人類は大きく衰退しかつての威光を取り戻す事はない。
これはもうどう足掻こうと無理からぬ事……世界各国の情勢を見ても9割方減ったのだ。
それに伴い大型機械は数を減らし……妖魔、魔物が挙ってそんな人間の文明を破壊し尽くした。
自然界に存在し得ない人間の手により生まれた物はバラバラに分解された……
……ここまで言えば分ろうか、自浄作用が無い人類に対しての大自然からの刺客こそが妖魔であり、魔物であった。
神格を得た私は……はっきりとそれを理解している……自然の集合意識はもう良いと思っては居る。
だが、そこで信託され力を得た別意識体……悟りが神と形容した者はそれを是とせず……
穢れとも言える人間とは真逆、定命を持たず強くあり……地盤が無いために儚く消える妖魔を消し去ろうとしていた。
この神なる存在は結局は……悟りが言うに「調子に乗っただけの存在」との事。
出来うることは己が"呼び込んだ"存在の消去のみ、だと言うのに信仰を貪り神になったつもりで居る。
信仰を失い消えていった神々、奇跡の代弁者達に成り代わろうとしているだけ……と。
「……して、私の所に妖魔や魔物が押し寄せる理由は……分るか?」
「少しキミやキミの眷属……って言い方は不愉快か、すまない。部下の面々の母乳を少し飲ませて貰ったんだけど……」
恥ずかしげも無く私の前で母乳を飲んだと言う悟りは……経験談も含めて見解を示した。
人の負の感情を糧に生きていた妖魔はそのままズバリ負の存在であった。
死という概念でもあり本来長く留まる事叶わないモノであった……喰らうのも死した肉。
繋がりは無く、この世に楔を打つこと適わないが故に消されていった。
だが……同じく呼ばれたが命あり人と繋がり隣り立つ我らの乳を吸い取り込んだならばそれに抗えた。
私達を依り代にし現世に楔を打った……否、命を得たとも捉えられる。
私の腹から生れた妖魔はピンピンとしている上……しばらくするとポンと人への殺戮衝動が無くなったという。
悟りも理性で押さえ込んでいた上、利用価値があるからと溶け込んでいたモノだが……抑える必要がなくなったと言う。
「つまり……生き残る術は私達に頼るほか無いと」
「保護された妖魔達の申し出は覚えてるね?」
「……労働力の提供、手を取り合うから生きるのを許せと」
「そういう事だよ、ちなみにこれは日本に流れ込んできていた魔物も同じ事が言えるね」
正直に思えばムシがいい話をするな……とも思うが、同時に胸中にあるのは……愛おしさだ。
おかしな話ではあるがな……頼られるならば保護しその力でもって人を支えて欲しいと願う。
「何らおかしいことはないよ、女神さま……キミの権能には心当たりがある」
「……ほぉ」
――――命と慈愛の権能さ
言われてはたと気付く、この身は確かにこの世界に降り立ってから人の為とどれだけ汚辱に塗れようと立ち上がってきた。
……まぁ折れそうになったことは多々あるし正直……妖魔が人を襲わないと誓えるならばこの身はいくらでも差し出す。
それだけ、妖魔に犯され陵辱による快楽の味を覚えてしまった。
そこに愛があるかと問われれば否と即断出来る……あぁ、だかこそ命と慈愛なのかもしれぬ。
ただの一度たりとも中絶というのを意識したことはない……孕んだ以上は産む他にないと。
結局……あの元老魔も滅するとは息巻いてはいたが……実際に相見えたとして、どうであろう……
信濃と同じく、母と呼ばれたら靡いてしまいそうな自分がいる。
「だが……この小さな憎しみを飲み下してこそ、かもしれぬな」
私が胸に抱いていた憎しみというのは……正直な所あやしい程には小さい。
許せるかと問われれば許せないとは言えるが……はたして、抱かれたら次は陥落しかねない。
……ふっ……と息を吐いて目を閉じて考えてみるが……んぉ……あ?
「……信濃の夢……とは違うか」
見れば見るほどに不可思議な光景が広がる……感覚としては目を閉じているのに……
包み隠すモノがない人の姿、動物……あらゆる物の姿が見える。
……私自身を見れば見慣れてしまった信濃の特盛り乳が視界を遮っている……直感的なモノだがこれは魂とも言えるモノか。
命の権能が結びついてきているのかもしれん……か。
思うがままに保護してきたが……存外、間違いでは無かったのかもしれんな。
「……全てを把握しようとしたら頭がぼんっといきそうだ……おいおい、慣れていくとしようか」
ひとまず、これを見ないようにできるようにコントロールすることから……だな。
眠るに眠れないだろうし……うむ、コントロールするに超したことは無い。
私を睨む存在も感じた、もしかすると……この世界に私を呼びつけた神とされる存在かもしれんな。
力が着実に顕現している私を警戒しているのか……はたまた……
消そうとしている妖魔を保護する動きを疎ましく思うか……
「……ふっ、伊邪那岐命と伊邪那美命のようだな」
肩をすくめて……すこし私一人で妖魔が巣食うだろう場所に散歩感覚で参るとしようか。
権能も含めて私の全てを……試したい。
綾波めを側に待機させるように手配すれば心配もするまい……
ざざん、ざざん……と寄せては返す波……んむ、海辺だ。
少し前までは出れば即座に取って食われるとさえ言われていた死の象徴。
……命を湛えた母なる海に向けられる物では無い……が、そうなっていた。
川でもそうだったが……KAN-SENの基本技能なのか水面に立つ事ができた。
これは慣れたモノでは無いが……自然と出来てしまうモノだ。
ん……む……少し息を整えてみれば自然と分ってしまうな。
知覚するよりも息をするように感じてしまう……腹をすかせた妖魔の気配。
そして……存在を消されようとしていて焦りに焦っている生存を乞うモノの声……願いとも言えようか。
中には残念ながら悪意の刷り込みが消えたとて人に害を為そうという命もある。
……その願いに耳を傾ければ随分と身勝手なモノだ。
私が盲目的に妖魔を助けると思って驕っているようだ……これはならん、これは助けてはならん……
……自然と願いを聞き分け、理解している……これが権能の一端か?
「くぉ……♥なんだ……ふふ、あまり慌てずとも良い……こんな小さな海の妖魔もいたのか……」
乳房にぴたりと張付いたのは人の頭ほどには大きいヒトデ……妖魔として見れば小さいモノだ。
これが願うは純粋な生存……混じりけは無さそうに思う。
ふむふむ……こういった類いの願いはあまり肌に食い込まないと言うべきか……トゲが無いと言うべきか……
妖魔の判別には丁度良いかもしれんな……
食らいついてきたヒトデを撫でつつ……海面の下に意識を向ける。
物理的には見る事叶わんが……欲望を抱えたモノが見える……
クラゲがすぐ側に迫ってきている……コヤツは……このヒトデと同じか。
ならば……良かろう、私と繋がり、力を啜り……定命の物と縁を結ぶがよい……
ざぱぁ……と海面から半透明の触手が浮かび上がる、両腕を縛り……M字に開脚させ拘束していく……
振りほどこうと思えば出来る……が……そうするにはあまりにも可哀想に見える。
以前ならばびくともしなかったろう拘束が……なんとも……緩い。
這い回る触手は力強さを感じず……頼りなく、赤子や老人を思わせる。
「乳はいくらでも吸わせよう……種を出したくば好きにするがよし……人類と友となるならば……それを許そう」
言葉は通じる……クラゲの触手がより多く……ぉ……ふ……♥
これは少しばかり……理性が溶けるかもしれん……♥
二ヶ月まるっとほったらかしになってた……とは……
ボチボチと権能にも順応させていってうん……だいぶぶっ壊れた権能を開花させていって
んでもって、この世界の平穏とドスケベの旗印になってもらいましょう♥
次の話でクラゲやら海の生物とエッチしまくってダメそうなヤツやまだ人間なんて餌っておもってるヤツに対する処遇とかも書いて……
そんでお終いですかね。オーバータイムでいろんなKAN-SENと適当な妖魔との絡みとかを書いていけたらなーと考えてたり
Q:なんで遅れてんだよ
A:ほしいも返礼……いっぱいいっぱいなんです……