イリヤちゃんと立香くん 作:□リ
前話と同時投稿です。
その日は疲れたのか、お風呂からあがった後は二人そろってすぐにお布団に入って寝てしまいました。
そして、それが立香くんと過ごした最後の時だったのです。
翌朝、目が覚めるたときにはもう、立香くんは立香お兄さんに戻っていました。一緒のお布団で寝てたから、目が覚めたときには大騒ぎです。
それから落ち着いて話す暇もなくダ・ヴィンチちゃんから通信が来て(通信機を放り出してすっかり忘れていたのを怒られてしまいました……)、カルデアへと帰還しました。こうして、予期せぬ温泉旅行も一日で終わりとなってしまったわけです。
帰還後、マスターさんに何が起きていたのかをダ・ヴィンチちゃんから教えてもらいました。
なんでも、おかしな薬のせいで幼児化したのみならず、周囲の人間から向けられる感情を極端かついびつに増幅する状態になっていたんだとか。どうしてそんなことになったかというと、詳しい話は聞いてないけど、パラケルススさんとアスクレピオスさんと大人のギルくんとイシュタルさんとジャガーマンさんとカレン先生とドーマンさんが関わっているそうです。はい、これだけでもうお腹いっぱいです。多分わたしは知らなくていいやつです。
ただ、これでわかったことが一つあります。
…………そうだよね! どう考えてもわたし、おかしかったもんね!? わたし、あんなにえっちな子じゃないし!!
裸を見せつけたりとか、お、おちんちんを触っちゃったりとか、それに、それに、あ、あんなこと!まで、普通なら絶対にするわけないしぃーっ! ううううう……うわああああん、恥ずかしいよぉおおおおお!! 全部、全部お薬のせいだったんだあああああっ!!!
はぁ、はぁ……。でも、思い返しても、嫌だったとか、後悔してるとかは、ないんです。
お薬のせいでおかしくなっていたんだとしても、とても幸せな気持ちになったのは本当だし、正常な状態じゃなかったとしても、立香お兄さんの普段は見られないような姿を見られたのも確かだし。一緒に楽しく遊んで、ちょっと(どころじゃないけど)えっちなこともした、たった一日の温泉旅行は、いつまでも憶えておきたい良い思い出です。
ただ、立香お兄さんは何も憶えていないそうです。気がついたら見慣れぬ和室で、窮屈な浴衣を着てわたしと一緒のお布団に入っていて、大変驚いたんだとか。
この思い出も、わたしの初めても、わたしの中にしかないと思うと、とても寂しくて泣きそうになります。
おまけに最近、あの温泉旅行より戻ってきてから、立香お兄さんに避けられているような気がします。話しかけてもどことなくよそよそしいし、すぐに用事ができたってどこか行っちゃうし。わたしの考えすぎなのかなぁ? 寂しいよう……。
だから、わたし、決めました。今晩、お兄さんの部屋に突撃しようと思います! 最近の態度のこととか聞き出しながら、いっぱい甘えちゃいます!
もし、納得のいくことを言ってくれなかったら、そのときは……どうしちゃおうかな? なんてね。
これにて完結です。
この後、部屋に突撃したイリヤが大人の状態のマスターとエロいことしちゃう話の構想もありますが、現状執筆予定はありません。(いつか気が向いたら……)