、フータローと五月が合わさると、ムードなんて絶対に作れないね。」
「すみません、そういう事には疎い物で…」
「何言ってんだ。五つ子の中で誰よりも早く迫ってきたくせに。」
「あー!それはタブーですよ!」
「フータロー、言い過ぎ。」
「…これは、責任を取ってもらいましょう!断罪です!」
「待て、おい、うおぉぉぉ!!」
無事に一発搾り取られた。
☆★☆
つやつやの三玖と五月に挟まれながら、俺は考える。
…そもそも、なぜこんな事になった?
別に役得でしか無いから悪い気はしないが、やっぱり倫理観が思考を阻む。
もう、ここまで来てしまったら、考えすぎない方が得策なのか?
「上杉君、そろそろ出ましょう。時間になってしまいます。」
「おう。」
二人の体を見ると、もう何だかどうでも良くなってしまった。
さぁ、こんなイケない関係になってしまった俺たちの明日はどっちだ。
…タイムワープしたい。
すいません。少々少ない感じになってしまいました。
まぁ、幕間なんで許してください。