俺のハーレムはワル女子だらけ 貸出ホステスと暮らす新生活 作:祐。
冷え込む龍明の朝。春が迫りつつある季節の、目に突き刺さる眩い朝日がアパートの部屋に射し込んでくる。
晴れやかとした天候の下、朝日を背に自分は部屋の片付けに勤しんでいた。
散らかっていたホステス達の寝間着を拾い集め、畳んだそれらを部屋の隅にあるサイドワゴンに移していく。そうして、ベッドの上や床などに脱ぎ散らかされたラミアやメー、レダやシュラの衣類をそれぞれまとめながら置いていく中で、ちょうどラミアの物と思われる紫色のショーツを手に持っていた時にも、膨らみのあるネイビー色のマウンテンパーカーを着用する冬服姿のメーがその言葉を投げ掛けてきた。
「あぁ待ってカンキ君、それたぶん洗うやつかも?」
「え、洗うやつも脱ぎ散らかしてあるの……? せめて洗濯カゴに入れておいてほしいんだけどなぁ……」
「あーごめん、私いま適当なコト言った。本当は私も分かんない。まーでも、女の私生活ってそういうとこあるからさー、とりまカゴに入れちゃいな。……はは~ん。それか、あれだなー。敢えて使用済みを、カンキ君の目に見える場所に置いておいたって線も考えられるかもなぁ~?」
「? わざわざ、何のために?」
「決まってるでしょ~。カンキ君に“使ってもらうため”」
「…………ミネとの同伴を控えているから、あまり意識させないでもらえるかな? ……その、我慢できなくなるから」
「あは、ゴメーン」
してやったりな、悪戯な笑み。完全にメーの思う壺となった自分は少しだけムラッとさせながらも、手に持つショーツを洗濯カゴに移すべく洗面所へと歩き出していく。
と、それとほぼ同時にして、目の前の廊下からは冬服姿のレダが歩いてきた。
冬という季節に着こなす、黒色のワンピースとアイボリーのニットのアウター。艶やかに歩いてきた彼女と思いがけず鉢合わせになると、次にもレダは色気を伴った魔性の笑みでこちらへと喋り出してきたものだ。
「あらぁ、カンキ君。……さてはあなた、もう既に興奮しているでしょう? 今もよぉく感じるわよぉ。あなたから香ってくる、隠し切れないほどのとびっきり強めなオスのニオイ。ミネとの同伴前に、こんなに獣みたいなオス臭い匂いを放っちゃって。高校生相手に欲情でもしてしまったのかしらぁ? カンキ君もオトコのコねぇ」
「いやいやいや! この気持ちはまた別件のやつだから、ミネに興奮は誤解だって……!」
「冗談よぉ? 冗談。分かってるわよ、そんなことくらい。今も香ってくるラミアのニオイで察しがつくもの。もう、ホンキで焦っちゃって。本当に可愛いんだから」
感覚が鋭いレダに一瞬で見抜かれた高揚感。これには思わず羞恥を感じざるを得なくて、自分は俯き気味に照れてしまう。
そんなやり取りを交わしてから、レダは上半身を逸らすようにしてこちらから顔を出しつつ、奥にいたメーへと声を掛けていった。
「メー、待たせてごめんなさぁい。身支度が済んだから、いつでも行けるわよ~」
「あーい。んじゃあ私達はお邪魔にならないよう、さっさとここから出ていきますかっ」
勝気な調子で喋るメーは背伸びしながら歩き出し、彼女に続いてレダも玄関に向かうよう歩み出していく。その二人の姿に自分は申し訳ない気持ちを抱きながら、それを口にしていった。
「せっかくお昼のシフトまで時間があるのに、部屋でゆっくりできなくさせてごめんね」
家デートという名目で、ミネとの同伴の予定が入っていた自分。そして、その同伴はこの部屋で行われるため、今日、泊まっていたメーとレダは、そんな自分らの邪魔にならないよう気を遣って、これから二人で外出する用事を入れてくれていた。
とは言え、予定に関して二人はほぼノープランだったこともまた事実。そのため、これは本当にただ気を遣ってくれただけの外出でもあったのだ。
朝から準備をしてくれたメーとレダに感謝を抱きつつ、頭を掻きながら言葉を口にした自分。これにメーは「いいっていいって、そんなこと気にしない気にしな~い」と気楽な調子で答えてくるのだが、それを喋りながらこちらの真横を通り過ぎたところで、彼女はふと思い出したように振り返ってから駆け寄ってきた。
「あ、そうそう忘れてた。カンキ君ちょっと。スマホ貸~して」
「スマホ? いいけど、何に使うの?」
「いいじゃんいいじゃん。変なことには使わないからさぁ~。ね?」
メーのことだから、ちょっとだけろくなことにならなさそうな気がする……。
何となくよぎってきた、嫌な予感。だが、自分は渋ることもなくポケットにしまってあった端末を取り出して、それをメーに手渡していく。そうして彼女はスマホを受け取るなり勝手に操作し始めていき、この様子を他所にして、レダはレダでメーへと歩み寄りながら、艶やかにその話を持ち掛けていった。
「メー、シフトまでけっこう時間が余っているものですから、駅前に足を運んで適当な色男でも見繕いましょう? わたしとメーの好みのオトコを、一人でも、二人でも適当に引っ掛けて、そこら辺のホテルで軽めの運動でも済ませちゃいましょうよぉ」
「ん~? だったら私ショタが良いなぁ。手頃な思春期のガキンチョでも拉致ってきてさ、私とレダでその子の性癖をどんどん開拓しまくる覚醒プレイでもしない?」
「あら、そう言われると、たまにはコドモの相手も良い気がしてきたわね。それじゃあ今日は、保健体育の野外授業ということでちょうどいいオトコのコを賄うとでもしましょうか。……ウフフ、発育途中の身体だなんて、メーと一緒の時くらいにしかお目にかかれないものですから、なんだか新鮮に思えてきて急にアソコが疼いてきちゃったわぁ。メー、わたしもうガマンできないかも。早く手頃なショタのコを探しに行きましょう? そして、わたしとメーでそのコの先っぽから根本までの全てをしゃぶり尽くしましょうよ~」
何という会話をしているんだこの二人は……。
さすがは犯罪の温床。龍明の恐ろしさを間近で体感する自分の目の前では、今もこちらのスマホを操作するメーが佇んでいる。かと思えば、彼女は「できた!」と声を上げながらこちらへと端末を返していき、その際にもニヤニヤした勝気な笑みを零しながらそれを口にしてきた。
「はいおっけー、ありがとーカンキ君」
「あぁうん。何か調べものでもしてたの?」
「調べものっていうか、私イチオシの映画を登録しておいただけっていうか」
「映画を登録?」
そう言って返された端末には、ストリーミングのサービスである動画サイトの画面が映し出されていた。
サイトの名前である、『Amazing Prime』の文字。普段からよく使うそれを目にした自分は、今も画面に映っている『愛玩』という実写映画のタイトルを眺めながら、メーへと尋ね掛けていく。
「メー、これは?」
「ここ最近で私が一番オススメしている映画だよ? 若き男女の純愛を描いている作品なんだけど、ドロドロでゲロ重で、だけど二人の淡くて複雑な恋心がついついクセになっちゃう、ちょっとビターでほんのりえっちな大人のラブストーリーって感じの映画かなぁ。同伴で観るにはハードル高いかもだけど、見応えは十分あると思うからさぁ、良かったらミネと一緒に楽しんでくれたまえ~」
「へぇ、メーのオススメか。恋愛ものには疎かったから、こうしてオススメしてくれると本当に助かるよ。ありがとう、メー。ミネと一緒に観てみるよ」
「ほいほーい! 帰ってきたら感想聞かせてねー。んじゃ、そういうことで私達は行きますか~」
もう、既に一仕事を終えたかのような雰囲気を出しながら、メーはやり切った満足げな表情で玄関へと歩き出していく。
その彼女に続いてレダもそちらへ向かい出していき、レダはこちらに振り返るようにしながらも、「ウフフ、それじゃあ行ってくるとするわ。カンキ君はわたし達のことを気にせずに、ミネと二人だけで過ごす時間を堪能してちょうだいね?」と口にしてから、玄関へと歩き去っていった。
そんな二人の背を見送りながらも、自分は「二人とも、色々とありがとう! メーとレダも気を付けて行ってきて!」と言って、スマホを持つ手を軽く振っていく。そうして部屋を後にした彼女らを見送ってからというもの、自分はそう言えばと持ったままのラミアのショーツに気が付いて、それから、直にも部屋に来てくれるミネのことを思い出してから、自分は少女を残念がらせないように再び掃除へ取り掛かったものだった。
時刻は昼前。昼食をとるにはちょっとだけ早い、午前の時間帯。近所から香ってくるカレーライスのそれに腹を空かせる中で、ふと部屋のインターホンが鳴らされた。
すぐにも駆け付けて、玄関扉を開けていく。そうして目の前に佇むミネと向かい合いながら、自分はその言葉を掛けていった。
「いらっしゃい、ミネ」
「ん」
白色のフード付きコートに、襟付きの黄色いニットベスト。白色のミニスカートに膝丈までの白色ブーツというその格好は、少女の勝負服として馴染みがあった。また、提げている茶色のショルダーバッグは学校の鞄の要領で肩に掛けており、首に巻いた黄色のマフラーと、両手をコートのポケットに突っ込んだ佇まいでミネはこちらを見つめている。
不機嫌そうな表情は相変わらずで、鋭くも様子をうかがう視線を向けていた。そんな少女の訴え掛けに自分はうっかりしていたと言わんばかりに息を呑んでから、やり直すようにもう一度その言葉を投げ掛けていく。
「あぁ、いらっしゃい。菜子ちゃん」
「ん……。お邪魔します……」
視線を逸らし、ちょっと口を尖らせながら喋る菜子。少女を招き入れるように自分は扉を開いていくのだが、そんなこちらへと菜子はそれを口にし始める。
「ねぇ、カッシー。その……お、おやつとか、足りてたりする?」
「おやつ? あぁ、まぁそれなりに買い足しておいたけど……」
と、少し答えてから自分は口を止め、言い直すように再びそれを喋り出していく。
「……でも、ちょっとスナック菓子系で偏りが出ちゃったかもしれないから、チョコレートとか、そこら辺のを買い足してもいいかもね。今日はせっかくの同伴だし、贅沢しちゃおうか」
「ん、カッシーがそう言うなら、まぁ……」
「それに、菜子ちゃんのその姿を周りの人達に見せびらかしたいし」
「そ、そういうのはいいから……っ! ねぇ、行くなら早く行こ……!」
張り切って着込んだ、渾身のコーディネート。せっかく身に着けたのだから、ちょっとだけ人目でお披露目したい。
菜子の思考を読み、こちらから提案したこの言葉。少女の性格に沿ったエスコートを何よりも重要視していた自分は、既に出掛ける準備も済ませてあった今の格好で外に出て、手際よく玄関の鍵をしめていく。
そして、自分から手を差し伸べながら、「同伴だし、手でも繋ごうか?」と言葉を掛けていった。
こちらの問い掛けに対し、菜子はちょっとだけ複雑そうな顔をしながらも、「……カッシーが言うなら、じゃあ……」と言って、コートのポケットに入れていた手を出してくる。その純情なる可憐な手を取り、自分は「ありがとう。それじゃあ、軽くお散歩でもしながらコンビニにでも行こうか」と伝えてから、少女を優しく導くようにして歩き出していった。
龍明の町中を軽く歩き回り、菜子という自慢のホステスを見せびらかしてから自宅に戻ってくる。それから、手に提げたビニール袋をベッドに置き、自分と菜子は家デートという名目で同伴を開始したものだ。
テーブルの上に大量の菓子を用意し、スマートフォンのアプリで遊びに興じていく自分ら。ダウンロードした将棋やオセロ、ソーシャルゲームなどを緩めのノリでプレイしていくその時間は、まるで小学生に戻ったかのような気分だ。
二人で童心を思い出し、大人げなく笑い合いながら菓子を摘まんでいく。そんな流れを暫し堪能していくと、次には菜子の最近の愚痴や悩みを聞く場面へと移行していった。
不満げな表情をする菜子が、菓子を頬張りながら不機嫌そうに話す姿。その見た目がちょっと面白く、なんだか可愛いなとも思いながら少女の愚痴を傾聴する自分。
時には、菜子の口元についた菓子を手で拭ったりなんかもした。こちらの行為に菜子は不愉快そうな顔を見せてくるのだが、それは直にも照れ臭さの赤面へと変化して、小さい声でボソッと「……ありがと」なんて言葉も口にしてくる。
菜子の仕草や、何気ない言動。その数々に萌えというものを感じてしまった自分は、内なる静かな興奮を抑えながら、それを隠すように菜子と接していたものだ。
……親戚という実の身内に対しても、このような感情を抱いてしまう自分が嫌になる。だが、この自己嫌悪とは裏腹に、蓼丸菜子という一人の少女に、淡い気持ちを抱いてしまっていたこともまた事実。
ダメだ、柏島歓喜。相手は親戚の女の子で、それもいたいけな女子高校生だ。このような
何としてでも堪えろ、柏島歓喜……ッ!!
オスの本能へと言い聞かせる自分。そんな葛藤に苛まれている最中にも、女の子座りをしている菜子は、こちらの顔を覗き込むようにしながらそのセリフを投げ掛けてきた。
「カッシー? どうしたの?」
「あ、いや。何でもないよ!」
「そう? なんか苦しそうにしてたから、どうしたのかなって」
「大丈夫、大丈夫! えっと、それで今は何の話をしてたんだっけ」
「え? お店であったウザい事を話してたんだけど。やっぱ話聞いてなかったんじゃん。なんか、今日のカッシーは、カッシーらしくない。平気なフリでもして、ホントは具合悪いんでしょ」
そう言って菜子は、平然としたサマで顔を近付けてくるなり、自身の額をこちらの額へとくっ付けてきた。
……少女の温もりが伝ってくる。この何気無い行為に、自分は不意を突かれたように心臓の鼓動を早くさせていくのだが、それは本人もまた同じ思いだったらしく、自身の行動に今となって気が付いてから、菜子は機敏な動作でこちらから離れつつ顔を赤く染めていく。
……ものすごく、気まずい空気が流れ出した空間。それも、二人で黙りこくったこの状況に余計と気まずさが圧し掛かり、互いに遠慮して言い出せず、暫し無言を貫いてしまう。
チクタクと刻む時計の針の音だけが響き渡る部屋の中。同時にして、内心に湧き上がっていた菜子に対する欲情で一層と俯いた自分だったのだが、意外にもこの状況で喋り出してきたのは、菜子の方だったのだ。
「……そ、その。い、今は冬だから……か、風邪でもひいたのかなって、心配に思っただけで……っ! こ、これで意識されても、ァ、アタシが困るだけだからやめてよ……っ!」
「あ、あぁ、だ、大丈夫だから落ち着いて……!」
「だ、大丈夫だから……? ……やっぱりカッシー、アタシのことなんかどうだっていいんだ……っ」
「あ! いやいやいや!! 今のはそういう意味で言ったわけじゃなくて!!」
ふ、複雑ーーーーッ!!!!
内心で叫び上げながら、菜子を慰めるように背中をさすった自分。そんなやり取りも交えながらも、落ち着きを取り戻した菜子と再び同伴を楽しむため、自分は思い出したように少女へとその提案を持ち掛けていった。
「そう言えば、メーから映画をオススメされたんだ。恋愛ものらしいんだけど、菜子ちゃんは恋愛ものって好き?」
「ん、まぁ。カッシーが観るならアタシも観る」
「じゃあ、モニターに繋いで観よっか。メーが言うには、ちょっとドロドロとした内容らしいんだけど、見応えがあるから良かったら観てって勧めてくれたんだ。気分が悪くなったら、お菓子を食べたり別のことをしよう」
「うん、そうしよ」
流れを変えるための話題として、非常に役立った。
メーから勧めてくれた映画を思い出し、早速と活用させてもらった。そのままスマートフォンの画面をモニターに映し出してから、自分らはお菓子を用意した万全の状態で鑑賞会へと臨んでいく。
表示された、『愛玩』のタイトル名。名前からして少々と不吉な予感がするその映画は、メーの言う通り、非常に濃厚かつ欲望に塗れたハードな恋愛ものの映画だったと言えるだろう。
主人公の青年と、高校生の女の子が恋に落ちる物語。だが、プレイボーイな青年と、一途な女の子の気持ちはなかなか嚙み合わず、衝突というよりは、想いのすれ違いで二人は苦悩してしまう。
二人が恋に落ちてから、双方の日常が崩れ始めていく生々しさ。青年は一層と肉欲に溺れ、女の子は青年に対する寂しさを紛らわすために、身体を売り始める。そうして二人は意図的に距離を置きながらも、その気持ちはやはり惹かれ合っており、この葛藤によって二人は、まるで引き寄せ合うようにどんどんと落ちぶれていく…………。
…………思った以上にゲロ重な内容だった。
終始と暗い雰囲気で、常にマイナスな言動が目立つ本作品。出だしから不穏な空気が漂っていたことから察しがついたものの、これは明らかに同伴で観るようなものではない。
あまりの気まずさに、自分は中断を持ち掛けるべく菜子へと振り向いていく。だが、そうして振り向いた先には、手に持つお菓子を食べることもなく、食い入るように映画に熱中していた菜子の姿がそこにあった。
……今までに見たこともない、真剣な表情だ。
まさか、こんなにハマってくれるだなんて思わなかった。少女の様子から、さすがはメーだなと自分は女性の感性に感心すると共にして、余計な口を出さないよう、静かにお菓子を摘まみながらその映画へと意識を向けていく。
今も映像の中では、素直になれない自分自身にひどく落ち込む女の子が映し出されていた。青年に伝えたい気持ちはたくさんあるはずなのに、緊張や恐怖、プライドなどの様々な要因から面と向かい合って喋ることができず、最後まで相槌のみを打って彼と別れてしまうシーン。
女の子は、涙をボロボロと零していた。その姿がただただ痛ましく、しかし守ってあげたくなってしまう。
なんだか、やけにリアルに感じてしまえる女の子の演技に、自分まで胸が苦しくなってきてしまった。しかし、この苦しみこそが、あの映像の女の子が抱く気持ちそのものなのかもしれない。
……世の中は広いな。もはや、悟りの領域に至った自分は、息を呑むようにしながら映画の終盤を見守っていく。
だが、ここに来て一つの問題が発生してしまったのだ。
最終的に、青年と女の子が和解して結ばれた場面。色々な困難に苦悩しながらも、それぞれが試練を乗り越えた末に迎えた感動のクライマックスシーンなのだろうが、如何せんその場所が大人のホテルであり、ピンク色に包まれた空間の中、男女はディープなキスを交わすや否や、流れる動作で行為へと至り始めたのだ。
そのシーンがまた、モザイクの無い完全無修正のそれであり、お互いに曝け出した聖域を獣のように貪り合いながら、肉欲に身を任せて二人だけのひと時に浸っていく。
喰らい、飲み込み、咥えて、吸い尽くす。えっちなシーンはあると聞いていたが、まさかこれほどまでのがっつりな本番があるだなんて、さすがに聞いてなかった……!!
ガビーン、とショックを受ける自分が、恐る恐ると横を振り向いていく。するとそこには、クッションを抱き抱えた菜子が顔を真っ赤にしながら、しかし見開いた目でしっかりと行為を見守る様子がうかがえた。
今にも鼻血を出してしまいそうな、火山のように赤い高揚感。目を逸らしたくても逸らせない少女の気持ちがよく伝わってくる中で、その行為を終えた映像にはエンドロールが流れ出していく。
……最後に凄まじい爆弾を投げ入れられた気分だ。ふぅっと一息ついてから、自分は顔色をうかがうようにしながら菜子へと言葉を投げ掛けた。
「い、いろいろとすごい映画だったね……! でも、さすがはメーがオススメしてくれただけはあったかな……? 重めのストーリーだったけど、何だかんだで最後まで観ちゃったな……!」
口元が引きつっていただろうそれに対し、菜子は目も合わせずに無言で頷いていく。だが、それからしばらくして、少女は横目で見るように若干だけ視線を動かしてから、次にも慎重な声音でそれを尋ね掛けてきたのだ。
「…………ねぇ、カッシー。覚えてる、かな」
「え? 覚えてるって……?」
「……『アタシの“初めて”は、カッシーがいい』。けっこう前に、ここでアタシがパンツ見せつけたの、覚えてる? その時に言った言葉なんだけど……」
「あ、あぁー……。菜子ちゃんが見せてくれたそれを“使わせてもらった”の、覚えてるよ。そっか、その時に……」
フラッシュバックとして蘇ってきた一場面。
そこでは、この部屋で制服のスカートをたくし上げた菜子が、『この“初めて”は見ず知らずのお客さんにじゃなくって、自分のことを理解してくれて、なんかやけに寄り添ってくれる親戚のお兄さんに捧げた方がさ、なんか良い気してこない?』と喋る姿が映し出されていた。
場面は現在に戻り、脳裏の光景から目の前の菜子へと意識を向けた自分は、確認としてそれをうかがい始めていく。
「……本当に俺でいいんだね? 今しか決められない、とても大切なことだよ」
「いいんだってば。だって今日は……そういうつもりで来たんだし」
そう言ってミネは、クッションを退けてから履いているスカートをたくし上げてきた。
黄色のショーツは可愛らしく、しかしシルクな質感が菜子の年齢と相まって、余計に興奮を煽ってくる。その、年相応なショーツを目にしてからというもの、自分は一気に昂ってきた感情と共にして、菜子をゆっくり抱き寄せるようにしながら、最後にそれを尋ね掛けていったのだ。
「分かった。……菜子ちゃんの初めてを良い思い出にするために、俺、精一杯頑張るからね。……まだお昼だけど、ベッド、行こうか」
「うん……。その……よろしくお願いします」
この昼、ミネというホステスとは初々しくも熱烈なひと時を過ごすこととなる。
自室のベッドの上にて、緊張でガチガチに固まった少女を優しく扱いながら、初めてだというキスをゆっくりと交わし合う。その不慣れな様子がまたこちらをそそる中で、焦らしながら脱がせた衣類を傍に置き、少女の未成熟な身体をインナー越しに愛でながら、暫し緩めのムードを楽しんだ。
触れることで、次第と湿気を帯びてきた菜子の“ソコ”。控えめな胸部も愛おしく、興奮気味に剥ぎ取るよう脱がせたそこからは、黒色を伴ったジャングルが現れる。
一切と手が加えられていない天然物のそれが、かえってオスの本能を掻き立ててきた。
独特に香るフェロモンで高揚し、ベッドに寝かせた菜子と、ねっとりとした長めのキスを交わし続けていく。そして、いよいよそそり立つ自分を少女のにくっ付けてから、自分は「痛かったら言ってね」と優しく声を掛け、少女の聖域へと進入させていった。
……こちらの身体を強く抱き締める少女。共にして張り裂けるような絶叫を上げ始めた少女は、上半身を反りながら声を殺すように悶絶していく。そんな菜子を必死に抱き留めた自分は、頭も撫でて、「大丈夫だよ」と何度も言葉を掛けて菜子を落ち着けようとするのだが、菜子は痛みのあまりにボロボロと涙を零し始め、嗚咽を漏らしながら、こちらをずっと力強く抱き締めてきたものだ。
熱い抱擁を交わし、少女の痛みに寄り添う自分。引き抜くことも提案したのだが、菜子がそれを拒否して、このままでいてほしいと懇願してくる。その想いを尊重し、自分はひたすらと少女を抱き留めて、少女もまたこちらを求めるよう強く、強く、強く抱き締めて、キスをせがんでくる。
次第と慣れてきたのだろうか、初めての進入に平静を取り戻し始めた菜子。それからは時々と腰を動かしてみたりはするのだが、どうやら少女はまったりとしたスローな行為を好む傾向にあるらしく、繋がった状態で抱き合いながらのキスを所望することが多かった。
少女の意向に沿い、自分は動かない行為を十分に堪能した。
あっという間に夕暮れ時を迎えたその時刻。向かい合ったまま、未だに入れたままの状態で横になる自分と菜子は、冬という季節で汗だくになるほどの情熱を共有し合った充実感から、共に睡魔に見舞われる。
頭を撫で、今日という日を頑張って乗り切った少女をたくさん褒めた自分。この言葉に気分を良くした菜子は自然と微笑んでみせると、次にもまるで力が抜けたかのように少女は眠りについてしまった。
そんな少女の寝顔を見てから、自分もまた心が歓喜する感覚に全てを委ねながら深い眠りについていったのであった。
【Chapter 5に続く…………】