奇しくも堕胎する手間は省かれ予定が一個潰れた私だった。
その代わりにと設けられたのは現在居る重桜KAN-SENの顔合わせだ。
正直不安要素しかない……特に病的なストーカー気質がある大鳳。
私の意識と肉体はそれぞれ別次元からこの世界に来ている様子だが……
私以外はそれぞれ意識も肉体も合致した普通のKAN-SENと思われる。
装備はどうした?と聞けば直ぐに出せるけれども翔鶴は武器になるものは持ってない。
艦載機を飛ばすにしても平原とかでないとまず無理、偵察程度にしかならないと愚痴を漏らされた。
となれば私も出せる……はずなのだが私は出せずに居る。
そこから突っ込みを入れられたりしたらボロが出るというか……怪しまれるな。
……何より持っているという装備の強化状態等が私の艦隊のソレと全く同じで嫌な予感を加速させる。
この世界に囚われているのは私と私の所持艦隊のKAN-SENなのではないかと……
となれば必然的に大鳳の執着対象は私となり得る……
「胃が……痛む……」
非常に胃が痛む事に今日面会予定となっているのが件の大鳳となっている。
熱烈な自推があってからそうなったと……赤城はどこか見定めるとか。
大鳳は指揮官にさえ絡まなければまぁいい子だとは思う。
他に対して関心が少なすぎるけれども家事スキルは相当高いし見た目も相当良い。
束縛が厳しくなるのはあるだろうが男の身であればあの美人に束縛というのは……ご褒美ではなかろうか?
男のままであれば大喜びであったと思うが……
「今はこの身体であるからなぁ……」
何処をどうみてもKAN-SEN信濃……どうなることか……
翔鶴は今日まで任務があり助けを求めることは不可能。
抜け出すことも叶わない、今はあの妖魔にしてやられた妖術の詳細が割れるまでの謹慎にもなる。
……同じく呪いを受けているのはプリンツ・オイゲンも。
ゴブリンにかなり輪姦され苗床にされたのもあって今は休息中。
身体に染み付いたゴブリンの陵辱の記憶が抜けきらんとのこと……
故にこちらも助けを求めることは出来ない……
「そちらが……あぁ、やはりというか大鳳だな」
「……」
「え、こわ……」
やってきた対面の時間、その衣装からなにから何まで大鳳そのものだ。
声はまだ聞けていないがこちらを視認するなり瞳孔をカッ!と開いて視姦してくる。
一挙一動なにをも見逃さないと言わんばかりに……
「その動き……指揮官様ですわね?」
「え、は?」
「その反応も指揮官様のものですわ、そうですよね?」
両手を取られた、至近距離で覗き込まれる……吸い込まれそうな瞳がこちらを見ている。
圧がスゴイ、嘘を吐けば一瞬で見抜かれそうな気がしてならない。
というかこの感じ、信濃という肉体に入った私を最初からわかっているような挙動だ。
「翔鶴さんからの動画なんかでじっくりと観察していましたもの、それに妻である大鳳が外見程度で惑わされる訳ありませんわ~」
「ヒュッ……」
「むしろ同性となってしまったようですし……これから大鳳が手とり足取り色々と教えて差し上げますわ♥」
「……それは、その……助かる」
ナチュラルに妻を自称するのは流石大鳳と言うべき所か。というか心を読むな。
「はぁい♥」
こわっ……しかして翔鶴にいつの間にか普段の行動の動画を撮られていたらしい。
信濃とは剥離した行動、言葉遣いは混じってきてしまっているのを自覚しているが……
未だに行動、特にスカートでの歩幅というか足運びが男のソレから抜けきっていない。
それに癖というのはどうにも為らんトコロはある……ふむ、大鳳達が認識していた指揮官の言動はそのまま私だったか。
一先ず殺されるということはなさそうだ……そこはホッとする。
「ところで、指揮官さまぁ」
「……今の私は信濃だ、そう呼んでくれ」
「名前で呼んでくれ……あはっ♥そうですわね!夫婦ですもの堅苦しいのはイヤですよね!」
「……それで、何を聞きたかった?」
「指揮官様を穢した雄猿はどちらに?バラバラに引き裂いて差し上げますわ」
「いや、いい止めてやれ……あれは淫霊が原因だ、本人達に罪はないからやめてやれ」
「懐が深いんですわね、そう仰言るのなら大鳳は……我慢しますわぁ……!」
歯噛みしすぎて血が出てる……そこまでか、そこまで腸が煮えているのか……
大鳳の重すぎる愛というのがよく伺い知れた……近くコチラの方へ移籍する手続きを進めているらしい。
この大鳳の様子だと……私の妖魔退治にも同行すると言い出しかねんな……
嵐のように来ては去っていった大鳳……当然のことながらKAN-SEN全員に周知されてしまった。
あの胸推ししているアイコンは完全に私を狙い撃ちしていたというわけか……
私は自他とも認めるおっぱい好きだった……さて、一つ仮説だった所は埋まった……KAN-SENは全て私の所有艦隊だった。
となれば、この肉体に収まるべきだった……私の一番と言っていいほど好いていた信濃の意識というのは何処へ……?
私の意識に弾き出されてしまったのか……それとも私の意識に上書きされてしまったのか……
それとも意識が深く眠ってしまったか……どうなのだろうか?
昏々と眠れば対話できるかも……しれぬか?信濃と夢というのは切り離せない事柄だ。
夢の中であれば相見える事叶うかもしれん……
「ふぅ……しかし、息抜きがてらに外出してみれば……驚くほど普通だ」
もとより取っていた外出許可を行使して今日明日の2日は自由に外出が出来る。
自分の身体はがらりと変わって妖魔という存在に怯える事以外は……驚くほど普通の現世だった。
彩り鮮やかな洋服を身に纏った人々が往来し……車は行き交い見る限り普通の町並みがそこにある。
行く人々のプロポーションは幾分違うと思うが……男はどこか筋肉質でヒョロガリが居ない。
女性はそれはそれはグラマラスな体型な人が多い……これは妖魔が原因と思うが。
「ん?気の所為……か?」
信濃の美貌が故に視線を集めている自覚はある。乳尻太腿の三箇所をよく見られている。
身に纏っている衣服はウニクロの安物シャツにズボンというのに……な。
特段ねっとりとはしていないので流していたが……何か粘つく視線を感じた。
何か気の所為と思いたいが……わからん。
何度もそういう目に遭ってきているから特に色欲の類の視線には鋭くなっていると思うが。
気分転換に来たというのに……気が立ってはならんな……ゆっくりと出来る場所……
あぁ公園がある、ここで暫く日向ぼっこでもしていれば良いかもしれんな。
見上げる空は青く透き通り、燦々と輝く太陽が暖かな陽気をもたらしてくれる。
公園の中からははしゃぎまわる子供の姿と保護者の姿……ランニングに勤しむ老若男女。
しかし、それだけではないな……公園のベンチに寝転がる身なりの汚い男が転がっていたりする。
憩いの場でもあるが……家を失った者がたどり着く先でもあるか……
妖魔の驚異に晒されるようになってから少なくない土地が封印指定になっている。
当然生活圏、生産地点等も縮小している……となれば失業者等も増える。
生活保護等の保障も揺らいで立ち消えとなっていて……この様な者たちは野垂れ死にするか……
こうして身を寄せ合い乞食をして耐え忍ぶしかない……
「なんだ、俺たちは見世物じゃねぇんだぞ」
「……すまない」
飢えと寒さに追いやられているこの者たちは相当気が立っている……
他の家族連れ等はもう慣れているのか……適当にあしらったり無視していたり……
中には足蹴にする者も居る……あまりよろしくないな。
まぁそれも無理ないことか……浮浪者達の目を見れば……それこそ妖魔のそれと変わらない。
色欲に濁りきった目だった……長居するものではないな。
だがまぁ、放置してはそれこそ妖魔が生まれる原因にもなる……どうしたものか。
公園を出た後はふらふらと街を散策し……日が暮れ始めた頃に帰路へ。
ほぼ変わらない現世の姿にホッとした反面……妖魔の影響というのも大きく感じる所だった。
負の方面へと落ち込んでいく人間は時に妖魔以上に厄介なことになる。
人通り少なくなった道に妖魔が出ることは少ない。出るとしてももっと日が落ちた深夜だ。
「……」
「へへ、上玉だ……」
すれ違った男にあっという間に手を取られ……路地へと連れ込まれた。
身なりは見窄らしく食うに困っていると見る……
困窮する日々から生じたストレスを私で晴らそうという算段であろうな。
ほんのりと香るのは妖気……このまま放っておけばこの男は妖魔に成る。
……人間から妖魔に墜ちるという例は少なくはない。
成りかけのこの男の腕力も相当なものだ……抜け出そうにも抜け出せん……
「……あんまりにもスケベな身体してるお前がいけねぇんだからな」
まぁ、まだ普通の男に抱かれるだけ……マシと思うか。
この様に男に襲われるというのを考慮していなかった私にも非があると言えばある。
平和と言われていた日本でもその手の犯罪が無いとは言い切れない。
路地の壁に背を押し付けられ……両腕はそれぞれ握られ……
どうするべきか……対応法は2つ。巫術で滅する。完全に堕ちきっていないならば助かるだろうが……
もう一つは……今抱いている劣情を受け止めてやり負の感情をどうにかする……
穏便なやり方は後者だが……どちらもその場凌ぎにしかならない。
両腕を抑えられたとして……まだなにもされては居ない……
この男は私を退魔巫女としてはまだ見ていないはず……ただの非力な女とだけ見ていよう……
「昼間からツケ回してて正解だったぜ……へへ、へへへ……」
あぁ昼間に感じたのはこの男だったか……今にしてみれば妖気も感じていたか。
ただ、今見ているのは私の胸か……
「ご奉仕だけで満足してはくれぬか?」
「へ、へへ……満足させられるなら考えてやってもいいぜ……」
「ん……すこし横になるが良い……」
穏便に済ませ、この男の鬱憤を晴らし……なにより咥える事なき事……
そうなれば出来ることはコレだ……授乳手コキ。
私の母乳で腹を満たしつつ……下のほうもスッキリとさせるのであればこれしかあるまい。
日を追うごとに性的行為への忌避感がなくなりつつあるが……
まぁ、今日のこれはある意味では討魔行為とも言えなくもないか。
男が喜ぶ方法なぞ分かりきっている、反応をみていればおそらくは満足してくれるだろう。
「どうした、呆けていないでまずはココに頭を乗せるが良い」
「……いや、ちょうどいいか」
一瞬迷うような素振りを見せたな……善性は失われていないと見た。
ならばこれ以上過ちを犯さぬように誠心誠意……すっきりとさせてやろう。
「ほれ、吸うといい……」
「……なんだこの……うめぇ」
膝枕の体勢に移ればシャツを捲りあげてまずは乳を吸わせてしまおう。
美味いと一言つぶやいたと思えばソレ以降は……おとなしく吸っている。
こうなれば可愛いものだ、いくぶん快楽を感じてしまうが……我慢できなくはない。
あとは下の世話だ……ズボンのファスナーを下ろしてしまい……中からペニスを出して扱く。
簡単だが快楽に耐えつつ……的確にこの男のツボを探って刺激してやらねばな。
まぁ、他人に扱いてもらえたらそれはそれは気持ち良いだろうがな。
「好きなだけ私の手に出すと良い……辛かったな……」
「……」
鼻をすする音が聞こえた、この社会の理不尽さに揉まれただけの可哀想な男だ。
少しばかり、甘やかしても良いだろう……
ちゅぱちゅぱと赤子のように吸う男に今は邪な感じはない。
バキバキに勃起したペニスを指でしっかりと包んでつまみ上げていくように刺激してやり……
時には筋に沿って指を滑らせ……先端を弄んだりとしてやればすぐに掌に種が吐き出された。
妖気もそれに合わせて減ったように感じる。
その後、満足いくまで私の母乳を吸って精液を吐き出した男は憑き物が落ちたかのようにスッキリしていた。
私に平謝りした後に警察に自首しようとしたが……私が見逃すことにして不問とした。
……これは報告にあげて組織としても考えてもらわないといけないかもしれないな。
なお翔鶴にはしこたま説教された。当然といえば当然か……足が……しびれた……!
陵辱を期待した方には申し訳ない。