21世紀の世の中、本来であれば科学技術の発展に伴い様々な怪現象は解析され
その昔信仰されていた妖怪というものは無いものとして扱われたはずだ。
しかし……それから少し外れた世界ではそうでもなかった。
人々は発達した科学技術を用いながらも妖魔と呼称される存在に怯えていた。
それらは寿命こそ人間のそれの半分にも満たない短命な者たちではあるがその力は猛威を振るった。
雑兵として多く放たれる者たちの腕力には人は容易く引きちぎられボロ雑巾のように命を散らす事になる。
しかし、妖魔に襲われるだけではなかった、人類はその昔に陳腐として捨て去った魔術、妖術あらゆる手を尽くした。
それらは一種の技術として再び21世紀の世の中に返り咲き……魔力・霊力と呼ばれる物が広く普及した。
それらは人々の魂に由来するものであり天からの授かりものである。
これらが強くあるのは主に女性であり魔を祓う者は一様にこう呼ばれるようになった……
――――退魔巫女と。
退魔巫女の台頭と共に妖魔との生存圏争いは落ち着きを見せ始めた……
しかし、これは序章に過ぎず妖魔もほとほと本気を出しては居なかった。
よく冷える真冬の満月の夜。ソシャゲに課金するためプリペイドカードを買いにコンビニへと走った帰りだ。
時刻は午前3時、月明かりが照らす他に照明は自分のスマホのフラッシュライトのみ。
かるい散歩にもなる結構な距離をあるき続けていた。
何気ない日常のほんの一部、ベッドに入って寝て起きればまた次の日の日常が始まっている。
その時俺はそう信じていた。だが、事態は一転した。
なにかが背中から迫っている、ひたひたと素足で駆けるような……ズルズルとなにかを引きずるような……
そんな聞き慣れない音が段々と大きくなっていた。
何事かと振り向きたかったがそれより生物的に感じる本能的な恐怖が身を縛った。
天敵に睨まれた草食動物のような気分だった。
突如として訪れたそんな感情に気が動転していた……走って逃げようとして思い切り足をもつれさせていた。
「うわぁぁっ……あ?」
自分から出た悲鳴に違和感が。
さらに言えば自分がとっさに突いた手にも違和感。
着ている衣類もまるで変わっている……何事なんだ?
この深く吸い込まれるような群青の反物……いや、まさかそんな……
さらに下に目を向ければ自分の胸元に該当する部分にできあがっている双子富士……
さらりさらりと落ちていく白銀の糸……感触が繋がっているソレは毛髪……!
嫌な動悸が早くなっていく。意識が遠くなりそうでぼうっとしてくる。
ま、まさかと思うが……確かめるべく……両手……自分のモノと思えないほっそりとした手で双子富士を掴む。
――もにゅり――もにゅり
まさかと思ったモノが現実となっている……感覚これ全て自分のものである。
男であった自分が女の身体にいつの間にか置き換わっている。
それも、恐らくは……課金するべくひた走ったゲームのキャラクター……
自分の性癖どストライクの女、アズールレーンの信濃に……変わっている。
ひた、ひた……
耳に飛び込んだ音に全身が再び粟立った。
馴染みがない9の感覚もぶわりと膨らんでいるように思える。
恐らくは特徴的な9尾が膨らんでいるのだろう。
「に、逃げなきゃ……!」
幸い着物といっても行動に支障が出るような衣類ではない。
露出が高く肩から胸元にかけては風がもろに当たり太腿もちらりと見えるミニスカートの構成。
動くに当たっての支障は一切ないと言っていい、ぽろりの危険はかなり高いが!
立ち上がって全速力で逃げる、身長は高く脚も長い信濃の身体で走ればなかなかの速度が出る。
しかしそれは人として走った場合と限定される。
音事態は酷くゆっくりなのに確実に音は大きく、迫ってきていた。
走っても走っても同じ暗闇をずっと走っているかのようで……
両足になにかが纏わり付いた、全身に悪寒が走った。
「ひっ」
足元を見下ろせ……ない、胸が邪魔だ。
転ばない様に片足づつ順に捕まえたそれは手のようにも感じる。
ただ酷く冷たくギトギトしていて不快感が拭い去れない。
人の手だとしたら冷たすぎる……何時間外にいたらこうなる?
それに足首に感じるこの手汗とも言い難いギトギトは……?
固まる俺に背後から何かが覆いかぶさった。
とても重く振り払おうにも身体に感じるこの不快感と悪寒でろくに動いてくれない。
自分の体なのに自分の体じゃないみたいに……
丸出しの肩にも手が……腰にも手が回され背中に乗った何かにキツく抱きしめられた。
幸い……手が触れている所以外はギトギト感はない……
――――ヒヒッ、ヒヒヒッ
耳元で囁かれる不気味な笑いに身が凍る。
ギトギトしているから無理矢理にも引き抜けないかと考えた矢先だ。
ぎゅっと手首も握られ俺が逃げ出そうとしているのを先んじて潰したかのようだ。
――――ヒヒッ、上玉だァ……
「ぅ、あ……くぅ……」
もにゅん、もにゅり……ようやく自分の視界に入ってきた腕は土色で血の気が一切なかった。
それでいてぶよぶよに肥えている、不健康そのものな腕……
見るも醜い脂ぎった指が胸を掴んで揉んでいる。耳元の囁きも下品に喜んでいる様子だ。
痴漢……と思いきやこんな夜中にこんな肌を出して歩く猛者は居ない。
それよりも不可解極まりないのは自分の感じているこの快楽だ。
ありえない、自分が、胸を揉まれるだけで感じる?つい先程まで男だった自分が?
くすぐったさを感じるならばまだ納得する、承服しかねるかは別として。
――――こっちも、イイ……
今度はミニスカートに包まれた尻肉が揉まれ……撫で回されている。
上の方も撫でたり……指で焦らすように乳輪を撫でて性感を煽ってくる……!
なんだこの快楽は、自慰行為でも……感じたことが……!
――――感じているな?
「ち、が……くぅんっ♥」
――――ウソはいけないなァ……あぁ美味だなァ
厚い着物はするりと開けさせられ信濃のモノである爆乳が寒空の下に晒された。
健康的でありながら白く透き通りそうな肌がほんのり朱くなってきていて
撫でられていた胸の先端はぷっくりと勃っていた……興奮している証だ。
首筋を舐められた……べっとりと不快な……
「ッッッぅあぁぁ♥」
――――クク、おれの唾液は特濃の媚薬だぞォ……狂え狂え、俺にモット霊力をよこセ……
なん、のこと……?腕の一挙一動に脳裏がスパークする。
もう、だめだ……意識が……
「ォ"ッ♥ォ"ォ"ォ"ッッ♥♥♥」
――――クク、デカチチもデカケツもマンコもなにもかも美味イ
その妖魔は足手纏、醜く太った中年男性のような妖魔。
本体は肥えた種付けおじさんそのもののようなもので脚の代わりに何本もの豚のように太った腕が触手の如く伸びていた。
夜道を出歩く人間を見つけては脚を捕らえ男であれば貪り食い……
女であれば辱めながらその魂の力である霊力、魔力を共に吸い取って糧とする。
気に入れば犯して孕ませ自分の種を残そうとする。
この世界に蔓延る妖魔の中でもポピュラーなモノであり日常的に駆逐される妖魔だ。
迷い込んできた女はコレに捕まり物の見事に慰み者として魔力を啜られ続けていた。
性的快楽を感じた際に放出される力を実に実に美味そうに平らげていっていた。
大きく開いた口からは何本もの大小様々な触手が伸び豊満がすぎる胸の先端やキレイなツルツルマンコの中へと潜っていた。
細く蠢く毛細のような触手は乳腺の一本一本を掻き分けて張り巡らされていき
膣の方へと潜った物は処女膜に小さな穴を開け更に奥へと潜入し未開発の子宮へと潜る。
そして妖魔はさらに力を吸おうと体質変化を促し魔力、霊力を母乳として変換するようにと改造を加える。
これまたポピュラーで大凡9割の女性はそういう体質にさせられてしまっている。
溢れ出る力を持つものは退魔巫女として活躍するがその傍ら滴る母乳に悩まされるものとなる。
膣の方はさらに深刻で通常人為らざる存在の妖魔の精液で孕むことはないし排卵周期もまちまちの人間。
ソレに対して冒涜的にもどんな妖魔でも孕むように細工を施し卵巣にも触手を伸ばして排卵をほぼ無限に繰り返すように改造してしまった。
その改造を施す様子がスカートの下で下腹部に浮かんでは消えていく。
――――吸っても吸ってもこみ上げる……イイ苗床になりそうだ
通常すでに枯渇して出がらしのような魔力しか出なくなるほど吸っても吸っても妖魔が吸う魔力は無くなっていなかった。
それだけこの信濃の持つ魔力というものは豊潤であった。
痛く気に入った妖魔が己の弱点ともなる愚息を体内から生やそうと興奮したその時だ。
――――グペッ
妖魔は一瞬にして燃え上がった。
妖魔にしか効かない術、巫術の一つ焔火……退魔巫女が感づいてやってきたのだった。
助けられた俺はひとまず信濃を名乗り感謝を述べた。
俺自身はまったくわからないが凄い魔力と霊力を兼ね備えていて退魔巫女として働いて欲しいと願われた。
全くわからんし退魔巫女とは?妖魔とは?と聞くと……暫定的に記憶喪失として扱われ事細かに説明された。
ひとまず……俺は確かに巫術は使えて普通半年はかかる焔火の習得をあっという間に終わらせた。
……押し付けられる形で俺は退魔巫女信濃としてこの世界で生きていく事になりそうだ。
色々あって疲れたが……明日から早速妖魔を退治してくれと願われている。
どうにか……なるかな?
思ってみても考えてもその答えは帰ってこなかった。