※この作品はR-18です。

浄魔巫女信濃   作:ムメイ

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蟲、其之生命力ヲ畏レヨ

「ぬぁぁぁぁぁ……」

 

起きてからしゃきっと目を覚ました後壮絶に悶ていた。

寝ぼけた頭だったとは言え内に宿る信濃を産んでも良いかもと思ってしまっていた。

いかーん、完全に女のソレになってはいないか?

というか自覚してみれば思考が完全に女に近くなっているぅ……!

動作的な所はまだ若干女寄りになった程度ではあるが……!

 

「ぬぉぉぉぉぉ……」

「さっきから何を悶ているんですか……まったく」

「私のアイデンティティのゆらぎがぁぁぁぁ」

「知らないです、それより今日の指揮官の仕事はなんです?」

 

身体が凄まじい惨状になっていたのでシャワーを浴びてからというもの悶続けていたので翔鶴と綾波が見に来ていた。

当然私の仕事は今日もある、今日割り当てられている仕事は妖魔の中でもとりわけ弱い。

数だけはかなりの数を誇る蟲系統の妖魔になる。

淫虫等と呼称される者たちでその繁殖方法も蟲由来で妊娠させられるリスクは少ない。

ましてや護衛に綾波が来る、よほどのことが無い限りはエロには発展することはあるまい。

一度落ち着こう、落ち着かねばそのよほどの事になりかねん……!

 

「ぬぉぉぉぉ……」

 

しかし、一度燃え上がった羞恥の炎は鎮火する気配がありはしない……ぐぉぉぉ……

できることならばこのまま布団でミノムシのように包まっていたい……!

一度眠って……眠って……

 

「はい、そろそろお仕事行ってください」

「あぁん……あ、まて綾波、足を引っ張るでない、歩く、歩くからぁぁぁぁ」

「きびきび働くです」

 

布団に包まろうとした私は翔鶴に無理やり剥ぎ取られ綾波に引っ張られる始末。

ただ綾波、お主がキビキビ働けというのはなにか違和感があるぞ!

あぁぁぁぁずるずる擦れるしっぽが痛むからやめてくれぇぇぇぇ……

 

 

「指揮官、気をシャンとするです」

「……んむ」

 

引きずられる形で出向いた私はまず説明を受けた。

今回の討滅対象は蟲……と言って良いものか?ヒルだ。

大きさは全長40センチ程、太さは私の乳輪より二回り大きいと聞く。

その性質はヒルの時よりあまり変わりない。生物の皮膚に取り付いて噛みつき生き血を啜る。

その他男であれば愚息に吸い付いて天然オナホ、女であれば胸に吸い付いて搾乳……体液であれば何でも良いようだ。

そして満腹になれば腹に卵を蓄えて産み付け繁殖する。

卵から一気に8は産まれてくる繁殖能力の高さも引き継いでいる。

ただよほど増えない限りは人の住む場所には来ない。

住む場所は暗くジメジメとした所が多い、湿地の沼の中だったり下水システムの中だったり。

ただ増えてくると人の住居に顔を出してくる。

機動力は無くその図体が故に隠れることもままならない。

人間を吸血するには至らないケースが殆どだ……万が一に吸い付かれても貧血を起こす程度で済むパターンもある。

無論これも初期段階であれば、だ。

 

「確認された数は24……更に増える可能性はあるな?」

「はい、です」

「焼き払おう……」

「万が一のときは綾波がすぱっとするです、大船に乗った気分でいるといいです」

 

退魔巫女に討滅依頼がくるレベルというと吸血犠牲者がでかかっている。

貧血で倒れた所をさらに食いつかれたら……その先に待つは失血死だ。

 

「しかして、この下水システムを逆流するのは気分が良いものではないな……」

「そこは慣れです」

 

悪臭漂う下水の中に歩を進める事になった。

人が出した老廃物や汚物を糧にしている妖魔も居る。

それらを狙って生活圏を下水に移動させている蟲も居るという。

ヒルの他にはナメクジ、タニシ、アメーバ……まぁ似たりよったりだな。

今回滅するのはヒルが主目標になっているが……他も滅してしまって良い。

それら全て人の生活圏に出てくれば害をもたらすだけだ。

 

「待つです、指揮官……これ、注意です」

「ん?足元に何が……おぉ、これは強烈な……」

 

なにか大きめな卵の殻が落ちていた大きさは大凡……100cmと行った所。

そのサイズの蟲が少なからず居るというのが判明した。

大挙して襲ってくれば……その絵面のインパクトは相当だ。

なにより鳥肌がたって仕方なかろうな……

 

「多分これは蝿系です、卵産み付けてくるです」

「精液まで叩き込んでは……来ないよな?」

「報告例は少ないです」

 

少ないというだけで叩き込むこともあるということかー……

一気にリスクが上がったような気がするが……

 

「ともかく警戒です」

「んむ、後方は任せる」

「はいです」

 

入ってすぐにとは思わなんだ……警戒レベルをあげねばならん。

敵対対象の気配はまだまだ無いが……

 

「うひっ」

「……ふつうのナメクジ、です」

「……コイツらも妖魔の類ではないよな?」

「普通です、普通。指揮官のでっかいおっぱいに降ってきたのは偶然、です」

 

胸の谷間にポトポトと落ちてきたのは至って普通のサイズのナメクジだった……

だが、警戒が完全にダメダメなのが……表に出てしまって私としては意気消沈。

オマケにねっとりとした感触が残っていて非情に気持ち悪い……

 

 

 

歩を進めれば出るわ出るわ害虫の数々……中でも精神的に来るのは……

 

「……」

「指揮官、良い加減に慣れるです。それでも元男ですか?」

「もともとアレは苦手だ……」

 

カサカサと動く台所に潜む悪魔、ゴッキーだ。

男であった意識がかなり強かった時でもこれには悲鳴をあげていたと思う。

生理的嫌悪感でいえば性行為も同じようなものだが……

方向性が違うのだ、アレはとにかくダメなのだ……

燃やしても燃やしてもしぶとく生きているのがこっちに飛んできたり……

 

「うぉぉぅ……」

 

思い出すだけでも鳥肌がたって身震いしてしまう……

これが妖魔化していないただの蟲だった場合が最悪だ。

私が主に扱う焔火は妖魔に対してのみ効果を発揮する巫術だ。

つまりただの蟲相手にはなんの意味も持たないエフェクトにしかならん。

 

「ん?おぉ……これは……」

「うわ、すごいです……大繁殖してるです……」

「あの奥に見えるのは……」

「人の死体、です。血肉を啜り続けてるです」

 

苔が生えたコンクリートの壁が一変、卵でびっしりと覆われた様相に……

道中も何かしらの卵が見られたりはしたが……ここまでではなかった。

大繁殖しているのは間違いない、生まれ落ちて間もない個体も居る。

そしてその餌となっているのは……恐らくは犠牲になっただろう男性だ。

 

「燃やすか、見るに耐えん……」

 

気持ち悪さは飲み込んで……今は焼き払おう。

肌で感じるこの感じは間違いなく妖気……確実に人を食らってその力を増している。

なにより……死して尚貪られるこの男が憐れでならん……

私が持ちうる最大火力で即座に焼き払おう……

 

「おぉ、すごい火力……」

 

何も悪条件は無く万全の状態で振るう火力は斯様な蟲には過剰とも言える。

より良く発揮させるために腕で薙ぎ払いながら術の行使に入る。

ごぅ……と音を立てて蟲達は火に包まれのたうち回り……

 

「おっと、危ないです」

「……すまん、助かった」

 

もがきながら汚水に飛び込む物が多いが中には私に向かって飛びかかってくる物も居た。

汚水に飛び込んでも巫術の火は消えることはない。

生き残る術があるとするならば私に取り付いて霊力を吸い上げて延命を図る他あるまい。

それを本能的にわかったのだろうな。私一人であれば反応出来ずに吸い付かれていたかもしれん。

しかしながら今回は綾波という心強い護衛が居る。一太刀振るって切り落としていく。

 

「周辺警戒」

「ばっちりです」

 

数は多かったとは言え直様に死滅してしまうような蟲だ。

恐れるに足らず……だが、警戒はしなければなるまい。

 

「……今家族の所に帰してやろう、辛かったな」

「先導するです」

 

綾波が警戒しつつ前を行ってくれる。

さて、私はこのヒルに食われていた亡骸を運ぶとしよう。

専門部門が祓った後に出来得る限り綺麗にして家族の所へ帰してくれよう。

 

 

帰還してから報告をあげた……綾波がある程度は数えていた。

焼き払った数は夥しく一時敵には蟲の被害は無くなると予想された。

して、良い知らせがあった。身体に馴染んでしまった術の解呪方法がわかった。

それを実践するために翌日から動くことになる。

強制的に妊娠後は産むなどというのは御免被る。

どの様な事になるかは……なぜだろうか楽しみなのだがソレと同時に不安な気分にもなる。

胸騒ぎがしてならぬ……

まぁ今は昼寝としゃれこもう……くぁ……眠くて仕方ない。

 

 

綾波を下がらせて昼寝と洒落込んでいた私だった。

しかして身体に違和感を覚えて目が覚める……

 

「お、おぉ……!?」

 

なんと殲滅したと思っていたヒルが何故か私の両胸に吸い付いていた。

びちびちと蠢くそれは随分と母乳を啜っている様子ででっぷりと肥えていた。

無論、それに応じた量の霊力を吸い上げられていた。

どういう事なのか……と困惑したがその理由も直ぐにわかった。

着物の帯に紛れ込むように卵が産み付けられていた。

小さなそれは私の体温と漏れ出る霊力を浴びて孵化、そして中に居たヒルが今こうして……

 

「く、離れ、ない……!」

 

どれだけ引っ張っても胸から引き剥がすことは叶わない。

そもそもだが乳輪に牙を立てていて引き剥がすのは至難の業。

私に残っている霊力もあまりなく……

 

「く、燃えて、しまえ……んくぅぅっ♥」

 

もうこの2匹さえどうにかなれば良かろう。

異様に吸い上げられるのは承知で巫術で燃やす……

残り少ない霊力が一気に吸い上げられてそれが快楽に感じてしまっている。

妖魔にとっては本当に都合の良い体になってしまったものだ……

 

「ふぅ……あぁ、だめだ、眠い……」

 

胸を丸出しにしたままで眠るのはよろしくないが……もうこの際はどうでも良い……

非情に強い倦怠感に任せてそのまま二度寝と洒落込む。

もう、今日の業務はありはしないのだからな……




更新がかなり遅れました。

いやはや、モチベーションが一度消沈すると再稼働させるのにうんと時間を取られます……
決してゲームに現を抜かしていた訳ではゴザイマセンヨー?
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