思わぬ合流もあった……して、これはどうしたものか……
私が調査に出れば不意打ちながら……妖魔に捕われヤられてしまった所を信濃の姉、武蔵に見られるという……
そう、姉だ……私がまるで知らないKAN-SENが出てきたのだ……
流石に私の管轄外のKAN-SENかと思われるが……最悪腹を切るほか無いか……?
……今の私は……元々の信濃とはかけ離れた存在。
内外問わず……酷い有様、乳房はもとより……穢されきった身体だ。
「ストレスで死にそうになってるわね、指揮官?」
「……オイゲンか」
「大方武蔵の出現で気に病んでるってトコロ?」
すぱっと言い切られてしまった。
実際そうなので首肯して返事とする。
心労の原因はそれだけに非ず……だが、一番はやはり武蔵の心情を見てしまう。
「そう気に病む事もないと思うわよ?」
「……そう、か?」
「ちょっとこっち来てみなさい、ちょうど指揮官はメディカルチェック呼び出しがあったでしょ?」
「む、そういえば……」
メディカルチェックついでに様子を見ようということか。
どうなることやら……武蔵のショック具合が酷ければサポートの手配もしなければ……
気も重ければ身体も重い……事後報告の書類作成をしていたが一旦手を止め身体を伸ばそうか。
あまり長く座っていては身体が凝り固まってしまってならぬ……どうあっても乳が邪魔をするのは避けられぬし
次の対策も考えようとしても考えが浮かばぬがゆえ……良い気分転換になってくれることを祈ろう。
脳裏によぎるのは他に私が知らぬKAN-SENが現れること……
私の艦隊の者とは……言い切れぬ。
仮に私の艦隊の者だったとして……記憶との剥離が酷かろうに。
それは今居る面々とて同じか……うむ……
「ほら、指揮官……いくわよ」
「急かすでない、今行く」
存外どうにか武蔵側が適応してくれているかもしれぬ。
そう信じて行くしか無い。
私達の住居として貸し出されている詰め所のリビングルーム、そこに多数のKAN-SENが集まっていた。
さしもの赤城も武蔵にはアレコレと言えぬと見ゆ。
そして私が産んだ信濃を抱えて……満面の笑みを浮かべて……?
「お集まりの様子で……ふむ?」
「あら、ご主人様……ご覧の通りで武蔵お嬢様が……とても母性溢れられているお方で」
見るからに理解る、有無を言わせず子同然に扱うタイプと見ゆ。
本気で拒めば聞いてくれるだろうが……その有り様を見ればバーサーカー(母)と似通う所が……
否、これは……真に思ってのことか?
「あら、信濃……ではなく、指揮官だと聞いているわ」
「む……不慮の事とは言え……」
「気に病んでいるのかしら?優しいのね、汝は……重桜で聞き及んでいた評価通りだわ」
ふむ……こちらもすぐに見透かされた……
表情筋はあまり動かしているつもりは無いが、分かりやすい物か?
「安心して、むしろ……新しい妹が出来たように感じるわ。信濃もまだ甘えたい所みたいだし……」
「む、むぅ……」
信濃は武蔵の膝の上ですやすやと寝ていた。
その姿を見れば私ではなく武蔵が母親と言っても良いようにも思える。
……負い目はあるが、それは譲りたくないな。
「……今度で良い……信濃の、その……世話というか、母とは、どうあるべきかを……手解き願えるか?」
「まぁ……それはこの子も喜ぶわよ……まぁでも、貴女の心がそうしたいと願えば……自ずと出来るものと思うわ」
「左様か……むにゅ」
「悲観的な表情はしないほうが良いわ、姉からの忠告よ」
両手で私の頬をむにゅっと挟んで変顔にしてきた……と思えば余裕たっぷりな笑み。
……これは敵わぬ、姉か……私には姉と呼ぶ人間は居なかったが……心地よいものだな。
信濃が羨ましく思える、こんな良い姉を持っていたとはな。
「指揮官様~母の予行練習をしたいのでしたら是非、この赤城が」
「いえいえ、そこは大鳳と一緒におままごとをしましょう♥」
「……おいおいな、おいおい」
おままごとをするとして私が子にされかねぬ……視界の端で挙手していた綾波も居た。
綾波を子として甘やかせる……?いかん扉が開きそうでならぬな。
「……武蔵、少々聞きたい事がある」
「貴女の母港から消えたKAN-SENの事かしら?」
「然り、この世界に迷い込んだ場合、天性のモノ無くば……」
「そうね……妾は元々刀を神通力で動かしていたから退魔は出来たものだけど……数人が忽然と消えたと話題に上がっていたわ」
……母港より消え、時間差でこちらに迷い込んでいると見ゆ。
そしてそれが武蔵にも及んだと見れば……
「手隙な時で良い、こちらに入力していただくと……」
「……?この板は?」
「……翔鶴、レクチャーを」
「おまかせあれ♪」
リストに上がっているのはほぼこちらに来ていると見て間違いないだろう。
迷い込んだ場所が場所ならば……即座に苗床になっていてもおかしくはない。
……感知できれば、良いのだが。
事態はいつも、我らに伝わるのは後手後手だ。
……新たなKAN-SENと思わしき少女が発見されたとの旨が伝えられた。
そのKAN-SENの特徴からして……恐らくは……
「ビスマルク……?なぜこちらに?」
「……指揮官、私も連れて行って」
鉄血の指導者である筈のKAN-SEN、ビスマルク。
その外見的特徴等から同じ所に行き着いただろうオイゲンは見るからに憤怒の色を宿していた。
連れて行かぬ訳にはいかぬが……ストッパー役も必要か。
「翔鶴」
「仰せのままに、ぷりぷり怒ってるのを止める役ですよね?」
「……余り煽るでないぞ?」
下手を打てば我らも揃って苗床にされかねぬのだから……
本当に……頼むぞ、翔鶴……
という訳で次はビスマルクの登場+どエッチ祭りです